オーナーチェンジ物件の値引きはできる?交渉のコツと注意点

オーナーチェンジ物件とは、入居者がいる状態で販売されている物件のことです。その名の通りオーナーが変わることから、オーナーチェンジ物件と名づけられました。 オーナーチェンジ物件の場合、値引き交渉できる場合があることをご存知でしょうか。効果的な値引きができれば、収益向上できるかもしれません。一方で、無理な値引き交渉を進めてしまいオーナーから良くない印象をもたれ、売買契約自体が破断になってしまったケースもあるので注意が必要です。 今回は、オーナーチェンジ物件の値引き可否や交渉方法のポイントを解説します。

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オーナーチェンジ物件は値引き交渉できる場合がある

結論として、オーナーチェンジ物件は値引き交渉できる可能性が高いです。あらかじめ値引きを想定した価格設定になっていることが多く、十分に交渉の余地があるといえます。

とくに「多少安くなってもいいから早めに売却したい」と考えているオーナーであれば、検討してもらえるかもしれません。

また、「大切に活用してくれそうだと感じた」「トラブルリスクが低そうな買い手だと判断した」などの印象も値引きにつながることがあります。複数ある物件候補のひとつでしかないからと雑にならず、丁寧なやりとりを意識してみましょう。

【オーナーチェンジ物件】値引き交渉をするときの4つのポイント

オーナーチェンジ物件は値引き交渉できる可能性が高いとはいえ、最初から値引き交渉するのはおすすめしません。

「駐車場が狭い」「損壊箇所がある」など減点方式での値引き交渉になりやすく、オーナーからの印象が悪くなってしまうので注意しましょう。重箱の隅をつつくような指摘ばかりしてしまうと、「こんな人に売りたくない」と思われてしまいかねません。

下記では、値引き交渉をするときのポイントを解説します。

1.事前に物件や周辺エリアの情報収集をする

まずは、物件および周辺エリアの情報収集から始めましょう。エリア全体の土地相場・治安の良し悪し・スーパーや駅など生活に必要な施設へのアクセスについて調べることが大切です。

あわせて近隣の競合物件の平均家賃も調べ、販売物件と大幅な差がないかチェックします。利便性が高いエリアであれば、買い手が見つかる可能性が高いため、多少強気の値段設定をしている物件があります。

反対に、利便性が低いエリアの場合は販売価格をある程度下げる必要があり、買い手のニーズに合わせて変動させてもらえることがあるでしょう。

もちろん利便性の高低だけでなく、さまざまな要素を考慮して相場を見極めることが大切です。相場以上に高い価格設定がされているなら、値引き交渉の余地があります。

「周囲の物件はこれくらいの価格で売り出している」「〇万円値引きすることで圧倒的に売りやすくなる」など分析して提案できれば、売主の気持ちが動きやすくなるのです。

また、売り出し期間が長ければなかなか売れていない状態と判断できるので、こちらも同じく値引き交渉して問題ありません。

反対に、相場より安い価格設定がされていれば、それ以上交渉することは難しいかもしれません。そもそも値引き交渉をするか迷ったときには、相場をひとつの基準程度に据えることがおすすめです。

2.売主の状況を把握しておく

可能であれば、売主であるオーナーの状況も調べます。不動産投資家ではなく副収入を得るために不動産投資している人である場合、値引き交渉に応じてもらいやすい傾向にあるからです。

そのような人は売却により高額な収益を得ることを目的としておらず、安全かつ確実に物件を引き渡したいニーズが勝ることがあります。そのため誠意ある対応をしていれば値引き交渉に応じてもらいやすくなります。

また、売却を急いでいたり、ある程度期限を決めて売却先を探していたりする場合も、値引きを検討してもらえる可能性が高まるでしょう。

「多少値引きしてもいいから確実に売りたい」「期限までに売れないとさらに価格を下げざるを得ない」という場合、交渉に応じてもらいやすくなります。

一方で、利益の最大化を狙う不動産投資家や、資産的に余裕があり売却を急いでいない人の場合、値引き交渉は難しくなります。値引きの交渉に応じてもらえたとしてもほんの僅かであり、期待していたような効果は得られないかもしれません。

相手の状況に応じて柔軟な値引き交渉を行い、成功確率を上げていきましょう。

3.値引き交渉の準備も済ませておく

あらかじめ値引き交渉の準備を済ませておき、スピードを重視することも大切です。前述したエリアおよびオーナーの情報収集はもちろん、値引きに応じてもらえたら即申し込むことを前提に、手続きに必要な書類などを用意しておきましょう。

特に買付申込書(買付証明書)はすぐに提出できるようにして、購入への本気度を示すことが大切です。買付申込書は不動産会社が準備してくれるので、あらかじめ最低限の情報を伝えて下準備しておくことをおすすめします。

「値引きに応じればすぐに買ってくれそう」と思ってもらえれば、売却を急ぐオーナー側も動きやすくなります。資金・書類ともに準備をしてから値引き交渉することで、成功率を大きく上げられるのです。

4.値引き交渉は論理的におこなう

値引きの余地がある部分のみ相談することを意識し、論理的な値引き交渉になるよう心掛けることが大切です。「1万円でも安くしたい」「ダメ元で無理な交渉をしてみる」などの打算的な姿勢は相手に伝わりやすく、オーナーからの印象を大幅に損ねます。

前述したような減点方式での指摘やしつこい交渉が続くと関係性が悪化し、売買自体が白紙になったり、その後のやりとりに支障が出たりするケースもあるのです。

一方的なお願いにならないよう、双方にとって利益のある値引き交渉ができれば、その後の手続きもスムーズです。

オーナーチェンジ物件の値引き相場を把握しておくことも重要!

オーナーチェンジ物件を検討する場合、値引き相場を把握しておくことも大切です。

あまりにも相場からかけ離れた大きな値引き額で相談してしまうと、「それであれば他の人に売ります」とすぐ断られてしまうかもしれません。反対に相場より安価な値引き額で交渉した場合、自分の実入りが少なくなる可能性が高いです。

オーナーチェンジ物件のおおまかな値引き相場は、販売価格の1割程度です。2~3割の値引き交渉に応じてもらえるケースはほとんどないので、あらかじめ把握しておきましょう。

まとめ

オーナーチェンジ物件は、エリアの平均家賃との乖離具合やオーナーの状況次第で値引きできる可能性が高いです。エリアの平均家賃より明らかに高めの価格設定がされている場合や、急ぎで売買したい個人のオーナーの場合、快く値引き交渉に応じてくれるかもしれません。

ただし、値引きを前提に減点方式での交渉はNGです。売主・買主どちらにとってもwin-winな価格にまとまるよう丁寧に交渉をしていくことが、成功の確率を上げる秘訣となります。

また、値引き交渉に応じてもらい次第即決で購入する姿勢を示すことも大切です。そのためには自分の購入意思が本当に高いか見つめなおし、書類・資金含めて準備を進めていきましょう。

 

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