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「不動産は、どのタイミングに売却すればいいのだろうか。」
あなたは、「損をしたくない」「1円でも高く売却したい」という思いで、本記事にたどり着いたのではないでしょうか。
3不動産市場全体で見ると、2023年は金利が安く、不動産価格も高騰傾向にあり、売り手市場が続いているため、売却のタイミングと言えます。
以下は、国土交通省が公表している不動産価格指数(不動産価格の動向を指数化したもの)です。
出典:国土交通省「【公表用】不動産価格指数_住宅・商業_231027」
ご覧の通り、マンション、一戸建て、住宅地のいずれも上昇傾向にあり、不動産の市況としては、高く売れる可能性がある売却タイミングです。
ただし、不動産の売却タイミングは、市況だけでなく、以下のような指標から総合的に判断しなければなりません。
例えば、不動産価格が高騰していても、所有年数4年で売却すると、高額な譲渡所得税がかかり、結果的に売却によって得られる利益が減ってしまう可能性があるのです。
指標を知っていれば、この場合、売却タイミングを遅らせるのが良いと判断できます。
しかし、不動産には特例による控除や節税措置などがあり、それらは期限があるケースがほとんどです。
売却タイミングを先延ばしにすることで損をする可能性もあるため、広い視野を持ち、さまざまな指標から総合的に判断することが大切です。
そこで本記事では、不動産の売却タイミングを見極める指標や、不動産の種類特有の売却タイミングを判断するポイントなどについて、詳しく解説をします。
最後まで読めば、あなたが所有する不動産の売却タイミングがわかり、損をすることなく、1円でも高く売却できるようになるはずです。
売却タイミングとして適さないケースも紹介するので、しっかりと見極めて、より良い条件での売却を叶えましょう。
1.不動産の売却タイミングを見極める6つの指標別ポイント
不動産の売却タイミングかどうかを判断するポイントとしては、上記6つの指標があります。
ここでは不動産をより高く売るために重視したい順に指標を紹介します。
1-1.築年数|築10~20年のタイミング
長く所有している不動産の場合、築10〜20年が売却タイミングを見極めるひとつの判断指標になります。築10年を超えると、買主の手が届きやすい価格帯になるからです。
以下は、国土交通省が発表している「中古住宅の価格査定の例」です。
出典:国土交通省「中古住宅流通、リフォーム市場の現状|中古戸建住宅の価格査定の例」
ご覧の通り、築年数を重ねるほど価格は下がる傾向にあり、一戸建て住宅は、築20年を超えると資産価値はほぼ0になります。
具体的な金額に当てはめて見てみましょう。
▼購入価格が3000万円の木造一戸建ての場合 築10年:資産価値70%(2100万円) 築15年:資産価値40%(1200万円) |
売却価格の相場にもよりますが、築年数が数年変わるだけで、売却価格が数百万円も下がってしまう可能性があります。
そのため、購入希望者が見つかりやすく、不動産としての価値も高い築10〜20年は、不動産を高く売却する最適なタイミングと言えます。
1-2.所有期間|投資用・居住用は5年超
投資用不動産も、マイホームも所有から5年以上経過したタイミングで売却すると、売却によって得た利益(譲渡所得)に応じてかかる所得税と住民税の軽減が可能です。
不動産は、売却によって得た利益(譲渡所得)に応じて、所得税と住民税が課税されます。なお、課税率は以下の通り、取得から売却までの所有期間によって決められています。
所有年数 | 所得税+住民税 |
長期譲渡所得(5年超) | 20.315% |
短期譲渡所得(5年以下) | 39.63% |
参考:国税庁「土地や建物を売ったとき」
5年経過するかどうかで、支払うべき税金が数十万円〜数百万円も変わってくる可能性があるため、所有年数が5年超間近の場合は、税金面で優遇を受けられる時期に売却することを検討すべきです。
\所有年数が10年以上かつ特例を利用できる場合はさらにお得!/ |
マイホーム売却の場合、譲渡所得から3000万円(3000万円以下の場合はその金額)を控除できる「マイホームを売ったときの特例」を受けられます。相続した空き家を売却した場合も適用できます。 この特例は所有期間の長短に関係なく、住まなくなった日から3年を経過する日がある年の12月31日までに売ることで適用可能です。 参考:国税庁「No.3314 過去に居住していたマイホームを売ったとき」 例えば、あなたが住まなくなった日が2021年12月1日の場合、3年経過する日は2023年12月1日です。特例を受けるには、2023年12月31日までに売却が完了していなければなりません。 マイホームを購入した日が年末に近い人は、遅くても、住まなくなってから2年目中に売却活動を始めるようにしましょう。 さらに、所有期間が10年以上の場合、3000万円の特別控除に加え、「マイホームを売ったときの軽減税率の特例」を利用することで、控除後の譲渡所得にかかる課税率が抑えられます。 売却によって得た利益にかかる税金を抑えることで、節税効果が期待できるでしょう。 |
1-3.金利|低いタイミング
金利は、低いタイミングが売り時と言えます。2023年現在、日本は低金利が続いており、金利だけで考えると、今がまさに売却のタイミングです。
以下は、民間金融機関の住宅ローン金利推移です。
出典:住宅金融支援機構「民間金融機関の住宅ローン金利推移(変動金利等)」
変動金利の場合、1991年は8%を超えていますが、1995年以降は2%台で推移しています。
金利が低いと買主の負担も少なくなり、不動産購入へのハードルが下がります。その結果、高額な買い物である不動産購入の需要が高まり、ニーズ増加によって不動産の取引価格も上昇します。
しかし、今後、金利が上昇した場合、需要が減少して不動産の在庫が増えると、不動産価格が減少する可能性があります。
そのため、金利が低い時期に売却を検討するのがおすすめです。
1-4.時期|11~12月
不動産の売買が活発になる時期から逆算すると、11~12月ごろが売却のタイミングです。
1年のうち、3月が最も成約件数が多くなる時期だからです。
ただし、不動産売買の手続きは、一般的に3〜6か月程度かかります。不動産の購入の需要が増え、希望者が見つかりやすいタイミングに売るためには、そこから逆算して売却活動することが重要です。
不動産を売却しやすい時期に売ろうと考える場合は、遅くても11〜12月には売却するようにしましょう。
1-5.市況|地価の上昇や開発計画があるタイミング
売却したい不動産がある地域の市況から売却タイミングを見極める場合は、そのエリアの地価の上昇や開発計画があるタイミングを狙うのがポイントです。
地価が上昇し、開発の計画があるエリアは、不動産ニーズが高まりやすく、取引価格も高騰しやすい傾向があるからです。
市況を判断する情報 | 確認方法 | わかること |
地価 | エリアの地価、不動産の取引価格など | |
開発計画 | 東京都都市整備局(東京の場合) | 予定されている再開発の計画や開発状況など |
エリア情報 | 地域社会・経済のニュース | 地域社会や経済の動向、不動産ニーズなど |
地価については、国土交通省の「国土交通省地価公示・都道府県地価調査」を見ることで、エリアの地価や不動産の取引価格を調べることができます。
開発計画についても、例えば、東京の場合、東京都都市整備局のホームページを確認することで、各エリアで予定されている再開発の計画や開発状況の把握が可能です。
また、社会・経済のニュースも不動産の市況を知る重要な手掛かりとなり得ます。
例えば、今計画が進んでいるリニアについては、駅が新設されるエリアの不動産需要が高まっている状況です。
実際、リニアの駅が完成予定の神奈川県橋本では、将来、利便性が良くなる可能性があることから、今注目が集まっており、不動産の取引価格も上昇しています。
公的機関の地価や開発計画を確認し、市況から売却するタイミングを見計らいましょう。
1-6.売却目的|相続は3年以内/離婚は離婚前
相続した不動産の売却や、夫婦共有で購入した不動産を離婚によって売却する場合にも、売却タイミングがあります。
1-6-1.相続した不動産は3年10か月以内に売却することで節税できる
相続した不動産の売却タイミングは、3年10か月以内がひとつの目安です。
相続した不動産を売却する場合、「取得費加算の特例」を利用することで、譲渡所得にかかる税金を軽減できるからです。
参考:国税庁「No.3267 相続財産を譲渡した場合の取得費の特例」
「取得費加算の特例」が適用されると、売却する不動産を取得した際に、実際にかかった費用(取得費)もしくは概算取得費に、相続税額の一部を取得費に加算することができます。
売却金額が大きいほど、譲渡所得税も高額になるため、相続した不動産の売却を考えているのであれば、所有期間から3年10か月以内の節税できるタイミングに売却しましょう。
相続した不動産が空き家を3年以内に売却した場合は 譲渡所得の特別控除を受ける選択肢もある |
空き家の不動産を相続し、3年以内のタイミングに売却すると、譲渡所得の控除が受けられる「被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除の特例」を適用できる可能性があります。 「空き家特例」と言われる軽減措置で、譲渡所得から最高3,000万円までを控除することが可能です。 ただし、「取得費加算の特例」との重複適用はできません。両方の条件を満たす場合、いずれか有利な方を選んで活用しましょう。 |
1-6-2.離婚の場合は離婚前に売却することでトラブルを回避できる
離婚をした場合の売却タイミングは、離婚成立前です。
離婚前に売却をすることで、離婚後に売却に関する連絡を取る必要がなくなり、「連絡が取れなくて手続きが進まない」といったトラブルを防ぐことができるためです。
・両者が、時間がかかってもより良い条件で売却することに同意
・離婚後も連絡を取り合える関係
・離婚後もしばらくはいずれかが済む予定
上記のようなケースであれば、離婚後の売却も可能ですが、不動産の売却は一般的に3〜6か月程度かかるため、離婚後も長期間にわたって連絡を取り合うことになります。
離婚すると、こまめなやり取りや話し合いが難しくなりやすいため、離婚前に売却するのがおすすめです。
売却金を分け合うのは離婚成立後にすることで贈与税を回避できる! |
売却がスムーズに進み、離婚する前に不動産の売却ができたとしても、売却金を分け合うのは離婚成立後にすべきです。 離婚成立前に分け合うと、贈与税の課税対象となるためです。 不動産の譲渡でも、離婚時の財産分与であれば、原則として贈与税は課税されません。 そのため、離婚時もよりお得に不動産を売却して受け取れる金額を最大化したいと考えるのであれば、財産分与は離婚成立のタイミングに分け合うようにすべきです。 |
2.【種類別】種類特有の不動産売却タイミング
ここまで不動産の一般的な売却タイミングを見極めるポイントを紹介しましたが、不動産と言ってもマンションや戸建て、土地など、複数の種類がありますよね。
不動産の種類特有の売却タイミングもあります。
参考:不動産売却はタイミング命!売れやすさや価格が変わる6つのポイント
なぜそのタイミングなのか、以下で詳しく解説します。
2-1.マンション|大規模修繕の前
マンションは、大規模修繕前に売却すべきです。
理由は2つあります。
▼マンションを大規模修繕前に売るべき2つの理由
・大規模修繕後に修繕積立金を増額するため、買い手にとってはランニングコストが増えてしまう ・大規模修繕前に売ることで築年数が浅くなり、高く売れる可能性がある |
大規模修繕は、10〜15年単位で必要です。
建物は経年劣化していくため、年を重ねるほど、重めの修繕になります。そのため、大規模修繕後は、次に備えて修繕積立金の増額をするのが一般的です。
修繕積立金を増額するということは、マンション運営のランニングコストが増えるということです。
同じような条件のマンションだった場合、ランニングコストを含めて比較されて不利になる可能性があります。
また、大規模修繕を行ってから売却するとなると、建て替えの可能性が低くなり、築年数も重ねることになります。
特に、旧耐震基準で建てられた建物であるにもかかわらず、建て替え計画がない築年数が古い不動産は、耐震性の観点で見たときに、不動産の将来性や市場価格に影響を与える可能性が高いです。
建て替えを見据えた不動産購入を考えている人もいるため、マンションを売却する場合は、一般的な不動産の売却タイミングに加え、大規模修繕の前に売るようにしましょう。
2-2.一戸建て|築年数15年以内
一戸建て住宅は、築年数15年以内のタイミングに売却するのがおすすめです。
買主の属性によるが、中古一戸建てを金融機関から借入して購入する場合、住宅ローンに借入条件や制限を設けている金融機関があるからです。
金融機関では、実際に以下のような制限を設けられていることがあります。
・木造一戸建ては法定耐用年数の22年まで ・借入が可能期間が「法定耐用年数ー現在の築年数」 |
金融機関は、万が一返済できなかったときに、対象の不動産の売却金でまかなうことができるよう、不動産の評価に見合った金額を融資するのが一般的です。
一戸建ての中古住宅は、新築住宅と比べると物件の資産価値は低いと判断されやすく、借入可能な期間や金額に上限がつきやすくなります。
築15年以上の物件を購入するとなると、借入条件や制限の影響で買主が見つかりにくくなる可能性があるため、一戸建ての売却は築15年以内のタイミングがおすすめです。
2-3.土地|2035年まで
売却したい土地があるのであれば、ひとつの目安として、遅くても2035年までに売却することを検討しましょう。
国立社会保障・人口問題研究所の「日本の世帯数の将来推計(全国推計)2018(平成 30)年推計」によると、一般世帯数が2023年をピークに、減少すると予測されているからです。
一般世帯の総数は、2025年~2030年の間に減少し始め、2035年から2040年の間に大きく減少する予測となっています。
人口が減少して世帯数も減り、土地購入の需要も減少するため、特に、過疎化が進んでいるような田舎は、先延ばしにするほど売却しづらい状況になる可能性が考えられます。
そのため、売却したい土地を保有しているのであれば、遅くとも2035年までに売却するのがおすすめです。
ただし、土地売却も所有期間が10年を超えると譲渡所得税の軽減があります。所有期間と照らし合わせながら、早いタイミングに売却するようにしましょう。
3.不動産を1円でも高く売却するために避けたい2つのタイミング
不動産の売却タイミングを見極める指標や、種類ごとの売却タイミングについてお話ししましたが、1円でも高く売りたいと考える場合に避けるべきタイミングもあります。
具体的には、次の2つのタイミングです。
上記のタイミングに不動産を売却すると、今後の生活に悪影響を与えたり、高額な譲渡所得税を支払うことになったりする可能性があるからです。
これから紹介するケースをしっかりと把握し、損することなく不動産を売却してくださいね。
3-1.オーバーローンでの売却|生活を圧迫する可能性があるため時期を改める
金融機関から借入して住宅ローンを支払っており、オーバーローン(住宅ローン>売却価格)状態になる場合は、売却時期を改めるべきです。
抵当権を抹消するために、不足分を自己資金から補填することや、ローン完済のために住宅ローンを新たに組むなどの対策が必要になり、今後のあなたの生活を圧迫する可能性があるからです。
不動産の売却は、原則として、ローン残債を一括返済する必要があります。
住宅ローンを完済できなければ、抵当権(金融機関が不動産を担保にする権利)を抹消できず、不動産を引き渡すことができません。
住宅ローンの残債が不動産の売却価格を上回りそうなときは、
・不足金を自己資金から補っても生活に余裕がある
・住宅ローンを売却価格が上回る(アンダーローン)
上記タイミングまで待つようにしましょう。
3-2.税制優遇が適用されないタイミング|時期を逃すと数百万円も損をする可能性がある
不動産売却では、特例による節税や控除が適用されないタイミングの売却は避けるべきです。
時期を逃すだけで、場合によっては数百万円以上も損をする可能性があります。
ただし、節税のために何年も待った結果、築年数が20年を超え、不動産の売却価格が大きく下落してしまうという場合もあるため、ケースバイケースです。
税制の優遇を受けられる時期まで待った場合の利益と、築年数を重ねた場合のリスクを比較したうえで、判断するようにしましょう。
4.不動産売却における今後の市場動向
「今後、不動産の価格が高くなる可能性もあるのではないか」
「今売るのが本当にベストタイミングと言えるのだろうか」
このような不安から、不動産売却における今後の市場動向が気になっている人もいるのではないでしょうか。
不動産市場においては、アベノミクスのスタート以降、公示地価が再浮上し、平成バブルのピーク時と同じ水準まで価格 が上がってきています。
今後もしばらくは低金利が続く予想で、住宅需要が高い状態で推移することが見込まれています。
ただし、不動産市場は、社会情勢の影響を受けやすいものです。過去30年の間に2度も大きな危機 があり、その影響で公示価格も大きくマイナスとなりました。
不動産の売却は、築年数や所有期間以外の要因にも左右されやすいため、社会情勢にも注目しながら、売却のタイミングを見極めましょう。
5.不動産の売却タイミングを最終決定する前に行うこと
不動産の状況や市況など、あらゆる情報から売却タイミングを決定することになりますが、最終的に売却するかどうかを判断する前にやるべき行動があります。
それは、次の3つです。
上記の行動をしてから売却タイミングを最終決定することで、不動産の売却における失敗や損を回避し、1円でも高く売ることができるようになるからです。
以下で詳しく解説します。
5-1.売却前に自分で相場を調べておく
不動産の売却タイミングを最終決定する際には、売却前に自分で不動産の相場を調べておくことがとても重要です。
事前に調べておくことで、査定額の妥当性を判断でき、損をすることなく売却できるためです。
・査定額と自分で調べた相場の金額差
・他の物件よりも高い・安い理由
事前に自分で相場を調べておくことで、上記のようなポイントを押さえて判断できるので、不動産会社にだまされるリスクも軽減できます。
なお、不動産の相場は、次のような方法で調べられます。
・不動産サイトに掲載されている同地域・近隣エリアの現在の売り出し価格を確認する
・国土交通省が運営する「土地総合情報システム」で、成約情報から取引価格を調べる
・「レインズ・マーケット・インフォメーション」に掲載された不動産取引情報から調べる
自分でもしっかりと売却価格の相場を把握し、損をしない売却を実現させましょう。
5-2.売却にかかる費用や税金を把握して手残り額を逆算する
売却タイミングを最終決定する前にすべき行動の2つ目は、売却にかかる費用や税金を正しく把握して、最終的に手元に残る利益がどのくらいかを逆算することです。
不動産は、売却をして利益を得られるだけではなりません。次のような費用や税金がかかります。
売却時にかかる主なコスト | 内容 |
仲介手数料 | 不動産を仲介会社経由で売却する場合にかかる費用
・売却価格が200万円以下 (売却価格×5%)+消費税 ・売却価格が200万円超え~400万円以下 (売却価格×4%+2万円)+消費税 ・売却価格が400万円超え (売却価格×3%+6万円)+消費税
【例】 ・売却価格3500万円の場合 (3500万円×3%+6万円)=111万円(+消費税) |
印紙税 | 不動産売買契約書に必要な印紙費用 ・500万円超え~1万円以下:1万円 ・1000万円超え~5000万円以下:2万円 ※価格帯で細かく分類されているため、詳しくは国税庁の印紙税額の一覧表をご確認ください。 【例】 ・売却価格3500万円の場合:印紙税 2万円 |
抵当権登記の抹消費用 | 住宅ローンが残っている場合の抹消登記にかかる費用 ・登録免許税 1000円(物件単位) 【例】 ・建物と土地を売却:建物 1000円+土地 1000円=合計 2000円 |
住宅ローンの 一括返済手数料 | 金融機関へ一括返済する際にかかる手数料 ・無料~5万円 ※金融機関によって異なるため、詳しくは借入先へお尋ねください。 |
譲渡所得税 | 売却益があった場合にかかる税金 ・所有期間5年以下の短期譲渡所得:39.63%(所得税 30.63%/住民税 9%) ・所有期間5年超えの長期譲渡所得:20.315%(所得税 15.315%/住民税 9%
※一定の要件を満たし、特別控除に該当する場合は、税金の負担も軽減できます。 ※所得の計算方法や、特別控除に関する情報については、国税庁の「譲渡所得」を確認しましょう。 |
住民税 | |
相続税 | 相続した不動産を売却した場合にかかる税金 ・法定相続分の取得金額が1000万円以下:税率10% ・1000万円超え~3000万円以下:税率15% ・3000万円超え~5000万円以下:20% ・5000万円超え~1億円以下:30% ※その他の価格帯については、国税庁の「相続税の税率」をご確認ください。 |
その他 | ・ハウスクリーニング費用:1.5万円~10万円前後 ・境界線の測量にかかる費用(土地や一戸建ての場合) 現況測量:10万円~20万円 確定測量:35万円~80万円 |
「結果的に損するタイミングだった」ということにならないよう、しっかりと逆算して、プラスになるタイミングを見極めることが重要です。
5-3.5人以上の不動産の話を聞く
不動産の売却タイミングを見極めるには、不動産会社や管理会社の担当、投資家など、最低でも5人以上の人に話を聞いて判断することも大切です。
聞く人によって意見が異なるためです。
データをもとに話をしてくれる人もいれば、独自に仕入れた不動産業界や地域の開発事情を話する人もいます。
最終的に売却をするかどうかを判断するのはあなた自身なので、より多くの情報から正しい情報を判断し、売却タイミングを見極めましょう。
6.まとめ
不動産をより高く、損することなく売却したいのであれば、さまざまな情報を収集し、総合的に判断してタイミングを見極める必要があります。
改めて、不動産の売却タイミングにおけるポイントをおさらいしていきましょう。
▼不動産の売却タイミングを見極める指標は6つ
もし不動産会社の営業で、「金利が安く、今が売り時だ」と言われても、所有期間や市況などと照らし合わせると、売却タイミングに適さない場合もあります。
紹介したポイントを参考に、あなたが所有する不動産の情報を整理し、各指標の条件を満たすかどうかを確認しましょう。
▼不動産の種類特有の売却タイミング
不動産の種類ならではの理由で、売却タイミングを判断すべきケースがあります。いつ売却すべきか迷うときには、不動産の種類特有のタイミングも参考にしましょう。
▼不動産の売却タイミングを最終判断する前に取るべき3つの行動
不動産の売却タイミングでも、あなた自身で不動産の価値やタイミングを正しく判断できなければ、売却価格や売却後に得られる金額で損をする可能性があります。
必ず自分でも売却価格の相場や、売却時にかかる費用などを計算し、5人以上から話を聞いた上で、あなたが納得する結論を出して、不動産売却のタイミングを見極めてくださいね。