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不動産投資はサラリーマンにとって魅力的な資産形成手段です。安定的な収入源になるだけでなく、税制優遇や資産価値の上昇も期待できます。
とはいえ、不動産投資に興味はあるものの始め方がわからない、リスクが心配という方は多いのではないでしょうか。
この記事では、サラリーマンが不動産投資を始めるメリットや具体的な手順、注意すべきリスクについて解説します。不動産投資の基礎知識から実践的なアドバイスまで網羅しています。
これから不動産投資を検討している方はもちろん、すでに始めている方はぜひ最後までお読みください。
不動産投資の魅力
不動産投資はサラリーマンに限らず、自営業の方や年金暮らしの方など、幅広い層・世代の方が行っています。
多くの方が不動産投資に興味を持ったり実際にはじめたりするのには、理由があります。
ここでは、不動産投資の魅力を紹介します。
節税になる
不動産投資をすることで、以下のような節税効果が期待できます。
・税制上の控除
・税制上の優遇措置
・減価償却費の控除
不動産の改装費用や修繕費用など、不動産投資で発生した経費や諸費用は、所得税や法人税などの課税対象額から控除することが可能です。
特定の条件を満たしていれば、不動産所得や相続税にかかる税率の軽減をはじめとする優遇措置も受けられます。
また、不動産の購入価格を減価償却費とし、控除を受けることも可能です。
減価償却費は万が一不動産の価値が下がっても控除が受けられるため、安定的に所得税や法人税の課税対象額を抑えられます。
定年後の生活設計ができる
人生100年時代といわれている現代では、定年後の暮らしに不安を覚える方も少なくありません。
不動産投資であれば、定年後の生活資金や生活設計に必要な資産の形成がしやすくなります。
不動産投資で資産形成する場合は長期的な視点が必要になりますが、適切な物件選びとリスク管理を継続的に行うことができれば、資産の維持と成長が期待できます。
不動産投資をする目的や今後のライフプランに応じた運用をすることで、より安定した資産形成ができるはずです。
年金の代わりになる
受給できる年金額は人によって異なりますが、少ない場合は定年後の生活が心配という方もいるのではないでしょうか。
不動産投資では、不動産から得られる家賃収入を年金の代わりにすることが可能です。
家賃収入は定期的に得られるため、毎月の生活資金として有用であり、将来的に家賃相場が上昇すればさらに多くの収入が見込めます。
不動産投資で得た収入を年金の代わりにする場合は、物件選びが重要です。需要が高いエリアや将来的に価値が上がる可能性のあるエリアなどの物件を選ぶと、より高い家賃収入が期待できます。
レバレッジ効果によって収益性が高い
不動産投資の特徴はレバレッジ効果による収益性の高さです。自己資金以上の物件を購入し、借入金を活用することで、投資効率を大幅に向上できます。
例えば、1000万円の自己資金で5000万円の物件を購入し、家賃収入で返済を行えば、少ない自己資金で大きな資産を所有できます。
不動産投資はレバレッジ効果により、投資額以上の収益を得られる可能性が高いです。資産形成のスピードが加速するケースは珍しくありません。
レバレッジ効果について、より詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
→これから不動産投資を始める人へ|レバレッジ効果について解説
不動産投資をしているサラリーマンの割合
これまで不動産投資は、企業経営者や医師、地主など、一般的に富裕層と呼ばれる属性の人がやるものと認識されていました。
しかし、国土交通省『個人投資家への不動産投資に関するアンケート調査結果について』によると、不動産投資経験があると回答した人のうち、41.5%が会社員(サラリーマン)という結果が示されました。
また、R&C株式会社が実施した調査では、現在不動産投資を行なっている人の60%以上が会社員という結果が出ており、以前に比べて不動産投資をはじめるサラリーマンが多いことが分かります。
サラリーマンが不動産投資をするメリット
不動産投資では、サラリーマンだからこそ得られるメリットがあります。
ここでは、サラリーマンが不動産投資をするメリットを紹介します。
融資が受けやすい
不動産投資をはじめる際は、金融機関から融資を受けて行うのが一般的です。
融資を受けるためには審査があり、物件の資産価値や収益性、借主の属性などが考慮されて借り入れの可否が決まります。
サラリーマンであれば、安定した給与があることから、返済の滞納や延滞などのリスクが低いとの評価につながりやすいです。
また、不動産投資では家賃収入も得られることから、安定した返済力があると考えることもできるため、通常の住宅ローンより高額な融資が受けられる可能性があります。
なお、融資額は借主の過去の借り入れの経歴や勤務先の規模、物件の収益性などによって決まるため、必ずしも希望の金額で融資が受けられるとは限りません。
本業と両立しやすい
不動産投資は、一度物件を購入すれば自分で動き回る必要がほとんどないことから、本業との両立がしやすいです。
一般的なアルバイトや副業の場合は、決まった日にちや時間に稼働をしなければなりません。
しかし、不動産投資であれば物件の管理は管理会社に任せられるため、本業への影響を最小限に抑えて収入を得られます。
不動産投資はあくまで資産運用であり、副業には当たらないため、会社の就業規則に引っかかることはほとんどありません。
ただし、不動産の数を増やして事業規模にまで拡大した場合は、問題となる可能性があるため、務めている企業に事前確認しておきましょう。
生命保険の代わりになる
不動産投資をはじめる際にローンを組む場合は、「団体信用生命保険(団信)」と呼ばれる生命保険に加入することが可能です。
団信とは、ローンの契約者が病気・ケガなどで重度な障害が残った場合や死亡した際に、保険会社がローンの残債を金融機関に支払う保険のことをいいます。
団信の種類によっては、急性心筋梗塞やがんなどの重たい病気を患った時点で保険金が支払われるものもあります。
自分が働けなくなった、亡くなってしまった場合でも、家族に残債を背負わせるリスクをなくせるため、団信は万が一の際のバックアップとして有用といえるでしょう。
団信に加入する場合は、現在加入している生命保険の見直しも行えるため、本来生命保険にかけていたコストの削減も可能です。
副業禁止の会社でも可能な場合が多い
多くの会社では副業が禁止されていますが、不動産投資は副業とみなされないケースがあります。なぜなら、不動産投資は資産運用の一環とみなされるためです。
ただし、会社によって規定は異なるため、事前に総務部などに確認する必要があります。公務員の場合でも、一定の条件を満たせば不動産投資が可能な場合があります。
このように不動産投資は、サラリーマンにとって比較的取り組みやすい資産形成手段のひとつといえます。
自己資金がなくてもはじめられる
通常、投資をする場合は一定の自己資金が必要です。しかし、不動産投資であれば自己資金がなくてもはじめる方法があります。
不動産を取得するための資金が不足している場合は、金融機関からローンという形で借り入れることが可能です。
物件の購入価格の一部を自己資金で払い、残りの金額をローンで対応するという方法であれば、ある程度の自己資金を残して不動産投資がはじめられます。
また、ローン以外にもクラウドファンディングを活用する方法もあります。
クラウドファンディングであれば、他の投資家から資金が集まられるため、自己資金がなくても不動産投資をはじめることが可能です。
ただし、クラウドファンディングを利用した場合は、投資してくれた方々に対して相応のリターンを用意しなければならないため、よく検討したうえで活用するようにしましょう。
参考:リスクと感じるのは3位FX、2位は先物/オプション、1位は?投資未経験者が怖い投資ランキング|「暗号資産」は誤情報に惑わされることを懸念する人が多い傾向
サラリーマンが不動産投資を始める流れ
ここでは、サラリーマンが不動産投資を始める際の基本的な流れについて解説します。
不動産投資の目的を明確にする
不動産投資を始める前に投資の目的を明確にしましょう。目的は人それぞれ異なるため、誰かの真似をしても理想に近づけない可能性があります。
例えば、老後の生活資金確保、相続税対策、資産価値の維持など、どのようなゴールが相応しいのかを明確にしましょう。
また、現在の経済状況や家庭環境も考慮に入れる必要があります。退職までの期間や退職金の予定額、住宅ローンの有無などを把握するのも重要です。
不動産投資は目的と現状を明確にすることで、どのように運用していくべきかが明らかになります。結果、投資計画をスムーズに立てられるでしょう。
収益物件の相場を知る
収益物件における相場の把握は適切な投資判断を行ううえで欠かせません。相場を知らずに不動産投資を始めると、利回りが低下するおそれがあります。
相場を把握するには、不動産投資用のポータルサイトを活用するのが効果的です。
不動産投資用のポータルサイトでは、エリアごとの価格差や物件の特徴、利回りなどの情報を得られます。新築と中古、一棟物件と区分所有などの違いを理解しておけば、有効活用できるでしょう。
相場感を養えば、不動産会社から提案された物件が割高なのかお得なのかを判断できるようになります。
自己資金を用意する
不動産投資を始める際は自己資金の準備が重要です。
一般的には物件価格の30%程度の自己資金が望ましいとされています。これは頭金や諸経費、予備費などを含んだ金額です。
十分な自己資金があると融資条件が有利になったり、良質な物件情報を得やすくなったりします。また、突発的な修繕費用や空室リスクにも対応できるでしょう。
自己資金を貯める過程では投資に対する心構えも養えるため、焦らず計画的に資金を準備する意識が大切です。
自己資金を抑える方法については、以下の記事をご覧ください。
→不動産投資はいくらから始められる?自己資金を抑える8つの方法
ポータルサイトや不動産会社で物件を探す
物件探しはポータルサイトや不動産会社を利用して行います。
ポータルサイトは広範囲の物件情報を効率的に閲覧できます。一方、不動産会社は専門知識を持つスタッフから詳細な情報や助言を得られる点がメリットです。
物件を探す際は立地、築年数、利回りなどの条件を明確にし、自分の投資目的に合った物件を選びましょう。また、複数の情報源を利用すれば、より多くの選択肢から最適な物件を見つけられます。
不動産会社へ問い合わせる
気になる物件が見つかったら不動産会社へ問い合わせましょう。物件の詳細や現地案内の希望を伝えると、やりとりがスムーズになりやすいでしょう。
また、問い合わせる際は投資目的や予算、希望条件などを明確に伝えてください。複数の不動産会社に問い合わせ、より多くの情報と選択肢を得るよう心がけましょう。
現地調査や内覧によって物件を評価する
現地調査や内覧は物件の実態を把握する重要な機会です。外観や内装の状態、周辺環境、アクセスなどを確認しましょう。
ポイントになるのは入居者の目線で物件を見ることです。周辺の生活利便施設の有無や治安などに注目し、近隣の不動産会社に立ち寄り、地域の賃貸需要や相場について情報を得る意識も大切です。
これらの調査結果をもとに、物件の将来性や収益性を総合的に評価し、購入の判断材料としてください。
買付申込書を提出する
物件購入を決定したら買付申込書を提出します。書類には物件情報、希望購入価格、支払い方法、契約条件などを記載します。
買付申込書の提出は売主に対する購入意思の表明ですが、法的拘束力はありません。ただし、安易な提出は避け、真剣に購入を検討している場合にのみ行うべきです。
また、融資が必要な場合はローン特約を付けましょう。そうすれば、融資が下りなかった場合のリスクを回避できます。
必要に応じて不動産投資ローンを申し込む
不動産投資ローンの申し込みは物件購入の重要なステップです。
まずは複数の金融機関に事前相談を行い、融資条件を比較します。
金融機関は申込者の年収や職業、返済能力、物件の収益性などを総合的に判断して融資を決定します。ローンの種類や返済方法も検討し、自身の経済状況に最適な選択を心がけましょう。
なお、申し込み時には本人確認書類、所得証明書、資産証明書などが必要になります。
売買契約の締結
売買契約の締結は不動産取引の核心部分です。契約前には宅地建物取引士から重要事項説明を受けます。ここでは、物件の権利関係、法的規制、設備の状況などの重要な情報が説明されます。
契約書の内容を十分に確認し、不明点があれば必ず質問しましょう。
また、契約時には手付金の支払いが必要です。手付金の額や契約解除の条件なども、事前に確認しておいてください。
契約締結後は物件の引き渡しまでの準備を進めます。
不動産管理会社を選ぶ
不動産管理会社の選択は投資の成否を左右します。管理会社は入居者の募集や退去時の対応、建物の維持管理など、多岐にわたる業務を担うため、慎重に選ばねばなりません。
不動産投資会社を選ぶ際のポイントは、当該エリアでの実績、対応の迅速さ、管理費の妥当性です。複数の管理会社を比較し、自身のニーズに合った会社を選びましょう。
また、前オーナーが使用していた管理会社の継続利用も選択肢のひとつです。管理会社との良好な関係を構築できれば、安定した不動産運用を実現できるでしょう。
管理会社選びのポイントについては、以下の記事をご覧ください。
→【全解説】管理会社に委託できる業務やメリット・管理会社の選び方
不動産投資ローンの本審査後は金銭消費賃借契約を結ぶ
不動産投資ローンの本審査が通過したら、金融機関と金銭消費賃借契約を結びます。
契約では、借入額、金利、返済期間、返済方法などの詳細が定められます。契約書の内容を慎重に確認し、不明点は必ず質問しましょう。
また、この段階で団体信用生命保険の加入手続きも行う場合が一般的です。
契約時には実印や返済用口座の通帳、銀行取引印などが必要になります。これらの手続きが完了すると、ようやく融資が実行されます。
物件の引き渡し
物件の引き渡しは不動産投資の最終ステップです。
引き渡し時には物件の現状確認を行います。設備の動作確認や鍵の受け取りなどを忘れずに行いましょう。
また、所有権移転登記の手続きも同時に進行します。これには司法書士への依頼が必要です。引き渡し後は速やかに火災保険への加入や、ライフラインの名義変更などを行います。
管理会社との連携も開始し、スムーズな運用開始に向けて準備を整えましょう。
これで不動産オーナーとしての第一歩を踏み出せます。
サラリーマンの不動産投資での失敗例
不動産投資を成功させるには、不動産投資のよくある失敗例を把握して、失敗しないように行動することが大切です。ここでは、サラリーマンが知っておきたい不動産投資にまつわる3つの失敗例を紹介します。
相場よりも高い金額で購入してしまう
不動産投資は大きな額が動くことから、「物件の価格が高いのは仕方がない」と考えてしまう人もよくいます。その結果、不動産会社から提示されたシミュレーションだけで判断し、相場よりも高い金額で物件を購入して失敗するケースも多いです。
相場よりも高い物件を購入すると、利回りが悪くなるだけでなく、毎月のローンの返済額も増加してしまいます。物件の売却金額があまり高くならず、投資額を回収できなくなることもありますので注意が必要です。
不動産会社の言うとおりに購入してしまう
不動産会社に「節税になる」などの勧誘で不動産投資を始めて失敗するケースも見られます。不動産投資の節税効果は、条件が揃わないと得られないためです。
節税を意識しすぎるとキャッシュフローがマイナスになって不動産投資の継続が難しくなることもあります。また、物件売却時の税金でこれまで節税した以上の税金が発生して損をする場合もあります。
不動産会社から言われるがまま契約するのではなく、自身で不動産投資の知識を身につけ、口車に乗せられないようにすることが大切です。
大規模な修繕で出費が増えてしまう
中古物件は新築と比べて利回りが高いといった魅力があります。しかし、購入後に設備の欠陥が見つかって修繕やリノベーションが必要になることも多いです。
修繕やリノベーションには多くの費用がかかります。予期せぬ出費はキャッシュフローの悪化を招き、生活費などに影響することもありますので、慎重に物件を選びましょう。
サラリーマンが不動産投資を成功させるためのポイント
ここでは、サラリーマンが不動産投資を成功させるポイントを紹介します。
積極的に情報収集する
不動産投資で安定した収入を得るためには、日頃から積極的に情報収集することが重要です。
不動産の価値や収益性、需要などは常に変化します。世間の動向や相場などの動きを把握していなければ、自分にとって最良の物件を見極めることはできません。
また、サラリーマンの場合は不動産業者から投資を持ちかけられるケースも多いですが、提供される情報をすべて鵜呑みにしてしまうと失敗する可能性があります。
不動産業者の情報が信頼に値するか判断するためには、自分で正しい知識を身に付けておくことが大切です。
書籍やセミナー、公的機関の情報など、質が担保された情報源を参考にすることで、不動産投資に関する正しい知識が身に付きやすくなります。
長期的な視点を持つ
一般的に、不動産投資は長期間行う投資のため、短期間で多額の利益が発生するわけではありません。
不動産投資は、収益性、資産価値の高い物件を取得し、賃貸として運営しながら継続的に得られる家賃収入が収益の主軸になります。
長期的に行う投資であるがゆえに、一時的にマイナスが発生することもあります。
しかし、不動産投資の基本的な収益モデルを理解し、長期的な視点を持っていれば、落ち着いて対応することが可能です。
不動産投資は目の前の利益やマイナスだけではなく、その先に起こり得る変化や可能性を考えながら行うことが成功のカギです。
徹底的にシミュレーションする
あらゆる投資方法と同様に、不動産投資も一定のリスクを伴うため、はじめる際は徹底的にシミュレーションをしてからはじめるようにしましょう。
ローンの返済計画や物件のランニングコスト、収益性の見通しなど、広い視野で全体的なプランを練ることが大切です。
不動産投資をシミュレーションする際は、以下の情報が重要になります。
・自己資金
・借り入れ金額
・借り入れ条件
・利回り
・経費
・入居率の予想 など
はじめる前にしっかりシミュレーションすることで、どれほどの収入やリスクがあるかイメージがつかめます。
ノープランで不動産投資をはじめてしまうと失敗するリスクが高まるため、入念に検討を重ねたうえではじめることが大切です。
不動産投資のリスクを理解しておく
不動産投資にはさまざまなリスクが存在します。たとえば、空室により家賃収入を得られなくなる空室リスク、入居者の家賃滞納で家賃収入がなくなる家賃滞納リスク、地震や火災などの災害により建物に損害が出る災害リスクなどです。
不動産投資にまつわるリスクを事前に知っておかないと予期せぬトラブルに対処できません。トラブルで資金に余裕がなくなることがないように、リスクについてはよく理解しておきましょう。
空室・滞納リスク
不動産投資の収入源は入居者の家賃です。空室が発生したり、家賃を滞納する入居者がいたりすると収入は減ってしまい、改善されなければやがて不動産投資そのものが破綻してしまうこともあります。
少しでも空室・滞納のリスクを減らすには、需要が高いエリアの物件を選んだり、入居者とオーナーとの間に家賃保証会社を入れ、保証会社に家賃の支払いを保証してもらったりするなど、リスクを減らすための対策を行います。
不動産価値の低下リスク
不動産価値の低下リスクは、投資物件の資産価値が時間の経過とともに減少する可能性を指します。要因はさまざまで、築年数の増加、周辺環境の変化、経済状況の悪化などによって引き起こされるのが一般的です。
対策するには将来的にも需要が見込める立地の物件を選ぶことです。例えば、再開発が進む地域や交通の利便性が高い場所などが挙げられます。
また、適切な修繕やリノベーションを行えば、物件の価値を維持できます。
長期的な視点で物件を選択し、管理する意識をもちましょう。
家賃低下リスク
家賃低下リスクは、経済状況の変化や競合物件の増加などにより、家賃収入が減少する可能性を指します。家賃の下落は不動産投資の収益性に直接影響を与えてしまうでしょう。
リスクを軽減するためには、需要の高い立地や物件タイプを選ばねばなりません。また、物件の価値を維持・向上させるための定期的なメンテナンスや設備更新も効果的です。
さらに長期契約の入居者の確保や適切な家賃設定を行えば、安定した収入を確保できます。市場動向を常に把握し、柔軟に対応しましょう。
金利上昇リスク
物件購入後、不動産投資ローンの金利が上昇することがあります。不動産投資ローンは返済期間が長期にわたることが多く、返済期間中に金利が上昇するリスクに注意しましょう。金利が上昇して返済額が増えると、収益が減る可能性があります。
金利上昇リスクへの対策として、借入期間を短くする、当初の自己資金を増やして借入額を抑えるといったことがあげられます。また、固定金利を選んで金利変動のリスクをあらかじめ回避するという手もあります。
ただし、固定金利の不動産投資ローン商品はあまり多くないうえ、変動金利よりも金利が高く設定されているため注意しましょう。
老朽化による修繕リスク
投資用の建物は時間とともに劣化し、一般的に築年数を重ねるほど家賃や売却額は低下します。安定した家賃収入を得るためには、建物のメンテナンスや修繕が重要です。
一口に建物のメンテナンス・修繕といっても、外壁や屋根といった外観にかかわる箇所、駐車場、エントランスといった共用部分、排水や給水施設、さらにはフローリングや壁紙、トイレなどの居住部分など、非常に広範囲にわたります。
収支計画を立てる際は、何年後にどのようなメンテナンスや修繕が必要になるかを想定しておきましょう。
災害リスク
災害リスクは地震や台風、洪水などの自然災害によって物件が損傷または倒壊する可能性を指します。物件の価値や収益性に大きな影響を与える可能性があるため、注意が必要です。
対策するには耐震性の高い物件を選ぶ必要があります。また、ハザードマップを確認し、災害リスクの低い地域の物件を選ぶと効果的です。
さらに火災保険や地震保険などの適切な保険に加入すれば、災害時の損失を軽減できます。
定期的な点検や補強工事も考慮し、災害リスクの軽減を実現させましょう。
利回りやキャッシュフローを意識する
不動産投資を始めるなら、利回りやキャッシュフローについても理解しておく必要があります。
利回りは投資金額に対する儲けを表します。不動産投資では利回りの高さが注目されがちですが、利回りの高さが不動産投資の成功に直結するわけではないことに注意が必要です。
利回りには表面利回りと実質利回りがありますが、一般的に不動産情報で掲載されるのは必要経費などが考慮されていない表面利回りです。
利回りの計算では空室リスクも考慮されていないため、空室リスクが高まった場合、家賃が下落した場合、当初の利回りで不動産投資ができなくなることもあります。
不動産投資を行っていくには、実質利回りと長期的なキャッシュフローを意識し、お金の出入りを管理することが重要です。
相場や立地条件も調べる
不動産投資で購入を検討している物件周辺の相場価格や立地条件も調べておきましょう。
たとえば、購入を考えている物件の価格が周辺の相場より高いことがあります。価格が高い理由は、中古物件でリノベーションを行った、設備のグレードが良い、周辺より土地価格が高いなどが考えられます。具体的な理由を不動産会社によく確認しておくと安心です。
また、不動産投資の物件は駅からの距離や周辺の施設などアクセス面も重要ですので、交通状況や周りの環境についても確認が必要です。
物件価格と相場が見合わない、立地条件があまり良くない場合などは、購入を見送ることも検討しましょう。
物件エリアの将来性を調査する
物件を購入する際、周辺の相場価格や立地条件と合わせて調べておきたいのが、物件が位置するエリアの将来性です。
不動産投資は物件を購入し、家賃収入を得て収益を上げつつ、時期を見て売却するまでがひとつの流れです。できるだけ高値で売却するには、売却時に物件の価値がどうなっているか予測できることが望ましいでしょう。
物件エリアの将来的な人口増減の見通しや、都市計画について調査すれば、エリアの将来像が見えてきます。たとえば、大きな道路ができたり、再開発の計画があったりすれば、不動産価格にも影響を及ぼします。
管理会社だけに任せない
サラリーマンが不動産投資する場合は、管理会社に管理業務を委託することが多いですが、すべて丸投げだと不動産投資の成功も難しくなります。
管理を委託できるからと安心せず、必要に応じて管理や運用内容の軌道修正ができるよう、自身でも不動産投資の知識を身につけ、運用状況を把握しておくことが大切です。
まとめ
不動産投資はサラリーマンにとって魅力的な資産形成のひとつです。安定した収入源となるだけでなく、レバレッジ効果による高い収益性や税制優遇など、多くのメリットがあります。
ただし、不動産価値の低下や家賃下落、災害などのリスクも存在します。
成功するためには、投資目的の明確化、十分な情報収集、慎重な物件選び、適切な資金計画が重要です。また、リスク管理や長期的な視点での運用も欠かせません。
とくに収益物件購入後の不動産管理会社選びは成功のカギを握るといっても過言ではないでしょう。
アセットテクノロジーでは、不動産管理業務全般を代行してオーナー様の手間を削減いたします。さらに365日24時間入居者様をサポートする体制が整っているため、トラブル対応の悪さで転居してしまう心配もありません。
資産形成のひとつとして不動産投資を始めようとお考えのサラリーマンの方は、ぜひお気軽にご相談ください。
※副業については「デジハクmagazine」も参考にしてください。