リニア中央新幹線が開業予定 発展の続く名古屋エリア

目次1 名古屋エリアの魅力1.1 日本を代表する「名古屋圏」エリア1.2 人口増加数の高い名古屋1.3 独自の食文化のあ … 続きを読む リニア中央新幹線が開業予定 発展の続く名古屋エリア

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名古屋エリアの魅力

日本を代表する「名古屋圏」エリア

名古屋エリアは日本の三大都市に入るまさに日本を代表する大規模経済圏です。トヨタ自動車、デンソー他日本を代表する自動車産業界のみならず電子デバイス産業などを始め多くの産業が日本経済をけん引しています。多くの事業所を抱え、就業人口も多く魅力的な街と言えます。名古屋市の事業所数は東京都区部、大阪市に次いで全国で第3位となっています。

三大都市の事業所数

 

都市

事業所数

1

東京都区部

494,337

2

大阪市

179,252

3

名古屋市

119,510

<横浜市「大都市比較統計年表/令和2年」>

人口増加数の高い名古屋

名古屋市の人口は政令指定都市の中でも横浜市、大阪市についで多いです。人口増加率も高く、2020年の国勢調査では全国の市町村の中で人口増加数は7位となっています。

2022年国勢調査

人口増加数ランキング(2015~2020年)

 

市町村

人口増加数

1

東京都区部

471,794

2

福岡市

74,680

3

川崎市

63,868

4

大阪市

63,557

5

さいたま市

60,612

6

横浜市

53,474

7

名古屋市

37,768

8

流山市

25,587

9

札幌市

22,709

10

船橋市

20,082

<総務省「令和2年国勢調査」人口速報集計結果>

独自の食文化のある名古屋

筆者も名古屋に講演などでよく訪れますが、名古屋では「食」に関してもとても特徴があります。喫茶店などでモーニングを頼むと東京などではトーストと玉子ぐらいですが、名古屋では豪華なモーニングに驚きます。また「名古屋めし」と呼ばれる味噌煮込みうどんやひつまぶし、手羽先などを始め全国に広まった料理も多くあります。こうしたエリアに住むのも楽しいのではないかと考えます。

名古屋駅、名鉄百貨店では巨大な「ナナちゃん」もシンボルとなっておりユニークです。このエリアにも再開発が検討されており将来は大きく変わる可能性もあります。

名古屋の歴史

名古屋は三種の神器のひとつである「熱田神社」を中心に古くから街が発展してきました。また名古屋城が有名ですが、この城は前身となる那古野城を今川氏の一族が築き、その後は織田信長や織田家の一族が城主となりました。その後は廃城となりますが関ケ原の戦いの後に徳川家康により名古屋城が築城され尾張徳川家の居城となりました。

以降城下町としても発展してきました。また東海道の宿場町でもあり交通の要所として経済的にも発展してきたエリアです。名古屋駅周辺のビルと名古屋城が一緒になった風景は不思議な感じもします。

織物や陶器などの産業から、現在は自動車、機械、航空機などの産業も発展しています。

名古屋市の地価動向

新型コロナの影響で調整局面にあった地価も回復傾向がみられています。愛知県の2022年7月時点の基準地価によると、愛知県の地価は住宅地で0.4%の上昇から1.8%の上昇に、商業地では1.2%の上昇から2.5%の上昇へそれぞれ上昇率が拡大しています。

名古屋市の地価も住宅地で1.3%から3.1%の上昇に、商業地で3.2%から4.4%の上昇と上昇率が拡大しています。地価上昇の背景には名古屋市の多くのエリアで再開発が加速している事もひとつの要因かと考えられます。

基準地価 地価変動率の推移

 

住宅地

商業地

 

2021年

2022年

2021年

2022年

愛知県

0.4%

1.8%

1.2%

2.5%

名古屋市

1.3%

3.1%

3.2%

4.4%

<国土交通省「令和4年都道府県地価調査」>

名古屋圏の地価上昇地点

2022年の名古屋圏の地価上昇地点は、「住宅地」では錦一丁目の地点が16.7%の上昇と高い上昇率となりました。名古屋駅西側の「則武2丁目」が14.5%など都心部で地価が大きく上昇しています。近くには有名な陶器メーカーもあります。

「商業地」では名古屋駅南側の「名駅南三丁目」の地点が12.3%の上昇と名古屋圏では最も高く、「栄」や「久屋大通り公園」などが近い「東区泉1丁目」の地点が9.8%の上昇とそれに続いています。

このように地点によっては地価が高い上昇率となっており、リニア中央新幹線の開業に向けて地価上昇も周辺部に広がる可能性もあります。

名古屋圏の地価上昇率上位地点<住宅地>

順位

都道府県

基準地の所在地

変動率

1

愛知県

名古屋市中区錦1丁目324番1

『錦一丁目3番28号』

16.7%

2

愛知県

名古屋市中村区則武2丁目2201番

『則武二丁目22番2号』

14.5%

3

愛知県

名古屋市千種区橋本町2丁目13番2外

12.4%

4

愛知県

東海市高横須賀町5丁目56番

8.6%

5

愛知県

『丸の内1丁目7番39号』

8.1%

<国土交通省「令和4年都道府県地価調査」>

名古屋圏の地価上昇率上位地点<商業地>

順位

都道府県

基準地の所在地

変動率

1

愛知県

名古屋市中村区名駅南3丁目308番2

『名駅南三丁目3番44号』

12.3%

2

愛知県

名古屋市東区泉1丁目403番外

『泉一丁目4番5号』

9.8%

3

愛知県

名古屋市中区錦1丁目206番

『錦一丁目2番11号』

9.5%

4

愛知県

名古屋市東区葵1丁目1609番外

『葵一丁目16番30号』

9.3%

5

愛知県

名古屋市中村区亀島2丁目2909番

9.3%

<国土交通省「令和4年都道府県地価調査」>

リニア中央新幹線と名古屋エリアの将来性

名古屋と東京を約40分で結ぶ「リニア中央新幹線」が2027年の開業を予定しています。名古屋駅周辺ではリニア中央新幹線開通の期待もあり、高層ビルが多く建設されています。

リニアが開通すれば東京と短時間で結ばれる事になり、都市の連結が進みメガリージョンが形成される期待があります。名古屋圏の経済効果も1,800億円とも予想されています。さらに今後「大阪」への延伸も計画されており、東京・名古屋・大阪が一体となって都市や経済が発展する事も期待されます。

名古屋駅は「東海道新幹線」と「リニア中央新幹線」の両新幹線が停車する極めて利便性の高い駅となる訳です。

名古屋駅周辺エリア

都市再生緊急整備地域に指定されている名古屋駅周辺

名古屋駅周辺及び栄や伏見エリアなどは、規制緩和などで再開発を促進する「都市緊急整備地域」に指定されています。既に多くの高層ビルなどが再開発により建設・建替えが実施されています。

<内閣府「都市再生緊急整備地域及び特定都市再生緊急整備地域の一覧」>

https://www.chisou.go.jp/tiiki/toshisaisei/kinkyuseibi_list/pdf/kuiki/k_nagoyaeki.pdf

名古屋駅周辺では再開発が進み多くの高層ビルが建設される

名古屋駅周辺は多くの高層ビルが建設されましたが、その多くは2000年以降に建設、またはリニューアルされており近年名古屋駅周辺が急速に発展してきている事が分かります。

名古屋駅の駅ビルである「JRセントラルタワーズ」は1999年に開業、タカシマヤ、マリオットアソシアホテルなどが入店しています。

「ミッドランドスクエア」は地上47階建てで2006年に竣工しました。緩やかなカーブのある「名古屋ルーセントタワー」は地上40階建てで2007年開業し、「名古屋プライムセントラルタワー」は地上23階建てで2009年竣工しました。

「大名古屋ビルヂング」は2015年に地上34階のビルとしてリニューアルオープンしています。「KITTE名古屋」の入る「JPタワー名古屋」は地上40階建てで2015年に竣工、JRゲートタワー」は地上46階建てで2017年竣工です。

今後も名鉄名古屋駅周辺の再開発などが検討

今後も再開発が予定されており「名鉄名古屋駅地区再開発」として周辺6棟のビルを高さ180メートル、横400メートルの巨大なビルに建て替える予定とされていましたが、新型コロナの影響もあり現在計画は見直しとなっています。

事業主の名古屋鉄道では2024年度をめどに方向性を判断、2030年頃の完成とも報道されています。リニア開通に向けて名古屋駅前はこれからも大きく変貌する可能性があるといえます。

<名古屋駅周辺の高層ビルの例>

①JRセントラルタワーズ・マリオットアソシアホテル

②ミッドランドスクエア

③名古屋ルーセントタワー

④名古屋プライムセントラルタワー

⑤大名古屋ビルヂング

⑥JPタワー名古屋

⑦JRゲートタワー

⑧スパイラルタワー

新交通機関SRTの運用も進む

名古屋駅周辺では新交通機関SRT(Smart Roadway Transit)の運用が進められています。2022年9月には市民を乗せてテスト走行を実施しています。名古屋駅と栄や名城、大須などを結ぶ計画です。 名古屋駅周辺の商業・ビジネスエリアを結びますので、周辺エリアの利便性の向上にもつながると考えられます。

<名古屋市「新たな路面公共交通システムの実現を目指して(SRT構想)」>

https://www.city.nagoya.jp/jutakutoshi/cmsfiles/contents/0000089/89453/SRTkoso.pdf

「ささしまライブ24」エリア

名古屋駅の南に広がる「ささしまライブ24」は旧国鉄・笹島貨物駅跡地の約12.4haの再開発により誕生しました。「愛知大学」や「中京テレビ」、複合施設「グローバルゲート」「ストリングスホテル名古屋」などを始め多くのビル・施設などが集まるエリアです。2004年には名古屋臨海高速鉄道あおなみ線の「ささしまライブ」駅が開業しました。

現在名古屋市では新駅の建設について検討されており、その調査も実施されています。また名古屋駅前から「ささしまライブ24」エリアまで地下道で結ぶ計画もあります。

いずれもまだ調査段階にあり、新型コロナもある現在では具体的な計画も決定していませんが、リニアの開業が近づき、コロナも収束を迎えればこうした計画も進む可能性もあると考えられます。

栄・伏見エリア

名古屋の代表的なショッピングエリアである栄・伏見

栄エリアは名古屋でも有数の商業エリアとして知られています。広小路通と大津通の交差点を中心に多くの商業施設が集まっています。

栄のシンボルでもある「水の宇宙船」でも有名な「オアシス21」や名古屋テレビ塔を始め、「名古屋栄三越」「名古屋パルコ」「松坂屋名古屋店」などのデパート「LACHIC(ラシック)」「RAYARD Hisaya-odori Park(レイヤード ヒサヤオオドオリパーク)」「SUNSHINE SAKAE(サンシャインサカエ)」などの商業施設や、地下街である「セントラルパーク地下街」「森の地下街」「サカエチカ」などがあります。

栄周辺で進む再開発

周辺では再開発も進んでいます。名古屋テレビ塔は2020年にホテルなどが入居してリニューアルオープンし「久屋大通」駅前には地上20階の「アーバンネット名古屋ネクスタビル」が2022年1月に竣工しました。「ビーノ栄」に入る日本生命栄ビルは2020年11月に開業しました。

2022年3月には栄三丁目に商業施設「Maruei Galleria (マルエイガレリア)」が丸栄百貨店跡地に開業しました。栄4丁目の「中部日本ビルディング(愛称「中日ビル」)」は「中日ビル」として建替えが進んでおり、2023年夏に竣工、2024年春に全体開業の予定です。

錦三丁目では「錦三丁目25番街区市有地等活用事業」が進められています。高さ200m、地上36階のビルで高級ホテル「コンラッドホテル」やオフィス、シアター、店舗が入り久屋大通りとの一体的な賑わいを形成する地域のランドマークとなり、2026年の供用開始を予定しています。また、栄三越の入居する「オリエンタルビル」の建替え・再開発が検討されています。地上34階建て、高さ180mのビルとして2029年の完成が予定されています。

このように松坂屋・三越などが並ぶ栄の中心部で再開発が進み、名古屋駅前だけでなく栄でも多くの高層ビルが建設され街が大きく変貌する可能性もあります。

錦三丁目25番街区市有地等活用事業 俯瞰図

<名古屋市「錦三丁目25番街区市有地等活用事業の事業候補者決定について」>

https://www.city.nagoya.jp/jutakutoshi/page/0000125813.html

栄 再開発マップ

「名古屋テレビ塔」2020年リニューアルオープン

「ビーノ栄(日本生命栄ビル)」2020年開業

「アーバンネット名古屋ネクスタビル」2022年1月竣工

「Maruei Galleria (マルエイガレリア)」2022年3月開業

「中日ビル」2023年夏の竣工、2024年春全体開業予定

「錦三丁目25番街区市有地等活用事業」2026年供用開始予定

「栄三越(オリエンタルビル)」建替え2029年完成予定

伏見エリアでも再開発の計画が進んでいる

伏見エリアでも三井住友銀行名古屋支店などがあるエリアで24階建てのビルが建設される再開発計画が進んでいます。

さらに地下鉄東山線では「名古屋」駅と「伏見」駅の間に「柳橋」駅を新設する事について2024年度をめどに方向性を決める方針を発表しています。

実現すれば名鉄駅周辺の再開発エリアにもやや近く、この周辺の発展にもつながると考えられます。

湾岸エリア、その他

開発の進む名古屋湾岸部

名古屋の湾岸部も都市再生緊急整備地域に指定されているエリアもあります。コンベンションセンター、ブライダル施設やスタジアム、ショッピングモールや住宅なども建設されています。未利用地も多く今後も発展が期待できるエリアです。

名古屋市港区金城ふ頭には「レゴランド」「メイカーズ・ピア」などが2017年に開業しました。「名古屋市国際展示場(ポートメッセなごや)」は2022年にリニューアルオープンし、展示会やイベントなどに使用できる「第一展示場」や会議などで使用できる「コンベンションセンター」が新設されました。

また熱田区の「名古屋国際会議場」は2026年までに拡張され、名古屋市ではこうしたMICEの誘致にも力を入れています。

<内閣府「都市再生緊急整備地域及び特定都市再生緊急整備地域の一覧」>

https://www.chisou.go.jp/tiiki/toshisaisei/kinkyuseibi_list/pdf/kuiki/k_nagoyarinkai.pdf

長久手にはジブリパークが2022年11月に開業

長久手市では2005年の愛知万博(「愛・地球博」)が行われた「愛・地球博記念公園(モリコロパーク)」に「ジブリパーク」が2022年11月に開業します。アニメのイメージが再現される会場では多くの来場者が見込まれます。

名古屋駅から東山線とリニモで1時間弱ですが、名古屋市で滞在する人も多くなれば名古屋市への経済波及効果も大きいと考えられます。