不動産投資は物件選びが重要!選び方・エリア決めのポイントは?

不動産投資は、アパートやマンションを一棟丸ごと購入せずとも、気軽に1室から始めることができます。不動産投資で成功するためのポイントは、費用をいくらかけるかではなく、資産価値が下がりにくい物件を選ぶことです。

今回は不動産投資で失敗しないための、物件選びのコツを解説します。

この記事は約9分で読み終わります。

種類で選ぶ?不動産投資のジャンルは主に4つ

不動産投資の対象となる物件には、大きく分けて次の4種類があります。

・区分マンション投資

・一棟マンション投資

・アパート投資

・戸建て投資

物件ごとの特徴や投資する際の注意点を以下で解説します。投資の目的や自身の経験に合わせて物件選びの参考にしてください。

区分マンション投資

区分マンション投資とは、マンションを一部屋単位で所有して投資を行う方法のことです。単身者やファミリーなどターゲットにしたい層に合わせて、部屋の広さや間取りを柔軟に選ぶことができます。

一棟丸ごと購入する場合と比べて、初期費用を格段に抑えられるうえ、売却もしやすく、投資初心者でも気軽に始めやすいことが魅力です。

ただし、区分所有では空室により家賃収入がゼロになることもあります。また、共用部分の管理は自分で行えないため、外壁などの劣化で資産価値が目減りするリスクがあります。管理体制が良好か事前に確認しておきましょう。

一棟マンション投資

一棟マンション投資とは、マンションを一棟丸ごと所有して投資を行う方法を指します。初期費用が大きい一方で、家賃収入で得られる利益も大きいことが特徴です。

複数の部屋を所有する一棟マンション投資では、空室が生じても、家賃収入がなくなってしまうというリスクが小さいといえるでしょう。

また、建物全体について共用部も含めて自分で自由に管理ができるため、リフォームや修繕を好きなタイミングで行うことが可能です。

ただし安定して利益を上げるには、経営ノウハウが必要となるため、初心者向きではありません。

アパート投資

アパート投資とは、一棟マンション投資と同様に、アパートを一棟丸ごと所有して行う投資手法です。マンションと比べアパートは規模が小さいので、比較的少ない初期費用で始められます。

複数部屋があるため家賃収入が安定しやすく、初心者にもおすすめです。

ただし木造建築が多いアパートは、長期間運用していると修繕費用がかさみやすく、コストパフォーマンスが低下しやすいことに注意しましょう。

戸建て投資

戸建て投資とは、一戸建て住宅を購入して投資を行う方法を指します。一戸建ての賃貸は安定した需要があるため、収入を維持しやすい投資方法です。また、マンションやアパートに比べて、賃貸の一戸建ては供給が少ないことも魅力といえるでしょう。

ただし、マンションの区分所有と比べると、一戸あたりの修繕費用や維持費用がかさみやすい点に注意が必要です。

失敗しない不動産投資向け物件の選び方

不動産投資向けの物件選びに失敗しないためには、以下の4つのステップを押さえることが大切です。

・実績が豊富な不動産会社に依頼する

・買うべきではない物件を除外する

・不動産投資の目的を明確にする

・候補の中から購入する物件を選ぶ

それぞれのステップにおけるポイントを紹介します。

実績が豊富な不動産会社に依頼する

取引実績が豊富で信頼できる不動産会社を選ぶことが大切です。

不動産会社の中には、

・フォロー体制が整っていない

・管理状態の悪い物件を勧める

といったケースも存在します。不動産投資は、物件購入後も物件を上手に管理し利益を上げていく必要があるため、パートナーとなる会社選びは慎重に行いましょう。

具体的には、以下の特徴を満たしているか確認して選ぶと安心です。

・業歴が長くフォロー体制が整っている

・顧客の声を掲載している

・インターネットなどで悪い口コミが少ない

・多数の金融機関と取引がある

買うべきではない物件を除外する

不動産会社から紹介される物件の中から、「家賃収入が見込めない」「投資効率が下がる」「入居者が見込めない」といった物件は投資対象の候補から外しましょう。

とくに、以下に当てはまる物件は避けた方が無難です。

・政令指定都市周辺のエリア外にある物件

・違法建築物

・瑕疵物件

不動産会社が提案する物件の中には、投資向きでない物件が含まれている可能性があることを念頭に置いて、自分で確認することが大切です。

不動産投資の目的を明確にする

不動産投資の目的に応じて最適な物件も変わるので、投資目的を明確にし、それに合致する物件を候補に残すようにしましょう。

主な投資目的には、「副収入」「所得税などの節税」「相続税の節税」の3つが挙げられます。目的別のおすすめ物件は、以下のとおりです。

投資目的

おすすめ物件

副収入

人気エリアのマンションなど賃料が下がりにくく空室リスクの低い物件

所得税などの節税

減価償却費をなるべく計上できる物件

相続税の節税

評価額を圧縮できる物件

候補の中から購入する物件を選ぶ

利回りや築年数などが投資対象として相応しい物件であるかという観点から、購入する物件を決定します。

検討する際は、以下のポイントをチェックしておくことで、失敗のリスク軽減につながります。

・駅から近い、賃料が適切など、入居者が決まりやすい物件かどうか

・修繕費用など物件購入後に想定される支出と収益のバランスはとれているか

・実際に物件を見て、エリアや入居者の雰囲気を確認

資産価値が下がりにくい不動産物件を選ぶには?

不動産投資の出口戦略としては、売却が一般的です。売却時に少しでも収益を得るためには、資産価値が下がりにくい不動産物件を購入する必要があります。

物件選びで資産価値が下がりにくいかどうかを見極めるためのポイントとして、次の4つが挙げられます。

物件の利便性

物件の長期的な安定収入に大きく関わるのが利便性の高さです。最寄り駅から徒歩数分の立地にあったり、利用する路線がターミナル駅に出やすかったりと、入居者が日常生活を送る上で利便性を感じるかどうかが重要です。

駅や路線の他にも、コンビニや飲食店、ドラッグストア、スーパー、病院など生活に必要な施設が近隣にあるかどうかも利便性に大きく関係します。

丁寧なメンテナンス

不動産の資産価値を保つポイントとして、物件の管理体制も大きく関わってきます。

築年数の経った物件は、どうしても古めかしいイメージが生まれがちです。入居者を獲得するためには、「多少古くても管理が行き届いている」ことをアピールする必要があります。

物件を選ぶときは、共用部分が清潔に保たれているか、設備の定期点検は行われているかチェックしましょう。判断しやすい部分は、清掃や電灯の交換、花壇の手入れなどです。

築年数が長くてもきちんと清掃が行き届き、電灯もこまめに交換されたり花壇が丁寧に世話をされたりしている物件は、メンテナンスが行われていると判断できます。

物件の方位や階数

物件の方位や階数も、可能な範囲で重視しましょう。

部屋の方位で一般的にセールスポイントとされているのは南向きです。ベランダやサンルーム、リビングなどが南向きか否かで、洗濯物の乾きや部屋の採光、雰囲気が大きく異なります。

部屋が西向きや東向きだった場合、午前と午後で採光が変わるため、入居希望者によってはデメリットを感じることがあります。

また、階数も重要です。現行の法律では、4階建まではエレベーターの設置義務がありません。エレベーターの設置、維持、管理にかかる費用はオーナーの負担となります。

エレベーターがあると利便性をアピールできる一方で、ランニングコストがかかるデメリットもあるため、一棟買いをする場合は慎重に判断しましょう。

入居者ニーズに適した設備

物件があるエリアと入居者のニーズ、両方の観点から適した設備があるかどうかも重視したいポイントです。たとえば小中学校や公園近くの物件は、ファミリー層が喜ぶ間取りがあるかが重要です。

宅配ボックスや24時間利用可能なゴミ置き場、セキュリティ面などは幅広い入居者にアピールできます。

設備に力を入れている物件は空室率を抑えるだけではなく、資産価値が下がりにくい効果も期待できます。

物件選びで失敗しない人の特徴

物件選びで失敗しない人には、いくつかの共通点があります。ここでは不動産投資で成功するための基礎知識として、物件選びで失敗しない人の特徴を3つ紹介します。

不動産投資の知識を身に付けている

投資物件を購入する前に、投資家本人が正しい知識を学んでおく必要があります。何の知識もない状態で投資を始めようとすると、不動産会社選びも失敗しかねません。

また、不動産投資は経営に近い性質があります。経済や景気変動の影響を受けやすく、継続的に収益を上げるためには不動産の知識に加えて経営学や法律学などの専門的な知識も必要です。

物件を現地で見ている

現代はインターネット上で内見ができ、オンラインで不動産会社とやり取りできます。しかし物件選びで失敗しないためには、現地確認が欠かせません。

現地で物件を確認すると、インターネット上には掲載されていない情報や、異なる情報も見つけられます。

たとえば室内や共用部分の様子は、タイミングによって変化することがあります。建物全体の雰囲気、地域の治安、周辺施設の営業状況、駅・バス停までの距離なども自ら足を運んで確認することが大切です。

実際に内見をして入居者の目線で確認することで、生活上の動線や採光性なども分かります。

表面利回りだけで判断しない

投資物件を選ぶとき、重要な指標となるのが利回りです。利回りとは不動産価値と満室時の収益を単純計算した「表面利回り」と、空室や修繕費などの諸費用も考慮した「実質利回り」の2種類があります。

不動産会社が提示する物件情報などに記載されているのは、主に表面利回りです。修繕などの出費がなく満室であることを前提に計算されているため、実際の収益とは異なります。

物件選びで失敗しない人は、購入時と運営時のコストや税金、メンテナンスなどの費用も考慮された、実質利回りを確認しています。

不動産投資物件は「首都圏」と「地方」どちらにすべき?

不動産投資物件を購入するにあたって「首都圏」と「地方」どちらにすべきか悩まれる方は多いでしょう。

ここでは、それぞれのロケーションに向いている人の特徴を解説します。

首都圏の物件が向いている人

首都圏の物件が向いている人の特徴が以下のとおりです。

・投資目的が「相続税の節税」の人

・投資初心者

・運用にかかる時間を省きたい人

首都圏の物件は、入居者が見つかりやすく空室リスクが低い、購入費用が高くなりやすいなど資産価値が高く収益化しやすい傾向にあるためです。

物件を相続された人も手軽に家賃収入を得たり売却したりできます。人気物件であれば、初心者や兼業などで時間をかけられない人でも収益化を見込めるでしょう。

地方の物件が向いている人

地方の物件は、

・高いリターンを得たい人

・不動産投資の知識がある人

・運用にかかる時間を確保できる人

に向いています。

地方の物件は購入費用が首都圏の物件に比べて安いので、利回りが高くなりやすい傾向があります。一方で、空室リスクが大きい場合も多く、安定して収入を得るには経営スキルや知識が必要とされるためです。

まとめ

不動産投資に最適な物件を選ぶには、投資の目的や経験、投資にかけられる時間などを踏まえて、自分に合った物件の種類などを検討することが大切です。また、パートナーとなる不動産会社選びも重要なポイントとなります。