住宅コンサルタントが見る不動産市況最前線!福岡編

こんにちは。住宅コンサルタントの野中清志です。 今回は福岡の不動産市場について話します。

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福岡の特徴

福岡の良いところは東京の羽田空港から福岡空港までわずか1時間で行けるところです。そのうえ、街が非常にコンパクトなため、空港を降りてから博多駅や天神といった福岡県の主要なエリアまで短時間で行くことができます。

世界には多くの空港があります。その中でも福岡空港は、空港からの交通アクセスを含めて非常に評価が高いというデータもあるのです。実際に肌で感じたのは、どこへ行くのもタクシーの1メーター(※1600mまで750円)で行けることです。移動時間が少ないことでさまざまな観光地を楽しめます。

福岡の人口は、約160万人まで増加しており、世帯数も増えています。近年では、日本の大企業も含めて福岡市内に支店を作るなど、新たな投資が入ってきつつあります。

福岡の再開発 天神ビックバンとは

福岡は人口が非常に伸びているうえ、企業の数も増加しています。それにより街全体が活性化しています。そういった中で福岡で最大の目玉となる再開発として「天神ビックバン」があります。天神ビックバンで、天神駅から大体半径80haの所に今後70棟近くのビルができていきます。中には建て替えも含まれます。建て替えることによって街を活性化させるといった思惑もあるためです。

福岡では飛行機が市街地上空を通ります。これにより、建物を作る場合には高さ制限が設けられています。あまりにも高い建物を造ってしまうと航空法に抵触してしまうわけです。しかし、天神ビックバンは特例として、ある程度高さ制限が緩和されています。そういった中で天神を中心とした街が生まれ変わっているといえるのです。

さらに、来春には地下鉄の七隈線という電車が博多駅から延伸されていきます。そうすると新しい延伸計画で街が活性化していきます。これにより商業ビルのほか、一流のホテルから飲食サービスまで、さまざまな業種がこちらに参入してきます。

地政学的に見た福岡

地政学的に見るとアジアの都市に近いです。例えば、釜山や香港が該当します。コロナが落ち着いてきたことにより、今後インバウンドが増えていくと予想されます。まさしく日本の中でもアジアのゲートウェイとなり、再開発を含めて注目されていきます。

ホテルリートの代表の方と話した際に「博多辺りでホテル用地を買おうと思っていても中々買えない」とのことでした。良いところの土地価格は上がっていくうえ、コロナ禍において1泊料金や稼働率も上昇しています。そのためホテルが非常に投資先として有望らしいとのことです。

都心のホテルが立つ場所と1Rマンション・コンパクトマンションが立つ場所は交通アクセスが良いため、競合になり得るのです。そのような意味でインバウンドの増加により、ホテル需要が伸びた結果、1R・コンパクトマンションの方も活性化に刺激を与えることが考えられます。

不動産業界では、アジアの富裕層が福岡に資産を移すことや、海外から資産を移すことをアセットプロテクションと呼びます。資産を逃避させている、安全に移しているといった中で投資先として安全な投資や魅力的な投資、開発が進んでいる投資などの着眼点からも注目されていくでしょう。

福岡市の地価動向

福岡の地価動向はコロナ後、全般的に上がっており、特に住宅地・商業地ともに6〜7%上がっています。同じ福岡市の中でも中心地の中央区・博多区は15〜16%上昇しています。この背景には天神ビックバンや延伸計画への期待が地価の上昇に組み込まれていると考えられます。

東京でいうと皇居に近いような品のある「大濠公園」という公園があります。その周辺の不動産価格は、坪単価が500万円近い物件も出ているのです。中には東京の都心と比べても遜色ないような高級マンションもあります。

福岡は日本の政令指定都市の中でもいわゆる経済の名目GDPが大阪・横浜・名古屋に次いでいます。

福岡市内が今後有望といえる根拠があります。それは65歳以上の人口の割合が22%という点です。全国平均は28%になります。福岡は若い方の人口増加率を期待できます。その背景には今後の福岡市には再開発を含めて大手企業をはじめさまざまな企業が進出してきます。企業の進出により人も集まるため、若い世代の人口の流入も見込めるのです。

まとめ

東京からわずか1時間半で行けるうえ、コンパクトな特徴をもち再開発も進んでいる博多は、非常に将来性があります。今後、経済全体が活気を呈していくことが考えられます。