持ち家よりも不動産投資を優先すべき!ローンの違いや賃貸併用住宅のメリット・デメリットを解説

不動産投資は持ち家の購入よりも優先すべきです。理由は家賃収入を所得にして加算できるため住宅ローンの審査が通りやすいほか、融資上限額が上がるケースがあり、リスクを未然に回避できるためです。 この記事では、持ち家の住宅ローンと不動産投資ローンの違いをはじめ、不動産投資を優先すべき理由、持ち家を賃貸併用住宅として利用する方法のメリットとデメリットについて解説します。 これから不動産投資を始めようと考えている方や、持ち家と投資用物件の購入順序に悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。

この記事は約8分で読み終わります。

持ち家の住宅ローンと不動産投資ローンの違い

ここでは、持ち家の住宅ローンと不動産投資ローンの違いについて解説します。

借り入れの目的

持ち家の住宅ローンは、自身や家族が居住する住宅を購入するために利用します。一方、不動産投資ローンは、賃貸経営のための物件を購入する目的で使用するものです。

この目的の違いはローンの性質や条件に大きな影響を与えます。住宅ローンは個人の生活基盤を整えるためのものですが、不動産投資ローンは事業として収益を上げるためのものです。

目的の違いによって、金融機関の審査基準や融資条件に違いが生じます。

返済原資

持ち家の住宅ローンの返済原資は主に借入者の給与収入です。毎月の給与から返済額を支払います。

一方、不動産投資ローンの返済原資は主に物件から得られる家賃収入です。投資物件の家賃収入をローンの返済に充てることを前提としています。

そのため、不動産投資ローンでは物件の収益性が重要な審査項目になります。金融機関は物件が安定した家賃収入を生み出せるかどうかを慎重に評価します。

金利

金利は持ち家の住宅ローンのほうが不動産投資ローンよりも低くなる傾向があります。

住宅ローンの金利は年利0.5%〜2.0%程度であるのに対し、不動産投資ローンは年利1.5%〜4.5%程度です。この差は不動産投資ローンのほうがリスクが高いと判断されるためです。

投資用物件は空室や家賃下落のリスクがあり、返済原資が不安定になる可能性があります。そのため、金融機関はリスクに見合った金利を設定しています。

不動産投資ローンの金利相場や決める要因について知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

金利の相場は?不動産投資の金利を決める要因と低金利で借りる7つのコツを紹介

融資限度額

融資限度額は、不動産投資ローンのほうが持ち家の住宅ローンよりも高く設定されるケースが多いです。

住宅ローンの融資限度額は借入者の年収の5〜8倍程度です。一方、不動産投資ローンでは年収の10〜20倍程度の融資を受けられる可能性があります。これは不動産投資ローンが家賃収入を前提としているためです。

ただし、融資限度額は借入者の信用度や物件の収益性によって大きく変動します。

審査内容

持ち家の住宅ローンの審査では、主に借入者の個人属性に焦点が当てられます。年収、勤続年数、他の借入状況などが重要な審査項目です。

一方、不動産投資ローンの審査では、借入者の個人属性に加えて、投資物件の収益性や将来性、物件の立地、築年数、想定家賃収入などが評価されます。

そのため、不動産投資ローンの審査は住宅ローンよりも複雑で厳格になる可能性が高いです。

借り入れ名義

借り入れ名義も両者に違いがあります。

持ち家の住宅ローンは個人名義での借入が一般的です。これは自身が居住するための物件であるためです。

一方、不動産投資ローンでは個人名義に加えて、法人名義での借入も可能です。

不動産投資を事業として行う場合は、法人化することでより大規模な投資や税務上のメリットを得られる可能性があります。

ただし、法人名義での借入には個人保証が求められるケースが多いため注意してください。

法人化するメリット・デメリットについて知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

不動産投資で法人化するメリット・デメリット!法人化の流れも紹介!

持ち家の住宅ローンよりも不動産投資ローンを優先すべき理由

ここでは、持ち家の住宅ローンよりも不動産投資ローンを優先すべき理由について解説します。

家賃収入を所得して加算できるため住宅ローンの審査が通りやすい

不動産投資ローンで物件を購入し賃貸経営を始めると、家賃収入を得られます。多くの金融機関ではこの家賃収入を新たな所得として認識します。

結果、投資家の年収が増加したとみなされ、あとに組む住宅ローンの審査に有利に働く可能性が高いでしょう。

例えば、年収500万円の人が月10万円の家賃収入を得ると、年間120万円の追加所得が認められるため、年収620万円として扱われる可能性があります。

不動産投資ローンを優先すれば、より高額の住宅ローンが組める可能性が高まります。

融資上限額が上がるケースがある

不動産投資の実績を積むと、金融機関からの信頼度が高まり、融資上限額が上がる可能性があります。

例えば、最初の不動産投資で安定した収益を上げ、適切に返済を続けることで、金融機関は投資家の能力を高く評価するようになります。2棟目以降の投資や持ち家購入の際には、より高額の融資を受けられる可能性が出てくるでしょう。

このように不動産投資を優先すれば、将来的な資金調達の幅を広げられます。

リスクを未然に回避できる

不動産投資ローンを先に組むと、投資のリスクを事前に把握しながらの対処が可能です。

投資の運用がうまくいかない場合は、住宅ローンを組めない可能性が高まります。これはデメリットのように思えますが、実はリスク管理の観点から見れば大きなメリットです。

なぜなら投資の失敗によって経済的な困難に陥る前に、持ち家購入を見送れるためです。

このように不動産投資を先に行えば、無理のない範囲で資産形成を進められます。

持ち家を賃貸併用住宅として利用するのもひとつの手段

持ち家を賃貸併用住宅として利用することは、不動産投資と持ち家購入の両方のメリットを得られる効果的な方法です。

持ち家を賃貸併用住宅にする場合は、ひとつの建物内に自己居住部分と賃貸部分を設けます。自己居住部分が51%以上であれば、通常の住宅ローンを利用できる場合が多く、低金利での資金調達が可能です。

また、賃貸部分からの家賃収入を得られるほか、ローン返済の負担を軽減できます。ただし、賃貸併用住宅には独自のメリットとデメリットがあるため、慎重に検討しなければなりません。

持ち家を不動産投資に利用するメリット

ここでは、持ち家を不動産投資に利用するメリットについて解説します。

収益物件を購入するよりもコストを抑えられる

持ち家を不動産投資に利用するメリットは、新たな収益物件を購入するよりもコストを抑えられることです。すでに所有している物件を活用するため、新規購入にかかる諸費用や頭金を節約できます。

例えば、3,000万円の物件を新規購入する場合、頭金や諸経費で数百万円が必要です。しかし、持ち家を活用すればこれらの費用を抑えられます。

また、リフォームなどの初期投資も最小限に抑えられるため、投資の初期コストを大幅に削減できる可能性があります。

家賃収入をローンの返済に充てられる

持ち家の一部を賃貸に出して得られる家賃収入は、住宅ローンの返済に充てられます。

月々のローン返済額が15万円で、賃貸部分からの家賃収入が8万円ある場合、実質的な返済負担は7万円に軽減される仕組みです。

これにより、家計の負担を大きく減らせます。ローンを完済したあとも家賃収入は続くため、長期的な収入源になる可能性もあるでしょう。

このように、持ち家を不動産投資に活用すれば、資金効率を高められます。

いずれ持ち家に住むことが可能

持ち家を不動産投資に利用するメリットは、将来的に自分で住めることです。子供の独立後や退職後に、賃貸部分を自己使用に切り替えられます。これは長期的なライフプランに合わせて住居を調整できるメリットといえるでしょう。

また、一時的に転勤などで離れる場合も、戻ってきた際にすぐに住める安心感があります。

このように、持ち家を不動産投資に利用すれば、将来の選択肢を広げられます。

節税効果がある

持ち家の一部を賃貸に出すと、さまざまな経費を計上できるため、節税効果が期待できます。賃貸部分に関連する修繕費、保険料、固定資産税など、経費として計上が可能です。

また、建物の減価償却費も計上できるため、経費を所得から差し引くと、課税所得を減らせるだけでなく税負担を軽減できます。

ただし、確定申告が必要になるため、税理士に相談しながら適切に処理しましょう。

不動産投資における節税対策について知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

不動産投資における税金対策とは?節税するときのポイントを解説

持ち家を不動産投資に利用するデメリット

ここでは、持ち家を不動産投資に利用するデメリットについて解説します。

トラブルが発生する可能性がある

持ち家の一部を賃貸に出す場合、入居者とのトラブルが発生するリスクがあります。生活音や臭い、ゴミ出しのルールなど、日常生活に関する問題が起こりやすくなるでしょう。

また、共用部分の使用方法や駐車場の利用などでも意見の相違が生じる可能性があります。

これらのトラブルはオーナーと入居者が同じ建物内で生活するため、深刻になりやすいでしょう。未然に防ぐためには、明確なルール設定と丁寧なコミュニケーションが重要です。

通常の賃貸物件よりも入居者募集が難しい

持ち家の一部を賃貸に出す場合は、通常の賃貸物件と比べて入居者募集が難しくなる傾向があります。

これはオーナーが同じ建物内に住んでいることを敬遠する入居希望者が多いためです。プライバシーの問題や生活スタイルの制約を懸念する人も少なくありません。

また、一般的な賃貸物件と比べて設備や間取りが制限される場合があり、魅力が低下する可能性があります。デメリットを克服するには、物件の特徴を活かした魅力的な条件設定や、ターゲットを絞った募集戦略が必要です。

確定申告が必要になる

持ち家の一部を賃貸に出すと、不動産所得が発生するため確定申告が必要です。

確定申告では、家賃収入や経費の計算、減価償却費の算出など、複雑な作業が求められます。また、税法の知識も必要になるため、専門家のサポートを受ける必要性が高くなるでしょう。

ただし、確定申告を通じて経営感覚や税務知識が身につくメリットもあります。負担ではなく、学びの機会として捉える意識も大切です。

まとめ

不動産投資の優先は不動産投資と持ち家購入の選択において多くのメリットがあります。家賃収入による所得増加、融資上限額の上昇、リスク管理の観点から見ると、不動産投資ローンを先に組んだほうが有利です。

また、持ち家を賃貸併用住宅として活用すれば、投資と居住の両立が可能になります。

ただし、トラブルの可能性や入居者募集の難しさ、確定申告の必要性などのデメリットも存在します。自身の状況や目標に合わせて、最適な戦略を選択しましょう。

アセットテクノロジーでは、オーナー様の負担となる管理業務全般を代行いたします。持ち家よりも不動産投資を優先した結果、管理業務の手間に悩まされる場合でも管理業務の煩わしさを削減可能です。

持ち家を賃貸併用住宅として利用する場合などは、ぜひお気軽にご相談ください。