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年金制度の現状と不安
年金制度は、少子高齢化の進行により大きな岐路に立たされています。
現役世代の減少と高齢者増加により、年金の支給額が徐々に減少していく傾向にあり、多くの人々が老後の生活に不安を抱えています。
日本年金機構の「令和元年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、令和元年の平均的な厚生年金支給額は約14万円、国民年金の平均受給額は約5万円となっています。
総務省統計局の家計調査2023年平均結果によると、月々の平均支出額が65歳以上の単身無職世帯は約14.5万円、夫婦二人世帯は約25.0万円でした。
子どもが独立したとしても、医療費や介護費などお金がかかることも多く、老後を安心して暮らすために、この差額をどのように埋めるかが大きな課題です。
不動産投資が年金対策に向いている理由
年金制度の先行きが不透明で、多くの人々が老後の資金計画に頭を悩ませている中、不動産投資が年金対策の手段として注目を集めています。
ここでは、不動産投資が年金制度の課題を補い、安定した老後の生活を支える可能性がある理由を詳しく解説します。
安定した収入源の確保
不動産投資の主な収入源は、居住者から定期的に支払われる家賃です。
良い物件を選び、上手に運用を行えば、長期継続的な収入を得られる可能性が高く、年金のように定期的で予測可能な収入を求める老後の生活にピッタリです。
株式投資や他の金融商品に比べて、不動産投資は比較的安定した収益が期待できます。
株式投資や暗号資産投資は「ハイリスク・ハイリターン」、銀行口座への預貯金が「ローリスク・ローリターン」であるように、不動産投資は「ミドルリスク・ミドルリターン」が狙える投資として知られています。
上手くリスク管理をすれば、安定した収益を得られる可能性が高く、年金対策としてはうってつけの特徴を持っているといえるでしょう。
少ない資産で投資を始められる
不動産投資が年金対策として注目を集める理由の一つに、比較的少ない資金から始められる点があります。
自己資金が物件価格に届かない場合でも、銀行に融資をしてもらえます。
例えば、物件価格が1,000万円〜2,000万円程度のワンルームマンションであれば、自己資金500万円程度から投資を始められます。
なかには、さらに少ない頭金でローンを組める場合もありますが、利率が高くなる傾向があるので注意が必要です。
不動産投資で融資を受ける流れについて、以下の記事で詳しく解説しています。
家賃収入は年金受給額に影響しない
不動産投資による家賃収入は、年金受給額には影響を与えません。
在職老齢年金制度では、70歳未満の方が会社に就職し厚生年金に加入した場合や、70歳以上の方が厚生年金保険の適用事業所に務める場合に適用されます。
しかし、家賃収入は労働による結果ではなく、不労所得として扱われるためこの制度の対象外となります。
ただし、家賃収入を得た場合、確定申告が必要で、金額によっては扶養から外れる可能性があるため注意が必要です。
定年後に年金が減らされる心配をせず、不動産収入を得ることができます。
不動産投資で年金対策を成功させるポイント
不動産投資が年金対策として有効である理由を理解したところで、次に重要なのはその投資を成功に導くための具体的なポイントです。
ここでは、不動産投資を年金対策として成功させるために備えておくべき重要なポイントについて詳しく解説します。
物件選びと立地の重要性
物件選びでは、築年数や設備の状態、間取りなどを慎重に吟味する必要があります。
築浅物件は修繕費用が抑えられますが、購入価格が高くなる傾向があり、中古物件は初期投資を抑えられますが、将来的な修繕費用に注意が必要です。
立地選びでは、『駅近』や『都心へのアクセスの良さ』といった従来の基準に加え、将来性も重要なポイントです。
人口の変動の予測や都市開発、地域の特性などを総合的に判断しましょう。
例えば、若い世代が増加している地域や、新しい路線の開通が予定されている地域は、将来的な価値の上昇が期待できます。
ただし、人気の高いエリアにある物件への投資が良い投資とは限りません。
物件価格が上がっている場合、収益が低くなる可能性があるため、投資金額と予想される収益のバランスを慎重に検討しましょう。
不動産投資の立地条件については、以下の記事でも詳しく解説しています。
立地条件が与える影響とは?良い立地と悪い立地の特徴・見極め方を解説
繰り上げ返済をする
年金対策として不動産投資を行う際、繰り上げ返済は有効な選択肢の一つです。
特に、安定した家賃収入がある物件で、余剰資金が生まれている場合は検討すると良いでしょう。
繰り上げ返済のメリットは、長期的に見て利息負担を大幅に削減できる点です。
例えば、借入額2,500万円、受取2%、返済期間25年のローンで、5年後に300万円の繰り上げ返済とすると、総返済額を約130万円削減できます。
返済期間の短縮により、早期にローンから解放されることで、老後の生活設計の自由度が高まり、将来の経済変動に対する備えにもなるでしょう。
ただし、建物の修繕や空室対策など、不動産経営には予期せぬ出費がつきものです。
手元資金が足りないと、不測の事態への対応力が低下する可能性があるため、資金は余裕をもたせておく必要があります。
また、繰り上げ返済よりも新たな物件への投資のほうが有利な場合もあるため、現在の資金状況や、将来の見通しの予測をもとに総合的に判断しましょう。
将来を見据えた出口戦略
年金対策として不動産投資を成功させるためには、将来を見据えた出口戦略が必要です。出口戦略とは、投資物件をどのように、いつ売却するか計画を立てることです。
購入時からその物件の売却方法やタイミングを視野に入れます。
例えば、収益物件として売却する場合、賃貸需要が高い地域で購入し、満室状態や市場の動向を常にチェックし、売却に最適なタイミングを見極める必要があります。
特に景気が良く、不動産価格が上昇している時期は販売の好機です。
市場の変動や物件の老朽化によって、売却できないリスクも存在します。
古い物件はそのままの状態だと価値が下がりやすく、需要も低くなる可能性があるため、定期的なメンテナンスやリフォームで資産価値を維持する努力が肝心です。
また、売却利益だけでなく、その後の資金運用についても考えておき、売却した資金を次の投資に回すと、より確実な利益を狙うこともできるでしょう。
不動産投資のリスクと対策
不動産投資を年金対策として活用することは、多くのメリットを生むことができますが、リスクも存在します。
不動産投資を年金対策として行う際に考慮すべきリスクと、そのリスクに対処するための具体的な方法について詳しく解説します。
空室リスク
不動産投資を年金対策として考える際、物件に居住者がいないために家賃収入が得られない空室リスクは避けて通れない課題です。
具体的な対策は以下の通りです。
- 物件の立地条件や将来性を重視する
- リフォームや設備投資
- 家賃、敷金、礼金、入居条件の見直し
- 自己資金を確保
空室リスクを軽減するためには、物件選びの段階で立地条件を重視することが基本です。
駅近やアクセス性の高いエリアにある物件は、居住希望者がいる可能性が高く、空室期間を短くできます。
地域の人口動態や将来的な開発計画も考慮し、必要が安定している地域を選ぶと良いでしょう。
また、物件の魅力を高めるためのリフォームや設備投資も効果的です。例えば、無料のインターネットやセキュリティ設備など、現代の居住者が設備を整えて競争力を向上させます。
さらに、家賃や敷金、礼金、入居条件の設定も重要な要素です。周辺相場と比較して適切な価格と条件を設定すると、入居者をスムーズに見つけられるでしょう。
空室期間が長引くとキャッシュフローに悪影響を及ぼすため、事前に十分な自己資金を確保しておくことが重要です。
空室リスクへの対策は多岐にわたりますが、市場動向をしっかりと把握し、柔軟かつ迅速に対応する姿勢が重要です。
空室リスクを抑える方法は、以下の記事でも詳しく解説しています。
滞納リスク
不動産投資を年金対策として行う際に考慮すべきリスクの一つが滞納リスクです。
入居者がいたとしても、滞納があるとその分の家賃収入を得られないうえ、督促などの対応に追われます。
滞納リスクを軽減するためには、入居者選定が鍵となります。入居審査を行うには、安定した収入があるのかどうか、過去の信用情報などを確認し、滞納の可能性を減らします。
また、連帯保証人や保証会社を利用すると、万が一の滞納も一時的な家賃の回収が可能になります。
さらに、自動引き落としやクレジットカード払いを導入することで、支払い忘れによる滞納を防ぐ方法も有効で、毎月確実に家賃が支払われる仕組みを構築できます。
修繕リスク
修繕リスクとは、建物や設備の経年劣化によって発生する修繕費用のことをいいます。まず、修繕費用を見込んで事前に計画を立てることが大切です。
特に中古物件は、購入時に修繕履歴を確認し、将来的に必要となる修繕費用を見積もっておくことで、予期しない出費を減らせます。
また、定期的なメンテナンスと予防保全も欠かせません。 例えば、屋根や外壁の塗装、配管の交換などは定期的に行うことで、大規模な修繕が必要になる前に問題を防げるでしょう。
さらに、修繕費用を積み立てておくと、修繕が必要になった際にも焦らずに対応できるでしょう。
まとめ
不動産投資は、年金対策を考える方にとって、定年後に安定した収入源の確保できる有効的な手段です。
慎重に物件を選び、綿密な投資計画を立てることで、上手く運営できるでしょう。
アセットテクノロジーでは、投資者の広告費や入居者の仲介手数料の負担を軽減して、入居率の向上につながるダイレクト賃貸を導入しています。
老後の年金対策に不動産投資をご検討の場合は、アセットテクノロジーまでご相談ください。