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不動産投資はミドルリスク・ミドルリターン
不動産投資は投資の中でも「ミドルリスク・ミドルリターン」の投資手法であり、リスクを回避できれば割に合わないということはありません。また、他の投資に比べてリスクとリターンのバランスが良いことでも知られています。
長期的・安定的にリターンを得られる
不動産投資はミドルリスク・ミドルリターンであり、他の金融商品に比べて値動きが比較的緩やかです。入居者を確保できていれば、不況に関係なく安定した家賃収入を得られます。
物件のメンテナンスや家賃の回収などの賃貸管理は管理会社に依頼することもできるため、日頃仕事などで忙しい方でも取り組みやすいでしょう。
とはいえ、闇雲に物件を選ぶだけでは不動産投資を成功させることは困難です。物件を購入する前に入念な下調べをすることはもちろん、不動産投資に関する知識の習得にも努めましょう。
リスク対策ができていれば「割に合わない」ことはない
投資である以上、不動産投資にもリスクが存在します。主なリスクとして以下の項目が考えられます。
・(災害等による)物件の滅失、毀損
・長期に及ぶ空室の発生、賃料の下落
・賃料の未払い・滞納
これらは対策を講じることで回避可能です。
また不動産投資と聞いて、ある程度まとまった自己資金が必要だと感じる方もいるかもしれません。しかし、不動産投資はローンを借り入れることで少ない自己資金でも始められます。場合によってはレバレッジ効果により、少ない資金で大きな投資効果を得られることもあるでしょう。
そのうえ、不動産投資はインフレに強いという特徴もあります。不動産は「現物資産」であり、物価が上昇すると不動産価格も上昇するため、資産価値が大幅に下落することは考えにくいからです。
投資する物件を見極め、適切に管理すれば安定した収入を得やすいことも事実です。
このようにリスクとリターンのバランスの取れた不動産投資を「割に合わない」と決めつけるのは安易な考えといえるでしょう。
不動産投資が「割に合わなくなる」パターン6選
不動産投資は割に合わないという意見があります。不動産投資が割に合わないといわれる理由にはどのようなものがあるのでしょうか。ここでは、よく挙げられる理由を6つ紹介します。
【空室リスク】空室が埋まらず収入が途絶えた
不動産投資の代表的なリスクが「空室リスク」です。借主が見つからず空室の状態では、見込んでいる家賃収入が得られません。たとえ空室が続いていたとしても、ローンの返済や管理費用の支払いなどは発生します。
そのため、空室が続いている期間は不動産投資の収支がマイナスになります。マイナス分を自分の貯蓄などから補てんすることになるので、不動産投資によって資産が目減りしてしまうおそれがあるでしょう。
空室リスクに対処するためには空室対策を講じることが欠かせません。具体的には信頼の置ける賃貸管理会社に管理を依頼するほか、家賃や入居条件を見直す、既存設備をグレードアップするなどの方法が挙げられます。
【修繕リスク】メンテナンス費用が高くついた
不動産投資では、物件を維持するためのメンテナンス費用がかかります。中古物件では新築時から年数を経るごとに建物や設備が老朽化するため、修繕リスクが伴います。
例えば、給湯器やエアコンは10~15年程度を目安に交換することが多いです。その際、交換のタイミングで出費がかさみます。給排水管なども15~30年で修繕が必要になり、一戸あたり15万以上の費用がかかるケースもあります。
購入直後に外壁工事や共用部の大規模修繕が必要になると、多額の修繕費用がかかるので、物件選びには注意しましょう。
また、借主が入退去する際は、壁紙の張替えやクリーニングの費用も視野に入れなければなりません。
そのほか、思わぬ災害による建物の損傷などがあれば出費もかさむことになるでしょう。
修繕リスクへの対策として、こまめな清掃やメンテナンスを心がけるほか、計画的に修繕費用の積立をしておくことが大切です。コツコツと積み立てておくことで突発的なキャッシュフローの悪化にも備えられます。
【金利上昇リスク】金利が上昇しキャッシュフローが悪化した
不動産を購入する際に、購入資金にローンを組んで用意するケースが多いです。不動産投資ローンを変動金利で借り入れている場合、金利が市場動向の影響を受けて上昇する可能性もあります。
金利が高くなると月々のローン返済額が増え、キャッシュフローが悪化することも考えられます。
短期での売却を検討している場合は、固定金利の中でも5年以下の固定金利を選ぶことがおすすめです。長期保有前提であれば固定金利でも構いませんが、売却時に違約金が生じるケースも少なくないため注意が必要です。
【滞納リスク】入居者とのトラブルが起きた
入居者の家賃滞納により、収入として見込んでいた家賃を回収できないケースもあります。
また、入居者が夜中に騒ぐ、ごみを分別しないなど規約違反を繰り返すことによって隣人トラブルが起きる、入居者が共用部の器物を破損するなどのトラブルもあります。
滞納リスクには、保証会社への加入を入居条件にすることで対策可能です。保証会社に加入してもらえば、滞納が発覚した場合でも保証会社から代わりに支払ってもらえます。
【売却価格変動リスク】売却価格が下落した
不動産の売却時に購入時よりも価格が下落し、最終的な損益がマイナスになるケースがあります。特に、建物より土地の方が価格変動リスクは高くなりやすいため注意が必要です。
価格変動リスクが生じる要因として以下のケースが挙げられます。
・人口減少などによる土地価格の下落
・不景気による需要の低下
・所有物件で事件や事故が生じたことによる価格下落
・建物の老朽化による価格下落
価格変動リスクへの対策として、売却を意識した管理を日頃から心がけることが大切です。物件購入前であれば事前に入念な下調べをしておくことが欠かせません。要因ごとに適した対策を講じるようにしましょう。
【災害リスク】地震や火事で不動産を失った
地震による倒壊、火災による損壊、水害による浸水などの災害リスクが挙げられます。最悪の場合、建物そのものを失ってしまうおそれもあり、不動産投資としては多大な損失を被ることになるでしょう。
対策としては、物件購入前にハザードマップを確認することや、火災保険・地震保険を活用することが有効です。
リスクを回避する方法については以下の記事でも詳しく解説しています。
「不動産投資は割に合わない」と感じる人の特徴
不動産投資は本当に割に合わないのでしょうか。「不動産投資は割に合わない」と感じやすい人には以下のような特徴があります。
決断に迷ってしまう人
不動産投資には物件を購入・売却する場面がありますが、即決できない人もいます。自分の投資に見合う条件を揃えている物件というのは山のようにあるわけではありません。ある意味で物件との出会いは縁のようなものです。
決断力がない人は、物件の購入・売却を迷っているうちに他の人に買われてしまう、または売り時を逃してしまうことになる傾向が見られます。
運用を丸投げする人
不動産投資では、物件の管理を管理会社や不動産会社に委託することも可能です。そのため、運用そのものを管理会社や不動産会社に丸投げしてしまっている人も少なくありません。
しかし、物件の管理を第三者に任せきりにしていると、思わぬトラブルに巻き込まれるおそれもあります。「管理を委託していた会社が倒産する」「家賃を持ち逃げされた」などが一例として挙げられます。
たとえ管理や運営を外部に任せていたとしても、入居者情報や毎月の入金状況などのチェックは怠らないようにしましょう。
あくまで投資をしているのは自分自身であり、自分の資産に対する問題意識を持つことが大切です。
リスクを取るのが嫌な人
リスクを取ることを嫌がる人には、不動産投資は向かないといえるでしょう。リスクとは想定した結果から外れること、不確実性をいいます。不動産投資に限らずどの投資方法を選ぶとしても、投資にはリスクは付いてきます。
ある程度のリスクを取らないとリターンが得られないことを許容できない人は、不動産投資は割に合わないと感じてしまうでしょう。
不動産投資で「割に合わない」状態を避けるには
ここでは、不動産投資で「割に合わない」状態を避ける4つの方法を紹介します。
不動産投資について勉強する
投資では自分の資金を用いるので、最適な投資方法か判断できるようにしておく必要があります。不動産投資を始めるにあたっては、運用に必要な知識を身につけるために最低限の勉強をしましょう。
どのようなリスクが起こり得るのかを知っておくと、リスクを未然に防げたり、発生したリスクに正しく対処できたりするため、投資リスクを軽減できます。書籍やセミナーを活用して、不動産の購入・売却の流れやメンテナンス・管理方法などを学んでおきましょう。
物件の資産価値を見極める
投資する物件の資産価値を的確に把握することも重要です。物件の広さや間取り、築年数、利便性、賃貸需要の高いエリアかどうかなど多角的かつ総合的に判断するようにしましょう。日頃から不動産会社のwebサイトなどで物件情報を確認していると、徐々に優良物件を見極められるようになります。
物件の設備や間取りなどから家賃相場が判断できるようになると、割安に感じられるお宝物件を探しやすくなります。
物件を購入する際には、実際に内見して日当たりや物件の雰囲気をチェックしておくことが大切です。スーパーマーケットや病院、学校、公園などの有無をはじめ、周辺環境をチェックして利便性を確認しておくと良いでしょう。
自分に合った物件に投資する
投資用の物件を選ぶときに大切なことは、資金不足に陥らないようにすることです。そのため、自身の資産状況に見合った金額内での投資を心がけましょう。
投資物件は大きく「一棟か区分か」「新築か中古か」などで分かれるため、まずはどの物件なら自分が無理なく運用できるか考えることが大事です。
その後は物件の収益性はもちろん、人気のある設備や周辺エリアの環境など、時代の流れに沿った要素であるかも考慮して選ぶようにしましょう。
自分の実力以上の物件を選んで、ローン返済が予定通りに進まなかった場合は自己資産を取り崩すことになります。資産が少なければ、ローン返済が滞ってしまいかねないため、投資物件は慎重に選ぶことが大切です。
信頼できる不動産会社を利用する
投資用不動産を購入するときは信頼できる不動産会社を選びましょう。
投資用不動産販売の実績が多数あり、評判の良い不動産会社であれば、リスクや失敗事例、運用のポイントやアドバイスなどを教えてもらえる可能性が高くなります。ホームページの記載内容などを確認して、信頼できる不動産会社か確認しておきましょう。
まとめ
不動産投資に限らず、投資にはリスクがつきものです。不動産投資におけるリスクやそれを回避するための方法を事前に知っておけば、不動産投資は割に合わないものではありません。
不動産投資で成功するためにも、目先の利益にとらわれず、身の丈に合った物件を選んで計画的に運用していくようにしましょう。