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不動産投資を検討している方の中には、家賃収入の手取りがどれくらいになるのか気になるという方もいるでしょう。
不動産投資は家賃収入がすべて収入になるのではなく、そこから税金や保険、修繕費などの支払いをしなければなりません。
これらの経費を差し引いた金額が家賃収入の手取りとなるため、支出の内訳も把握しておく必要があります。
この記事では、不動産投資の家賃収入の手取りの目安や増やす方法を紹介します。
不動産投資における家賃収入の手取りとは
不動産投資の手取りは、家賃収入から経費を差し引いた収入のことをいいます。
例えば、区分マンションを5戸保有している場合に、それぞれ家賃が10万円だとします。この場合、年間の家賃収入は1戸120万円、5戸だと600万円です。
この600万円からローン返済額や経費を差し引いた部分を手取りといいます。仮にローン返済額と経費が年間に500万円かかっていた場合、100万円が手取りになるというわけです。
家賃収入がどれだけ多くても、経費が多ければ手取り額は少なくなります。そのため、不動産投資を始める際には、家賃収入だけで考えるのではなく、手取りがどれくらいになるかを把握しておく必要があるでしょう。
不動産投資で発生する支出
不動産投資の手取りを考えるうえで、まずは不動産投資にどのような支出があるのか把握しておく必要があります。
ここでは、不動産投資で発生する支出を解説します。
ローン返済
不動産投資で大きな負担になるのが、不動産を取得するために必要となるローンの返済です。
ローン利用においては「どれくらいの借入をするか」「月々にどれくらい返済するか」などを慎重に検討しなければ、不動産投資の手取りがマイナスになる可能性もあります。
基本的にローン返済は毎月の家賃収入から行うため、期待できる家賃収入から月々の返済額を決めるのがよいでしょう。
不動産から手に入る家賃収入に対する融資返済額の占める割合を返済比率といい、返済比率が高いほど投資における安全性が低くなります。
安定した不動産運用を行うなら、返済比率の目安となるのは50%です。例えば、家賃収入が10万円なら月々のローン返済額は5万円となります。
50%なら空室が発生した場合や突発的な支出が発生した場合にもキャッシュフローが赤字にならずに済みます。
家賃収入を得るために必要な支出
家賃収入を得るために必要な支出として以下が挙げられます。
- 物件の管理費
- 修繕積立金
- 管理会社に支払う手数料
- 火災保険、地震保険
- 修繕費
不動産を所有すると、設備のメンテナンス費用や点検費、修繕費などの費用が発生します。物件管理を管理会社に委託する場合は、管理会社に支払う手数料も必要です。
火災保険や地震保険などは、災害による損害に備えるために必要な保険となります。
ちなみに、火災保険に加入している場合、火災に加えて、風水害や水漏れなどの損害にも対応してもらえます。保険会社や保険のプランによって補償範囲や保険料も異なるため、定期的に見直すのもよいでしょう。
固定資産税・都市計画税
固定資産税や都市計画税は、不動産を保有するとかかってくる税金です。
固定資産税は、毎年1月1日現在に不動産を所有している場合に、その固定資産の価格をもとに算定される税金を市町村に納めます。
また、都市計画税は都市計画法による市街化区域内に不動産を所有している場合に課税される税金です。
固定資産税や都市計画税の税率は市町村によって異なる場合もあるため、不動産の所在地の市町村のホームページをチェックしましょう。
所得税・住民税
所得税・住民税は、家賃収入の手取り額に対して課税される税金です。
手取り額が多ければ多いほど納める税金も多くなります。
所得税の税率は5%〜45%で、手取り額が多ければ多いほど税率も上がります。住民税の税率は、手取り額に関係なく一律10%です。
手取り額が多くなるほど納める税金も多くなるため、適切に経費を計上して手取り額を増やしすぎないことも重要になります。
不動産投資で発生する所得税や住民税に関しては、以下の記事でも詳しく解説しています。
⇒不動産投資の所得にかかる主な税金は所得税と住民税!節税のポイントも紹介
不動産投資で家賃収入の手取りを増やす方法
不動産投資で家賃収入の手取りを増やすためには、どのような対策が有効になるのでしょうか。
ここでは、不動産投資で家賃収入の手取りを増やす方法を解説します。
計画的に繰り上げ返済をする
マンションやアパートなどの不動産をローンを組んで購入する場合、計画的に繰り上げ返済すると手取りを増やせます。
不動産購入でローンを組む際は、頭金0円でローンが組めるフルローンを利用する方もいるでしょう。
フルローンは手元の資金がなくても不動産が購入できる一方、購入後の返済負担は大きくなります。そうなると家賃収入に対してのローン返済額が大きくなり、手取りも減ってしまうというわけです。
自己資金に余裕が出てきた場合は、繰り上げ返済をすることで、家賃収入の手取り額を増やせます。
なお、繰り上げ返済の方法には、期間短縮型と返済額軽減型の2パターンあります。
期間短縮型はローン完済の期間を短くするための繰り上げであり、完済までの期間が短くなる一方、月々の手取り額に変わりはありません。
返済額軽減型は月々の返済額を減らす方法であり、その分だけ手取り額を増やすことができます。
頭金を多く入れる
家賃収入の手取りを増やすために、頭金を多く入れて、月々の返済額を減らす方法もあります。
不動産投資は少ない頭金で始めることも可能ですが、頭金が少なければ少ないほど、手取りも少なくなる点に注意しなければなりません。
一方、頭金を入れすぎてしまうと、突然の出費に対応できなくなるというリスクもあります。不動産投資では空室リスクもあり、家賃収入がなくても、ランニングコストがかかり続けます。
その際、自己資金から不足分を賄わなければならず、頭金で資金を使いすぎていると、ランニングコストへの対応ができません。
そのため、頭金を入れて手取りを増やす場合も、急な出費が発生した場合に対応できる資金は残しておく必要があります。
リフォームやリノベーションで家賃を上げる
リフォームやリノベーションで不動産の価値を高め、家賃を上げることによって家賃収入の手取りを増やせます。
不動産投資において、「一度設定した家賃を変えることは難しいのでは?」と思う方もいるでしょう。しかし、リフォームやリノベーションで新築のようなきれいな状態に導くことができれば、不動産の価値が高まり家賃アップを図ることができます。
不動産には相場が存在しており、その価値を決めるのは立地や築年数、建物の状態などです。不動産のオーナーはこの相場に基づいて家賃設定を行っており、家賃が妥当であれば、安定した需要が期待できます。
リフォームやリノベーションで不動産の価値が変化すれば、当然ながら相場も変化するため、家賃の値上げも可能となります。
空室リスクが低い不動産を選ぶ
家賃収入の手取りを増やすためには、空室リスクが低い不動産を選び、安定した家賃収入を得ることも大切です。
どれだけ利回りが高くても、空室が続いてしまうと家賃収入は途絶えてしまい、手取りも大幅に減ってしまいます。
手取りを減らさないためには、少々利回りが低くても、安定した需要があって継続的な家賃収入が期待できる不動産選びが重要です。
空室リスクが低い不動産として、以下のような条件が挙げられます。
- 駅から近い
- 周辺にスーパーやドラッグストアなどがある
- 日当たりや風通しがいい
- 都会にある
- 騒音がない
注意点としては、空室リスクが低い不動産になると不動産の購入価格も高くなり、ローンの返済額が大きくなって手取りが減る可能性があることです。
月々の収支のバランスをシミュレーションしたうえで、不動産選びを行う必要があります。
ランニングコストの見直しをする
家賃収入の手取りを増やす方法として、ランニングコストの見直しを行い、経費を減らすことも挙げられます。
例えば、保険料の見直しを行って、不要な保証を減らすことで保険料を抑えられます。管理会社に依頼して不動産の管理を行っている場合、管理会社を変更することで管理手数料を抑えられる場合もあるでしょう。
修繕費に関しては、設備の買い替えには多額の費用が必要となるため、日常的に点検や清掃を行い早期に修理することで抑えられます。
不動産投資のランニングコストを抑える方法は、以下の記事でも詳しく解説しています。
⇒不動産投資のランニングコスト一覧!コストを抑える5つの方法とは
家賃以外の収入を増やす
不動産投資の手取りを増やすためには、家賃以外の収入を増やすのも方法の一つです。
例えば、所有物件の共有部分に自動販売機を設置することで、売り上げの一部を収入として受け取れます。一棟マンションやアパートを保有している場合、太陽光発電を設置して、売電収入を増やしたり、電気代を減らしたりすることも可能です。
一方、これらには初期コストやランニングコストがかかり、場合によっては赤字になってしまう可能性もあります。
家賃以外の収入を増やす場合は、十分にシミュレーションを行ったうえで検討する必要があるでしょう。
まとめ
この記事では、不動産投資の家賃収入の手取りの概要や増やす方法を紹介しました。
家賃収入がどれくらい手元に残るかは、ローンの返済額やランニングコストによって異なります。また、手取りが多いと自由に使えるお金も多くなる一方、納める所得税や住民税が多くなるという点には注意が必要です。
不動産投資を始める方は、「どれくらいの手取りを目標にするか」「手取りを増やすためには何が必要か」なども考えておきましょう。
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