新NISAの成長投資枠とは? 一般NISAやつみたて投資枠との違いを紹介

2024年から新NISAが始まりますが、成長投資枠が一般NISAから何が変わったのか知りたい方もいるのではないでしょうか。また、もう一つのつみたて投資枠と比べてどちらで運用すべきかも決めておきたいところです。 今回は、新NISAの成長投資枠と一般NISAやつみたて投資枠の違い、成長投資枠がどのような方におすすめなのか紹介します。これから成長投資枠での投資に興味がある方は、ぜひ参考にしてみてください。

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新NISAの成長投資枠とは?

2024年に一般NISAは新NISAの成長投資枠に役割が引き継がれます。成長投資枠は、これまでの一般NISAと何が違うのか比較してみました。

制度

一般NISA

成長投資枠

口座開設期間

2023年まで

恒久化

対象年齢

18歳以上

18歳以上

非課税保有期間

5年

無期限化

年間投資枠

120万円

240万円

非課税保有限度額

600万円

1,200万円

(つみたて投資枠と合わせて1,800万円)

投資銘柄

上場株式や投資信託など

上場株式や投資信託など

併用

可能

ここからは、成長投資枠になってからの大きな変更点を詳しく解説します。

非課税保有期間が5年から無期限化

一つ目の変更点は非課税保有期間が5年から無期限化になった点です。

一般NISAでは、非課税保有期間が5年だったため、その期間を過ぎる前に売却するかロールオーバーしてさらに5年非課税で運用するしかありませんでした。

しかし、成長投資枠では、非課税保有期間の無期限化によりいつ売却しても税金がかからなくなりました。

したがって、成長投資枠においても長期間の積立投資がしやすくなったのです。一般NISAの5年では非課税期間が短いと考えていた方にとっては、大きな変更点といえます。

年間投資枠が120万円から240万円に増加

二つ目の変更点は、年間投資枠が120万円から240万円に増加した点です。

年間投資枠がこれまでの2倍に増えたことで、より多くの資金で運用できるようになりました。運用額が大きければ、より多くの利益を得られる可能性があります。

例えば、一般NISAで毎月10万円、新NISAで毎月20万円を積み立てた場合で利益を比較してみましょう。

ケース

投資合計額

利益

一般NISAで毎月10万円積立した場合

600万円

80万608円

新NISAで毎月20万円を積立した場合

1,200万円

160万1,217円

※運用期間5年、年利5%の場合

運用期間や年利が同じ条件でも大きな利益差が発生することがわかります。

つみたて投資枠との併用が可能

現行NISAでは一般NISAとつみたてNISAの併用はできません。よって、一般NISAでは、ロールオーバーしても最長10年しか非課税期間がなく、投資枠も最大600万円でした。

また、一度利用する枠を決めると、1年間はつみたて投資枠への変更ができないので使いにくさもありました。

しかし、新NISAでは、成長投資枠とつみたて投資枠の併用が可能です。成長投資枠で600万円、つみたて投資枠で400万円を運用するといった使い方もできます。

非課税保有限度額が600万円から最大1,200万円に増加

一般NISAの非課税保有限度額は600万円でしたが、成長投資枠では1,200万円に枠が拡大しました。

さらに、つみたて投資枠も合わせると最大1,800万円まで投資ができます。

非課税保有限度額が増える分、より多くの利益を得られる可能性があります。

【新NISA】成長投資枠とつみたて投資枠の違い

新NISAでは成長投資枠とつみたて投資枠の二つがあります。どちらか片方のみあるいは併用して利用できます。

成長投資枠とつみたて投資枠の違いについて比較したのが以下の表です。

投資枠

成長投資枠

つみたて投資枠

非課税保有期間

無期限化

無期限化

年間投資枠

240万円

120万円

非課税保有限度額

1,200万円

(つみたて投資枠と合わせて1,800万円)

1,800万円

(成長投資枠と合わせて1,800万円)

投資銘柄

上場株式や投資信託など

金融庁選定の長期の積立・分散に適した投資信託

併用

可能

それぞれの違いについて詳しく見ていきましょう。

つみたて投資枠よりも年間投資枠が多い

成長投資枠の年間投資枠は240万円です。つみたて投資枠より120万円も多いため、より多くの運用益を得られる可能性があります。

例えば、成長投資枠で240万円、つみたて投資枠で120万円をそれぞれ1年間積立した場合、以下の通り7万円以上の利益差が発生します。

成長投資枠の運用益

14万4,000円

つみたて投資枠の運用益

7万2,000円

※同じ銘柄で年利6%で運用した場合

多くの資金で運用したい方は成長投資枠がおすすめです。

投資できる銘柄の種類が多い

成長投資枠では投資信託だけでなく、株式やETFなど幅広い銘柄から投資先を選ぶことができます。

例えばSBI証券の場合、投資信託1,000銘柄以上、国内株式4,000銘柄以上、米国株5,300銘柄(いずれも2023年11月30日時点)など多くの商品に投資可能です。

しかし、つみたて投資枠で投資可能な銘柄は、211銘柄(2023年11月30日時点)しかありません。

幅広い銘柄や商品から選びたい方は、成長投資枠がおすすめです。

一括投資も可能

成長投資枠は、積立投資と一括投資の両方に対応しています。

一括投資ができる分、ずっと右肩上がりの相場であれば、成長投資枠の方が多くの利益を見込める可能性があります。

以下の表は、成長投資枠で240万円を一括投資したケースとつみたて投資枠で毎月10万円ずつを積立投資したケースで、年利6%かつ3年間運用した結果です。

投資枠

総投資額

3年後の利益※

成長投資枠

240万円

45万8,400円

つみたて投資枠

360万円

33万3,610円

※年利6%で運用したケース

総投資額は、つみたて投資枠の方が多いものの、成長投資枠の方が多くの利益を得られています。

このように、右肩上がりの相場であれば、一括投資が可能な成長投資枠に軍配が上がります。

成長投資枠に向いている方

全ての方に成長投資枠が向いているわけではありません。ここからは、どのような方が成長投資枠に向いているのか紹介します。

インデックスファンド以外にも投資したい方

成長投資枠は、つみたて投資枠でも取り扱いのあるインデックスファンド以外にも投資をしたい方におすすめです。

成長投資枠では、投資信託だけでなく、国内外の株式やREIT、ETFも対象銘柄に含まれます。

投資信託よりも値動きが大きい銘柄に投資をすれば、多くのリターンを狙えるかもしれません。

アクティブファンドで多くのリターンを狙いたい方

成長投資枠は、特定の指数を上回る運用成績を目指すアクティブファンドで多くのリターンを狙いたい方にもおすすめです。

なぜなら、アクティブファンドのなかには、インデックスファンドよりも運用成績の良い銘柄もあるためです。

したがって、アクティブファンドで多くのリターンを狙える可能性があります。

ただし、アクティブファンドは一般的にインデックスファンドよりも手数料が高く、運用成績で負ける銘柄が多いので注意が必要です。

多くの資金で運用したい方

成長投資枠はつみたて投資枠よりも年間投資枠が多く、一括投資もできます。多くの資金で運用すれば、高いリターンを狙える可能性があります。

加えて、インデックスファンドも対象に含まれるので、つみたて投資枠と同じ銘柄に投資して利益を得ても問題ありません。

インデックスファンドにしか興味がない方も成長投資枠との併用を検討してみましょう。

まとめ

新NISAの成長投資枠は、これまでの現行NISAよりも年間投資枠が増えて、非課税期間の制限もなくなったため、より投資しやすくなりました。特に多くの資金をNISAで運用したい方は、利用を検討してみてはいかがでしょうか。

また、新NISAからはつみたて投資枠との併用ができるようになりました。これまで以上に積極的にNISAを活用すれば、多くの利益を狙えるかもしれません。