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不動産投資は、適切に運用すれば安定したリターンが期待でき、将来的に不労所得による生活の一助となる可能性があります。
自己資金が10万円しかなくても、金融機関から資金調達を受ければ賃貸経営を始めることは可能です。
物件の購入に十分な資金を用意できない人は、現物以外の手法の検討が有効です。
REIT(不動産投資信託)や不動産クラウドファンディングは月数万円からの不動産投資が実現します。
今回は自己資金10万円で不動産投資を始める方法や、少額資本で投資する際の注意点を解説します。
収益物件の運用に興味があるけど購入資金を用意できないと悩む人はぜひご一読ください。
不動産投資のメリット
資産運用の方法は株式や債券の購入、投資信託、金の保有など多種多様です。中でも入居者からの賃料収入で収益を出す不動産投資の良さを解説します。
少ない資金でも始められる
不動産投資は月10万円以下の少ない自己資金でも始められます。手法には一工夫が必要ですが、マンションやアパート、オフィスビルへと投資するのは違いありません。
投資の世界では元本保証型の商品を除き、投じた資金に応じて被るリスクの程度が変わります。資産運用において利回りが年間マイナス3%で推移した時、元手が100万円では3万円の損失で済みますが、1億円では300万円まで達します。
投資の経験が少ないうちは、低リスクの運用で小さな成功体験を積み重ねることが一番です。10万円の少ない自己資金で始めれば、一般的にはリスクが大きいとされる不動産投資でも比較的安全に実施できます。
インフレ局面でも強い
貨幣の価値が相対的に下がるインフレ下でも、現物資産の不動産の価値が大きく下落するわけではありません。
インフレで物価が上昇すれば、土地や建物の需要が増加して不動産価格もつられて上がる動きをみせます。さらに生活コストの増加を反映して家賃の金額も連動的に上昇するのが通常です。
ただしインフレ局面でも、必ずしもマンションやアパートの価格がインフレ率以上の上昇を見せるとは断言できません。とはいえ利回りが極めて低い銀行預金や債券と比べると不動産はインフレに強い資産です。
日本ではインフレ政策が将来的にも継続すると推察できるため、不動産投資はマクロの動向を捉えた有力な方法といえます。
レバレッジ効果の恩恵を受けられる
借入金を活用して自己資金以上のリターンを出すレバレッジ効果を狙えるのも、不動産投資のメリットです。
マンションやアパートの購入には、不動産投資ローンで頭金や購入費用の不足分を補うケースが一般的です。賃貸需要が激しい都心エリアで賃貸経営を始める場合、ワンルームマンション投資でも1,000万円以上の初期投資が伴います。
将来的に家賃収入でローンを返済して黒字化に転じることが可能だといえ、銀行からの資金援助があってこそです。レバレッジ効果ではてこの原理とも呼ばれ、大きな力を使って小さな力では達成できない成果を目指します。
株式の購入の場合、不動産投資ローンのような資金調達の制度はないため、借入によるレバレッジは不動産投資の特徴です。
※参考:健美屋「収益物件市場動向四半期レポート」
10万円の自己資金のみで投資用物件を保有できる可能性は極めて低い
金融機関から借入を受けるならまだしも、10万円の自己資本のみで物件の調達を目論むのは非現実的です。
先に述べた通り、収益物件の購入には少なく見積もっても1,000万円以上の支出が伴うため、人が寄り付かない空き家でもない限り、10万で買えるマンションやアパートはありません。
自己資金の10万円で現物所有の不動産投資を始める場合、身内や消費者金融などからお金を借りる方法をとらない限り、ローンの利用は必須です。
自己資金が少ない状況で不動産投資ローンを活用する際の注意点
居住用途とは異なる収益物件の購入には通常のローンではなく、不動産投資専用のローンを組む必要があります。
ただし融資条件が厳しいため、賃貸経営を検討するすべての人ができる方法ではありません。自己資金が少ない人が不動産投資ローンを使う際の注意点を解説します。
そもそも審査に通過しにくい
不動産投資ローンは利用者本人の属性に加えて物件の収益性が問われるため、住宅ローンよりも審査が厳しめです。
- 年収が低い
- 勤続年数が短い
- 貯金が少ない
- 過去にクレジットカードやローンの返済を滞納している
上記に掲げた本人に関する評価以外にも、物件の価値が低いと判定されると審査を通過できません。不動産投資ローンの審査では返済不能に陥った時の担保評価にとどまらず、収益性の有無も問われます。
立地が良く築浅の物件は空室リスクが低く、直近で大規模な修繕を行う必要性が低いため、金融機関からの高評価につながります。
さらに中古物件で融資を受ける際は法定耐用年数に達していないか、チェックが必要です。
日本では建物の構造ごとに法定耐用年数が決まっています。金融機関は物件の状態や将来性を総合的に判断して融資を決定しますが、法定耐用年数を超えた物件は融資条件が厳しくなる傾向があります。
⇒不動産投資ローンで審査落ちになる理由と通過するためのコツを解説
キャッシュフローの悪化を招きやすい
自己資金が少ないと必然的にローンの返済部分が肥大化して、資金繰りの悪化に追われる可能性が高まります。金利の種類は返済期間中は一律の固定金利と半年〜1年に一度、見直される変動金利に分かれます。
変動金利は当初の金利が低い傾向にあるものの、将来の市場金利が上昇すれば返済額の増加は避けられません。借入比率が高い状態で賃貸経営を始めると辛い状況を強いられる可能性が高いです。
事業が軌道に乗らず空室が複数発生しても、毎月のローンの返済は先延ばしできないからです。返済期間を長めに設定して月々の返済額を低く抑えても、収入しだいではキャッシュフローが悪化して、生活もままならない状態に追い込まれることも起こり得ます。
複数物件の所有によるリスク分散がしにくい
自己資金が少ないと資金的な余裕のなさから複数物件の所有によるリスク分散がしにくいこともデメリットです。部屋が複数ある一棟物の保有なら安定した家賃収入を期待できますが、ワンルームマンション投資の場合、空室の発生は収入ゼロと同義です。
入居者が見つからない事態に備えて、複数の物件を所有して他のマンションの保有にも手を広げるケースが一般的です。ワンルームマンションは一棟物より安価とはいえ、自己資金が10万円しかない状況では追加の購入は難しくなるでしょう。
借入金を増やして調達すれば、前述のキャッシュフローが悪化するリスクが高くなります。ただし家賃収入がゼロになるリスクはサブリース契約による対処も可能です。
サブリースは空室の発生時に一定割合の家賃を保証するため、資金不足のリスクヘッジ策として有効です。
10万円からの不動産投資は現物以外の手法を検討しよう
不動産投資の現物投資を始めるには、ある程度の資金力が必要です。10万円の自己資金しかない状況では借り入れに依存せざるを得ず、不可能ではなくとも厳しい経営状態を迫られます。
10万で不動産投資をしたいなら直接的に物件を購入せず、間接的に運用する投資信託やクラウドファンディング、小口化商品を検討しましょう。それぞれの手法の特徴やメリット、デメリットを解説します。
REIT(不動産投資信託)
REIT(Real Estate Investment Trust)は土地や建物を証券化して、小口で取引できる形式にした金融商品です。
投資信託の一種で投資家から集めた資金を運用するのは投資法人のため、出資者に不動産の値動きや投資の知識がなくても利益を出せる方法です。一口1万円から取引できる上、証券取引所に上場している安心感を享受できるのはREITのメリットです。
厳格な審査基準や監査基準を満たしており、一般公開済みの開示資料も豊富なため、投資家は容易に商品選びの判断材料を得られます。さらに流通量が多く、現金が必要になった時は即座に換金できるのも強みです。
一方で小口投資では大きなリターンや値上がりは期待できません。また市場の動向しだいでは元本割れの可能性があり、確実に資産を伸ばせる方法とはいえません。
⇒不動産の投資信託REITとは?仕組みやメリット・デメリットを解説
不動産クラウドファンディング
不動産クラウドファンディングは不特定多数の投資家が事業者に出資して、運用成果を投資家たちに分配する仕組みの投資手法です。運用物件は事業者側で選定するため、資金を提供した後は基本的に待つだけで利益をものにできます。
購入物件の築年数やエリアなどの情報はインターネット上で確認が可能なため、気になる人はチェックしましょう。REITとの違いは比較的投資規模が小さくなること、分配のタイミングが一律ではないことです。
不動産クラウドファンディングの成果は運営会社の実績や規模、取り扱い物件の数などに左右され、証券取引所の審査がない分、信頼できる会社選びに注意を払う必要があります。小口投資で手間なく利益を狙える方法ですが不確実性の高い手法だと心得ましょう。
任意組合型の小口化商品
任意組合型の小口化商品とは上記の不動産クラウドファンディング(匿名組合型)と対を成す金融商品です。端的にいえば、出資者は任意組合に加入して組合員同士が共同で不動産を所有します。
運用の責任を担う組合の理事長は事業者が務め、組合員に対して運用益や解散時の売却金を分配します。不動産クラウドファンディングとの決定的な違いは、出資者が投資物件の所有者になり、出資割合に応じて不動産の所有権を主張できることです。
任意組合型の小口化商品は1口当たりの金額が100万円〜1,000万円程度です。10万円の自己資金しかない人は、金融機関や親類などから借り入れしてくる必要があります。
またクラウドファンディングに比べて運用期間が長めで、5〜10年以上の中長期の運用となるケースが一般的です。任意組合型の小口化商品は金額の観点から購入のハードルが高いものの、長期的な運用を通じて安定した資産形成につながるという利点があります。
まとめ
10万円の自己資金で不動産投資を始める場合、現物投資はせずにREITや匿名組合型、任意組合型の小口化商品が適しています。借入をせず少額の自己資本で不動産の資産運用を目指す際は賃貸経営は非常に厳しくなります。
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