投資マンションの売却は2023年が最適!手順・高く売るコツを解説

「投資用マンションを売却するタイミングは?いつ手放すべきなのか知りたい」 「投資用マンションの売却は難しい?売却手順や高く売却できるコツはあるの?」 投資目的で購入したマンションはどのタイミングで売却するべきか、悩んでいる方は多いのではないでしょうか? 投資用マンションの売却タイミングは、市場状況と個人的な状況の2軸に左右されます。

この記事は約26分で読み終わります。

目次

市場状況

個人的な状況

個人ではコントロールできない市場の流れ


マンションの価格相場

金利の動き

不動産市場の動きなど

所有物件の状況や個人的な理由


所有物件の価値が低下してきた

デッドクロスに陥っている

大規模修繕を控えているなど

市場状況は2023年の現在が、最適な売却タイミングだと考えられています。

2023年は投資用マンションの最適な売却タイミングだと言える理由

・中古マンションの価格が上昇し続けている

・新築マンションの価格と連動して中古マンション価格が上昇している

・低金利時代の終焉が近づいている

最適なタイミングをいかして少しでも高く売却するには、下記のコツを理解しておくことが欠かせません。

投資用マンションを少しでも高く早く売却するコツ

・入居者がいる状態でオーナーチェンジする

・設備のリフォームをする

・投資用マンションの売却に強い不動産会社を選ぶ

この記事では、投資用マンションを売却するタイミングと売却の手順、売却にかかる費用などをまとめて解説していきます。

投資用マンションを売却するための基礎知識だけでなく、損をしないためのコツにも触れているので必見です。

この記事を読むと分かること

・【市場状況】2023年は投資用マンションの最適な売却タイミング!そう言える3つの理由

・【個人的な状況】投資用マンションを売却するタイミングを見極める4つのチェックポイント

・投資用マンションの売却相場の算出方法

・投資用マンションを売却するときの手順

・投資用マンションの売却にかかる税金

・投資用マンション売却時の税金以外にかかる費用

・投資用マンションを少しでも高く早く売却するコツ

この記事を最後まで読めば投資用マンションを売却するべきか、判断できるようになります。納得できるタイミングで投資用マンションを売却するためにも、ぜひ参考にしてみてください。

1.【市場状況】2023年は投資用マンションが高く売却できるタイミング!そう言える3つの理由

冒頭でも触れたように、投資用マンションを売却するときは「市場状況」と「個人的な状況」の2つを念頭に置いて検討することが大切です。

市場状況

個人的な状況

個人ではコントロールできない市場の流れ

マンションの価格相場

金利の動き

不動産市場の動きなど

所有物件の状況や個人的な理由

所有物件の価値が低下してきた

デッドクロスに陥っている

大規模修繕を控えているなど

市場状況とは価格相場や金利、市場動向など、個人ではコントロールできない市場の流れを指します。

実は、2023年は市場状況においては売却のタイミングだと言われています。

ここでは、2023年は投資用マンションの最適な売却タイミングだと言える3つの理由をデータを基に解説していきます。

2023年は投資用マンションの最適な売却タイミングだと言える3つの理由

・中古マンションの価格が上昇し続けている

・新築マンションの価格と連動して中古マンション価格が上昇している

・低金利時代の終焉が近づいている

1-1.中古マンションの価格が上昇し続けている

1つ目は、中古マンションの価格が上昇し続けていることです。

国土交通省が公表している不動産物価指数(不動産の取引価格情報を基に不動産価格の動向を数値化したもの)によると、中古マンションの価格は9年連続で上昇しています。

出典:国土交通省「不動産物価指数2023年7月31日公表

2013年の不動産物価指数は100程度ですが、2023年4月には192程度まで上昇しています。2023年に限定して数値を見ても、下記のように上昇し続けている状態です。

2023年の中古マンションの不動産物価指数推移

2023年2月

188.7 

2023年3月

189.4

2024年4月

192.0

参考:国土交通省「不動産物価指数2023年7月31日公表

また、公益財団法人東日本不動産流通機構が公表している首都圏の中古マンションの新規登録価格の推移を見ても、2020年から2022年の3年間で約700万円も上昇しています。

首都圏の中古マンションの新規登録価格の推移

2020年

3,296万円

2021年

3,554万円

2022年

4,003万円

参考:公益財団法人東日本不動産流通機構「首都圏不動産流通市場の動向」

この背景には

・中古マンションの購入希望者が増えている(新築マンションが高騰している)

・低金利が後押ししている

・不動産投資が注目を集めている

など、さまざまな理由が関与していると考えられています。

国土交通省によると中古マンション価格の上昇傾向はいましばらく続くと予測されており、中古マンション価格が上昇している2023年は売却のタイミングだと言えます。

1-2.新築マンションの価格と連動して中古マンション価格が上昇している

2つ目は新築マンション価格と連動して、中古マンションの価格が上昇していることです。

基本的に新築マンションの価格と中古マンションの価格はリンクしていると考えられています。

実際に新築マンションと中古マンションの価格推移を比較すると、下記のように連動して上昇しています。

参考:

公益財団法人東日本不動産流通機構「首都圏不動産流通市場の動向(2022年度)」

株式会社不動産経済研究所「首都圏 新築分譲マンション市場動向」

新築マンションの価格が上昇している理由としては

・建築部材や人件費が上昇しており建築コストがかかっている

・地価が上昇している

・首都圏などの特定地域によっては新築マンションの戸数が減っている

などが挙げられます。

新築マンションの価格の上昇が続いている現在は中古マンション価格も上昇しているため、売却のタイミングだと考えられます。

1-3.低金利時代の終焉が近づいている

3つ目は、低金利時代の終焉が近づいていることです。

マンションは高額な買い物なので、住宅ローンを借りることが多いです。住宅ローンには「利息」が発生し、金利に沿って返済していくことになります。

例えば、1,000万円を借りるときに金利が0.1%の場合は1万円の利息がつきます。金利が2.5%になると、25万円の利息が発生します。

つまり、住宅ローンを組む場合は、金利が低いほうがお得にマンション購入ができるのです。

1,000万円を借りる場合

金利が0.1%の場合

1万円の利息

金利が2.5%の場合

25万円の利息

※借入期間や返済条件等を念頭におかず固定金利で算出

日本では2013年に国の政策として「量的・質的金融緩和」を開始し、低金利が続いていました。

しかし、2023年7月には金利操作の運用を柔軟化することが発表されています。

現時点では、市場の動向次第で長期金利を1%上昇することを容認すると発言されています。

金利が上昇すると住宅ローンの金利も上昇するため、今後はマンション購入を検討しにくくなると懸念されています。そのため、金利上昇前の2023年が売却のタイミングだと言えるでしょう。

参考:産経新聞「日銀、長期金利0・5%超を容認 金利操作の運用を柔軟化」

2.【個人的な状況】投資用マンションを売却するタイミングを見極める4つのチェックポイント

続いて、投資用マンションを売却するタイミングを見極めるときにチェックしたい個人的な状況のポイントをご紹介します。

投資用マンションを売却するタイミングを見極める4つのチェックポイント

・購入金額より売却金額の方が上回るとき

・購入から5年が経過しているとき

・大規模修繕の前

・デッドクロスに陥っているとき

当てはまる項目が多いほうが、売却を考えるタイミングだと言えます。

どのような点をチェックするべきか参考にしてみてください。

2-1.購入金額より売却金額の方が上回るとき

投資用マンションの売却時には、できるだけ損をしたくないと考える方が多いかと思います。

売却で利益を得るには、購入価格よりも売却価格が上回るタイミングを狙うことが理想です。

とは言え、マンションは基本的に築年数の経過とともに資産価値が低下するため、建物単体で見ると価値が上昇することは考えにくいです。

購入価格よりも売却価格が上回るケースがあるとすれば、下記のパターンが考えられます。

【購入価格よりも売却価格が上回る可能性がある投資用マンションの特徴】

・地価が高騰した

・周辺環境が変化しマンション自体の価値が高くなった

・周辺に競合マンションがなく購入希望者の選択肢が限定されている

・他のマンションにはない価値がある

例えば、駅前にあるマンションで購入時から駅周辺の環境が大きく変化し人気エリアとなった場合は、購入価格よりも売却価格が上回る可能性があります。

また、サービスが充実していたり夜景や綺麗だったり他のマンションにはない価値がある場合は、資産価値が下がりにくい傾向があります。

\チェックポイント/

✓購入価格よりも売却価格が上回る要素がある

✓査定を受けて購入価格よりも売却価格のほうが高くなると言われた

2-2.購入から5年が経過しているとき

投資用マンションを売却し得た利益は、譲渡所得に該当します。

譲渡所得には税金がかかりますが、5年を超えて売却した場合と5年以内に売却する場合では税率が変わります。

 

所得税

住民税

合計

短期譲渡所得

(5年以内に売却)

30.63%

9%

39.63%

長期譲渡所得

(5年を超えて売却)

15.315%

5%

20.315%

※所得税には復興特別所得税2.1%を追加しています

参考:国税庁「譲渡所得の計算のしかた」

投資用マンションを5年以内に売却すると「短期譲渡所得」となり、利益に対して39.63%の税金がかかります。

一方で、5年を超えて売却すると「長期譲渡所得」となり、利益に対して20.315%の税金が発生します。

つまり、5年以内に売却すると利益に対して約2倍の税金を納税しなければならないのです。

投資用マンションを売却し課税額が500万円の場合

短期譲渡所得

500万円×39.63%=約198万円

長期譲渡所得

500万円×20.315%=約101万円

※条件によっては特別控除などが使用できます

投資用マンションを購入し利益を得られる場合は、5年が経過しているかどうかは売却タイミングを決める1つの基準になります。

【譲渡所得では売却した年の1月1日が基準となる】

短期譲渡所得か長期譲渡所得か判断するときに注意したいのは「譲渡所得では売却した年の1月1日が基準となる」ことです。

例えば、2023年の5月にちょうど購入から5年を超える投資用マンションがあり、2023年6月に売却したとしましょう。

2023年1月1日時点では5年以内に売却したことになってしまうので、短期譲渡所得に該当します。

1月1日時点で投資用マンションの購入から5年を超えているかどうかでタイミングを判断してください。

\チェックポイント/

✓投資用マンションを売却すると一定の利益が出る可能性が高い

✓投資用マンションを売却したい年の1月1日時点で購入から5年を上回っている

2-3.大規模修繕の前

投資用マンションが大規模修繕を控えている場合は、大規模修繕の前が売却のタイミングです。

大規模修繕の前に売却するべき理由としては、下記の3つがあります。

①修繕積立金が増額される可能性がある

②大規模修繕中は売却しにくい

③少しでも築年数が浅い状態で売却できる

とくに注目したいのは、大規模修繕中や大規模修繕後には修繕積立金が増額する可能性があることです。

修繕積立金が増額すると投資用マンションの売却を検討しているにも関わらず、余分な費用を払わなければなりません。購入検討者のランニングコストも上がってしまうため、購入検討しにくくなることも考えられます。

他にも、大規模修繕が開始すると、修繕中の見た目が悪くなり、一定期間売却しにくくなるリスクがあります。

大規模修繕が終了すればきれいさをアピールポイントにできますが、その頃にはどのように市場が変化しているのか掴めない部分もあります。

大規模修繕が迫っているようなら、大規模修繕前の売却を検討してみてください。

\チェックポイント/

✓大規模修繕が迫っており積立金が増額される可能性がある

✓大規模修繕の完了までに数年かかる予定になっている

2-4.デッドクロスに陥っているとき

デッドクロスとは、住宅ローンの元金返済額が減価償却費を上回っている状態を指します。

デッドクロスに陥ると、利益計上では黒字なのにキャッシュフローはマイナスになることがあります。

その結果資金繰りが悪化し、手元資金が不足することが考えられます。つまり、デッドクロスになってしまうと、手持ちの資金を減らしながら投資用マンションを保有することになるのです。

デッドクロスは、主に下記の原因で発生します。

・住宅ローンの返済が進むと経費計上できる利息が減る

・住宅ローンの返済が進むと経費となる減価償却費が減る

住宅ローンは返済が進むにつれて利息が減る「元利均等返済」を採用することがあります。元利均等返済では年々経費にできる利息が減るため、デッドクロスに陥る可能性があります。

デッドクロスでのキャッシュフローの悪化を避けるには、ローンの借り換えか売却を検討することが一般的です。

デッドクロスに陥っている、もしくは陥りそうな場合は、投資用マンションを売却するタイミングだと言えるでしょう。

\チェックポイント/

✓住宅ローンの元金返済額が減価償却費を上回っている

✓デッドクロスに陥っており手元資金を持ち出ししている

\投資用マンションの売却のタイミングに迷ったら

アセットテクノロジーにご相談ください/

ここまで解説してきたように、投資用マンションの売却タイミングは

市場の動向やマンションの状況に応じて大きく変わります。

知識や経験がないと最適な売り時は判断しにくく

「投資用マンションを今売却するべきなのか」「もっといいタイミングはあるのかな」と

悩むケースも多いかと思います。

アセットテクノロジーでは豊富な実績や知識をもとに

投資用マンションの売却のサポートを行っていますので、お気軽にお問い合わせください。

3.投資用マンションの売却相場の算出方法

投資用マンションの売却タイミングが掴めたところで「実際にはいくらで売却できるのか」「売却価格はどのように決まるのか」気になるところです。

投資用マンションの売却相場は、一般的には収益還元法で算出します。

収益還元法とは、投資用マンションの将来的な収益性に着目をして価値を決める方法です。収益還元法には、直接還元法とDCF法の2種類があります。

収益還元法の計算方法

直接還元法

家賃収入から経費を引いた年間の純利益を還元利回りで割って算出

1年間の純利益÷還元利回り

DCF法

純利益と予想売却価格に空室や家賃の値下げなどのリスクを加味して算出

計算方法を複雑でソフト等を使い算出することが多い

年間純利益の現在価値の合計+予想売却価格の現在の価値

投資用マンションの売却価格を簡易的に算出できるのは「直接還元法」です。家賃収入から経費を引いた年間の純利益を還元利回りで割って算出します。

正確な還元利回りを算出することは難しいため、不動産会社が保有しているデータや類似物件のデータを使用することが多いです。

一例として家賃が月10万円で年間経費が40万円、利回り5%の売却価格を算出してみましょう。

まず、1年間の純利益は10万円×12ヶ月=120万円となり、120万円-40万円=80万円です。80万円を利回りで割ると80万円÷5%=1,600万円なので、投資用マンションの売却価格の目安は1,600万円になります。

【収益還元法以外の算出方法】

投資用物件は収益還元法を使用することが一般的ですが、他の算出方法として積算法と取引事例比較法があります。

・積算法:路線価や固定資産税評価額を参考に同じ場所に同じ物件を建てたときの費用を基に不動産価格を算出する

・取引事例比較法:似た条件の投資用マンションの売却価格を参考にして算出する

不動産会社によっては上記の算出方法も踏まえながら、投資用マンションの売却価格を査定します。

4.投資用マンションを売却するときの手順

ここからは、投資用マンションを売却するときの具体的な手順をご紹介します。

投資用マンションの売却を検討するときにどのように進めればいいのか、全体像を掴んでおきましょう。

4-1.ステップ①不動産会社に売却の相談と査定依頼をする

まずは、投資用マンションの売却ができる不動産会社に相談をするところからスタートします。

相談時に情報が少ないと不動産会社側がアドバイスしにくいため、下記の情報をまとめておくようにしましょう。

【不動産会社に伝える情報】

・売却したい投資用マンションの間取り・築年数・住所などの基本情報

・住居者の有無

・売却の理由(利回りが良くない・築年数が浅いうちに手放したいなど)

・売却の時期(○○年○月までには売却したいなど)

・理想の売却額

上記の情報を伝えて安心して依頼ができると感じたら、査定依頼をします。査定依頼とは、投資用マンションの推定売却価格を算出してもらうことです。不動産会社により依頼方法が異なりますが、一般的には査定して欲しい旨を伝えれば無料で査定をしてもらえます。

ここで重要なのは、投資用マンションの査定は複数の不動産会社に依頼することです。査定額は不動産会社により異なるケースがあるからです。

【不動産会社によって査定額が異なる理由】

・比較対象のマンションが異なる

・不動産会社の戦略により異なる

複数の不動産会社に査定依頼をしないと、妥当な査定額なのか判断できません。少し面倒ではありますが、複数の不動産会社に足を運ぶ、もしくはインターネット経由で査定依頼をしてみてください。

4-2.ステップ②不動産会社と媒介契約を締結する

不動産会社が提示した査定額に納得ができたら、不動産会社と媒介契約を締結します。

媒介契約とは、投資用マンションの売却条件や売却のための広告活動、手数料を含めて契約を結ぶことです。簡単に言うと、投資用マンションの売却活動を一貫して依頼するための契約を指します。

媒体契約には下記の3種類があり、契約方法により宣伝活動の範囲が変わります。

媒介契約の種類

項目

一般媒介契約

専任媒介契約

専属専任媒介契約

複数の不動産会社との契約

複数と契約可能

1社契約

1社契約

自分での売却

可能

可能

不可能

契約の有効期限

期限なし

(一般的には3ヶ月以内)

3ヶ月以内

3ヶ月以内

レインズへの登録義務

任意

義務あり

義務あり

一般媒介契約は、複数の不動産会社と契約できる制約の少ない方法です。自由度の高い売却活動ができる

一方で、複数の不動産会社が介入していることで売却活動に本腰を入れてもらえない可能性があります。

専任媒介契約は、1社のみと契約をして売却活動を進める方法です。専属専任媒介契約は専任媒介契約よりも制約が厳しく、個人間で売却相手を探し売却することができません。

制約が厳しい分不動産会社に求められる報告頻度が高く、本腰を入れて売却活動をしてもらえる可能性があります。

どの方法も一長一短があるため、自分に合う方法で契約を締結してください。

【今すぐ売却したい場合は不動産会社に買取してもらうのも一つの方法】

少しでも早く投資用マンションを売却したい場合は、買取に対応している不動産会社に買い取ってもらうのも一つの方法です。

売却活動をする手間が省けるため、スピーディーに売却手続きを進められます。

デメリットとしては、一般的な売却相場よりも安くなる傾向があるところです。

投資用マンションの売却では少しでも高く売却したいと考える方が多いと思うので、

価格が下がることに注意して検討してみてください。

4-3.ステップ③売却活動を開始する

不動産会社と媒介契約を締結したら、売却活動を開始します。

売却活動の方法は不動産会社により異なりますが、主に下記のような活動を行い買主を探します。

【投資用マンションの売却活動の一例】

・物件情報を公開しているサイトやチラシで宣伝をする

・レインズ(不動産流通標準情報システム)に登録する

・不動産会社の抱える顧客や来客者に投資用マンションをアピールする

・内覧の準備、対応をする(満室・入居者がいる物件はなし)

・購入希望者と条件の交渉をする

一般的には、物件情報を紹介しているインターネット上のサイトや自社サイト、チラシなどで投資用マンションの宣伝を行います。内覧希望者がいる場合には準備をして、内覧を実施します。

また、購入希望者が条件を提示してきた場合には、不動産会社が交渉を行いスムーズに売却できるよう調整します。

このように、不動産会社がさまざまな角度から売却活動を行い、できる限り短期間で売却できるように進めます。

4-4.ステップ④売買契約を締結する

投資用マンションの買主が決まったら、売買契約を結びます。契約内容を確認して双方の同意を得られた場合には、契約書類に捺印をします。

売買契約が締結したタイミングで、不動産会社に仲介手数料を支払うことが一般的です(仲介手数料の費用相場は「6-1.仲介手数料」で詳しく紹介しています)。

4-5.ステップ⑤マンションの引き渡しをする

売買契約が締結すると、投資用マンションの引き渡しに向けて準備を進めます。

必要な書類の一例としては、下記のような書類があります。不動産会社や売買契約により必要な書類が異なるため、事前に確認をして準備しておきましょう。

【引き渡しのために必要な書類の一例】

・抵当権抹消登記用の書類

・納税通知書

・住民票

・登記簿謄本

・印鑑証明書

・本人確認書類

・入居者がいる場合は賃貸借契約書・入居者情報

・管理規約や間取り図、設備の説明書など投資用マンションの関連書類

物件の引き渡しが完了し不動産登記の移転が終わると、投資用マンションの売却は完了です。

手続きの流れや立会いが必要な場面は不動産会社により異なるため、売却を依頼した不動産会社とともに進めるようにしましょう。

5.投資用マンションの売却にかかる税金

投資用マンションを売却したときの利益は、そのまま手元に残るわけではありません。

投資用マンションには、下記のような税金や「6.投資用マンション売却時の税金以外にかかる費用」で紹介する費用がかかります。

どのような費用はかかるのか理解して戦略的に売却活動をしないと、投資用マンションの売却によって損失が出る可能性があります。

投資用マンションの売却にかかる税金

登録免許税

1つの不動産につき1,000円

印紙税

200円~30,000円(軽減税率適用時)

所得税

短期譲渡所得:39.63%

長期譲渡所得:20.315%

消費税

課税事業者のみ所得に対して10%

ここでは投資用マンションを売却すると発生する税金を解説していくので、参考にしてみてください。

5-1.登録免許税

登録免許税とは、投資用マンションの抵当権を抹消するために必要な税金です。

抵当権とは住宅ローンを組むときに、債権者が不動産を担保にする権利のことです。万が一、住宅ローンの返済が滞った場合には、抵当権のかかった不動産を差し押さえることができます。

投資用マンションを売却すると現在設定されている抵当権は不要となるため、抹消しなければなりません。

抵当権を抹消するときに必要となるのが、登録免許税です。登録免許税は1つの不動産につき、1,000円と定められています。

登録免許税

1つの不動産につき1,000円

参考:法務局「抵当権の抹消登記に必要な書類と登録免許税」

例えば、投資用マンション1戸を売却する場合は、登録免許税が1,000円かかります。

【抵当権の抹消は住宅ローンの完済が条件】

抵当権を抹消するには、投資用マンションの住宅ローンを完済している必要があります。

ローンの残債がある状態では、抵当権を抹消できません。

投資用マンションの売却を検討している段階でローンが残っている場合は

「自己資金で完済する」「住宅ローンの組み換えを行う」のいずれかを検討しなければなりません。

5-2.印紙税

不動産の売買契約書には課税文書に該当するため、印紙税が課税されます。印紙税は契約金額に応じて下記のように定められています。

契約金額

税率

軽減税率

10万円超え50万円以下

400円

200円

50万円超え100万円以下

1,000円

500円

100万円超え500万円以下

2,000円

1,000円

500万円超え1,000万円以下

10,000円

5,000円

1,000万円超え5,000万円以下

20,000円

10,000円

5,000万円超え1億以下

60,000円

30,000円

参考:国税庁「不動産売買契約書の印紙税の軽減措置」

※2024年3月31日までは軽減税率が適用

例えば、投資マンションの売却時の契約金額が4,000万円の場合は10,000円の印紙税が課税されます。

5-3.譲渡所得がある場合は所得税・住民税

投資用マンションを売却して譲渡所得を得た場合は、譲渡所得に対して住民税と所得税がかかります。

2-2.購入から5年が経過しているとき」でも触れたように、譲渡所得に対して下記のような税率となっています。

 

項目

所得税

住民税

合計

短期譲渡所得

(5年以内に売却)

30.63%

9%

39.63%

長期譲渡所得

(5年を超えて売却)

15.315%

5%

20.315%

※所得税には復興特別所得税2.1%を追加しています

※条件を満たすと特別控除が受けられることがあります

例えば、10年間所有していた投資用マンションを売却したときに、300万円の譲渡所得を得たとしましょう。300万円×20.315%=609,450円となるため、所得税と住民税を合わせて609,450円支払う必要があります。

5-4.消費税

課税事業者の場合は、投資用マンションの売却益に対して消費税が発生します。

一例として、下記のようなケースは課税事業者に該当します。

・基準期間の売上高が1,000万円を超える個人事業主と法人

・サラリーマンであっても副業で基準期間の売上高が1,000万円を超える場合

ここで注意するべき点は、土地に対しては消費税が発生しない点です。

投資用マンションと付随する土地を同時に売却した場合は、投資用マンションの売却益にのみ消費税がかかります。

一例として投資用マンションを2,500万円で売却した場合は、10%の250万円が消費税としてかかります。

【投資用マンションの売却時の税金をシミュレーションしてみよう】

ここまで解説してきた投資用マンションの売却時にかかる税金を簡単にシミュレーションしてみましょう。

課税事業者が10年所有していた投資用マンションの売却で700万円(建物のみ)の利益を得たとします。

・登録免許税:1,000円

・印紙税:5,000円

・所得税・住民税:700万円×20.315%=約142万円

・消費税:700万円×10%=70万円

・合計:2,126,000円

※特別控除などを除く

税金としては212.6万円がかかります。

このように、投資用マンションは売却額が高ければ高いほど税金もかかるため、

事前に確認しておきましょう。

6.投資用マンション売却時の税金以外にかかる費用

投資用マンションの売却時に、税金以外にかかる主な費用は「仲介手数料」と「クリーニング代」の2つです。

投資用マンションの売却にかかる税金以外の費用

仲介手数料

売却額に応じて変動する(売却額の3~5%程度が上限)

クリーニング代

3万円~10万円程度が相場

それぞれどのような費用なのか確認しておきましょう。

6-1.仲介手数料

4.投資用マンションを売却するときの手順」で解説したように、仲介手数料とは売主と買主の間に不動産会社が入り売却を円滑に進めるために費用です。

仲介手数料の上限は宅建業法で定められており、上限以上の金額を仲介手数料として請求することはできません。

仲介手数料の上限額は、投資用マンションの売却額に応じて決まります。

投資用マンションの取引額

手数料の上限(速算式)

200万円以下

5%

200万円超え~400万円以下

4%+2万円

400万円超え

3%+6万円

例えば、投資用マンションの売却額が1,000万円の場合は1,000万円×3%+6万円=36万円となり、36万円が仲介手数料の上限額になります。

6-2.クリーニング代

投資用マンションの売却をするときには、クリーニング代が発生することがあります。

売却時のクリーニングは義務ではありませんが、クリーニングをしておくことで売却額が高くなる可能性があります。

例えば、内覧を実施するときに室内が汚れた状態だとマイナスポイントになるでしょう。

とくに水回りはチェックする人が多いため、クリーニングをしてきれいにしておくと購入意欲が沸くきっかけになります。

クリーニング代は部屋の広さや汚れ具合により大きく変動するため一概には言えませんが、3万円~10万円程度が相場です。

・少しでも早く投資用マンションの売却をしたい

・クリーニングをすることで価値が高くなる可能性がある

という場合には、売却前にクリーニングを検討してみるといいでしょう。

【他に発生する可能性がある費用】

ここまでご紹介した費用以外に、発生する可能性がある費用は下記のとおりです。

・行政書士や行政書士への依頼費用(抵当権を抹消するときに依頼することがある)

・鍵の交換費用

・設備のリフォームをする場合はリフォーム費用

これらの費用が発生するかどうかは売却時の契約や方法により異なるため、

事前に確認しておきましょう。

7.投資用マンションを少しでも高く早く売却するコツ

投資用マンションを売却するときには「少しでも高く売却したい」「できるだけ早く売却したい」という声が多いです。

そこでここでは、投資用マンションを少しでも高く早く売却するためのコツをご紹介します。

投資用マンションを少しでも高く早く売却するコツ

・入居者がいる状態でオーナーチェンジする

・設備のリフォームをする

・投資用マンションの売却に強い不動産会社を選ぶ

このコツを知っておくと売却時のヒントとなるので、ぜひ参考にしてみてください。

7-1.入居者がいる状態でオーナーチェンジする

1つ目は、入居者がいる状態でオーナーチェンジすることです。

オーナーチェンジとは、住居者の賃借権を維持したままオーナーの所有者を移転させることです。入居者がいると空室リスクを回避できるため、投資用マンションの購入を検討している人にとっては大きな魅力です。

とくに、相場よりも高い賃料で長年住んでいる場合は、相場よりも高い収益が見込めるため売却時のポイントになります。

例えば、新築時から同じ住居者が更新をしつつ継続して住んでいる場合は、今後も安定した収益が見込めると考える要素となるでしょう。

空室が続いている投資用マンションでは「本当に家賃収益を得られるのか」疑心暗鬼になる可能性があります。

少しでも高く早く売却したいなら、入居者がいるうちに検討するのも一つの方法です。

7-2.設備のリフォームをする

2つ目は、設備のリフォームをすることです。

現在の設備が極端に汚れている、または古い場合は、トレンド感のある最新の設備にリフォームすることで価値が上がる可能性があります。

内覧時に「キッチンが新品ですよ」「浴槽は最新の製品を入れています」などと、アピールできるポイントにもなるでしょう。

・古いキッチンを最新のシステムキッチンにリフォームする

・浴槽を交換する

・トイレをタンクレスのスタイリッシュなデザインに交換する

など、設備を新しくすることで魅力が追加できます。

ただし、注意しなければならないのは、リフォームにコストがかかり過ぎて売却時に収益が生まれなくなることです。

投資用マンションの売却時には必ずリフォームやクリーニングをしなければならないわけではないため、設備のリフォームがプラスとなるのか不動産会社に相談しながら進めましょう。

7-3.投資用マンションの売却に強い不動産会社を選ぶ

3つ目は、投資用マンションの売却に強い不動産会社を選ぶことです。

不動産会社には新築物件を得意とする不動産会社や戸建住宅に強い不動産会社など、さまざまな強みを持った不動産会社があります。

投資用マンションの売却に重きを置いていない不動産会社を選んでしまうと、売却に時間がかかったり価格が下がったりすることが考えられます。

実際に取引をしたことのない不動産会社の良し悪しを見極めることは非常に難しいですが、下記のポイントをチェックしてみると参考になるでしょう。

不動産会社を選ぶときのチェックポイント

得意分野

マンションの売却を得意としているかどうか

得意なエリア

マンションがあるエリアの売却に精通しているか

売却実績

投資用マンションの売却実績が豊富か

サービス内容

売却活動のサービスが充実しているか

担当者の対応

担当者とスムーズに連絡が取れるか・担当者の知識やスキルは十分か

とくに、売却実績や担当者の対応は確認しておきたいところです。投資用マンションの売却実績がない不動産会社に依頼をしても、ノウハウが備わっていない可能性があります。

また、いくら充実したサービスを提供していても担当者とコミュニケーションが取れない、担当者の知識が不十分となると、売却につながりにくいです。

8.投資用マンション売却時によくある質問

最後に、投資用マンションの売却時によくある質問をまとめました。

8-1.投資用マンションを売却するときには確定申告が必要ですか?

投資用マンションの売却で得た利益は譲渡所得に該当するため、確定申告が必要です。

損失が出た場合は基本的には確定申告は不要ですが、損失分を計上しておくと損益通算ができます。

8-2.投資用マンションの売却にはどれくらい時間がかかりますか?

投資用マンションの売却にかかる期間は市場の状況や地域、マンションの状態に左右されるので、一概には言えません。

1ヶ月程度で売却できる場合もあれば、半年ほどかかる場合もあります。

8-3.残債があっても投資用マンションの売却を検討できますか?

投資用マンションの残債があっても、売却検討は可能です。

しかし、売却時には抵当権を抹消しなければならないため、ローンの組み換えや一括返済が必要です。

抵当権を抹消できる状態であれば、売却へと進めます。

9.アセットテクノロジー株式会社なら投資用マンションの出口戦略まで一貫したサポートが可能です

アセットテクノロジーは、オーナー様が本当に信頼できる賃貸管理パートナーとしてサービスを提供しています。

物件の購入から売却までをワンストップでサポートする体制を整えており、出口戦略を見込んだ不動産投資が実現できます。

 アセットテクノロジーが買取をする場合は、仲介手数料が無料です。高額査定ができるため、売却益が得やすくなります。

また、豊富な実績や知識をもとに、投資用マンションの売却のみのサポートも行っています

アセットテクノロジーでは、不動産投資をするときに不安に感じる物件管理から売却までをサポートしオーナー様の人生を豊かに彩ることを使命としています。

投資用マンションの売却にお悩みの方は、お気軽にお問い合わせください。

LINEでもお問い合わせを受け付けております。

10.まとめ

いかがでしたか?

投資用マンションを売却するタイミングや売却の手順が理解でき、売却するべきか判断できるようになったかと思います。

最後に、この記事の内容を簡単に振り返ってみましょう。

◎2023年は投資用マンションの最適な売却タイミングだと言える3つの理由は次のとおり

・中古マンションの価格が上昇し続けている

・新築マンションの価格と連動して中古マンション価格が上昇している

・低金利時代の終焉が近づいている

◎投資用マンションを売却するタイミングを見極めるチェックポイントは次の4つ

・購入金額より売却金額の方が上回るとき

・購入から5年が経過しているとき

・大規模修繕の前

・デッドクロスに陥っているとき

◎投資用マンションを売却する手順は下記のとおり

①不動産会社に売却の相談と査定依頼をする

②不動産会社と媒介契約を締結する

③売却活動を行う

④買主が見つかったら売買契約を締結する

⑤投資用マンションの引き渡しをする

◎投資用マンションの売却時に発生する税金や費用は下記のとおり

【税金】

・登録免許税

・印紙税

・所得税

・消費税

【費用】

・仲介手数料

・クリーニング代

※売却状況により必要な税金と費用は異なります

◎投資用マンションを少しでも高く早く売却するコツは次の3つ

・入居者がいる状態でオーナーチェンジする

・設備のリフォームをする

・投資用マンションの売却に強い不動産会社を選ぶ

投資用マンションは売却時の出口戦略までを含めて、計画的に進めることが大切です。

アセットテクノロジーでは投資用マンションの売却サポートを行っていますので不安な点や悩む点がありましたら、お気軽にご相談ください。