不動産投資の確定申告は初年度から必要!申告方法や流れを解説

目次1 不動産投資の確定申告は初年度でも必要1.1 青色申告は開業2ヵ月以内に申請書を提出1.2 初年度は多くの経費を計 … 続きを読む 不動産投資の確定申告は初年度から必要!申告方法や流れを解説

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不動産投資に限らず、事業を開始した経営者の頭を悩ませる事柄に確定申告があります。

 

前職で経理の実務に携わった経験がなければ記帳や申告書の作成も初めてで、何からすれば良いか分からず戸惑うかもしれません。

 

そもそも自分の状況で申告が必要かも判断できず、頭を抱える場合もあります。この記事では、不動産投資の新米オーナーに向けて確定申告の必要性や申告方法を解説します。

 

申告が初めてでも何をすべきか必要な情報を網羅しているため、ぜひご一読ください。

不動産投資の確定申告は初年度でも必要

確定申告は賃貸経営を始めた年から行う必要があり、1年分の所得や税金を計算して税務署に申告書を提出します。

 

1月1日〜12月31日に発生した売上をとりまとめ、翌年の2月中旬〜3月中旬の期限内に申告するルールです。

 

6月や9月など年度の途中から事業を開始した場合でも、初年度の確定申告はした方が良いでしょう

 

赤字で利益が出なくても損益通算と呼ばれる他の黒字と相殺できる制度を利用できるため、確定申告をして損はありません。

青色申告は開業2ヵ月以内に申請書を提出

多くの控除制度を活用できる青色申告を希望する場合、開業2ヵ月以内に所轄の税務署に青色申告承認申請書を提出しなくてはいけません。

 

雇い入れの親族や配偶者の給与が控除対象となる青色専従事業者の特例や、最大65万円の青色申告特別控除の適用を受けられるのは青色申告の利点です。

 

白色申告は単式簿記で記帳が簡単な方法ですが、節税メリットを考えると青色申告を使わない手はありません。

 

開業届の提出がまだの人は、合わせて青色申告承認申請書の提出を検討すると良いでしょう。

初年度は多くの経費を計上可能

初年度に申告した方が良い理由としては、2年目以降に比べて経費として計上できる項目が多い点が挙げられます。

 

物件の購入時に負担した不動産取得税や登録免許税、契約書に貼る印紙税が具体例です。

 

経費が増えれば課税所得が減るため、支払う税金も少なくなります。控除の適用を受けつつ経費を漏れなく計上するのは節税の大原則です。

 

一方、建物の減価償却費や火災保険・地震保険の保険料、ローンの返済(経費計上は金利のみ)は初年度にまとめて計上できません。

 

特に保険料は複数年契約の一括払いで事業開始年度に支払ったとしても、契約期間に応じて按分した金額を毎年経費に反映します。

確定申告に必要な税金の基礎知識

不動産投資を始める人のなかには、物件の知識があるけど税金面に疎く、利益を出せるか不安だと感じている人もいるでしょう。

 

しかし、一見難解にみえる確定申告も慣れれば難しい作業ではありません。基礎的な税金と申告の知識を身に付けて、スムーズに手続きしましょう。

収入-経費が課税所得

課税対象となるのは入居者からの家賃収入を合算した金額ではなく、経費や控除を差し引いた後の所得です。

 

収入が同じオーナーが2名いても、負担する納税額が同一とは限らないのは個々人の状況で利用可能な節税制度や参入可能な経費が異なるためです。

不動産オーナーの必要経費の例

事業に関連して負担した費用は経費に計上できると考えられます。しかし、プライベートとまたがる支出は必ずしも経費計上できません。

 

例えば、新調したスーツの購入費用は私的なイベントでも着用の予定がある場合、全額を計上すると税務署に目をつけられる可能性があります。

 

経費算入が認められる項目は事業の種別にも左右されますが、不動産賃貸業の一般的な例は次の通りです。

 

  • 管理会社に支払う管理費
  • 共益費
  • 修繕費
  • 租税公課(不動産取得税、都市計画税、固定資産税、登録免許税、印紙税など)
  • 保険料(地震保険、火災保険)
  • 借入金の返済費用(元本は不可。金利のみ)
  • 広告宣伝費
  • 税理士への依頼料
  • 通信費
  • 消耗品費
  • 交通費
  • 減価償却費

 

減価償却は建物の価値の目減り分を費用計上する項目で、実際の支出が伴わないことが他の経費との決定的な違いです。

 

資産の種別ごとに法定耐用年数が定められており、例えば鉄筋鉄骨コンクリートの建造物は47年です。

 

一定の率を乗じて控除額を計算する定率法、毎年同じ額を費用計上する定額法の違いにも注意しましょう。

 

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不動産所得は原則として総合課税

不動産所得とは土地や収益物件の貸付により生じた所得で、入居者からの家賃収入が該当します。

 

税法上は所得の種類ごとに異なる所得税の算出方法が適用されるルールがあり、不動産所得は他の所得と合算して算出する総合課税です。

 

例えばサラリーマン大家の場合、勤務先から受け取った給与所得と不動産所得をまとめて所得税の課税対象と扱います。

 

不動産投資では、別の物件への切り替えや事業拡大を目的として収益物件を売りに出す場合があります。

 

売却で得た利益は不動産所得ではなく譲渡所得に属し、土地や建物の売却益は総合課税ではなく申告分離課税の対象です。

 

他の所得との合算が認められず、単一で所得税を算出するため、家賃収入の申告と根本的に異なります。

年間20万円以上の不動産所得がある場合は申告が必要

入居者から受け取った家賃から各種経費等を控除した金額が20万円を超える場合は、確定申告の義務が生じます。

 

法的な義務が生じるため、申告を怠った時や申告を忘れた時は罰則の対象となる可能性が高いです。

 

年間の所得が20万円を下回ればするべき対象からは外れ、申告の判断は事業主本人に委ねられます。

確定申告を怠ると追徴課税が課される

確定申告を怠ると、ペナルティとして本来納める税金に上乗せした追徴課税が課されます。期日までに申告をしない、または間に合わなかった時は無申告加算税の対象です。

 

本来の納期限の翌日から起算して、納税額に10%を乗じた金額ならびに延滞税を負担しなくてはいけません。

 

申告しても誤りがあり納税額に不足が生じている場合、過少申告加算税が課されます。さらに申告漏れが故意で悪質だと判断できる時は、税負担が非常に重い重加算税の対象です。

申告した所得額に応じて住民税の金額も決まる

個人事業主の不動産オーナーが納める税金は原則、所得税と住民税の二つです。

 

所得税は国税で確定申告の際に所轄の税務署に納めるものですが、住民税は地方税でお住まいの地域を管轄する地方自治体が徴収します。

 

自治体が算定する住民税には所得割があり、算出時に確定申告で提出された納税義務者の所得額をチェックしています。

 

一定の定額部分もありますが、住民税の金額も所得に応じて変わると覚えておきましょう。

インボイス登録事業者は消費税の納税も必要

2023年10月1日から消費税の仕入税額控除の新たな方式として、インボイス制度が施行されました。

 

仕入時に拠出した税金を経費に算入するには課税事業者に登録し、適格請求書を発行しなくてはいけません

 

インボイスに登録した事業者は消費税および地方消費税の申告義務が課されます。

不動産オーナーが初めて確定申告をする際の手順

確定申告の基本的な流れは次の通りです。

 

  • STEP1:必要書類の準備
  • STEP2:帳簿の調整
  • STEP3:確定申告書の作成
  • STEP4:申告書の提出
  • STEP5:還付金の受け取り

 

ここでは、それぞれ具体的な手続きについて紹介します。

1.必要書類の準備

はじめに、所得を証明するための書類や控除証明書を用意します。

 

  • 源泉徴収票(給与所得がある人や公的年金の受給者)
  • 医療費控除の明細
  • 社会保険料控除証明書
  • 生命保険料控除や地震保険料控除の証明書

 

申告書に記載が必要な控除額の算定に用いる他、上記の書類はe-taxの場合を除いて、税務署に添付書類として提出しなくてはいけません。

 

他にも住宅ローンを利用中なら住宅借入金等特別控除額の計算明細書、小規模企業共済等掛金控除の適用を受けるなら小規模共済に支払った掛金額の証明書が必要です。

2.帳簿の調整

税務署に提出する確定申告書類は、日々の取引を記録した帳簿に基づいて作成します。様式に所定のルールはなく、手書きでもExcelでも会計ソフトの活用でも手段は問われません。

 

しかし漏れなく正確に計上することは必須です。請求書や領収書、クレジットカードの明細等の証憑を用意して取引内容を記録します。

 

申告時期の直前になって慌てて記帳を始めるのではなく、1ヵ月や1週間などマイルールに基づき、定期的に作業できると理想的です。

 

白色申告では単純な単式簿記の記帳が認められますが、青色申告ではより複雑で勘定科目の知識が必要な複式簿記に対応しなくてはいけません。

3.確定申告書の作成

確定申告書を作成し、合わせて白色申告では収支内訳書を、青色申告では青色申告決算書を準備します。

 

申告書類の作成は国税庁の確定申告書作成コーナーで実施できますが、帳簿の作成はできません。

 

民間企業が提供する会計ソフトは帳簿の作成まで一つのサービスで一元化できるため、初心者におすすめの方法です。

4.申告書の提出

申告書類の作成が完了したら、次のいずれかの方法で税務署に提出します。

 

  • 郵送
  • 窓口持参
  • e-tax

 

おすすめは電子申請のe-taxです。

 

65万円の青色申告特別控除を適用を受けられる上、外出の必要がなく、期限内なら土日夜間問わず提出が認められます

 

さらに添付書類の省略が認められ、還付金の受け取りまでの期間が短いことも特徴です。

 

源泉徴収の合算額が納税額を上回れば、還付金の受け取りが認められます。申告内容に問題がなければ、通常1〜2ヵ月以内に申告書に記載した口座にて振り込みが確認できます。

 

【サラリーマン必見】不動産投資における確定申告のやり方

まとめ

不動産投資のオーナーは事業初年度から確定申告が必要です。青色申告の節税メリットを受けるためにも、開業後2ヵ月以内に承認申請書を管轄の税務署に提出した方が良いといえます。

 

申告に必要な知識や作業量は膨大で、初めてでは調べながらでないと難しいかもしれません。

 

確定申告でお困り事があれば、賃貸経営に強い不動産管理会社のアセットテクノロジーにご相談ください。

 

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