ソーシャルレンディングとはどのような投資手法?始め方も解説

「ソーシャルレンディングとは?」「ソーシャルレンディングのメリットやデメリットは?」などの疑問を抱いている方も多いでしょう。 今回はソーシャルレンディングの特徴やメリット・デメリット、始め方を解説します。これからソーシャルレンディングを始めるか迷っている方は、ぜひ参考にしてみてください。

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ソーシャルレンディングとは?

ソーシャルレンディングとは、お金を融資してほしい企業や人、そしてお金を増やしたい投資家をマッチさせるサービスです。1万円ほどの少ない資金から投資でき、定期的に高い利回りの配当が期待できるため、投資家にとっては魅力的な投資手法のひとつといえます。

また、運用は事業会社が行うため、値動きを常にチェックする手間がかからないという利点もあります。ただし、利回りや元本が保証されておらず、投資資金が回収できなくなるリスクもあるため、ソーシャルレンディングをする際は余剰資金で行うのがおすすめです。

ソーシャルレンディングのメリット4選

ソーシャルレンディングは、投資を受けたい企業や人と投資家にとって、下記のようなメリットがある投資手法です。

・少額投資でできる

・保全性が高い

・利回りが高い

・運用の手間がかからない

少額投資できる

ソーシャルレンディングでは1万円ほどから不動産投資を始められるため、自己資金が少ない方でも投資できます。

一般的な投資は、数十万〜数百万の資金が必要になるケースが珍しくありません。一方のソーシャルレンディングは、サービスによって価格は変動するものの、少額から不動産投資を始められます。そのため、手元の資金を確保しながら投資を行えるのです。

また、少ない資金で投資が行えるため、不動産投資を本格的に始める前の練習としても活用できます。

保全性が高い

ソーシャルレンディングの貸し倒れ率は、サービスによって異なるものの平均で1〜3%前後なので、投資案件としての保全性は高いといえます。ただし、融資という特性がある以上、今後貸し倒れが発生する可能性は十分にあるでしょう。

案件の中には保証付きの募集案件もあります。担保がある案件の場合、貸し倒れが発生したとしても運営会社が担保を売却し、投資資金も返済してもらえるため、損失を抑えられるでしょう。

ただし、担保がある案件は元本の保証をしているわけではないため、全額回収できない可能性がある点には留意しましょう。

利回りが高い

ソーシャルレンディングの利回りは平均2〜7%であり、0.05〜2%ほどが相場の債券と比較すると高いといえるでしょう。

さらに、ソーシャルレンディングでは投資して得た分配金を再投資できます。複利運用のようなスタイルも選択できるため、リスクを分散させられる点も安心です。

運用の手間がかからない

ソーシャルレンディングでは、投資を行ってから償還まで、運用の手間がほとんどかかりません。そのため、経済ニュースや金利動向などの確認をする必要がないのです。

また、売買のタイミングも事業者が判断してくれるため値動きをチェックする必要がなく、放置したまま運用できます。このように手間がまったくかからないのもメリットのひとつです。

ソーシャルレンディングのデメリット3選

メリットの多さが目立つソーシャルレンディングですが、下記のようなデメリットもあります。

・貸し倒れするリスクがゼロではない

・中途解約ができない

・情報開示の透明性が低い

メリットだけでなくデメリットも理解することで、ソーシャルレンディングをする際に最低限のリスクヘッジができるようになります。

貸し倒れするリスクがゼロではない

ソーシャルレンディングでは、貸し倒れが発生するリスクがあります。貸し倒れが発生する際に考えられる原因は下記の通りです。

・融資をした法人企業が業績不振に陥っている

・融資をした法人企業の返済能力が低下している

一度貸し倒れ状態になると、出資した資金は返済されないため、損失につながります。

また、ノンリコースローンには注意しましょう。ノンリコースローンとは、不動産などの収益力のある財産を基に融資し、返済責任をその財産の範囲内に限定する方法です。ノンリコースローンの案件に投資してしまうと、投資資金が返済されない可能性が高まります。

中途解約ができない

ソーシャルレンディングでは、一般的に運用中の中途解約が認められていないため、一度出資すると運用が終了するまで資金を引き出せない場合がほとんどです。そのため、生活資金まで投資に回すと、急遽まとまった資金が必要になったときに自己資金が不足してしまうおそれがあります。

また、満期になるまで資金がロックされるため、別の企業に投資することも不可能になります。そのため、複数企業に投資したい場合はその都度新しい口座を開設しなければなりません。

情報開示の透明性が低い

ソーシャルレンディング利用時には、情報開示の透明性が低い点に気をつけましょう。貸付先の属性や資金使途などは、投資判断に不可欠な要素です。ところが一部の運営会社では、貸付先の情報が不明確な状態で出資の募集を行っている場合があります。

近年では匿名性を解除する動きもあるものの、情報開示には貸付先の同意が必要なこともあり、依然として貸付先の情報が不透明なケースは少なくありません。

ソーシャルレンディングの始め方

ソーシャルレンディングは、下記の3ステップで始められます。

1. 投資用口座を開設する

2. 投資用口座に入金する

3. ファンドを選ぶ

投資用口座を開設する

ソーシャルレンディングを始める際、最初に必要な手続きは利用する事業者での口座開設です。

ソーシャルレンディング事業者は、現在20社程度といわれています。事業者ごとに取り扱っている案件や特徴が異なるため、違いを十分に比較・検討し、利用する事業者を選ぶことが大切です。

ソーシャルレンディングの手続きは、ほとんどWebで済ませられるため、面倒な書類の記入は必要ありません。個人情報の入力と本人確認書類、本人確認画像の提出、が完了したら、事業者側で審査を行います。審査を通過すると、登録時に必要なパスワードが郵送で送られてくるため、パスワードを登録したら投資用口座の開設は完了です。

投資用口座に入金する

投資用口座を開設できたら実際に入金しましょう。口座に入金・反映された金額の範囲内で投資ができるようになります。また、金融機関の営業日などの関係で入金の反映が遅れた場合、案件の募集が締め切られるおそれがあるため、余裕をもって早めに入金しておくのがおすすめです。 

ファンドを選ぶ

ソーシャルレンディングで資産運用をするためには、投資先のファンドを決めなければなりません。事業者のサイトで募集されているファンドの中から自分が投資したいものを探し、申し込みましょう。

ファンドを選ぶ際は、下記のポイントを確認しておくことで貸し倒れを防げます。

・事業の内容や期間

・利回り

・担保の有無

上記のポイントは案件ごとに記載されているため、申し込む前に必ず確認しましょう。

まとめ

今回はソーシャルレンディングのメリットやデメリット、始め方について紹介しました。貸し倒れリスクが低く利回りは高いため、投資家から人気を集めているソーシャルレンディングですが、損失が出る可能性もあります。ソーシャルレンディングを利用する際は、資産管理には十分注意するようにしましょう。