不動産物件の吉方位とは?縁起と投資の考え方も解説

賃貸経営をする物件を選ぶ際は、「吉方位」も含めて検討してみてください。良い運気を呼び込むために方位を気にして引っ越し先を探す入居者は多いため、縁起の良いアパートやマンションを選ぶと集客にも期待を持つことができます。今回は吉方位とはなにかを解説しながら、運気が上がると人気が出やすい物件の特徴、投資用物件を選ぶポイントを紹介いたします。

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「吉方位」とは良い運気を呼び込む方角

吉方位とは、その人にとって運気が上がる方角を示す言葉です。中国の方位学に基づく占術では、吉方位は引っ越しや旅行先の運勢を占う基準とされています。

新居を選ぶ時に吉方位で物件を探せば運気が上がり、幸運に恵まれるとするのが方位学の考え方です。逆に、吉方位と相反する「凶方位」の物件は運気が下がる可能性があるため、「方違え」や「方忌み」をして災いを避ける必要があります。

方位学は古代中国で発展し、日本でも平安時代の前後から取り入れられるようになりました。日本では「家相学」や「九星気学」として独自の発展を遂げて、昔から物事の吉凶を方角から占う習慣があります。

実際に、新居づくりや引っ越しでは縁起を担ぎ、凶方位を避けて吉方位の物件を優先的に探す方は多いです。賃貸物件においても縁起が良いとされるアパートやマンションは人気があり、安定した需要が見込めます。投資用物件を選ぶ際は、吉方位や運気も参考に検討してください。

吉方位の求め方

吉方位は、九星気学と風水で求め方が異なります。年の運勢によっても吉方位が変わるため、詳しくは専門家に相談してみましょう。

九星気学での吉方位

九星気学では、自分の生まれた星をもとに吉凶を判断します。人間には生まれもった「本命星」があり、運勢に大きな影響を与えているとするのが九星気学の考え方です。本命星には次の9種類があり、生まれ年によって決まります。

・一白水星(いっぱくすいせい)

・二黒土星(じこくどせい)

・三碧木星(さんぺきもくせい)

・四緑木星(しりょくもくせい)

・五黄土星(ごおうどせい)

・六白金星(ろっぱくきんせい)

・七赤金星(しちせききんせい)

・八白土星(はっぱくどせい)

・九紫火星(きゅうしかせい)

九星気学では八方位に干支を割り当てた「方位盤」を使い、本命星をもとに吉方位や凶方位を判断します。引っ越しで長く住む場所を選ぶ際は方位盤ではなく、「年盤」を使って吉方位を調べることもあります。

風水での吉方位

風水では、生まれた年と性別から導きだせる「本命卦(ほんめいか)」によって吉方位と凶方位が決まるとされています。本命卦ごとに、4つの吉方位と凶方位があります。

風水は陰陽五行(五行思想)に基づく、「気」の力を利用した環境学です。人間には生まれた瞬間から人生を支配する八卦があるとする考え方で、インテリアを変えて良い運気を呼び込む目的にも使われています。

吉方位だけでなく家相も物件選びの参考になる

投資用物件を探す時に運気を意識するなら、「家相」も参考になります。家相は中国の陽宅風水をもとに日本独自で発達した、住まいに関する吉凶の判断基準です。現代でも住宅探しや新築住宅の間取り決めなどに活用されています。

家相には日本の気候風土に合わせて過ごしやすく、かつ健康的に暮らすための知恵がつまっています。投資用物件を選ぶ際は、運気が高まる立地と間取りに注目してください。

運気が高まる立地条件

家相で運気が高まるとされるのは、長方形の土地です。黄金比である1対1.6のシンプルな長方形は安定していて、良い運気が巡るといわれています。

一方、次のような欠けのある土地は、運気が下がると考えられています。現実的な観点でも、欠けのある土地は住みにくいのです。

・三角形

・コの字

・旗竿地

なお、風水的な土地の選び方については、以下の記事で詳しく解説しています。あわせて参考にしてください。

不動産投資に選んではいけない土地とは?風水的な観点から解説

運気が高まる家の間取り

一般的に、北東の「鬼門」や南西の「裏鬼門」、中央の「宅心」に玄関、キッチン、トイレがある間取りは家相が良くないとされています。鬼門とは、運気を上げるために避けた方が良い方角です。

家相では生活に欠かせない水、火、不浄を重視して吉凶を判断するため、関連する設備を鬼門に配置するのは好ましくないとされます。実際に、北東は日当たりが悪く湿気がたまりやすいので、衛生管理にかかわる設備の配置を避けるのは理にかなった考え方です。

一方で、洗面台や風呂場は東、もしくは南東にあると良い運気が巡るとされます。水場は冷えるため、日陰となる北面を避けて、太陽の光が差し込む暖かい東や南東を選ぶのが合理的です。健康にも良い影響が期待できます。

その他、リビングが西にあれば商売運が良くなり、北なら運勢が安定するなど、部屋によって大吉と大凶の方角が決まっています。北西に寝室がある間取りは夫婦円満につながるとされているため、カップル向けの賃貸経営にぴったりです。

投資では吉方位より収益が上がる物件選びが大切

吉方位や方位学は、昔から住まい選びに使われています。単なる占いや縁起担ぎではなく、先人達の知恵が集結しているため、賃貸物件を選ぶ際も参考にしてください。安定した入居者確保や空き室を防ぐのに期待がもてます。

とはいえ、吉方位や良い家相の物件だから必ず賃貸経営が成功すると考えてしまうのは危険です。吉方位をもとに物件を選んで運気が上がることもあれば、下がるケースもあります。吉方位はあくまでも吉凶を占う判断基準であり、確実性はありません

良い家相の間取りでもレイアウトが雑然としていて生活がしにくく、入居者が居つかない物件はたくさんあります。また、方位や開運にこだわらずに、利便性重視で物件を選ぶ現実的な考え方をする入居者もいて、さまざまです。

吉方位にこだわりすぎると物件選びの幅が狭まり、賃貸経営に適したアパートやマンションを選びにくくなる可能性があります。住む人の開運ができても、集客や収益につながらなければ本末転倒です。吉方位や家相は、あくまでも物件選びの参考程度に考えましょう。

不動産投資を行う物件選びでは、収益性を重視することが大切です。方角だけでなく、立地、間取り、設備、周辺環境を総合的に判断して、入居者が集まる物件を選んでください。

まとめ

吉方位とは、引っ越し先選びの判断基準となる、運気が上がる方角です。吉方位を重視して物件を探す入居者は多いため、不動産投資物件を選ぶ時の参考に役立ててください。物件の立地、間取り、設備以外に付加価値をつけて、安定した集客を期待できます。物件の詳細をしっかりチェックして、入居者から選ばれる収益性の高い物件を選びましょう。