資産運用をやってる人の割合は?世界との比較や人気の投資先を紹介

本業以外で資産が増やせる手段として注目されている、資産運用。 近年では、海外をはじめ、日本でも資産運用に興味を持ったり実際にはじめたりする方が増えており、世界的に資産運用への関心が高まっています。 資産運用に興味がある方であれば、「資産運用している人の割合が気になる」「みんなどこに・何に投資しているのか気になる」など、考えている方も多いのではないでしょうか。 投資先にはさまざまな種類があり、自分に合ったものを見極めるためには現在の日本における資産運用の傾向を知ることが大切です。 この記事では、日本で投資をしている人の割合や世界との比較、人気の投資先などについて詳しく解説します。

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日本で資産運用をやっている人の割合

日本人=投資というイメージを持っている方は少ないのではないでしょうか。

日本人の国民性には「礼儀正しい」「親切」「温厚」などの長所があると同時に、「シャイ」「周囲に合わせがち」など、消極的な一面もあります。

このような消極的な部分から、投資は「危ない」「怖い」という潜在意識が膨らみ、前向きに取り組めないという方も少なくありません。

外国からは、日本人は「貯金が好き」「投資に無関心」などのイメージを指摘されることもありますが、実際に投資している方はどのくらいいるのでしょうか。

ここでは、日本で資産運用をやっている人の割合について解説します。

日本の投資人口

日本の投資人口は、あまり多くはありません。

投資信託協会『投資信託に関するアンケート調査報告書(令和5年)』によると、投資信託の保有状況は「現在保有している」が24.6%、「以前保有していたが、現在は保有していない」が7.7%、「今まで保有したことがない」が67.7%となっています。

投資信託の保有率は2019年から少しずつ上昇し、2021年には27.9%まで上昇しましたが、以降は少しずつ減少しています。

また、全体で見れば投資信託を保有したことがない割合が圧倒的に多く、日本人の約6割が投資信託に触れたことがないのが現状です。

内閣官房『資産所得倍増に関する基礎資料集』によると、NISAも同様の状況であり、制度がスタートした2014年から2021年までは順調に口座開設数が増加していましたが、それ以降は減少傾向にあります。

外国からも指摘されている通り、日本人は「投資に無関心」であるといわざるを得ません。

若年層の投資人口は増加傾向にある

全体的に見て投資人口の割合が低い日本ですが、若年層の投資人口はここ数年で上昇傾向にあります。

株式会社野村総合研究所によると、25歳〜29歳の投資を行っている人の割合は、2018年から2021年までの3年間で11.3%増加したことが示されました。

以前は、年齢層が上がるにつれて投資する人の割合が増加していましたが、現在ではその逆になっており、若い人ほど投資を行っています。

投資に興味を持っている人の割合も増加しているため、今後は若年層を中心に投資をはじめる人が増えることが予想されます。

日本と世界の投資人口の違い

世界に比べて、日本の投資人口は圧倒的に少ないといわれています。

日本銀行調査統計局『資金循環の日米欧比較』によると、欧州が約30%、米国が約50%の投資人口がいるのに対し、日本はわずか15%程度の投資人口しかいません。

一方で、現金・預金の項目においては、欧州が約30%、米国が約10%であるのに対し、日本は約50%となっており、日本人は「貯金が好き」といわれるのも理解できます。

しかし、実際には「貯金が好き」という日本人は多くはなく、この割合の差は各国のお金に対する考え方や価値観の違いによるものと考えられます。

日本人はなぜ資産運用をしない?

ここでは、資産運用をする日本人が少ない理由を紹介します。

お金に対して消極的

日本では、古くから公共の場ではお金の話をしないという考え方があり、教育の場においても金融リテラシーについて学ぶ機会はほとんどありませんでした。

日本の投資人口が少ないのは、こういった背景と消極的な国民性が理由の一つであると考えられます。

2022年度からは高校の家庭科授業で資産形成について学べるようになりましたが、現役世代や高齢者の方はそういった教育を受けていないため、「お金は貯金するもの」という意識が根強くのこっているのかもしれません。

リスクを避ける国民性

日本人は危ない橋を渡らず、安全志向かつ保守的な国民性であることも投資人口が少ない理由の一つといえます。

世界各国で行われた『世界主要国価値観調査』では、「人生で大切だと思うこと」の項目において、「リスクを冒し、刺激のある生活を送りたい」と回答したアメリカ人やイギリス人は約50%だったのに対し、日本人はその半分の25%程度でした。

このように、日本と世界を比較してみると、いかに日本人が保守的な考え方をしているかがうかがえます。

これは投資の面でも現れており、元本割れするリスクを冒したくない気持ちが強いために、積極的に取り組めないと考えられます。

資金不足

日本人が投資に踏み切れない理由として、投資に充てる資金がないことが挙げられます。

投資と聞くとまとまったお金が必要と考える方が多く、このイメージが広く浸透していることが投資人口の少なさに影響している可能性が高いです。

まとまった資金が必要な投資方法もありますが、近年では少額からはじめられる投資方法も増えています。

以前ほど投資のハードルは高くないため、任意のタイミングで無理のない金額で資産運用をすることが可能です。

将来に向けた資産運用をするのであれば、不動産投資もおすすめです。

不動産投資と聞くと莫大なお金が必要なイメージがありますが、住宅ローンで対応できるため手持ち資金が少なくてもはじめられます。

毎月の返済は家賃収入で賄えるため、生活を圧迫することなく資産運用ができる可能性があります。

ただし、不動産投資には一定の知識と理解が必要なため、興味がある方や自分で運用できるか不安な方は、不動産のプロに相談してみてください。

資産運用をはじめるきっかけ

現在の日本で資産運用をしている人の割合は少ないですが、既に資産運用をしている人は何をきっかけにはじめたのでしょうか。

ここでは、資産運用をはじめるきっかけを紹介します。

資産運用が身近なテーマになっていたから

近年では、メディアで資産運用の話題が取り上げられるケースも少なくありません。

また、若年層を中心に投資をはじめる人が増えていることからも、身の回りでそういった話題が出てくる機会も増えたと考えられます。

このように、以前は話したり考えたりする機会が少なかった投資がより身近になったことで、投資をはじめるきっかけになったという方も多いです。

最近では少額からはじめられる投資方法も増えており、以前より資産運用のハードルが低くなっています。

低金利の日本ではお金を銀行に預けているだけでは増えないため、将来のために少しでもお金を増やしておきたいと考える人が投資をはじめているといえます。

インフレリスクを回避したいから

長期的なインフレリスクを回避するために、資産運用をはじめる人が増えています。

日本ではインフレによる物価の高騰が起こっており、今後も続くことが予想されます。

インフレが長期化すれば、資産が目減りしていくリスクがあり、低金利の日本では金融機関にお金を預けているだけでは、リスク回避ができません。

資産運用をはじめることで金融機関より高い利率で資産の運用ができるため、インフレリスクの対策としてはじめる人が増えています。

資産運用にもリスクはありますが、預金を続けても増える見込みはないため、最初は少額から投資をはじめ、様子を見ながら運用していくと良いでしょう。

日本人に人気がある投資先

ここでは、現在日本人に人気がある投資先を紹介します。

NISA

NISAは、2018年に金融庁が創設した長期的な資産形成をサポートするための非課税制度です。

対象商品は、手数料が低水準、頻繁に分配金が支払われないなど、長期・積立・分散投資に適した公募株式投資信託と上場株式投資信託(ETF)に限定されており、投資初心者でも利用しやすい内容になっています。

2024年1月からは新制度に切り替わり、これまで不可だった制度の併用が可能になったことに加え、非課税投資枠も大幅に拡大されたため、より多くの資産が運用できるようになりました。

NISAは少額からはじめられることに加え、いつでも引き出せるため、将来結婚や出産などを控える若年層の方に人気が高いです。

iDeCo

iDeCoとは、公的年金(国民年金・厚生年金)とは別に給付を受けられる私的年金制度の一つです。

公的年金とは異なり、加入は任意であり、申し込みから運用まですべて自分で行うことが特徴です。

iDeCoの加入者が増えている理由として、掛金の全額所得控除による所得税・住民税の軽減が挙げられます。

積立時から受取時まで幅広いシーンで税制優遇が受けられるのは現状ではiDeCoのみのため、資産運用しながら節税したいという方に人気が高いです。

不動産投資

不動産投資とは、購入した不動産を第三者に貸し出す、もしくは売却することで資産を増やす投資方法です。

NISAやiDeCoに比べてハードルが高く感じるかもしれませんが、住宅ローンが利用できれば手持ち資金が少ない場合でも投資がはじめられます。

不動産は実際に現物が存在する商品であることから、インフレに強いことが特徴です。購入時は手間と時間がかかりますが、購入後は不動産管理会社に委託することで、手間をかけることなく資産運用ができます。

不動産の管理を1人で行うことは現実的ではないため、不動産投資をする際は管理を請け負ってくれる管理会社に相談するようにしましょう。

まとめ

世界と比べて、日本で資産運用をしている人の割合は少ないです。

しかし、近年では資産運用が身近になったことと長期的なインフレリスクがあることから、若年層を中心にはじめる人が増加しています。

投資先のなかでも、特にインフレに強い不動産投資の人気が高まっており、住宅ローンを利用して将来に向けて資産形成に取り組んでいる人が多いです。

ただし、不動産投資をする場合は必ず物件の管理も行わなければならないため、管理を任せられる管理会社も同時に探すようにしましょう。

アセットテクノロジーでは、賃貸物件オーナー様のコンシェルジュとして、不動産の管理業務を一元サポートしています。

契約状況や収入状況はスマートフォンアプリ、もしくはパソコンで簡単に確認することが可能であり、業務効率を大幅に改善します。

不動産投資を既にはじめている方やこれからはじめようと考えている方は、ぜひお気軽にご相談ください。