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不動産投資を行ううえで、知っておきたいことの一つに建物の構造があります。
投資用の不動産には、木造や鉄筋コンクリート造、鉄骨造などさまざまです。構造によって建物の強度が変わるだけでなく、価格や組める耐用年数も異なってきます。
不動産投資において建物は収益を増やすために大切な資産であり、長く収益を得るためには、建物の構造についての知識もあると有利です。
この記事では、不動産投資物件で知っておきたい建物の構造の種類や、それぞれのメリット、デメリットを紹介します。
木造のメリット・デメリット
日本の住宅の大半を占めるのが木造で、一般的な戸建てやアパートの多くが木造となっています。
ここでは、木造のメリット・デメリットを解説します。
木造とは
木造は建物の主要構造部分を構成する柱や梁、床、壁などに木材が使われている建築物です。
日本は木材が豊富なこともあって建築資材の調達がしやすく、古くから歴史的建造物や戸建て、アパートに採用されてきた歴史があります。軽量で加工性にも優れているため、変わった形の土地でも加工しやすく、リフォームがしやすいのも特徴です。
木材建物の法定耐用年数は22年とされていますが、実際には50年から60年以上の寿命である場合も多く、減価償却が終わってからも30年近く賃貸経営が可能です。
なお、不動産投資の対象となる木造物件として木造アパートが挙げられます。以下の記事では、アパートの投資における失敗例や成功のコツを詳しく解説しています。
アパート一棟買いは失敗しやすい?8つの失敗例から学ぶ成功のコツ
木造のメリット
木造のメリットは、物件価格が安いことです。
初期費用が小さくて済むため、規模の小さな不動産投資を始めたいという方にも向いています。
木造はメンテナンスもしやすく、リフォームしたい場合も低コストで行うことができます。修繕工事は必ず必要となるものですが、木造であれば回収にかかるコストを抑え、工期についても短く抑えることができます。
また、木造は減価償却が22年に定められているため、1年あたりの減価償却費を高く取ることが可能です。減価償却費を高くとることによって、毎年の課税所得が小さくなるため、節税効果も期待できます。
木造のデメリット
木造のデメリットは、木材という性質から防音性や耐火性が低い点です。
建物の防音性が低いと、上下階や左右の居室との間で騒音トラブルが発生しやすくなります。防音性を重視して不動産を探している方のニーズに応えることができないこともデメリットです。
また、木材は燃えやすい性質があるため、火事になると被害が大きくなりやすい点にも注意する必要があります。
一方で、近年は燃えにくい木材や新しい工法を用いて、耐火性・防音性対策が施されている木造物件も増えています。騒音や火災のリスクが気になる場合は、このような物件を探すのもよいでしょう。
鉄骨造(S造)のメリット・デメリット
鉄骨造(S造)は一般住宅や高層建築物、柱間に多く採用される構造の一つです。
ここでは、鉄骨造(S造)のメリット、デメリットを解説します。
鉄骨造(S造)とは
鉄骨造(S造)は、柱や梁などの部分に鉄を用いた構造です。
鋼材の厚みによって区分が変わり、6mm未満は軽量鉄骨造、6mm以上は重量鉄骨造に分類されます。
軽量鉄骨造は一般住宅や低層の共同住宅、重量鉄骨造は店舗ビルやマンション、大型建造物などに採用されています。なお、鉄骨造(S造)の耐用年数は鉄骨厚によって変わり、3mm以下は19年、3mm〜4mmは27年、4mm超は34年です。
耐用年数の区分は、軽量鉄骨造と重量鉄骨造とは異なる基準が用いられています。
不動産投資で対象となる鉄骨造(S造)の建物にマンションがあります。
以下の記事では、初心者にも人気の区分マンションの不動産投資のメリット、注意点、収益を高めるコツを解説しています。
区分マンションの不動産投資とは?区分所有のメリット・注意点や収益を高めるコツも紹介
鉄骨造(S造)のメリット
鉄骨造(S造)のメリットは、耐久性や耐震性能に優れ、地震災害に強いことです。
これは木材に比べると、鉄は曲がりにくく強度が強いことが挙げられます。
鉄骨の厚みがあるほど耐用年数が長いように、軽量鉄骨造に比べると、重量鉄骨造の方が耐久性はより高くなります。
また、鉄骨造に使用されている鋼材は工場ですべて処理されて生産されているため、品質が安定していることもメリットです。
工場である程度組み立てられており、現場では組み合わせるだけとなるため、工期を抑えることもできます。
鉄骨造(S造)のデメリット
鉄骨造(S造)のデメリットは、熱伝導率が高い鉄を使用しているため、断熱性が低いことです。
屋外の暑さや寒さが屋内にも伝わりやすく、夏の暑さや冬の寒さがより厳しくなります。
1日の室温変化も大きくなりやすいため、結露しやすくカビが発生しやすいこともデメリットです。また、耐火性が低い点にも注意する必要があります。
火に弱いのは鉄骨は熱によって柔らかくなりやすい特徴があり、強度が低下するためです。木造と比べて延焼しにくいものの、熱が加わると建物の倒壊が起こるリスクがあります。
鉄筋コンクリート造(RC造)のメリット・デメリット
鉄筋コンクリート造(RC造)はマンションでよく採用される構造の一つです。
ここでは、鉄筋コンクリート造(RC造)の特徴やメリット、デメリットを解説します。
鉄筋コンクリート造(RC造)とは
鉄筋コンクリート造(RC造)は、主に柱や梁、床、壁が鉄筋とコンクリートで構成されている建築物です。
圧縮に強みのあるコンクリートと、引っ張る力に優れている鉄筋が互いを補強することで強度も増しています。柱や梁に鉄筋を組み、その周りに型枠を作ってコンクリートを流し込んで固めた構造です。
長い柱や梁、高い天井なども自由に設計でき、広々としたリビングや開口部などが実現できます。
耐用年数は47年と定められていますが、実際には100年以上寿命があると言われており、耐久性に優れているのが特徴です。
鉄筋コンクリート造(RC造)のメリット
鉄筋コンクリート造(RC造)のメリットは、耐震性や耐火性に優れていることです。
鉄筋とコンクリートの強みを活かせるため、高い耐震性を誇ります。
面で支えるような構造となるため、建物にかかる負荷を分散させることが可能です。また、鉄筋コンクリートは熱に強い特徴があり、火にさらされても建物は崩れにくく、延焼を防ぐことができます。
遮音性や断熱性に優れていることも、鉄筋コンクリート造(RC造)の強みといえるでしょう。機密性に優れている材質であることに加え、柱と壁が一体化していることにより、隙間が少ない構造となっています。
室温を保ちつつ、騒音や雑音が気にならないのも鉄筋コンクリート造(RC造)の大きなメリットです。
鉄筋コンクリート造(RC造)のデメリット
鉄筋コンクリート造(RC造)のデメリットは、重量が大きく強固な地盤が必要なことです。
地盤が弱いエリアだと液状化現象や地盤沈下が発生するケースもあります。そのため、場合によっては地盤改良工事が必要となり、多額の費用が発生する場合もあります。
また、鉄筋コンクリート造(RC造)は機密性の高い構造となるため、室内に湿気がこもりやすく結露やカビが起こりやすい点にも注意しなければなりません。コンクリートには湿気を吸水しやすい特徴もあるため、防水処理が必要となります。
鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)のメリット・デメリット
鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)は主に高層建築物に使用されている構造です。
ここでは、鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)のメリットやデメリットを解説します。
鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)とは
鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)とは、鉄骨造(S造)と鉄筋コンクリート造(RC造)を組み合わせた構造です。
高層ビルやマンションなど、大規模な建築物に多く採用されています。
柱や梁は中に鉄骨を入れてからコンクリートで覆っており、それぞれのよさを併せ持っているのも特徴です。
耐用年数は47年と定められており、鉄筋コンクリート造(RC造)と同様に、その寿命は100年を超えると言われています。
鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)のメリット
鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)のメリットは、他の構造に比べて耐火性・耐震性・遮音性に優れることです。
鉄骨の周りをコンクリートが覆っているため、火災に強い構造となっています。さらに地震の時には鉄骨が揺れを吸収し、コンクリートが揺れを抑えるため耐震性も高いです。
また、機密性が高く外からの音も軽減されやすくなっています。
設計上のメリットとしては、強度の高さから柱と柱の間を広く取れるため、少ない本数の柱で空間を広く取れることです。
鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)のデメリット
鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)のデメリットは、鉄筋とコンクリートを併用するため、コストが多くかかることです。
建物の重量が大きくなるため、地盤によっては、地盤改良工事を行わなければなりません。工程も複雑となるため、工事期間が長期化しやすくコストも膨れあがります。
コストが多くかかるということは、不動産価格も高くなりやすいという点に注意しましょう。
また、機密性が高く防音性に優れる一方、結露やカビが発生しやすいデメリットもあります。
まとめ
この記事では、不動産投資を始めるうえで知っておきたい建物の構造の種類と、それぞれのメリット、デメリットを解説しました。
建物の構造には、木造、鉄骨造(S造)、鉄筋コンクリート造(RC造)、鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)があります。
構造によって耐震性や防音性、耐火性、耐久性、コストが変わるため、不動産投資ではターゲットや予算に合わせた構造の不動産を選ぶこともポイントです。
建物の構造を知りたいと言う方は、ぜひ本記事を参考にしてみてください。
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