不動産投資をマンションの一室で始めるメリットとリスクを解説

目次1 マンションの一室で不動産投資を始めるメリット1.1 初期投資が比較的少額で済む1.2 複数物件の所有でリスク分散 … 続きを読む 不動産投資をマンションの一室で始めるメリットとリスクを解説

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不動産投資は、一棟物の保有と特定の一室のみ運用するワンルームマンション経営に分かれます。

 

購入費用を抑えて資金力に乏しい人でも、賃貸経営を開始できるワンルームマンション投資は初心者に人気です。

 

しかし、マンションの一室だけの不動産投資は難易度が高く、物件の見極めを重視しないと失敗を招きます。

 

この記事では、ワンルームマンション投資のメリット、やめとけといわれる理由、成功に導くコツを紹介します。

 

不動産投資が初めてで物件の選定基準が分からない人や、自己資金が少なく一棟物の保有が難しい人は、ぜひ本記事を参考にしてください。

マンションの一室で不動産投資を始めるメリット

はじめに、マンションの一室から不動産投資を始めるメリットを解説します。

初期投資が比較的少額で済む

ワンルームマンション投資は一棟物より購入費用が安価で、10分の1程度にコストを抑えられます。

 

マンションを丸ごと持とうとすると多くの支出が伴いますが、区分マンションなら首都圏でも2,500万円程度が相場です。

 

1,000万円以上の金額を自己資金で補うのは難しいため、ローンを組んで不足分を賄う事業主が大半となります。

 

物件の購入コストの7割を借り入れで補填する場合、自分で支払う金額は1,000万円以下で済みます。

 

いきなり億単位の支出を迫られる一棟物の購入は、初心者には気持ちの面でもハードルが高いと想定されます。

 

賃料収入は低くても小規模な投資でも問題ないのは、ワンルームマンション経営の利点です。

 

※参考:健美屋「収益物件市場動向四半期レポート

複数物件の所有でリスク分散ができる

1軒あたりのコストが小さい一室のみの投資は、複数物件の購入によるリスク分散に向いています。

 

保有物件が一つしかないと、万一空室や家賃の滞納があった時に売上が一気に低下します。

 

一方、他の物件に入居者がいれば収入が完全に途切れるリスクはなく、窮地を脱することが可能です。

 

リスクヘッジを考えるならば、軒並み共倒れとなる最悪の事態を防ぐため、エリアや築年数(新築か中古か)が異なる物件の保有が重要です。

 

中古物件だけでは地域を分散していても、津波や地震が発生したら一緒に崩れ落ちる可能性があります。

 

大規模修繕の時期をずらして大幅なコスト増を防ぐ効果も期待できるため、複数物件の保有では築年数への配慮が必要です。

生命保険の代わりになる

ローン加入時に契約する団体信用生命保険は、万が一の場合にローンの返済が免除となる効果があります。

 

契約者が死亡、または高度障害状態になった時、保険会社から金融機関にローン残高の保険金が支払われます。

 

残された家族に返済のしわ寄せがいかず、両親や子供は家賃収入を得ながら生活を継続できるのは利点です。

 

賃貸経営を諦めてマンションを売却し、教育費用や生活費に充てる一時金を確保する道も残されています。

 

ただし、団体信用生命保険はローンの加入時に契約しなくてはならず、契約後の途中加入は認められません。

 

また、健康状態次第では保険の加入を断られる可能性もあるため、持病持ちや体が弱い人は要注意です。

節税効果が期待できる

ワンルームマンション投資では、次の制度を活用して各種税金の節税が可能です。

 

  • 損益通算による所得税と住民税の削減
  • 小規模住宅用地の特例による固定資産税との削減

 

不動産所得で発生した損失を、給与所得や事業所得で得た利益と相殺して課税所得を圧縮できます。

 

赤字経営の場合に限定されますが、個人に課される住民税と所得税の節税につながります。

 

小規模住宅用地の特例は、直接土地を保有はしないワンルームマンション経営でも利用できる制度です。

 

持分の範囲内で200平方メートルを上限に、固定資産税を1/6、都市計画税を1/3に圧縮します。

ワンルームマンション投資はやめとけといわれる理由

メリットが大きいワンルームマンション投資ですが、「やめとけ」「おすすめできない」と否定的な意見も耳にします。

 

投資規模が小さく収益性の観点から不安があるのは事実です。一棟物かマンション一室の保有か検討中の人は、ワンルームマンション投資のデメリットを把握する必要があります。

家賃収入がゼロになる可能性があるため

管理する一室に入居者が寄り付かなければ、家賃を受け取れず賃貸経営の収入はゼロです。しかし売上がなくても、ローンの返済や維持管理コストの支払いは避けられません。

 

入居者がいない状態が続けばキャッシュフローはどんどん悪化し、最悪の場合、自己破産に陥ります。

 

しかし、一棟物を運用すれば完全に収入がなくなるリスクを抑えられるため、ローンの返済や管理コストなどの最低限の支出は何とかなる可能性が高いです。

収入に対する維持費の比率が高い

マンション一室のみの小規模な投資とはいえ、管理上さまざまな出費は避けられません。

 

月々のローンの返済や管理費の他、修繕費や固定資産税、管理会社への委託料、火災保険や地震保険の保険料などです。

 

これらのコストを積み重ねた時、ワンルームマンション投資では収入に対する費用の比率が高くなります。

 

手元に残る割合が少なくなり、たとえ入居者がいる状況が続いても十分な収益を確保できない可能性があります。

 

収益性の低さは、ワンルームマンション投資に臨むすべての人が避けられない大きなデメリットです。

サブリース保証の確実性が低いため

入居者が見つからない時の対策として、空室の発生時に家賃の一定割合を保証するサブリース契約を結ぶオーナー様もいます。

 

サブリースは万一のリスクヘッジに適した手法なのは間違いありませんが、補償内容の入念な事前確認が必須です。

 

よくあるトラブルが、物件の管理をサブリース業者に任せた後、業者から賃料減額の請求を受けて、オーナーとの間にいざこざが発生するケースです。

 

サブリース契約では空室リスクの低下を意図して、将来的に家賃の変動を求められる可能性があります。

 

保証期間や条件も含め、契約内容を事前にチェックしないと予期せぬトラブルの対応に苦慮することになりかねません。

保険代わりとして不十分な場合も多いため

不動産会社の営業マンは、「月々の収支が赤字でもローン返済後は丸ごと利益が手元に残るし、経営が厳しければ売却して多額の一時金を受け取れます」とアピールしてきます。

 

しかし、賃貸用物件だけでは彼らが主張する保険の効果は薄いといわざるを得ません。大きな理由は、修繕積立金や管理委託料をはじめとした数々のコストの存在です。

 

オーナーの手元に残るのは上記の費用を差し引いた後の金額にとどまり、家賃のすべてが利益になるのではありません。

 

また物件を売却する頃には、経年劣化でマンションの価値が著しく下落している可能性は決して低くありません。

節税効果が小さいため

マンションの一室を保有する場合、減価償却の節税メリットは残念ながら限定的だといわざるを得ません。

 

なぜなら、RC(鉄骨)造りが多いワンルームマンション投資は、減価償却費の算出根拠となる耐用年数が長めだからです。

 

減価償却費の代表的な計算手法の定率法では、取得価額を耐用年数に応じた償却率で除して費用を算定します。例えば、法定耐用年数が5年の建築構造の物件なら償却率は0.2です。

 

つまり減価償却の節税効果を享受するには耐用年数が短い物件を購入して、単年当たりの費用を高い水準に維持しないといけません。

 

鉄骨造りの寿命が長いワンルームマンションで減価償却費を多く計上するのは難しいです。

 

ワンルームマンション投資の節税効果は?節税の仕組みや注意点を解説!

ワンルームマンション投資で失敗しないためのポイント

ここでは、ワンルームマンション投資の成功率を高める上で押さえるべきコツを解説します。

賃貸ニーズが高いエリアを選ぶ

ワンルームマンション投資では、賃貸需要が激しいエリアで始める必要があります。

 

首都圏に位置する、最寄り駅から徒歩圏内にある、周辺の商業施設が充実していることは必須に近い条件です。

 

人口数を確認する際は現在の数のみならず、転入者の多さにも目を向けると良いでしょう。

 

将来的に今以上に栄える可能性が高く、入居者が退室した時にすぐ新しい人が見つかりやすいです。

新築物件を中心にチェックする

ワンルームマンション投資の物件は、近いうちに修繕費が発生せず、新しい設備で入居者から評価を得やすい新築物件の購入が適しています。

 

利回りは中古マンションに比べて劣る可能性が高いですが、空室リスクを抑えられ、すぐに家賃収入を得られる環境にあります。

 

トレンドを踏まえた最新設備の導入や入居ニーズの高さも相まって、早期に経営を軌道に乗せられる可能性が高いです。

 

新築ワンルームマンション投資は危険?成功させる3つのコツをご紹介

信頼できる不動産会社を見極める

難易度が高いワンルームマンション投資で成功するには、経験豊富なプロフェッショナルへ積極的に相談しましょう。初心者が精度の高い収支計画を立案するのは至難の業です。

 

はじめのうちは、投資戦略や物件の選び方など分からないことを即座に質問できる環境の整備に力を入れましょう。

 

信頼できる不動産会社を見極める際は実績や利用者の評価、運営年数、事務所の立地などが重要事項です。

 

一等地にオフィスを構える不動産会社は、高額の賃貸料を負担しても経営に影響が出ない程の潤沢な資金力を有すると判断できます。

入念な資金計画と修繕計画を立てる

物件の購入を済ませる前に、ゆとりある資金計画の策定と漏れのない修繕計画の策定を心掛けましょう。

 

ワンルームマンション経営に特有の、収入が完全に途絶えるリスクを和らげるには貯蓄の備えが不可欠です。

 

ローンの金利が上がる可能性や家賃滞納のリスクも考慮した、堅実で抜け目のない計画の策定が重要です。

 

修繕計画を考える上では、管理組合に定期的に拠出する修繕積立金の存在を忘れないようにしましょう。

 

大規模修繕の工事費が足りない時に追加分を負担するのは、他でもないオーナー自身です。

 

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まとめ

初めての不動産投資でワンルームマンションを選ぶのは、聡明な判断です。

 

ただし収益性の低さに注意を払い、ニーズが高いエリアで入念な戦略や計画を準備した上で実施する必要があります。

 

信頼できる不動産会社によるサポートは、経験がない人の賃貸経営を成功させる重要なポイントです。

 

アセットテクノロジーは、アプリを介した業務改善を通して、オーナー様や入居者に満足度が高いサービスを提供しています。

 

経験豊富なプロに成功まで導いてほしいと望む人は、ぜひご相談ください。