不動産投資で住宅ローンは利用不可!NGの理由やバレたときのリスク

投資用物件の購入費用を住宅ローンで調達する行為は違法だとご存じでしょうか。事業用途のマンションやアパートの資金調達は、不動産投資ローンを活用しなければいけません。 住宅ローンを使用したことが金融機関にバレるとペナルティを受けます。高確率で金融機関に突き止められるため、不正行為は避けましょう。 この記事では不動産投資で住宅ローンがバレる理由や気付かれたときに背負うリスクを解説します。 金融機関が不正行為に気付く理由や、例外的に住宅ローンの利用が認められるケースまで紹介します。不動産投資の資金調達がよく分からない人は、ぜひご一読ください。

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不動産投資で住宅ローンの利用がだめな理由

賃貸経営の物件を住宅ローンで購入するのは犯罪の一種です。なぜ禁止されているか理解し、絶対にしないように注意しましょう。

契約違反にあたるから

不動産投資ローンは事業用物件の調達を目的に設計された金融商品です。住宅ローンと融資の目的が明確に違うため、投資用マンションのローン利用は契約違反に該当します。

金融機関が不正行為の事実に気付いて警察に申し出た場合、詐欺罪で罪を問われる可能性があります。なかには居住目的だと欺いて住宅ローンを申請し、審査を通過した後で事業を始める輩もいますが、こちらも違法行為です。

契約書を交わした以上「知らなかった」と突っぱねるのは難しいと言わざるを得ません。不知や確認不足が原因で有罪になるリスクを下げるためにも、契約内容は徹底的に確認しましょう。

住宅ローンの金利と不動産投資ローンの金利が異なるから

比較的貸し倒れリスクが低い住宅ローンの金利は、不動産投資ローンよりも低めに設定されています。扱いの違いは返済の原資が異なることが関係しています。

住宅ローンの返済は給与という継続的な収入の一部からなされますが、不動産投資ローンの返済は入居者の家賃収入からです。会社をクビになる場合と比較して賃貸借契約の解消は起きる確率が高く、常に安定した収入を維持し続けるのは難しいことです。

住宅ローンの金利は1%を下回るケースも珍しくない一方で、不動産投資ローンの金利は2〜4%が相場とされています。

借入期間の上限が異なるから

築年数が同じでも、不動産投資ローンと住宅ローンでは借入可能期間が異なることに注意が必要です。

申込人の返済能力が重視される住宅ローンでは、基本的に返済期間が長期に及ぶ傾向にあります。フラット35のように最長35年の金融商品もあり、長期的な資金調達に向いています。

一方の不動産投資ローンの借入期間の上限は、法定耐用年数から経過年数を控除した期間です。耐用年数が30年、築年数が15年の物件では15年間しかローンを利用できません。

全体の借入金額や返済額も連動して変わるため、両者は全く違う金融商品です。住宅ローンと不動産投資ローンを同列に扱うのはいけないことと理解してください。

融資基準が異なるから

住宅ローンの審査では、年収や保有資産、借入れの有無など申込人の経済力や信用力が対象です。一方の不動産投資ローンでは本人に関する事項以外にも、投資用物件に焦点が当てられます。

継続的に家賃収入が入る見込みがあるか、貸し倒れが起きたとき競売にかけて残額を回収できるかという視点から、収益性や担保価値が厳しくチェックされます。

基本的には不動産投資ローンのほうが、住宅ローンと比べて審査基準が厳しいと考えて問題ありません。

住宅ローンを利用した不動産投資がバレたときのリスク

不動産投資で住宅ローンを利用したら罪に問われる可能性があるとお伝えしました。警察に通報するかどうかは金融機関の判断によりますが、不正利用に伴うその他のリスクも知らなくてはいけません。

一括返済を強要される

自社の住宅ローンを不正に利用したことに気付いた金融機関から、残債を一括で返済して欲しいと要求される場合があります。ほとんどのローン商品では、事前に定めた期限の範囲で分割返済が認められる「期限の利益」が設けられています。

しかし契約違反を犯して信頼関係が破綻した状態では、一括返済を求められても仕方ありません。契約にそぐわないという点で、ローンの返済を何ヶ月も滞納し、債務の本旨を果たしていない状態と同一視されます。

住宅ローンで不動産投資がバレたときは、原則として、一括返済の要求を受け入れる必要があります。金融機関からの通知を無視し続けると担保物件が競売にかけられ、大切なマンションを失うことになるためです。

経済力の不安から一括返済に応じられないときは、不動産会社や弁護士に相談して、専門家の助言を求めると有効な対処法が見つかるでしょう。

金融機関から融資を受けられなくなる

一括返済と同時に、今後の融資の受け入れを拒否するよう申し出を受ける可能性があります。たとえ一度の過ちでも金融機関からの信頼を失うと、以降の取引は一切できなくなる恐れがあるのです。

融資を受けられなくなるのは、契約違反を犯した銀行だけに限られません。不動産投資ローンをはじめとするあらゆるローン商品は、申込人の審査時、信用情報機関に対して信用情報の照会を行います。

投資用物件の購入に住宅ローンを使おうとした事実は記録として残り続けます。事業以外のローン利用やクレジットカードの申し込みにも影響が及ぶため、日常生活が不便になる可能性が高いです。

なぜバレる?不動産投資の資金調達だと気付かれる原因

金融機関が住宅ローンを本来の目的以外に利用したと気付くことは意外と簡単です。調査によって申込人以外の第三者が住んでいるか、容易に突き止められてしまいます。

金融機関の訪問や全件調査

第一にバレる原因が金融機関の営業マンによる訪問です。契約の更新や満足度を向上させるサービスの一環として、事前のアポイントメントなしで契約者の自宅に出向く場合があります。

金融機関は契約者全員を対象とした全件調査を行う場合もあります。ある契約者の不正利用をきっかけに他の違反がないか確認するケースが多いですが、定期的に調査を実施する銀行も珍しくありません。

当初の審査と同様、厳しい目で本人の経済状態や物件の収益性が精査されるため、ローンの目的外利用を見逃す可能性は低いでしょう。したがって実際には別の人間が住んでいることや、賃貸に利用していることは容易にバレると考えてください。

郵便物の不着

ローンを承認した金融機関から、入居者の住所宛てにハガキや小包が届く場合があります。実際には別の人物が住んでいるため、郵便物は郵便局員の手で送り主に戻されます。

なぜ届かないか疑った金融機関の担当者は、契約者の元を訪問したり電話したりして原因の究明に努めるでしょう。一連の調査過程で居住用の物件だと欺き、投資用物件を購入した事実は見破られます。

郵便物の不着トラブルは、ローンの不正利用がバレる主要な出来事です。近年は金融機関による監視の目が厳しい傾向にあるため、少しでも怪しいことが起こると調査を受けて痛いところを突かれます。

税務署による申告書類のチェック

税務調査で確定申告で提出した書類が厳しくチェックされた結果、事業用投資に使ったとバレる場合があります。

税務署の職員による抜き打ちの調査以外にも、勤務先からの密告がきっかけで調査が入る可能性もゼロではありません。源泉徴収の方法に特別徴収を選んでいる場合、給与所得に課される税額と乖離するため、総務や人事担当者が怪しいと感じるときがあります。

他の所得を隠している可能性があると疑った者が税務署にリークし、調査の対象になるという流れです。金融機関が主体となって行う調査ではないにしても、不正が発覚すれば、融資先にも住宅ローンの不正利用が伝わる可能性は高いでしょう。

投資用物件の購入に住宅ローンを使っても問題ないケース

この記事では繰り返し、住宅ローンで投資用物件を購入してはいけないとお伝えしました。

しかし絶対的な禁止事由ではなく、特定の事由に該当したときは認められる場合もあるのです。最後に、投資用物件の購入に住宅ローンを使っても問題ないケースを紹介します。

やむを得ない事情があるとき

やむを得ない事情があると金融機関が認めれば、投資用物件の購入後も住宅ローンを利用できます。例えば、転勤や転任がきっかけで居住場所を移す必要が生じたときです。

融資先から許可を受けた場合に限り、不在期間中の空室を別の人間に貸し出し、家賃収入を得ることが認められます。二つの賃貸物件を借りるのは経済的に負担が厳しくなることから、借入人の事情を考慮してなされる特例的な措置です。

社命による転勤は原則拒絶できない業務命令にあたるため、金融機関は例外的なケースだと認める可能性が高いです。ただし無許可で貸し出したら、上記の事例でも違法行為に該当します。

賃貸併用住宅を購入したとき

もう一つの状況が住宅ローンを活用して賃貸併用住宅を購入したときです。総面積のうち自己の居住スペースが50%以上に達し、残りのスペースを賃貸に出して家賃収入を得ているケースが該当します。

マイホームの購入と事業用物件の調達を、低金利の住宅ローンにまとめられることが賃貸併用住宅のメリットです。家賃収入でローンの返済に充当する行為も問題なく、手軽に不動産投資を始めたい人はぜひ検討して欲しい方法です。

ただし入居者との距離が近いため、騒音や悪臭などのトラブルの当事者になる可能性があることには気を付けましょう。また収支が悪化して物件の再調達を考える際には、別の住まいを探す必要があります。

まとめ

住宅ローンで不動産投資用の物件を購入するのは契約違反かつ違法です。一部例外を除き、絶対にしてはいけないNG行為です。

バレないだろうと高をくくっていても、抜き打ちで実施される全件調査や、郵便物の不着をきっかけに金融機関は気付きます。

投資用のマンションやアパートの購入は住宅ローンではなく、不動産投資ローンを活用してください。