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サブリース契約とは、不動産管理会社(サブリース会社)が不動産を所有する物件をオーナーから一括借り上げをして、それを入居希望者へ転貸(又貸し)する賃貸借契約のことです。
サブリースの契約では、次の4つの基本項目がとても重要です。
基本項目のポイントを押さえて確認しておかなければ、「途中解約ができない」「結果的に損をしてしまう」という未来が訪れるかもしれません。
そこで本記事では、サブリース契約で押さえておきたい基本項目を取り上げ、それぞれの契約項目におけるリスクと回避するためのポイントを解説します。
▼本記事を読むことで叶うこと ・サブリース契約のリスクを再確認したうえで、契約するべきかを判断できる ・サブリース契約のリスクを回避するポイントを把握でき、失敗や後悔を防げる ・他のオーナーがどのような管理形態を採用しているかを把握できる ・サブリース契約以外の選択肢を知った上で、自分に合った管理形態を見つけられる |
最後まで読めば、サブリース契約前に確認することで、失敗や後悔といった最悪の未来を防げるはずです。
また、サブリース契約をするのは不安があるというときに役立つ、サブリース契約以外の課題や問題の解決方法も紹介しています。
このまま契約を進めるべきか、今一度サブリース契約の内容や特徴について認識を深めたうえで、判断しましょう!
1.サブリース契約の基本項目4つ
冒頭でも紹介した通り、サブリース契約とは、サブリース事業を営む不動産会社(以下、サブリース会社)が賃貸物件をオーナーから借り上げ、入居者へ転貸(又貸し)するための契約です。
通常の賃貸契約では、あなたと入居者で賃貸借契約を締結しますが、サブリースでは、オーナーのあなたとサブリース会社と賃貸借契約を締結します。
契約におけるポイントを押さえておかなければ、期待通りの収入が見込めなくなるだけでなく、大きな損失を被る可能性があるため、基本項目について正しく理解することが重要です。
サブリース契約を行うときは、次の4つの基本項目をよく確認しましょう。
▼サブリース契約の基本項目 ① 賃料 ③ 契約の期間 ④ 免責期間 |
※各見出しへリンクできるようになっているため、もし気になる項目があれば、クリックしてご確認いただけます。
次章以降で、詳しく解説します。
2.サブリース契約の項目①|賃料
サブリース契約でまず確認すべき項目は、賃料です。
サブリース契約では、サブリース会社へ手数料を支払うことで、賃貸の管理・運営と毎月一定の賃料を家賃保証として受け取る仕組みとなっています。
家賃保証の賃料は、サブリース会社が設定した賃料から10〜20%の手数料を差し引いた80〜90%が相場です。
ですが、サブリース会社から賃料の見直しを伝えられ、不当な家賃保証額の値下げで収入が減るケースや、家賃保証の契約自体が取り消しになるリスクがあります。
そのため、サブリース契約の賃料では、次の2つをしっかりと確認することがポイントです。
▼サブリース契約の賃料で確認すべきポイント2つ ・賃料の根拠 ・賃料の更新タイミングや条件 |
2-1.賃料の根拠
賃料に対する根拠を確認して、周辺エリアの相場と比較したときに正当な価格かを確認しましょう。
サブリースの賃料は、満室の家賃を100%とした場合の80〜90%が相場ですが、相場よりも低い場合や高い場合があります。
通常、賃料は物件のある地域や駅からの距離、入居者のニーズなどで判断されます。ニーズが高いエリアで空室のリスクが低い場合は、85〜90%の高めに設定されるのが一般的です。
ただし、賃料が違えば、家賃収入の金額は大きく変わってしまいます。
⚫︎家賃8万円、総戸数10戸の場合を例に考えてみると… ・(家賃8万円*80%)*10戸=64万円 ・(家賃8万円*90%)*10戸=72万円 →10%違うだけで、収入が家賃1か月分の差がある! |
実際、同じ条件の物件でも、80%と90%とでは、家賃1ヶ月分も差があります。
サブリース会社の中には、自社の利益を得るために、ニーズがある立地や環境であるのに、80%程度やそれより低い賃料を提示してくるケースもあります。
その賃料となった根拠をしっかりと聞き、納得した上で契約をしないと、あなたが大きな損をしてしまうことになるかもしれません。
サブリース契約の際には、必ず根拠を確認するようにしましょう。
\家賃の妥当性を判断するためのコツ/ |
家賃の金額や賃料の利率の相場感を知らなければ、サブリース会社の言う賃料が 妥当なのか判断できず、損をしてしまう可能性があります。 賃料の相場感は、周辺地域の家賃相場や空室状況を調べることで把握可能です。 賃貸物件のポータルサイトなどを活用し、物件周辺の家賃事情を確認しておくようにしましょう。 また、複数のサブリース会社へ問い合わせ、相場を比較することもおすすめです。 |
2-2.賃料の更新タイミングや条件
サブリースでは契約前に、以下のような賃料の更新タイミングや条件を確認しましょう。
・契約期間中の賃料見直しは何年ごとか ・土地や建物の価格変動があったときはどうなるか |
サブリースの契約期間は、10年以上が一般的ですが、契約当初に決めた賃料が契約期間中、ずっと固定されるわけではありません。賃貸の需要に応じて、賃料更新が行われる可能性があるのです。
新築当時にサブリース契約した物件も、築年数を重ねると経年劣化により物件の魅力が低下します。魅力が低下した賃貸物件では、賃貸物件の状況や需要に応じて値下げされるのが一般的です。
「〇年にわたって、賃料を確実に保証する」という契約をしていたとしても、借地借家法(第32条)により、賃料の減額請求をされる可能性があります。
サブリース会社によってタイミングや条件が異なるため、契約前に賃料更新の有無やタイミング、条件などを、可能な限り確認するようにしましょう。
3.サブリース契約の項目②|契約内容・契約解除
サブリース契約においては、契約内容と契約の解除もしっかりと確認しましょう。
契約内容で確認すべきポイントは、次の4つです。
▼サブリース契約の「契約内容・契約解除」で確認すべきポイント4つ ・共益費(管理費)などの取り扱い ・室内改装や建物改修の責任範囲 ・マスターリース契約とサブリース契約の整合性 ・解約条件 |
ポイントを知らず、内容をよく理解しないまま契約をすると、次のようなリスクを招く可能性があります。
▼サブリースの契約内容や契約解除について把握していなかった場合に起こり得るリスク ・想定よりも収入が少なく、計画通りに不動産の返済ができなくなる ・想定外の費用を支払うことになり、ローンや借金が増えてしまう |
サブリース契約では、立場の弱い賃借人を守る内容の借地借家法が適用されます。サブリース契約における賃借人はサブリース会社で、オーナーは賃貸人です。
サブリース会社は法律で守られる立場にあるため、契約前に内容や解除について確認しておかなければ、あなたが不利になる可能性が高いです。
これから紹介する4つのポイントを押さえて、「勝手な思い込みで、収支計画通りに行かなくなった」「想定外のコストがかかってばかり」といった状況を回避しましょう。
3-1.共益費(管理費)などの取り扱い
共益費(管理費)などを、家賃に合算してあなたの賃料(収入)にするかどうかを確認しましょう。
通常、入居者が支払う敷金・礼金・更新料などの家賃以外の収入は、サブリース会社の取り分となるのが一般的です。
ただし、共益費(管理費)の取り扱いは、サブリース会社によって異なります。
▼共益費の取り扱いパターン 1.家賃と共益費を合わせた金額の80〜90%を賃料とするパターン 2.共益費は全額サブリース会社の取り分で、 共益費を含まない家賃の80〜90%の賃料を支払うパターン |
例えば、家賃8万円、共益費1万円、家賃の80%を保証するケースの場合で、上記を比較しましょう。
<パターン1> 家賃8万円+共益費1万円=9万円の80% 賃料:7万2,000円 <パターン2> 家賃8万円の80%(共益費1万円はサブリース会社の取り分) 賃料:6万4,000円 |
上記の場合、共益費の取り扱いがパターン1か2かで、1戸あたり8,000円も家賃収入が違ってきました。
家賃収入に大きく影響を与えるため、どちらのパターンに該当するのか、よく確認するようにしましょう。
3-2.室内改装や建物改修の責任範囲
サブリース契約では、室内改装や建物改修において、あなたの責任範囲を確認しておくことも大切です。
サブリース契約後は家賃収入を得ながら、サブリース会社に業務や運営を任せることができますが、退去時の原状回復費用や老朽化・経年劣化による修繕費は、原則オーナー負担です。
しかし、一部サブリース会社が費用を負担してくれるケースもあります。
▼サブリース会社が負担してくれることもある費用 ・入居者入れ替えのための清掃 ・入居者が原因で故障した機器の取り替え |
契約のときに、サブリース会社と賃貸物件の維持や保全のための費用をどのように分担するのか、必ず確認しておきましょう。
3-3.マスターリース契約とサブリース契約の整合性
あなたとサブリース会社、サブリース会社と入居者の契約内容が同じであるかも確認しましょう。
サブリース契約は、オーナーとサブリース会社の間で締結するマスターリース契約をもとに運用されるのが一般的です。
しかし、残念ながら、中には、勝手に条件や制約を書き換えて、入居者と契約してしまうサブリース会社があります。
整合性を確認していなければ、次のようなトラブルを招くかもしれません。
▼契約内容の整合性を確認していない場合に起こり得るトラブル ・ペット不可物件として契約したのに、 サブリース会社がペット可として入居者を住まわせた ・入居者による又貸しを禁止していたのに、サブリース会社が又貸しを黙認していた |
サブリース会社と入居者の間で結ばれる契約の条件や制約などが、マスターリース契約の内容に沿っているか、しっかりと確認しましょう。
\サブサブリース契約にも気をつけよう/ |
サブサブリース契約を禁止する条項を追加することも忘れずに行いましょう。 サブサブリース契約とは、オーナーがサブリース会社に貸した物件を、 サブリース会社がさらに別のサブリース会社に貸すものです。 サブリース契約の解約時に、全ての会社と交渉する必要があるだけでなく、 複数社分の解約金が必要なこともあります。事前に対策しましょう。 |
3-4.解約条件
サブリース契約前に、解約条件についてもよく目を通して確認しておきましょう。
サブリースの契約は、期間満了であっても更新が原則となっており、サブリース会社の同意・合意がなければ解約できず、自動的に更新されるのが一般的です。しかし、正当事由があれば解約できる可能性があります。
たとえば、次のような理由です。
▼正当事由として認められているケース ・オーナー本人やその親族が物件に住む場合 ・ローンの返済が困難で、物件を売却する必要がある場合 ・築年数が古くなり、取り壊すことになった場合 ・再開発事業などで取り壊すことが決まった場合 |
オーナーとサブリース会社の関係は、オーナーと一般の入居者と同じ関係で、借地借家法ではサブリース会社が立場の弱い賃借人になり、法律で守られており、解約は簡単ではありません。
しかし、条件次第では認められるため、将来起こり得る状況を加味し、サブリース会社と解約条件についてよく話し合うようにしましょう。
4.サブリース契約の項目③|契約の期間
次に紹介するサブリース契約の重要項目は、契約の期間です。
契約の期間では、次の2つを確認しましょう。
▼サブリースの契約期間で確認すべきポイント2つ ・サブリース契約期間のパターン ・契約書に書かれた契約期間 |
サブリース契約は、10年以上の長期契約が一般的です。
長期間にわたって業務や運営をお願いでき、家賃保証も受けられるのは、オーナーにとってメリットに感じるかもしれませんが、次のようなリスクもあります。
▼サブリースの契約期間に関連するリスク ・契約期間中にも賃料の見直しや契約を解除され、収入減を絶たれる可能性がある ・契約を解除したいのに、いつの間にか更新されている ・契約期間が長く、空室が増えると家賃収入以上に出費が増える可能性がある |
築年数の古い賃貸物件の場合、契約期間が長いと、その間にさまざまな費用の負担をすることになり、家賃収入以上にコストがかかってしまう可能性もあります。
一度契約をすると簡単に解除できないからこそ、契約の期間についてよく確認しておく必要があります。
4-1.サブリース契約期間のパターン
サブリースの契約期間は、各会社によってさまざまなパターンがあります。
▼契約期間のパターン例 ・2年ごとに契約+自動更新 ・10年契約+11年目以降は1年ごとに更新 ・5年ごとの契約更新で最長35年 |
長期契約の場合でも、実際には「数年ごとに契約の自動更新があり、最長で30年だった」というケースもあります。
契約時には、契約期間、契約満了以降の更新やその頻度、「最長何年更新か」など期間について、よく確認しておきましょう。
4-2.契約書に書かれた契約期間
契約書に書かれた契約期間を必ず確認しましょう。
正確な終了日を把握していないと、解約のタイミングを見誤り、膨大な解約金を支払うことになるかもしれないからです。
サブリース契約は、先述の通り、自動更新が一般的で、契約期間のパターンによって終了日が変わってしまうこともあります。
契約が自動更新の場合も、都度「契約開始日と終了日」を確認し、日付が契約書に記載されているかを確認するようにしてください。
5.サブリース契約の項目④|免責期間
最後は、免責期間です。免責期間とは、一定期間、サブリース会社の家賃支払いが免除される期間のことです。
サブリース契約における免責期間では、次の2つについて確認しましょう。
▼サブリース契約の免責期間で確認すべきポイント2つ ・初回の免責期間 契約途中の免責期間とタイミング |
サブリース契約では、契約してすぐに家賃保証されるわけではありません。契約日から家賃保証されるまでの間に、免責期間が設けられているケースがほとんどです。
サブリース契約における免責期間について把握していないまま契約してしまうと、次のようなリスクが生じます。
▼サブリース契約の免責期間を理解していないことで起こり得るリスク ・期待していただけの家賃保証が受けられなかった ・1年以内の退去が相次ぎ、家賃収入が年間収入の半分だった |
このような事態を避けるためにも、免責期間を忘れず確認しましょう。
5-1.初回の免責期間
まず確認すべきなのは、契約直後の免責期間です。
契約後は、入居者を募集する期間として免責期間が設けられているケースが多く、しばらくは家賃保証がありません。
免責期間は、サブリース会社によって異なりますが、契約から60~90日程度の期間で設定されることが多く、2~3か月は家賃収入がない状況です。免責期間を考慮した資金計画を立てるようにしましょう。
5-2.契約途中の免責期間とタイミング
契約途中の免責期間やタイミングについても、必ず確認しましょう。
一部のサブリース会社では、退去ごとに免責期間を設定しているケースがあるためです。
初回も退去後も、60日の免責期間が設けられていた場合、入居者が1年以内に引っ越しをしてしまうと、1年のうちの120日間は免責期間となってしまいます。
契約途中でも、新たな入居者を探す期間として免責期間が設定しているサブリース会社があるため、どのタイミングに、どのくらいの期間、免責期間となるのかも確認しておきましょう。
6.サブリースは契約後の変更ができない!後悔しないために確認しよう
サブリース契約は、紹介してきた通り、気をつけなければならないポイントが複数あります。
ここまで紹介した中で、これでいいのかという疑問が残ったり、不安を覚えたりするようなら、サブリース契約はしないという判断が賢明かもしれません。
実際、当社アセットテクノロジーが行なった調査でも、サブリース契約をして後悔しているという人が7割を超えています。
先述の通り、サブリース契約は契約すると正当な理由がない限りは、解約も契約会社の変更もできません。
後から「やめとけばよかった」と思っても、手遅れです。
後悔しないよう、サブリースの契約についてしっかりと確認し、不安や疑問があれば、契約をしないという判断をしましょう。
7.サブリース契約以外の手段で課題を解決したいなら管理委託がおすすめ
「サブリース契約はやめておこう」と判断したことで、賃貸運営や家賃の集金といった今抱える問題・課題をどのように解決すればいいのだろうと思っている人もいるでしょう。
あなたが抱える課題は、サブリース契約以外の方法でも解決できる可能性があります。その解決策のひとつが、管理委託です。
管理委託とは、オーナーが所有する賃貸物件の管理・運営を不動産管理会社に委託することを言います。
実際の業務範囲は、不動産管理会社によって異なりますが、管理委託を活用することで、以下のような業務サポートを受けることが可能です。
不動産一棟を管理委託する場合には、次のような業務も請け負ってくれます。
・建物や設備の保守点検 ・建物や設備のトラブル対応 ・清掃やメンテナンス |
家賃の入金管理や家賃滞納者への催促、入居者のクレーム対応など、負担や手間がかかっている業務や課題がある人は、管理委託をうまく活用して解決しましょう。
\他のオーナーはどの管理形態を採用している?実態を紹介!/ |
サブリース契約をするのか、管理委託にするべきか悩んだときに、 「他のオーナーはどのように管理しているのだろう」と 気になった人もいるのではないでしょうか。 結論から言うと、管理委託を活用している人がもっとも多くなっています。 以下は、公益財団法人 日本住宅総合センターの調査報告書にある 「賃貸住宅の管理形態」に関する結果をまとめたものです。 一部の業務を委託しているケースを含めると、54.7%の人が「管理委託」を活用しています。 次いで多いのが、「すべて自主管理」の25.0%で、サブリース契約などの 一括借り上げなどの管理を活用している人は20.3%という結果です。 サブリース契約を選ぶ人は、全体の2割程度です。 賃貸の管理や運営で課題を抱えているものの、どの形態にしようか迷っている人は、 まずは管理委託からはじめて見るのがおすすめです。 |
出典:公益財団法人 日本住宅総合センター「民間賃貸住宅の供給実態調査 ― 供給主体やサブリース事業者の関与などを中心に ― 報告書」
8.管理委託を行う不動産管理会社を選ぶときの基準3つ
実際に、管理委託を活用して不動産の管理・運営をしようと思っていても、選び方を間違えると予定していた収益が見込めなくなります。
また、入居者への対応の怠慢で評判が下がり、空室率が改善できない状況になる可能性もあるため、不動産管理会社選びがとても重要です。
信頼できる不動産管理会社を選び、今抱える問題や課題を解決するためにも、これから紹介する3つのポイントを参考にして、委託先選びの失敗を防ぎましょう。
8-1.客付け力(入居者の成約率)が高いかどうか
不動産管理会社の、空室になったら次の入居者を見つける「客付け力」の高さは、管理委託を任せるうえでとても重要です。
不動産管理会社の客付け力が高ければ、空室による収入減のリスクを回避することができるからです。
管理委託は、サブリース契約と異なり、家賃保証がないため、空室状態が続けば家賃収入が入ってきません。そのため、早く次の入居者を見つけることが鍵となります。
客付け力の高い不動産会社を探すポイントは、空室になったタイミングですぐに入居者を探し出せるような体制が整っているかどうかです。
賃貸管理業に加え、自社で賃貸の紹介や空室対策のための情報提供などを行っている不動産管理会社など、管理から募集までをまとめてサポートしてくれる不動産管理会社を選びましょう。
8-2.今や今後の課題に見合った業務が可能かどうか
「滞納者の対応に困っている」「入居者のトラブル対応が手間」など、あなたが今負担に思っている業務や課題を解決するサービスを提供しているかどうかも、管理委託先を探すうえで重要な基準となります。
先述の通り、賃貸業務は複数あり、請け負い可能な業務内容は、不動産管理会社ごとに異なります。
今は、負担になっている家賃収入の管理業務だけを依頼しようと思っていたとしても、後から「やっぱり清掃業務やトラブル対応などもお願いしたい」となる可能性もあります。
現時点で不動産管理会社へ依頼する予定がなかったとしても、後々依頼せざるを得ない状況になることもあるかもしれません。
そのときに困らないよう、将来、発生し得る課題に見合った業務を依頼できる不動産管理会社を選ぶようにしましょう。
8-3.トータルの管理費用に見合った業務内容かどうか
管理委託もコストが発生するため、依頼する業務に対する費用が妥当かを判断することが大切です。
管理委託コストの目安は、家賃の3~8%となっています。「家賃の〇%」ではなく、「1戸当たり〇〇円」といった料金体系の不動産管理会社もあるため、実際の金額で計算して詳細を把握しましょう。
また、一部の業務をオプションとしているケースもあり、いろいろな業務を依頼することで、相場以上のコストがかかってしまう可能性もあります。
管理手数料に含まれる業務や、オプション追加となる業務とその費用などを把握し、トータルコストを確認した上で、コストが業務に見合っているかを判断しましょう。
9.まとめ
サブリースの契約における基本項目を取り上げ、それぞれのリスクや回避するポイントを紹介してきました。最後にもう一度、おさらいをしていきましょう。
サブリース契約の基本項目で確認すべきポイント
① 賃料 |
・賃料の根拠 ・賃料の更新タイミングや条件 |
② 契約内容・契約解除 |
・共益費(管理費)などの取り扱い ・室内空間や建物改修の責任範囲 ・マスターリース契約とサブリース契約の整合性 ・解約条件 |
③ 契約の期間 |
・サブリース契約期間のパターン ・契約書に書かれた契約期間 |
④ 免責期間 |
・初回の免責期間 ・契約途中の免責期間とタイミング |
上記のポイントを押さえておくことで、サブリース契約による失敗や後悔の回避が期待できます。
サブリース契約は、一度契約をすると自動更新や長期契約が基本で、オーナー都合による契約の解除は簡単にはできません。
サブリース契約のリスクは、今後の家賃収入や賃貸経営を左右し、家賃収入の金額も大きな影響を与えます。よく検討したうえで契約するかどうかの結論を出すようにしましょう。