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このように、サブリース会社が一般の入居者に転借することで、不動産のオーナーが家賃収入を得ます。
サブリース会社は、家賃収入のうち10~20%を利用料として受け取り、利益を出す、という仕組みです。
サブリースには、主に以下のようなメリットがあります。
サブリース契約で得られるメリット5つ |
・賃貸管理に関する運営業務をサブリース会社に一任できる ・空室の有無にかかわらず一定の家賃収入を得られる(家賃保証) ・入退去に関する諸費用を軽減できる ・税金の計算を簡略化できる ・相続税対策になる |
上記のように、サブリースにはメリットがあり、一見オーナーにとって手軽に収益が得られる仕組みに見えますよね。ですが、一方以下のようなデメリットもあります。
サブリース契約によって発生するデメリット7つ |
・家賃収入が減り利回りが悪くなる ・一定額の家賃保証がずっと続くわけではない ・修繕費用などはオーナー負担となることが多い ・入居者を選ぶことができない ・原則としてオーナー側からの契約解除ができない ・不動産を売りたいときに買い手が付きづらくなる ・サブリース会社が倒産した場合管理・運営をすべて引き継がなければならない |
デメリットに目を向けず、メリットだけに注目してサブリース契約をしてしまうと、以下のようなトラブルに巻き込まれる可能性があります。
・家賃保証を減額されローン返済が困難になった ・サブリース会社が経営破綻し家賃が振り込まれなくなった ・サブリース契約を解除され条件の悪い物件とローンだけが残った ・サブリース会社の独断で修繕工事を行い高額な修繕費用を請求された |
利益を出すために行う不動産投資で、上記のようなトラブルは避けたいですよね。
そこでこの記事では、サブリースに関して以下のような内容をわかりやすく解説します。
この記事を読むとわかること |
・サブリースのメリット ・サブリースのデメリット ・サブリースの問題点 ・サブリースがおすすめの人 ・サブリース以外におすすめできる選択肢 |
この記事を読めば、サブリースについて理解を深めることができ、自分がサブリースに適しているか判断することができますよ。
ぜひ読み進めてみてくださいね。
なお、サブリースについて、仕組みや種類などを詳しく知りたい人は、こちらの記事を参考にしてください。
【契約は反対】サブリースとは?必須の基礎知識と契約リスクを解説!
1. サブリース契約で得られるメリット5つ
冒頭でもふれたように、サブリースには、以下のようなメリットがあります。
・賃貸管理に関する運営業務をサブリース会社に一任できる ・空室の有無にかかわらず一定の家賃収入を得られる(家賃保証) ・入退去に関する諸費用を軽減できる ・税金の計算を簡略化できる ・相続税対策になる |
まずは上記のメリットについて、それぞれ解説していきます。
1-1. 賃貸管理に関する運営業務をサブリース会社に一任できる
サブリースでは、賃貸管理に関する以下のような運営業務をサブリース会社に一任できます。
・入居者の募集 ・入居者との契約締結 ・退去や契約更新の手続き ・入居者からの苦情対応 ・入居者のトラブル対応 ・家賃の入金管理 ・家賃滞納者への督促対応 ・リフォームや修繕の計画/業者選定 など |
上記のように、賃貸物件の管理・運営には、やるべきことが数多くあります。
不動産投資を行っているオーナーには、他に本業がある人も珍しくありません。
サブリース会社に運営業務を任せることができれば、オーナーは本業に集中しながら不動産投資による収入を得ることができます。
1-2. 空室の有無にかかわらず一定の家賃収入を得られる(家賃保証)
サブリースには一定の家賃保証があり、空室の有無に関わらず一定の家賃収入を得ることができます。
アパートやマンションに空室が発生すると、当然ながらその分の家賃収入が減少します。空室対策は、多くのオーナーが頭を悩ませている問題です。
サブリースでは、前述の通りサブリース会社が貸借人となり、オーナーにまとめて家賃を支払います。
そのため、実際には空室が発生していても「入居」扱いとなり、オーナーは安定して家賃収入を得ることができます。
1-3. 入退去に関する諸費用を軽減できる
サブリースでは、契約内容によっては住民の入退去に関する諸費用を軽減できる場合があります。
賃貸物件のランニングコストの一つに、以下のような住民の入退去に伴う諸費用があります。
・入居者を募集するための広告料 ・退去後の原状回復費 |
上記の費用は、住民の入退去ごとに発生し、オーナーにとっては無視できない費用負担となります。
サブリースでは、上記の費用の一部をサブリース会社が負担する場合があり、入退去に関する諸費用の軽減につながります。
1-4. 税金の計算を簡略化できる
サブリースでは、サブリース会社が複数の部屋の貸借人となるため、本来であれば各入居者ごとに発生する税務処理を簡略化できます。
一般的な賃貸借契約の場合 |
サブリースの場合 |
一般的な賃貸借契約の場合、各入居者の以下のような項目ごとに税務処理を行います。
・敷金の受け取り ・礼金の受け取り ・原状回復費用の支払い ・リフォーム費用の支払い など |
上記の税務処理は、各住民の入退去ごとに毎回行う必要があります。書類の作成や手続きを負担に感じているオーナーも少なくありません。
前述の通り、サブリースではサブリース会社との契約分のみの税務処理となるため、大幅に手続きを簡略化することができます。
1-5. 相続税対策になる
サブリースは、オーナーが亡くなった後の相続税対策としても効果があります。
不動産は入居率が高いほど資産価値が下がり、相続税が減少するからです。
前述したように、サブリース契約をしている賃貸物件は、実際に空室であっても住人が入居している扱いとなります。
そのため、実際の入居率にかかわらず入居率が高くなり、結果として、支払う相続税の金額が低くなります。
2. サブリース契約によって発生するデメリット7つ
前章では、サブリース契約によって得られるメリットについて解説しました。
サブリースについて正しく理解するためには、メリットだけではなく、デメリットについても理解しておきたいですよね。
この章では、以下のようなサブリースのデメリットについて解説します。
・家賃収入が減り利回りが悪くなる ・一定額の家賃保証がずっと続くわけではない ・修繕費用などはオーナー負担となることが多い ・入居者を選ぶことができない ・原則としてオーナー側からの契約解除ができない ・不動産を売りたいときに買い手が付きづらくなる ・サブリース会社が倒産した場合管理・運営をすべて引き継がなければならない |
2-1. 家賃収入が減り利回りが悪くなる
サブリースでは、一般的な賃貸借契約と比べ家賃収入が減少するため、投資としては利回りが悪くなります。
なぜなら、サブリース会社からオーナーに支払われる家賃の金額は、相場の家賃より10~20%ほど低い金額になるからです。
前述の通り、サブリースでは、実際の入居者ではなくサブリース会社が貸借人となります。実際の入居者はサブリース会社に家賃を支払い、オーナーの手元にはサブリース会社の取り分を引いた金額が振り込まれます。
以下の表は、家賃収入月額60万円の賃貸物件を自分で管理した場合と、サブリースを利用した場合の家賃収入額の違いです。
自主管理する場合 | サブリースの場合 | |
家賃収入/年 | 720万 | 648~576万円 |
家賃収入差額/年 | - | 72~144万円 |
このケースでは、年間約72〜144万円も家賃収入が減少しました。
さらに、入居者から受け取る礼金や更新料などもサブリース会社が受け取ることが多いため、一般的な賃貸借契約と比べオーナーの不動産収入は少なくなります。
2-2. 一定額の家賃保証がずっと続くわけではない
サブリースの家賃保証は、同じ金額が契約期間中ずっと続くわけではありません。
1-2. 空室の有無にかかわらず一定の家賃収入を得られるでは、サブリースによって安定して家賃収入を得られると紹介しました。
しかし多くの場合、契約内容の見直しが約2年ごとに行われます。その際に家賃保証の金額も見直され、減額されるケースがほとんどです。
なかには、契約時には「10年間の家賃保証」としながら、サブリース会社が経営悪化を理由に早期に家賃保証の減額を求めたことで、トラブルとなったケースもあります。
家賃保証のない「免責期間」が存在する |
家賃保証は、一定額が続かないだけではなく、 家賃保証のない「免責期間」も存在します。 多くのサブリース会社では、空室がある期間に赤字になることを防ぐために、 以下のような期間を免責期間としています。 ・サブリース契約開始日から60~90日間 ・住民の退去から約30~60日間 免責期間の間は、家賃保証がなく、オーナーの家賃収入は 途絶えることになります。 免責期間の長さや種類は、サブリース会社によって異なり、 なかには住民の退去から半年以上もの間、オーナーに家賃が支払われないケースもあります。 |
2-3. 修繕費用などはオーナー負担となることが多い
不動産の外観や室内の修繕費用は、一般的な賃貸借契約と同様にオーナー負担となるケースがほとんどです。
サブリース会社は、契約上では、一般的な賃貸借契約の入居者と同じ立場になります。そのため、住民の入退去に伴う原状回復費用やハウスクリーニング費用などは、通常通りオーナー負担での修繕となります。
また、10~15年ごとに行う以下のような大規模修繕も、オーナーが費用負担をします。
・屋根や外壁の塗装 ・クロスや床の貼り替え ・エアコン修理/交換 ・給湯器修理/交換 ・ユニットバス修理/交換 |
なかにはサブリース会社が一部の費用を負担してくれるケースもありますが、原則としてオーナー負担となることを理解しておきましょう。
修繕計画や業者選定はサブリース会社が行うことが多い |
修繕費用はオーナーが負担しますが、修繕計画や業者選定は 全てサブリース会社が行うことが一般的です。 オーナー自身が業者選びをすることは、できない可能性が高いです。 そのため、一般的な修繕費用よりも割高になったり、 質が悪い工事をされたりするケースもあります。 |
2-4. 入居者を選ぶことができない
サブリースでは、入居者の選定や入居の手続きもサブリース会社が行うため、入居者を選ぶことができません。
1-1. 賃貸管理に関する事務作業をサブリース会社に一任できるでは、賃貸管理に関する事務作業をサブリース会社に一任できると解説しました。
一任できる代わりに、オーナーが意見を出すこともできないため、入居者の選定もできません。
サブリース会社によっては、入居率を上げるために、入居者の審査を甘くするケースもあります。その結果、以下のようなトラブルが発生し、不動産の価値に影響する可能性があります。
・マナーの悪い入居者が増え、近隣住民から苦情が来た ・家賃の滞納をする入居者が増えた |
またサブリースの契約終了後は、オーナー自ら上記のような住民とも付き合っていかなければなりません。
2-5. 原則としてオーナー側からの契約解除ができない
サブリース契約は、いったん締結すると、原則としてオーナー側からサブリース契約を解約することはできません。
前述の通り、サブリース会社は一般的な賃貸借契約の入居者と同じ立場となるため、一般的な入居者と同じように「借地借家法」によって保護されているからです。
参考:借地借家法(第二十八条 建物賃貸借契約の更新拒絶等の要件)
借地借家法では、オーナー側から賃貸借契約を解約するためには、以下のような条件があると記されています。
・建物の賃貸人(オーナー)が賃貸借の解約の申入れをする場合は、 解約の申入れから6ヶ月経過する必要がある(借地借家法27条) ・建物の賃貸人(オーナー)による賃貸借の解約の申入れは、 正当の事由があると認められる場合でなければ、することができない。 (借地借家法28条) |
過去の判例によると、正当の事由には、以下のような事由が挙げられています。
・オーナー本人や親族が不動産を使用する場合 (災害などにより他に入居できる物件がないなど) ・ローンの返済が困難など、不動産の売却が必要な場合 ・不動産の老朽化が進み、修繕ができない場合 ・都市の再開発事業などやむを得ない事情がある場合 |
オーナー側から賃貸借契約を解約するためには上記のような理由が必要であり、収益がない・サブリース会社が信用できないなどの事由では、正当な事由として認められません。
また、運よく契約解除ができても、オーナー側に高額な違約金が発生するケースがあります。
サブリース会社からの契約解除は簡単にできる |
サブリースは、オーナー側からの契約解除は困難ですが、 サブリース会社からの契約解除は容易にでききるため、注意が必要です。 例えば、以下のような事由で契約解除をされるケースもあります。 ・サブリース会社が「収益が出ない」と判断した ・サブリース会社が「管理が困難」と判断した 契約を解除された場合、その後の管理・運営はオーナー自ら行う必要があります。 |
2-6. 不動産を売りたいときに買い手が付きづらくなる
不動産投資をするなかで、運営している賃貸物件を売却したいと考えることもあるかもしれません。
しかし、サブリース物件は以下の理由で買い手が付きづらいという特徴があります。
2-1. 家賃収入が減り利回りが悪くなるで解説したように、サブリース物件は相場よりも収益が落ちる 不動産のオーナーが変わっても、サブリース契約は引き継がれる 2-5. 原則としてオーナー側からの契約解除ができないで解説したように、サブリース物件は解約がしづらい |
上記の理由で売却しづらいうえに、買い手が見つかってもサブリース契約を引き継ぐことを条件に、値下げ交渉をしてくるケースも少なくありません。
サブリース物件は相場よりも安く売却される |
サブリース物件では、入居者が支払っている家賃ではなく、 サブリース会社からオーナーに支払われている家賃で 利回りを計算し、売却価格を算出します。 そのため、エリアの相場価格よりも安く売却されるケースがほとんどです。 |
2-7.サブリース会社が倒産した場合、管理・運営をすべて引き継がなければならない
前述の通り、サブリース契約が終了した場合、その後の管理・運営はオーナー自ら行います。
契約途中にサブリース会社が倒産した場合も同様で、管理業務や運営業務の全てをオーナーが引き継がなければなりません。
サブリースでは、前述のようにサブリース会社に管理業務のほとんどを任せているケースも多く、オーナー視点では、突然管理業務負担が激増する形になります。
引き継ぎのトラブルなどで入居者に不利益が発生した場合、オーナーと入居者間でトラブルに発展するケースもあります。
3. 【契約は慎重に】実はサブリース契約は経験者の7割以上が後悔している!
前章までの内容で、サブリースのメリット・デメリットについて理解できたかと思います。
サブリースに対して「管理が楽になりそう」「安定した収益を出せそう」とメリットのほうを強く感じる人もいるかもしれませんね。
しかし実際には、契約を経験した7割以上の不動産オーナーが、サブリース契約を後悔しているというデータがあります。
その理由として挙げられているのは、以下のように2. サブリース契約によって発生するデメリット7つで解説した多くのデメリットです。
このように、一見メリットがあるサブリースですが、多くのオーナーが後悔しているのが現状です。
さらに、サブリースでは、オーナーとサブリース会社の間に数多くのトラブルが発生しています。
なかには大規模な訴訟に発展したトラブルもあり、消費者庁からも注意喚起がなされています。
参考:サブリース契約に関するトラブルにご注意ください!|消費者庁
サブリースは、誰にでもおすすめできる投資方法ではありません。サブリース契約は、メリットだけではなくデメリットも理解したうえで、慎重に検討しましょう。
4. 実際に起きるサブリースに関する問題点4つ
前述のように、サブリースではオーナーとサブリース会社の間に数多くのトラブルが発生しています。
サブリース契約を検討する材料として実際にイメージできるよう、この章ではサブリース契約で発生する可能性がある代表的な問題点を紹介します。
サブリースでは、実際に以下のようなトラブルが頻発しています。
・家賃保証を減額されローン返済が困難になった ・サブリース会社が経営破綻し家賃が振り込まれなくなった ・サブリース契約を解除され条件の悪い物件とローンだけが残った ・サブリース会社の独断で修繕工事を行い高額な修繕費用を請求された |
それでは、それぞれのトラブルについて詳しくみていきましょう。
4-1. 家賃保証を減額されローン返済が困難になった
ある投資家は「30年間家賃保証」というセールストークのサブリース契約を締結しました。
投資家は「30年間、一定額の家賃収入が保証される」と思って契約しましたが、実際には2年後の契約更新の際にサブリース会社から家賃保証の減額を通達されました。
借地借家法において、サブリース会社から家賃の減額交渉をすることは違法ではありません。
「家賃保証の減額」か「サブリース契約の終了」の選択を迫られた投資家は、サブリース契約を終了されると困るため、家賃保証の減額を拒否できませんでした。
投資家は、家賃収入をローンの返済に充てていたため、家賃保証の減額によって返済計画が大幅に狂ってしまいました。
4-2. サブリース会社が経営破綻し家賃が振り込まれなくなった
ある投資家は、サブリース会社の提案する「30年間家賃保証」というサブリース契約に惹かれ、マンションを購入しました。
しかし、数年も経たないうちにサブリース会社は経営破綻し、サブリース会社からオーナーに対する家賃の支払いがなされなくなりました。
多くのオーナーは、家賃収入を融資の返済に充てていましたが、それができなくなったため、大きな負債を抱えることとなりました。
なかにはローンを返済することができなくなり、自己破産に陥ったオーナーもいました。
4-3. サブリース契約を解除され条件の悪い物件とローンだけが残った
ある投資家は、不動産会社から「サブリース契約なので安定した収入が得られます」と説得され、ある土地にアパートを建設しました。
ところが数年後、突然サブリース会社からサブリース契約の解除を通達されました。
投資家がアパートの様子を見に行くと、空室が多く、さらに住民も身元不明者や高齢者など、リスクの多い住民ばかりでした。
実は、そのアパートでは、入居者が少なく、サブリース会社が想定していたよりも利益が出なかったため、リスクのある住民も入居させていました。
しかしそれでもサブリース会社の利益は増えず、最終的には契約解除通達に至ったのでした。
投資家の手元には、入居率が低いアパートと、多額のローンだけが残りました。
4-4. サブリース会社の独断で修繕工事を行い高額な修繕費用を請求された
ある投資家が契約したサブリース物件がありました。
2-3. 修繕費用などはオーナー負担となることが多いで解説したように、このアパートでも投資家が修繕工事費用を負担していました。
ある時サブリースから、高額な修繕費用の請求をされました。投資家が驚いて確認すると、アパートの外壁塗装を行ったというのです。
投資家は修繕工事の予定も計画も聞いていません。
工事の施工会社も内容もサブリース会社が選んだものであり、この修繕工事はサブリース会社の独断で行ったものでした。
しかし、契約上は修繕費用はオーナー側が支払うこととなっていたため、やむを得ず投資家は修繕費用を支払うこととなりました。
5. 唯一サブリースがおすすめできるのは「管理業務をする余裕がないケース」のみ
ここまでの内容で、サブリースにはメリットだけではなく、デメリットや問題点があることを理解してもらえたかと思います。
繰り返しになりますが、サブリースは誰にでもおすすめできる投資方法ではありません。
唯一おすすめできるのは、オーナーが多忙を極め「管理業務をする余裕がない」ようなケースのみであるといえます。
サブリースのメリットとして1-1. 賃貸管理に関する運営業務をサブリース会社に一任できるで解説したように、賃貸物件の運営・管理には多くの作業が必要です。
そのため、自力で管理が困難なオーナーにとっては、選択肢の一つとなるでしょう。
ただし、前述の通りサブリースには、サブリース会社の倒産や一方的な契約解除などによって、ある日突然自分で管理しなければならなくなるリスクもあります。
さらに以下のような点にも注意して契約しなければなりません。
・サブリース会社の経営状況 ・家賃保証に関する条件 ・契約見直しの時期 ・修繕費用の負担割合 ・入居者の質や契約状況 など |
オーナー自身で管理業務をする余裕がないケースであっても、サブリースの利用は慎重に検討しましょう。
サブリースを契約するときの注意点についてより詳しく知りたい人は、こちらの記事も参考にしてください。
参考:サブリース契約の15の注意点!契約前から後までの重要ポイント解説
6.サブリース以外にも!オーナーの負担削減・入居率向上の解決策
前章では、「オーナー自身で管理業務をする余裕がないケースであっても、サブリースの利用は慎重に検討しましょう」と解説しました。
「自分で管理・運営するのは難しいけど、サブリースを利用するのは不安」と思った人もいることでしょう。
実は、賃貸物件の管理・運営業務を外注する方法は、サブリース以外にも存在します。
この章では、賃貸物件の経営でよくある以下のような悩みに対して、サブリース以外におすすめできる選択肢を紹介します。
・自分で管理・運営ができないケース ・空室対策に悩んでいるケース |
上記の悩みを解決したいときは、サブリースだけではなく、この章で紹介する方法も検討してみてくださいね。
6-1. 自分で管理・運営ができないケース
賃貸物件の管理・運営を自分で行うことが難しい場合は、賃貸物件の管理委託に対応している不動産会社に依頼するのがおすすめです。
前述のように、賃貸物件の管理・運営はオーナーにとって大きな負担となります。
不動産会社と「管理委託契約」を締結することで、オーナーは不動産会社に賃貸物件の管理・運営の一部を委託することができます。
サブリース会社にも管理・運営を委託することは可能ですが、サブリース契約と管理委託契約には、以下のような違いがあります。
<サブリース契約>
管理・運営を行う人 | サブリース会社 |
管理・運営に関する決定権 | サブリース会社 |
入居者と賃貸借契約を結ぶ名義人 | サブリース会社 |
手数料 | 家賃収入の10〜20% |
敷金・礼金・更新料などの振込先 | サブリース会社 |
<管理委託契約>
管理・運営を行う人 | 不動産会社 |
管理・運営に関する決定権 | オーナー |
入居者と賃貸借契約を結ぶ名義人 | オーナー |
手数料 | 家賃収入の3〜7% |
敷金・礼金・更新料などの振込先 | オーナー |
このように、不動産会社による管理委託契約では、サブリースよりも低コストで管理を委託することができます。
6-2. 空室対策に悩んでいるケース
空室対策は、主に以下の2通りの方法で行うことができます。
・自分でできる空室対策を実施する ・賃貸物件の空室対策に強い管理会社に変更する |
それぞれの方法を見ていきましょう。
6-2-1. 自分でできる空室対策を実施する
入居率は、不動産投資の利回りに直結するため、多くのオーナーは下記のような工夫をして空室対策を行っています。
・ペット可/楽器可など多彩なニーズに対応する ・外国人やルームシェアなどターゲットを拡大する ・礼金なし/フリーレントなどお得感を演出する ・駐車場や郵便受け周辺など共有スペースの清掃やメンテナンスを行う ・無料インターネットや宅配ボックスの採用など付加価値を付ける |
上記のような工夫を行い、幅広く入居者を募ることで、高い広告費など費用を増やさずに空室対策ができます。
6-2-2.賃貸物件の空室対策に強い管理会社に変更する
入居率を上げるためには、入居者募集や空室対策のノウハウをもつ「賃貸物件の空室対策が得意な会社」を選択するのがおすすめです。
賃貸物件の管理を行っている不動産会社のなかにも、「賃貸物件の管理が得意な会社」と、中古物件の売買など「ほかに強みを持つ会社」が存在します。
とくに近年では、物件探しは会社のホームページや店頭に掲載された物件情報を見るだけではなく、インターネットを利用することが主流です。
空室対策として、不動産ポータルサイトやインターネット広告を活用できているかも重要なポイントとなります。
賃貸物件の管理が得意な会社を見つけるためには、以下のポイントをチェックしてみましょう。
・会社が管理している物件の入居率が95%以上か ・担当営業マンから、空室対策に関する具体的な提案があるか ・大手不動産ポータルサイトに物件情報を掲載しているか ・ネット上の物件情報は入居者にとって魅力的な物件写真を掲載しているか |
上記のように、賃貸物件に関する経験が豊富な管理会社と契約することで、所有する不動産に最適な空室対策を提案してくれるでしょう。
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参考:賃貸住宅市場レポート 首都圏版 関西圏・中京圏・福岡県版 2023年5月|株式会社レタス
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7-3. マンション1部屋からでも対応可能!リーズナブルな価格設定でサポートする
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当社の管理委託契約は、マンション1部屋から対応しております。ぜひ、お気軽にご相談ください。
LINEでのお問い合わせにも対応しております。
8. まとめ
最後にこの記事を簡単にまとめましょう。
〇サブリースには、以下のようなメリット・デメリットがあります。
サブリース契約で得られるメリット5つ |
・賃貸管理に関する運営業務をサブリース会社に一任できる ・空室の有無にかかわらず一定の家賃収入を得られる(家賃保証) ・入退去に関する諸費用を軽減できる ・税金の計算を簡略化できる ・相続税対策になる |
サブリース契約によって発生するデメリット7つ |
・家賃収入が減り利回りが悪くなる ・一定額の家賃保証がずっと続くわけではない ・修繕費用などはオーナー負担となることが多い ・入居者を選ぶことができない ・原則としてオーナー側からの契約解除ができない ・不動産を売りたいときに買い手が付きづらくなる ・サブリース会社が倒産した場合管理・運営をすべて引き継がなければならない |
〇サブリースのデメリットを軽視していると、以下のようなトラブルに巻き込まれるケースも珍しくありません。
・家賃保証を減額されローン返済が困難になった ・サブリース会社が経営破綻し家賃が振り込まれなくなった ・サブリース契約を解除され条件の悪い物件とローンだけが残った ・サブリース会社の独断で修繕工事を行い高額な修繕費用を請求された |
〇唯一サブリースがおすすめできるケースは「管理業務をする余裕がないケース」のみです。
しかし、以下のような悩みは、サブリース以外に賃貸物件の管理会社の導入や変更で対応することも可能です。
・自分で管理・運営ができないケース ・空室対策に悩んでいるケース |
サブリースは経験者の7割以上が後悔している現状があります。
サブリースの契約は、メリットだけではなく、デメリットやリスクをよく理解し、慎重に検討してください。