目次
不動産投資ローンを借り換えるメリットとデメリット
不動産投資ローンの借り換えには、以下のとおりメリットやデメリットがあります。
メリット | ・金利タイプの見直しができる ・金利の交渉ができる場合もある ・信用力が高まる |
デメリット | ・手数料やその他費用が発生する ・返済額が増える場合がある ・借り換えできない場合がある |
それぞれの内容を具体的に把握し、借り換えするかどうか判断する参考にしてください。
メリット
冒頭でもお伝えしたとおり、住宅ローンの借り換えのメリットは次の3つです。
・金利タイプの見直しができる
・金利の交渉ができる場合もある
・信用力が高まる
それぞれについて解説します。
金利タイプの見直しができる
住宅ローンを借り換えると、現在の状況から見て、より有利な金利の種類に変更することができます。
住宅ローンの金利は、種類によって金利の見直しタイミングが異なり、代表的なものは次の3つです。
金利種別 | 見直しのタイミング |
変動金利 | 概ね半年ごとに金利の見直しを行う |
固定金利 | 返済期間をとおして金利の見直しを行わない |
固定期間選択型 | 3年、5年など金利を固定する期間を選び、固定期間が終了した時点で新たな金利が適用され再度固定期間も選び直す |
通常、いったんローンを組んだら金利の種類を変更することはできませんが、借り換えによって自由に変えることが可能になります。
金利の交渉ができる場合もある
現在ローンを組んでいるのとは別の金融機関から借り換えを持ちかけられた場合、金利の交渉ができるケースもあります。
新たな金融機関は顧客を獲得するために、既存の金融機関は他行から借り換え提案を受ける信用度の高い顧客との関係を維持するため、それぞれ交渉に応じる可能性が高まるためです。
借り換えの打診があった場合は、交渉をしてみてもよいでしょう。
信用力が高まる
ローン借り換えによって返済額を減らす、または借入先を大手金融機関に変更することができれば、信用力を高めることが可能です。
信用力を高められれば、次回のローン審査に通りやすくなるなどの恩恵があります。借り換えを検討する際は、信用力を高められる借り換え先かどうかも踏まえて検討しましょう。
デメリット
主なローン借り換えのデメリットは、次の3つです。
・手数料やその他費用が発生
・返済額が増える場合がある
・借り換えできない場合がある
借り換えすべきかどうか悩んでいる場合、確認しておきましょう。
手数料やその他の費用が発生する
ローンの借り換えを行うと、次のような手数料が発生する可能性があります。
借り換え時に発生する費用例 | 費用の概要 |
一括繰上返済手数料 | 元金を返済する際にかかる費用。借入先の銀行や借入期間によって異なる。 |
融資手数料 | 融資を受ける際の事務手数料。保証の有無によって金額が異なる。 |
印紙代 | 不動産投資ローンの締結にかかる費用。借入額によって税率が定められている。 |
保証料 | 不動産投資ローンを組む際に契約する保証会社に支払う費用。支払い方法は、一括または金利に上乗せして払う方法の2種類。 |
抵当権設定登記費用 | 抵当権設定にかかる費用。司法書士などへの報酬であるため、減額交渉は困難。 |
住宅ローンの借り換えがお得かどうか正しく判断するには、金利や返済額の低さだけでなく、手数料額も含めて確認しましょう。
毎月の返済額が増える場合もある
ローンの借り換えを行ったばかりに、月々の返済額が増えてしまう場合もあることに注意が必要です。
借入期間は、担保となる不動産の法定耐用年数に応じて増減します。建物の場合は年数が経てば経つほど耐用年数は減少するため、借り換えのタイミングでは、短い借入期間しか設定できない場合があるのです。
借り換え時は金利だけでなく、借入期間や月々の返済額も確認しておきましょう。
借り換えができない場合もある
住宅ローンの審査が下りたからといって、借り換え時も審査が通るとは限らないことに注意しましょう。
借り換え時はローン審査もやり直しになるため、借り換え時点での信用力や資産価値、健康状態に基づいて判断されます。
初回借入の後に、
・転職した
・別のローンを組んだ
・クレジットカードの支払いが滞った
など状況が変化しているなら、借り換えできない場合があります。
不動産投資ローンの借り換えの流れ
不動産投資ローンを借り換える流れは、以下のとおりです。
借り換えの基本的な流れ |
1.現状を把握 2.借り換え先に相談して審査を受ける 3.既存のローンを一括返済 4.抵当権を再設定 |
各段階について解説します。
現状を把握する
まずは、現在の借り換え先の条件や返済額を確認しましょう。現状がわからないと、どのような条件であれば借り換えのメリットがあるのか、判断できないためです。
具体的に借り換え後の金利や借り換え時にかかる費用などを計算してみて借り換えする利点があると判断できたら、金利や融資を受ける難易度や対応するエリアを考慮しながら、借り換え先を選定しましょう。
借り換え先に相談して審査を受ける
借り換え先を決めたら、融資の相談に行き、審査を受けましょう。借り換えとはいえ、審査手続きは新規と同様です。
・売買契約書、重要事項説明書、登記簿謄本
・確定申告書など収入を証明する書類
・預金通帳など現在の資産がわかる資料
上記のような、審査に必要な書類を準備しておきましょう。
既存のローンを一括返済して解約する
借り換え先で審査が通り融資金を受け取ったら、既存のローンを一括返済し解約しましょう。
借り換え先の審査が通ったタイミングで、既存の借入先である金融機関と一括返済の日程などを相談しておくと、スムーズに進められます。抵当権抹消登記も必要ですので、ローン一括返済時に手続きできるよう、あわせて話をしておきましょう。
抵当権を設定し直す
既存の借入先に一括返済し抵当権抹消登記が完了したら、借り換え先との間で、担保となる不動産に抵当権設定登記を行います。
抵当権を設定し直すためには、既存の借入先から抵当権抹消書類を受け取っておく必要があります。事前に、いつ頃、どのような方法で受け取れるのか確認しておくのがおすすめです。
不動産投資ローンをうまく借り換えるコツ!
不動産投資ローンの借り換えを成功させるには、2つのコツがあります。
・複数の金融機関から選ぶ
・専門家に相談する
以下で解説しますので、参考にしてください。
複数の金融機関から選ぶ
借り換え先ははじめから1ヶ所に絞らず、複数の金融機関の融資条件を比較して、最も良いものを選ぶのがポイントです。金利や融資条件のほか、担当者の対応が適切かどうかも確認すると良いでしょう。
都市銀行や地方銀行、信用金庫のほか、日本政策金融公庫も借り換え先として利用可能なので、確認してみてください。
専門家に相談する
借り換えすべきかどうか、どこで借り換えるべきかを悩んでいる場合は、専門家に相談することが、借り換え成功の秘訣です。
専門家の意見を聞くことで、余分な手間をかけずに、自分でも気づかなかったポイントに気づくことができます。
相談先は信頼できる不動産会社や不動産投資ローン借り換えに特化したサービスを利用してみるのもよいでしょう。
まとめ
不動産投資ローンを借り換えることで、金利の種類を有利なものに変えたり信用力を上げたりできる反面、手数料が発生するなどのデメリットもあります。事前に、借り換えが本当に効果的なのか、専門家の意見も踏まえて検討するとよいでしょう。