不動産投資で賢く節税!知っておいて損はない経費計上の裏ワザ

不動産投資は資産形成の手段として人気がありますが、効果的な節税方法としても注目されています。 この記事では、不動産投資における収益確保の「裏ワザ」と呼ばれる、さまざまなテクニックを詳しく解説します。 経費の適切な貯蓄方法や、見落としがちな経費項目、さらには青色申告の活用法など、投資家の皆様に役立つ情報を提供します。

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必要経費の計上で節税できる仕組み

不動産投資における税の仕組みの一つが『必要経費の計上』です。

投資にかかるさまざまな費用を適切に費用として計上することで、所得金額を減らし、結果的に納税金額を抑えられます。

所得金額は次の計算式で計算されます。

総収入金額-必要経費=所得金額

課税所得に所得控除をかけたものが納税額となるため、必要経費を正しく計上することで、所得金額を減らし、納税額を抑えられます。

確定申告の際に、必要経費の計上漏れがあると、課税所得が増えて税負担が増えてしまうため注意しましょう。

経費計上の節税裏ワザ

不動産投資は資産形成の有効な手段として注目されていますが、その魅力の一つに節税効果があります。

しかし、投資家の中には節税方法を十分に理解していない方も多く、その恩恵を最大限に受けていない可能性があります。

ここでは、不動産投資で経費計上で節税できる裏ワザについて解説します。

必要経費として計上できるものを漏らさない

不動産投資における最大の節税対策は、必要経費として計上できるものは漏らさず申告することです。

不動産投資の運営にかかる費用は、基本的に経費として計上できます。

必要経費として認められているのは、以下の通りです。

  • 物件の管理・修繕費
  • 減価償却費
  • 不動産購入時のローン金利
  • 広告費
  • 建物に関連する保険料
  • 不動産にかかる税金
  • 税理士や司法書士への報酬
  • 旅費・交通費
  • 通信費
  • 交際費 など

申告漏れがあると所得金額が増え、納税額が増えてしまいます。不動産投資にかかる費用を支払った際の領収書は大事に保管しておきましょう。

経費として計上できるものの判断基準は、以下の記事で詳しく解説しています。

不動産投資における経費の判断基準は?経費になる支出とならない支出を詳しく解説!

青色申告を利用する

青色申告は、個人事業主や不動産投資家が利用できる申告方法の一つです。不動産所得を得ていれば、サラリーマンも利用可能です。

投資家が青色申告を利用するメリットは、青色申告特別控除を受けられることにあり、条件を満たせば、10万円か、最大65万円の特別控除が適用可能となり、納税金額を大幅に減らせます。

また、青色申告を利用すると、収益の損失を最大3年間繰越すことが可能です。

不動産投資は初期投資が大きく、最初の数年は赤字になることも少なくありません。青色申告を利用すると3年後までの収益と相殺し、長期的な税負担を軽減できるでしょう。

そして、30万円未満の固定資産は減価償却せずに、全額をその年の経費として計上できる点も大きなメリットです。

青色申告については、以下の記事でも詳しく解説しています。

不動産投資は青色申告で節税効果アップ?メリットと注意点を解説!

減価償却費の計上を早める

不動産投資で税金を減らす裏ワザの一つに、減価償却費を早めに計上する方法があります。

減価償却費とは、建物が時間の経過に併せて減少していく資産価値を、定められた期間で少しずつ経費にできる制度のことをいいます。

計算方法は主に定額法が用いられ、以下の式で求められます。

年間減価償却費 = 建物取得価額 ÷ 法定耐用年数

事前に『減価償却資産の償却方法の届出書』を提出すると、減価償却費が一定の割合で減る定率法を選択できます。

早い時期に経費を計上すると、賢く節税対策ができるでしょう。

利益が出すぎた場合は修繕をする

不動産投資で予想以上の利益が出た場合、建物の『修繕』を検討すると、物件の価値を維持しつつ、税負担を軽減する効果があります。

修繕費は、修繕が完了した年の必要経費として計上できるため、所得金額を減らし、結果として節税になります。

例えば、外壁の塗り替え、屋根の補修、設備の交換などは、物件の魅力を維持し、長期的な耐久性を確保する上でも重要です。

ただし、すべての修繕・改修費用が経費として認められるわけではありません。

物件の価値や性能を向上させるための、リフォームや増築などの建設費は『資本的支出』として扱われ、減価償却の対象となります。

毎月の修繕積立金を経費といて計上できる場合もあるため、専門家に相談すると良いでしょう。

給与所得と合算した金額で申告

不動産投資における節税の裏ワザの一つに、『給与所得と合算した金額で申告する』方法があります。

不動産所得は、家賃収入から必要な経費を差し引いた金額で計算するため、必要経費が総収入額を上回っていれば赤字の扱いになります。

給与所得から、不動産所得の赤字をマイナスした金額で所得申告を行うと、所得税の課税対象額が減り、節税対策となります。

この方法は特に、高額な給与獲得者にとって有効です。収益が高いほど、累進課税による影響も高くなるため、不動産投資による収益全体で収益を圧縮することで、大幅な節税効果が期待できます。

不動産投資における赤字については、以下の記事でも解説しています。

不動産投資の赤字は悪くない?キャッシュフローを重視しよう

不動産投資の経費を計上する注意点

不動産投資の経費削減は、適切に行うことで節税効果を得る重要な作業です。

ただし、安易な経費削減は税務調査のリスクを高める可能性があるため、多くの注意が必要です。

ここでは、不動産投資の経費を計上する注意点について解説します。

経費と私的費用の区別を明確にする

経費と私的費用の区別を明確にすることが重要です。区別を適切に行うことで、税務上の問題を回避し、正当な節税効果を得ることができます。

まず、経費として認められるのは、不動産投資に直接関連する支出のみです。例えば、物件の管理費、修繕費、固定資産税、保険料などが該当します。

一方、プライベートでの使用が疑われる項目は、経費計上を避けた方が良いでしょう。 例えば、家族旅行の費用を物件の視察費用として考慮するようなことは、税務調査の対象となる可能性が高く、避けなければなりません。

ガソリン代や携帯電話の料金など、私用と事業用の両方で使用する場合は、合理的な基準で分割する必要があるため、その証拠を明確にし、記録を残しておくことが重要です。

経費の詳細な記録を残す

経費の詳細な記録を残すことは、正しい経費管理と税務対策の基盤となる重要な作業です。

すべての支出について、以下の情報を明確に記録する必要があります。

  • 支出の日付
  • 金額
  • 目的
  • 相手先(支払先)
  • 支払方法(現金、クレジットカード、振込など)

これらの情報を、エクセルなどの表計算ソフトや専用の会計ソフトを使って整理すると良いでしょう。デジタル化することで、その後の集計や分析が容易になります。

同時に、すべての支出に対応する領収書やレシートを適切に保管することが必要です。これらの証拠書類は、経費の正当性を証明する重要な資料となります。

特に注意すべきは、これらの証拠書類を7年間保管する必要があるという点です。

これは税法で定められた期間であり、この期間内であれば税務署から過去の申告内容について調査される可能性があるためです。

修繕費と資本的支出の区別

不動産投資に関して、修繕費と資本的支出の区別は、経費発生の方法や税務上の取り扱いが大きく異なるため非常に重要です。

修繕費は、物件の機能を維持するための支出であり、即時に経費が発生します。具体的には、以下の基準で判断されます。

  • 20万円の支出
  • 3年以内の周期で行われる修理補修
  • 物件の価値や機能を大幅に向上させない修繕

例えば、壁紙の張り替え、水道管の修理、エアコンの修理などが該当し、物件の価値を維持するための必要経費として認められます。

一方、資本的支出は物件の価値や機能を向上させる支出であり、減価償却の対象となります。 具体的には以下のようなケースが該当します。

  • 20万円以上の大規模な修繕
  • 物件の耐久性を高める工事
  • 物の機能を向上させる改修

例えば、古いキッチンを最新のシステムキッチンに取り替える、断熱性能を高めるための外壁工事、部屋の間取りを変更する工事などが該当します。

ただし、修繕費と資本的支出の違いが難しいケースもあります。

屋根の葺き替え工事は、規模や内容によって判断が分かれる可能性があるため、専門家に相談することをおすすめします。

経費の過不足は避ける

収入に対して経費の割合が自然に高い場合、税務署の注目を集め、税務調査のリスクが増加します。

例えば、年間の家賃収入が500万円の物件で、400万円以上の経費を埋めるのは不自然と見なされる可能性が高いでしょう。

また、経費を正しく管理することは、期限税務対策だけでなく、投資物件の収益性を正確に把握するためにも重要です。

適切な経費削減と収支バランスの維持は、健全な不動産投資の基本です。

疑問がある場合は、専門家に相談し、適切なアドバイスを受けることをおすすめします。

まとめ

不動産投資における効果的な節税の裏ワザは、経費の計上漏れをしないことが第一です。他にも、青色申告を利用したり、減価償却費の計上を早める方法も有効です。

アセットテクノロジーでは、不動産投資の専門家として投資者の資産形成をサポートします。

不動産管理アプリのメッセージ機能で、困ったことがあればいつでも連絡をとることができます。

不動産投資についてお悩みがあれば、ぜひアセットテクノロジーにご相談ください。