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不動産投資を始めるにあたって、マンションやアパートを購入する方法には、ローンもしくは現金一括があります。
マンションやアパートなどの不動産は高額であるため、ローンを利用して始めるケースが多いです。一方、ローンを組むと月々の返済が発生するため、ローン返済に追われてしまい、十分な利益が得られない場合もあります。
ローンなしだとローン返済を考える必要はないものの、レバレッジ効果が使えないというデメリットもあります。
「ローンなし」「ローンあり」それぞれのメリット・注意点を踏まえたうえで、ローンの利用を検討することが大切です。
この記事では、不動産投資をローンなしで行うメリットや注意点を紹介します。
ローンなしで不動産投資を始めるメリット
不動産投資はローンなしで始めることも可能です。
ここでは、ローンなしで不動産投資を始めた場合にどのようなメリットがあるかを解説します。
収支のシミュレーションがしやすい
ローンなしで不動産投資を始める場合、ローンを組む場合に比べて収支のシミュレーションがしやすくなります。
不動産投資では管理費や税金、修繕費などが発生するものの、支出に占める割合はローン返済が特に大きくなります。
ローンなしの場合だと、ローン返済分を収支計算に組み込む必要がなくなり、将来の収支予測も容易になるでしょう。
不確実性が高い空室発生時の損失予測についても、ローン返済分を考慮する必要がなくなる分、イメージしやすくなります。収支のシミュレーションがしやすくなると、長期的な資産価値の変動を考慮した投資判断を行う際に安心感が増えます。
特に不動産投資初心者にとっては、収支の予測がしやすいことはメリットといえるでしょう。
金利負担がなくなる
不動産投資をローンなしで始めるメリットは、ローン金利を払わなくて済むため、金利負担がなくなることです。
例えば、3,000万円の不動産を購入するにあたって、金利2%で20年のローンを組んだ場合にかかる金利は642万3,456 円です。ローンなしで不動産を購入する場合、この金利の支払いは必要なくなります。
また、ローンなしで不動産投資を始めることで金利変動リスクもなくなります。金利変動リスクとは、金利が上昇することで支払う金利が増え、家賃収入だけではローン返済が難しくなる状況です。
このように、ローンなしで不動産投資を始めると、経済状況の変化にも左右されず、一定の収益を確保できます。
不動産に抵当権がつかない
不動産に抵当権がつかないことも、不動産投資をローンなしで始めるメリットです。
抵当権とは、ローンを組んだ場合に返済ができなくなったときに債権者が不動産を差し押さえられる権利です。抵当権がついている不動産は、オーナーであっても勝手に売却や用途を変更することはできません。
抵当権を外すためには、ローンを完済したうえで、抵当権抹消登記を行う必要があります。
一方、ローンなしで不動産を購入する場合は最初から制限なく自由に使用できるため、いつでも売却したり、途中で用途を変更したりも可能です。
個人の属性や物件の種類に関係なく不動産の購入ができる
不動産をローンなしで購入するメリットは、個人の属性が低く、融資を受けにくい不動産でも購入できることです。
不動産投資ローンの審査対象になるのは、申し込みをした本人の属性や融資対象となる不動産の担保価値が挙げられます。
属性とは年収や勤続年数、収入の安定性、職業、借入の有無などで、属性が低いと審査に通りにくくなります。不動産の担保価値については、築年数が古すぎるものや、再建築できないものは価値が低いとみなされるため、融資を受けることは困難です。
ローンなしで不動産を購入する場合、どれだけ属性が低くても、不動産に問題があってもローンを組まないため購入できます。
条件交渉がしやすい
ローンなしで不動産を購入する場合、売主は確実に売却ができるため、条件交渉しやすいメリットがあります。
不動産投資ローンを利用して不動産を購入する場合、契約書にローン特約と記入するのが一般的です。これは、融資審査に通らなかった場合に契約を白紙撤回し、売主が受け取った手付金を買主に返還するというものです。
売主にとっては、買主のローン契約成立まで安心できず、ローンに通らなければ新たに買主を探さなければなりません。
一方、ローンなしだと買主の合意だけで売買が成立するため、ローン契約成立を待つ必要がなく、さらにローンに通らなかったらという心配もなくなります。
そのため、買主は売主に対して条件で交渉がしやすくなるというわけです。
ローンなしで不動産投資を始める場合の注意点
ローンなしで不動産投資を始めるメリットは多いですが、その一方で注意点もあります。
ここでは、ローンなしで不動産投資を始める場合の注意点を解説します。
レバレッジ効果を得られない
ローンなしで不動産投資を始める場合、レバレッジ効果を得ることができないため、手持ちの資金分内で不動産を探さなければなりません。
レバレッジ効果とは、てこの原理を意味する言葉で、不動産投資においてはローンを利用して少ない資金で大きな利益を得ることを指します。
例えば、1,000万円の資金を持っているとした場合に、ローンなしだと購入できるのは1,000万円以内の不動産です。
しかし、ローンを利用すると、1,000万円の資金でも2,000万円や3,000万円など資金以上の不動産を購入できます。
不動産の金額が高いということは、それだけ条件もよく、より高い家賃収入が期待できるでしょう。
不動産投資のレバレッジ効果の具体例や事前に知っておきたいことは、以下の記事でも詳しく解説しています。
団体信用生命保険(団信)が利用できない
ローンなしで不動産投資を始める場合、団体信用生命保険(団信)への加入ができない点にも注意しましょう。
不動産投資のメリットとしてよく挙げられるのが団体信用生命保険(団信)です。これは、ローン契約者が亡くなったり、高度障害を患ったりした場合に、ローン残額を免除する仕組みとなります。
ローン残高がゼロになることで返済が不要となるため、残された家族がローンのない不動産を受け取り、その後も家賃収入が受け取れるというものです。
これはローン契約者の特典となるため、ローンなしで不動産を購入すると、団体信用生命保険(団信)への加入はできません。
もちろん、ローンなしで購入した不動産は自己財産となるため、自身が亡くなっても、不動産を家族に残すことはできます。
税務調査が入るケースがある
ローンなしで不動産を購入する場合、税務調査が入るケースがあります。
税務調査が入る理由は、高額な不動産を購入する際の資金調達や、購入目的を明らかにするためです。特に他人から贈与されたお金で不動産を購入した場合は、贈与税の支払いについてチェックされるため注意しましょう。
他人から年間110万円を超える贈与を受け取ると、贈与税の支払い義務が発生するため、税金の申告を正しく行っているかどうか税務署は厳しくチェックします。
ローンなしで不動産を購入する際には、購入に至るまでの書類を適切に保存し、税務調査が入った場合に対応できるように準備しておきましょう。
税務調査でチェックされる項目や事前対策については、以下の記事でも詳しく解説しています。
不動産投資の経費が多いとバレる!税務調査でチェックされる項目や事前対策を紹介
不動産投資でローンあり、ローンなしに向いている人の特徴
ローンなしで不動産投資を始めるのがいいかどうかは、その人の資産や属性、投資スタイルによっても変わります。
ここでは、不動産投資でローンありが向いている人、ローンなしが向いている人の特徴をそれぞれ解説します。
ローンありが向いている人
不動産投資でローンありが向いているのは、安定した収入を得ていて、十分な自己資金が手元にない人です。
ローンなしで不動産が購入ができるように今から資金を貯め始めるより、ローンを組んで運用を始める方が効率的といえます。安定した収入があるのであれば、ローンを組む際にも有利な条件で組みやすくなるでしょう。
ローンを組むと団体信用生命保険(団信)に加入ができるため、もしものことがあっても家族に不動産を残すこともできます。
また、ローンを組むことによって現金を手元に残しておけるのもメリットです。急な出費が必要になった場合に備えたい場合は、現金をあえて手元に残し、ローンを組むのも選択肢といえます。
ローンなしが向いている人
ローンなしが向いているのは、十分な資金があって、ローンを組まなくても不動産の購入ができる人です。
手元にある資金で不動産投資できるなら、レバレッジ効果を狙って借金を背負う必要はありません。
ローンなしなら、月々のローン支払いに追われる必要もなく、ローンの審査待ちによって購入のタイミングを伸ばすこともないでしょう。
一方、ローンなしで不動産投資を始める場合、不測の事態に備えて、ある程度資金を手元に置いておく必要があります。
まとめ
この記事では、不動産投資をローンなしで始めるメリットや注意点を解説しました。
十分な資金がある場合は、ローンなしで不動産投資を始めるのもよいでしょう。
一方、ローンを組むことによって、資金以上の不動産を購入できたり、団体信用生命保険(団信)に加入できたりなどのメリットもあります。不動産を一括購入できる資金があっても、ローンを組んで現金を手元に残しておくのもよいでしょう。
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