【少額不動産投資】メリット・デメリットまとめ!運用時のポイントとは

不動産投資に興味はあるものの、多額の資金が必要になるからと諦めていませんか。不動産投資は少額から始めることも十分に可能です。今回は、少額不動産投資の主な種類やメリット、デメリット、投資をする際のポイントについて解説します。不動産投資が初めての方向けの情報が詰まっていますので自分に合った少額不動産投資方法を見つけてみましょう。

この記事は約14分で読み終わります。

少額不動産投資とは

一般的には、自己資金1万円から始められる不動産投資のことを少額不動産投資と呼びます。おおむね100万円以下の自己資金でスタートできるものが該当するでしょう。

アパートやマンションなどの物件を購入して、運用や売却を行う通常の不動産投資であれば、ワンルームマンションでも初期費用が200~300万円必要です。

一棟マンションやファミリータイプの物件となれば自己資金の額も増え、ローンを組んで購入するケースも少なくありません。

ローンを組むとなると抵当権が設定されたり、金利が高くついたりするデメリットもあるため、ローンを使わずに不動産投資をするには、高額な資金が必要となります。

しかし、少額不動産投資は専門家が運用する不動産に少額で投資する仕組みです。そのため、まとまった資金がなく不動産投資経験がない初心者でも気軽に始めることが可能です。

家計に負担をかけず、お小遣いの範囲でも不動産投資できるため、近年注目されている投資方法でもあります。

おすすめの少額不動産投資の種類は?

不動産投資は、ローンが利用できるとはいえ、収益物件を購入するために多額の資金が必要になります。一定の資産がないと投資は難しいと考えている方も多いでしょう。しかし、不動産投資は自身で物件を所有せずに、数万円程度から運用できる少額の投資商品もあります。どのような方法があるのか、具体的に見ていきましょう。

REIT(不動産投資信託)

REIT(不動産投資信託)は、多数の投資家から集めた資金で収益不動産を購入し、得られた収益を投資家に分配する投資信託です。投資先は不動産ですが、証券会社で金融商品として取引を行う間接投資であり、2〜5万円程度から投資可能です。現物不動産投資と比べると分配金利回りは低めの3~4%程度が一般的ですが、プロによる運用のため安定した収益が期待できます。

なお、不動産投資法人の投資方針に沿った物件を運用していくもので、投資家が具体的な物件を選択することはできません。また、証券取引のため相場変動の影響を受けます。流動性は高いものの、価格変動リスクが大きくなることが特徴です。

不動産小口化商品

不動産小口化商品は、複数の投資家が出資して1つの不動産を購入し、出資額に応じて利益を分配するものです。「不動産特定共同事業法(不定法)」に基づいて販売され、事業形態により、「任意組合型」「匿名組合型」「賃貸型」の3つがあります。

任意組合型……投資家が物件を共同所有し、事業を行う形態。1口100万円程度から投資可能。

匿名組合型……不動産会社が物件を所有・運営し、投資家は収益の分配を受ける形態。投資家に所有権はなく、数万円程度から投資可能。

賃貸型……投資家が物件を共同所有し、不動産会社に賃貸する形態。1口100万円程度から投資可能。

不動産小口化商品は、個人では所有が難しい都心の商業ビルやタワーマンションといった大型物件への投資が可能となります。ただし、現物不動産投資よりも利回りは下がり、平均3~4%程度です。

任意型・賃貸型の場合、相続時に現金の約70〜80%ほどの評価となるため、相続税の節税につながります。しかし、応募者が多い人気商品の場合、自分の都合で解約できないこともあるので、しっかりと確認した上で契約しましょう。

不動産小口化商品の物件数はまだ多くないため、投資機会は限定されてしまいます。また、不動産の所有権が発生する形態の場合には、登記が必要であり、所有者責任が発生する点に注意が必要です。

不動産クラウドファンディング

不動産クラウドファンディングとは、インターネットを通じて募集する匿名組合型の不動産小口化商品です。1口1万円程度からの少額投資が可能で、小口化商品と比べて運用期間も短めであることが特徴です。

多くの場合途中換金ができませんが、REITのように値動きを心配する必要もなく、初心者でも気軽に始められます。利回りはおおよそ4~7%程度ですが、さらに高利回りが期待できる案件も見つかります。

ほとんどの不動産クラウドファンディングは「優先劣後出資」であることも魅力です。投資家以外に運営会社も出資し、損失は運営会社出資分から先に補填されるため、投資家のリスクが抑えられています。

不動産クラウドファンディングの中でも、近年注目されているのが「プレファン」です。

プレファンは、株式会社プレサンスリアルタが運営している不動産クラウドファンディングで、上場企業である株式会社プレサンスコーポレーションが親会社であることから信用度が高いといわれています。

プレサンスコーポレーションが自社開発した収益用マンションに1万円から投資でき、年間約5%の利回りで、安定した資産運用が可能です。

投資先の不動産の評価額が下落して損失が出た場合でも、まずはプレサンスリアルタが負担してくれます。それでも補えなかった場合のみ、元本より負担が発生する仕組みを取り入れています。

不動産投資経験がなく、リスクを心配する方でも始めやすいのが特徴です。運用期間が短いファンドの取り扱いもあるため、気軽に投資したい方や早い段階で効果を実感したい方からの人気が高いです。

不動産ソーシャルレンディング

少額不動産投資の方法として、クラウドファンディングの一つであるソーシャルレンディングが挙げられます。

投資に必要な費用はソーシャルレンディング会社によって異なるものの、一口1万円 から始められるサービスもあります。

ソーシャルレンディングは、第二種金融商品取引業に登録した事業者が資金を集め、融資が必要な企業に資金提供を行い、その利息を投資家に分配する仕組みです。

投資を始める時点で金利が決まっているため、株式投資のように価格が変動しないメリットがあります。

また、不動産クラウドファンディングに比べて高い利回りの案件もあるため、高い利益を狙うことも可能です。

一方、借り手企業が資金をどのように使うかはファンドによって異なり、必ずしも不動産購入だけとは限りません。

基本的に運用期間が長く途中解約できないものが多いため、すぐに現金化できない点には注意しましょう。

ソーシャルレンディングについては以下の記事でも詳しく解説していますので、合わせてご覧ください。

ソーシャルレンディングとはどのような投資手法?始め方も解説

少額収益物件への実物投資

アパートやマンション、戸建てなどを対象とした不動産の実物投資は費用が高額になりやすいですが、格安不動産を探して投資する方法もあります。

例えば、空き家や区分マンションであれば100万円を下回る金額 で販売されている場合もあり、少額資金で投資を行うことも可能です。

一方で、格安物件は築年数が古いものが多く、購入時にリフォームや清掃に多大なコストがかかるケースもあります。

築年数が古いことで借り手が見つからず、収益化が難しかったり、安い家賃設定で収益が見込めなかったりする可能性もあるでしょう。

少額収益物件に実物投資をするメリットとしては、投資のノウハウを学べることが挙げられます。

まずは少額の実物投資を行ってみて、ノウハウを蓄積しながら、投資の規模を大きくするのもよいでしょう。

少額不動産投資のメリット

少額不動産投資は、名前の通り少ない資金でも始められる投資のことで、特に資金面で大きなメリットがあります。

ここでは、少額不動産投資のメリットを紹介します。

気軽に不動産投資を始められる

少額不動産投資のメリットは、少額の資金でもチャレンジできるため、気軽に不動産投資を始められることです。

現物の不動産投資だと、不動産を購入するために数百万円から数億円の費用が必要となり、多額の資金を用意しなければなりません。

もちろん、全額用意できなくてもローンを利用できますが、多額の借金を抱えることになるため心理的な負担は高いといえます。

しかし、少額不動産投資ならローンを組まなくても自己資金でカバーできるため、心理的な負担の軽減にもつながるでしょう。

また、何らかの事情でローンが組めないという方も、少額不動産投資なら問題なく始められます。

他にも、「不動産を始めてみたいけど資金面で不安がある」「少ない資金で不動産を始めてみたい」という方にも、少額不動産投資はおすすめです。

現物の不動産を購入する場合だと、そのあとの維持管理を考える必要もありますが、クラウドファンディングやREITなら維持管理を考える必要はありません。

投資の規模を少しずつ大きくできる

少額で不動産投資を始めるメリットは、ノウハウを蓄積しながら、投資の規模を少しずつ大きくできることです。

不動産投資を始める際は、失敗したときの損失やリスクに対して不安を感じている方も多いでしょう。

リスクヘッジを考えすぎてしまうと、不動産投資を始めることにブレーキがかかり、それがネックになって行動に移せない場合もあります。

その点、少額の不動産投資は失敗したときの損失を最小限に抑えられ、少額で参入できたりオーナーにならなかったりなどの選択が可能です。

物件管理の手間を最小限に抑え、着実に自己資金を増やし、少しずつ規模を大きくしていくことで長期的にみると大きな利益が期待できます。

赤字が出ても節税できる

少額で不動産投資を行うメリットは、年間を通して赤字が発生しても、確定申告を行うことで節税できるケースがあることです。

節税ができるのは、不動産投資の損益と給与所得や事業所得を合算できるためで、赤字が発生した場合は年間所得が少なくなり納める税金も減ります。

また、給与所得のサラリーマンは会社が源泉徴収を行っているため、赤字の大きさによっては所得税が還付される場合もあるでしょう。

不動産投資で節税できる仕組みは以下の記事で詳しく解説しているので、合わせてご覧ください。

ワンルームマンション投資の節税効果は?節税の仕組みや注意点を解説

副収入を得られる

少額の不動産投資は、日々働きながらでも投資を行うことが可能であり、副収入を得られるメリットがあります。

不動産投資の種類にもよりますが、ほとんどの投資において自身で何か作業をする必要はなく手間がかかりません。

サラリーマンでも無理なく始められる投資であり、「副業をしたいけど時間がない」という方にも最適です。

分散投資ができる

少額不動産投資は、一般的な不動産投資に比べると少額資金で参入でき、単価も低く分散投資できるメリットがあります。

分散投資とは、投資する資産やタイミングなどを統一せず、複数に分けて投資を行う手法であり、少額不動産なら異なる銘柄にも投資できます。

「分散投資をなぜ行う必要があるのか?」については、複数に分散することでリスク分散につながるためです。

もし、一度にまとめて1つの銘柄に投資した場合、その銘柄の価値がなくなってしまうと大きな損失を受けることになります。

しかし、異なるタイプの2銘柄に投資をしておけば、どちらかの銘柄の価値がなくなっても片方の銘柄で損失を防げます。

例えば、100万円の資金で不動産投資を行う場合に、100万円で1つの銘柄に投資するのではなく、50万円で2つの銘柄に投資するというものです。

少額不動産投資なら投資に必要な最低資金が低いため、分散投資を行ってリスクヘッジできるメリットがあります。

少額不動産投資のデメリット

少額不動産投資にはさまざまなメリットがありますが、一方で実際に運用する場合には注意点もいくつかあります。

ここでは、少額不動産投資のデメリットを紹介します。

短期間で大きな利益を出しにくい

少額不動産投資を行う際のデメリットは、短期間で大きな利益を出しにくく、すぐに稼ぐことができない点です。

不動産投資の種類によっては手数料が発生するため、さらに利益率は低くなるでしょう。

少額不動産投資だけで資産形成を行うのは難しい場合もあるため、複利効果を活かす必要があります。

複利効果とは、一定の期間ごとに発生した利息を元金に入れて増やし、さらに利息を増やすという考え方です。

複利効果は長期的に投資を行うことで高められるため、なるべく早く始めて、長く続けるように意識しましょう。

リスクは存在する

少額不動産投資はリスクが少ない投資方法ではあるものの、元本割れのリスクがある点に注意が必要です。

元本割れとは価格変動によって元の投資額を下回ることで、当初の予定通りの利益を得られない可能性があります。

例えば、REITは収益不動産に投資して収益を投資家に分配する商品ですが、不動産価格や賃貸料などは市場動向によって変動するため元本保証はできません。

投資対象の数が少ない

少額不動産投資は、運用会社が提供する物件の中でも価格が低いものから選ぶ形になるため、投資対象の数が少ないデメリットがあります。

もちろん、少額不動産投資でも収益性の高いものはありますが、人気のある物件はすぐに他の投資家が買いつけてしまう場合がほとんどです。

また、選択肢が少なくなるため、投資資金ができたときに募集している物件の中に希望条件を満たす物件があるとも限りません。

不動産投資の選択肢は資金が多いほど豊富となり、よりよい条件の物件が見つかりやすくなります。

最低限の知識は必要

少額不動産投資は少ない資金で気軽に始められるメリットがありますが、利益を出すためには最低限の知識が必要です。

例えば、少額不動産投資でも物件の評価方法や運用会社の信用度、リスクの理解などを把握し、最終的に何に投資するかは自身で判断しなければなりません。

また、投資方法や物件の種類によってリスクが異なっており、それに応じたリターンが期待できる仕組みとなっています。

そのため、自身の投資目的や資金規模に合わせた戦略が欠かせず、不動産投資の知識を身につけなければなりません。

不動産投資の勉強法については以下の記事でも詳しく解説しています。

知識ゼロからでも始められる不動産投資に関するおすすめの勉強法とは?

少額不動産投資で節税する方法

会社員であれば、会社が年末調整にて所得税の確定申告をします。しかし不動産所得を得ている場合は、自分で確定申告する必要があります。

手間がかかるとはいえ、確定申告をすれば必要な経費が計上され、節税に役立てられます。

少額不動産投資の場合は、固定資産税や減価償却の費用を経費として計上することが可能です。不動産を取得する際にかかった交通費や諸費用も経費として認められるケースがあります。経費として支払った分を計上することで、課税所得を減額できるのです。

また、損益通算の対象にもなるため、赤字になっても給与所得と合算して課税所得を減額できます。

特に給与所得が多い方の場合は節税効果が高くなる傾向です。給与所得が多いと所得税や住民税率も高く、多くの税金を納めることになります。少額不動産投資を始めて確定申告することにより節税につながるでしょう。

どのようなものが経費として計上できるのか迷う場合は、信用できる税理士に相談してみるのもおすすめです。

海外の不動産投資も少額でできる?

不動産投資に興味を持った方の中には、海外の不動産投資をしてみたいと思う方も多いのではないでしょうか。

しかし、海外不動産投資は日本とは異なり、自己資金なしでは投資できません。融資が受けられるとしても全額ではなく、物件価値の6割程度にとどまります。残りは自己資金で賄うことになるのです。

そのため、海外不動産に投資する場合は、1,000万円以上の余裕資金が必要ともいわれます。海外不動産投資は、簡単で成功しやすいともいわれますが、融資や仕組みの問題から、少額不動産投資は事実上できない可能性が高いです。

少額不動産投資をするときのポイント

少額不動産投資は気軽に取り組めますが、現物不動産投資と大きくリスクが変わるわけではありません。少額であっても、投資の基本を押さえておくことが大切です。投資を始める際には、次の2点を意識しておきましょう。

生活資金を確保しておく

金額の大小や投資対象に関わらず、投資は余剰資金で行うことが基本です。不動産投資はミドルリスク・ミドルリターンの投資ですが、元本が保証されているわけではありません。投資の失敗により生活に影響が及ぶことのないよう、生活資金は別に確保しておきましょう。

事前にしっかりリサーチする

少額不動産投資では、少額のため安易に利回りで投資対象を選択してしまいがちです。現物不動産投資と同様に、物件については本当に収益を得られるものであるのか、しっかりとリサーチしましょう。営業担当者の言葉を鵜呑みにしないことも重要です。

また、投資対象の不動産情報だけでなく、運営会社の信頼性についても確認しておきましょう。不動産運営がうまくいっていても、運営会社が破綻すると収益を受け取れなくなるリスクがあります。

運用コストを見積もる

少額不動産投資の中でも、特に現物投資を行う場合は、初期費用や期待できる利益だけでなく運用コストを見積もっておく必要があります。

少額資金で現物投資を行う場合だと収益性が低いことも多く、空室や修繕費用などが発生したときにキャッシュフローがマイナスになる可能性もあるでしょう。

少額での不動産投資においては、このような運用コストが収益に与える影響が大きいため、コスト管理を計算したうえで投資を行うか判断する必要があります。

不動産投資のランニングコストは以下の記事で詳しく解説していますので、合わせてご覧ください。

不動産投資のランニングコスト一覧!コストを抑える5つの方法とは

まとめ

不動産投資は、1~100万円程度の少額資金で挑戦することも可能です。

ただし、現物不動産投資に比べると投資先が限られ、大きな利益を狙うことは難しいため、収益性重視よりも初心者や低いリスクで投資がしたい人に向いています。

自己資金の少ない方やローンでの多額の借り入れが難しい方でも取り組めるため、運用方法の一つとして検討してみるのもよいでしょう。

不動産投資のことなら、アセットテクノロジーにお任せください。

オーナー様の大切な資産をお預かりすると共に、賃貸管理業務を通じてオーナー様の人生を豊かにすることを使命としています。

不動産投資を始めたいという方は、まずはお気軽にご相談ください。