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投資用ワンルームマンション売却の適切なタイミング
投資用ワンルームマンション売却の適切なタイミングとして、代表的なものが次のふたつです。
収支(キャッシュフロー)がマイナス
ひとつは、投資用ワンルームマンションの収支(キャッシュフロー)がマイナスになっているタイミングです。
毎月の家賃収入とローン返済や諸経費などの支出を比較したときに、収入よりも支払う費用の方が多くなっている場合、売却を検討した方が良いかもしれません。
たとえば家賃収入からローン返済分を賄っている人は、空室が続くことで収入が減り、返済が滞ってしまうことになります。すると、返済の見込みが立たなくなってしまうでしょう。返済が滞る可能性が高いと感じたときは、売却を検討してみてください。
景気動向や価格推移が上向きになっている
次に、景気の動向が上向いているときや、市場価格の推移が上昇傾向にあるタイミングです。
景気が良くなると、地価やワンルームマンションの価格推移の上昇が期待できるので、高く売却できる可能性が上がります。
市場価格がよくわからない場合は、路線価や公示価格を参考にしてみてください。路線価とは、土地の相続税評価額を計算するときに使用する価格で、公示価格の8割程度に設定されています。
一般的に、地価が上がればマンション価格も上昇するので、路線価が上がっていたら売却を検討してみても良いタイミングです。
投資用ワンルームマンション売却価格の予想
現在、投資用ワンルームマンションを高く売却できる状況であると考えられます。
東日本不動産流通機構の調査によると、2021年の首都圏中古マンションの成約件数は39,812件(前年比11.1%増)と、過去最高件数だからです。首都圏に限らず、すべての都県・地域で前年を上回っている状況にあります。
成約件数が多く需要が高まっているタイミングは、投資用ワンルームマンションの売却価格も上昇しやすくなります。加えて、買い手が見つかるまでの時間を短縮できるので、売却におすすめの時期といえるでしょう。
出典:東日本不動産流通機構 首都圏不動産流通市場の動向(2021年)
投資用ワンルームマンションを高く売却する3つのポイント
投資用ワンルームマンションを高く売却するために押さえるべきポイントは、次の3つです。
・競合物件が少ないタイミングで売却する
・高額査定の不動産会社を見つける
・3ヶ月以内を目標に売却する
高値で売却するには、どのようなことに気を付ければ良いのか、具体的に見ていきましょう。
競合物件が少ないタイミングで売却する
同じような立地で似たような条件のワンルームマンションが市場に少ないと、価格競争が起きないため、少し高めでも売れることがあります。
投資用ワンルームマンションは利回りや立地が重視されるので、売却したいワンルームマンションの周辺物件を調べて、競合する物件の価格設定や売り出し方などを把握し、売却時期が重ならないようにしましょう。
高額査定の不動産会社を見つける
査定価格の付け方やルールは不動産会社で異なるため、複数の不動産会社で査定してもらって比較し、物件をより高く売れそうな不動産会社を探すことが大切です。
査定では、人気の条件を満たしている物件かどうかが、高額査定のポイントになります。ひとり暮らしの社会人や学生などに需要がある投資用ワンルームマンションでは、以下のような条件が人気です。
・駅から徒歩10分以内などの立地
・バス・トイレ別の間取り
・オートロックや監視カメラなどの防犯対策
このような条件を満たす場合は、売却時に積極的にアピールすることで高値売却を狙えます。
また、投資物件の購入段階から、高値売却の見込める好条件の物件を選ぶようにしておくと良いでしょう。
3ヶ月以内を目標に売却する
中古物件は売り出してから時間が経過すると「不人気物件なのではないか」と誤解され、さらに買い手がつきにくくなります。すると、売却価格を値下げして売り出すことになり、成約価格が下落してしまいます。その目安が3ヶ月以内となっているのです。
そのため、高く売りたいことを理由に相場より高めに設定したことで、なかなか買い手が見つからず、かえって価格を下げていくことになります。
適正価格からズレた価格設定では、価格を下げ続けるようなことになり、値下げし続ける物件だと誤解を与えてしまいかねません。これでは余計に買い手が付きづらくなってしまいます。そのためにも、売り出すタイミングで適正価格に設定することが大事です。
また、早期で売却するためには、広告掲載の写真を見栄えの良いものすることや、内覧に積極的に対応するなど、物件を良く見せるための活動が有効です。
投資用ワンルームマンション売却の注意点
投資用ワンルームマンション売却に失敗しないためには、次の2点に注意しましょう。
・ローン残債と売却費用を確認する
・所有期間で売却利益の課税率が異なる
ローン残債と売却費用を確認する
投資用ワンルームマンション売却前に、ローン残債と売却費用を確認しておきましょう。
売却後にローンが残る不動産物件は、基本的に売却できないからです。また、売却時には仲介手数料・抵当権抹消費用・印紙税など、合計で売却金額の4%程度の諸費用がかかります。
ローンの残債を返済する費用や売却時に必要な諸費用を試算したうえで、最低いくらで売却できればローンが残らず、利益を出せるのかを把握することが大切です。
所有期間で売却利益の課税率が異なる
物件の所有期間で売却利益の課税率が異なるので、売却のタイミングには注意が必要です。
譲渡所得税として、投資用ワンルームマンション売却で得られる利益(キャピタルゲイン)には税金が課され、その税率は、不動産を所有していた期間によって異なります。
所有期間 | 税率 |
5年以下 | 短期譲渡所得の区分になり税率は「39.630%」 |
5年超 | 長期譲渡所得の区分になり税率は「20.315%」 |
所有期間は、売却した年の1月1日時点の所有期間になるため注意しましょう。
なお、居住用の場合は、売却時に「3000万円特例控除」をはじめとした節税方法がありますが、投資用のワンルームマンションにはありません。
まとめ
投資用ワンルームマンションを高値売却したいなら、高く売れるタイミングを狙うことや、短期売却を目標に売却活動を行うことなど、さまざまなポイントがあります。なんとなく売りに出すのではなく、ポイントを押さえて、少しでも利益を増やせる売り方をしましょう。