名古屋エリアの地価動向

名古屋エリアは関東圏と近畿圏の間に立地しています。そして極めて交通利便性が高く近年では多くの再開発が加速しトヨタを始め日本を代表する大企業が多く集積しており、多くの投資資金が流入して地価にも影響を及ぼしています。 日本の三大都市圏のひとつである中部圏の中心である「名古屋」は人口・経済的にも大きな都市です。地価上昇の軌道に乗ってきた名古屋エリアの地価動向を見てみたいと思います。 ※公示地価は1月1日現在の地価として発表されますので、前年の1~12月の動向を示しています。つまり2023年の公示地価と言った場合は、2022年1~12月の動向を示します。

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名古屋圏の地価動向

国土交通省から発表された2023年の公示地価から名古屋圏(愛知県、三重県)の地価動向を見ると、新型コロナ発生前の2020年までは地価の上昇が続き、特に商業地では平均で4%を超える高い上昇となっていた事が分かります。

2021年には新型コロナの影響で一時下落となりましたが2022年には再び上昇に転じ、2023年には上昇率も拡大しています。

特に住宅地では2022年の1.0%から2023年は2.3%と上昇率が拡大し、コロナ発生前の2020年の上昇率を超えています。商業地も3.4%の上昇とコロナ発生前の水準に近づいてきています。

<公示地価>名古屋圏の地価の推移

 

2018年

2019年

2020年

2021年

2022年

2023年

住宅地

0.8%

1.2%

1.1%

1.0%

1.0%

2.3%

商業地

3.3%

4.7%

4.1%

1.7%

1.7%

3.4%

(名古屋圏:愛知県、三重県)

<国土交通省「令和5年地価公示」>

愛知県の地価動向

愛知県でも新型コロナ発生前までは地価上昇が続き、2021年に下落に転じましたが2022年より上昇に転じています。

住宅地では2022年の1.1%から2023年は2.5%の上昇へ、商業地では2022年の1.9%の上昇から2023年は3.6%の上昇とそれぞれ上昇率も拡大しています。

また愛知県の商業地の地価上昇率は三大都市である東京・大阪と比べても上昇率が最も高くなっています。いち早い回復を見せているようです。

<公示地価>愛知県の地価動向

 

2018年

2019年

2020年

2021年

2022年

2023年

住宅地

0.9%

1.4%

1.2%

1.0%

1.1%

2.5%

商業地

3.5%

5.0%

4.4%

1.8%

1.9%

3.6%

<国土交通省「令和5年地価公示」>

三大都市の商業地の地価上昇率

 

東京都

大阪府

愛知県

地価上昇率

3.3%

2.5%

3.6%

<国土交通省「令和5年地価公示」>

愛知県の圏域別の地価動向

愛知県の地価動向を地域別に見ると、住宅地では名古屋市が最も上昇率が高く3.7%の上昇、次いで西三河地域が3.0%、知多地域が1.9%の上昇と続いています。

商業地でも名古屋市の地価上昇率が最も高く5.0%の上昇で、以下西三河地域3.2%、尾張地域1.6%と続いています。

名古屋圏の地域別対前年平均変動率

 

住宅地

商業地

 

2022年

2023年

2022年

2023年

 愛 知 県

1.1%

2.5%

1.9%

3.6%

 

名古屋市

2.2%

3.7%

3.2%

5.0%

 

尾張地域

0.5%

1.5%

0.6%

1.6%

 

 西三河地域 

1.2%

3.0%

0.8%

3.2%

 

知多地域

0.1%

1.9%

0.5%

1.0%

<国土交通省「令和5年地価公示」>

名古屋市の地価動向

名古屋市の地価動向は、住宅地では2020年まで2%前後で推移していましたが、新型コロナにより下落し、その後は回復基調となりました。2022年以降地価上昇率が拡大しています。

商業地は、特に名古屋駅周辺や栄などで再開発が進み地価も大きく上昇し2019年には平均で8.9%となりました。新型コロナ後も回復が続き、2022年には3.2%、2023年には5.0%の上昇率となりました。

<公示地価>名古屋市の地価動向

 

2018年

2019年

2020年

2021年

2022年

2023年

住宅地

1.3%

2.3%

2.0%

0.8%

2.2%

3.7%

商業地

6.2%

8.9%

7.7%

2.1%

3.2%

5.0%

<国土交通省「令和5年地価公示」>

名古屋市の区別地価上昇率

名古屋市の地価を区別に見ると、住宅地では2023年には昨年に引き続きすべての区で上昇となりました。住宅地では最も上昇率の高かった区は「中区」で11.1%と高い上昇率となりました。次いで東区が6.5%、南区が5.8%の上昇、熱田区が5.7%の上昇などいずれも5%を超える高い上昇率となっています。

全国の都市の中でも「中央区」は行政やビジネスの中心となり地価も上昇しているケースが散見されます、名古屋では「中区」が中央区に匹敵すると言えます。

住宅地 ランキング

順位

上昇率

1

中区

11.1%

2

東区

6.5%

3

南区

5.8%

4

熱田区

5.7%

5

瑞穂区

4.0%

6

中川区

3.6%

7

千種区

3.5%

8

港区

3.5%

9

名東区

3.4%

10

緑区

3.3%

<国土交通省「令和5年地価公示」>

商業地も昨年に引き続きすべての区で上昇となっています。最も上昇率の高かった区は東区で6.4%、次いで千種区6.2%、中区5.8%、中村区5.5%などが続いています。

全ての区で地価上昇率が拡大しており、地価が回復傾向にある事が分かります。

名古屋市の区別地価上昇率ランキング<商業地>

順位

上昇率

1

東区

6.4%

2

千種区

6.2%

3

中区

5.8%

4

中村区

5.5%

5

南区

5.1%

6

熱田区

5.0%

7

中川区

5.0%

8

西区

4.8%

9

昭和区

4.8%

10

北区

4.7%

<国土交通省「令和5年地価公示」>

地価上昇率の高い地点とは

名古屋市で地価上昇率を地点別に見ると、住宅地で地価が最も上昇したのは、「久屋大通」駅に近い「東区泉1丁目」の地点で地価上昇率は18.2%と非常に高くなっています。

次いで同じく「久屋大通」駅に近い「中区丸の内3丁目」の地点が17.5%、「上前津」駅に近い「中区上前津2丁目」の16.0%を始め「南区豊3丁目」や「南区戸部町2丁目」などでも10%を超える高い上昇率となりました。名古屋駅から若干離れた周辺部の住宅地にも地価上昇が波及している事が分かります。

地価上昇率ランキング【住宅地】

順位

地点

上昇率

1

東区泉1丁目502番 

18.2%

2

中区丸の内3丁目801番

17.5%

3

中区上前津2丁目1208番 

16.0%

4

南区豊3丁目2913番 

12.3%

5

南区戸部町2丁目18番2 

11.3%

<名古屋市「地価動向レポート 地価公示編R5.1.1時点」>

商業地においては住宅地と同じく「東区泉1丁目」の地点が上昇率13.8%でトップとなりました。「久屋大通」駅に近い久屋大通りに面した「シティコーポ久屋・建設会館」のある場所です。次いで「中区錦2丁目」が13.2%と12.8%、栄4丁目の地点が12.7%となりました。いずれも東区・中区など栄などを中心とした商業エリアで地価が高い上昇率となっています。

地価上昇率ランキング【商業地】

順位

地点

上昇率

1

東区泉1丁目1317番 

13.8%

2

中区錦2丁目1901番 

13.2%

3

中区錦2丁目1129番1外 

12.8%

4

中区栄4丁目1418番 

12.7%

5

東区泉1丁目2304番 

11.4%

<名古屋市「地価動向レポート 地価公示編R5.1.1時点」>

名古屋市で進む再開発

リニア中央新幹線の開業の期待される「名古屋」駅周辺は都市再生緊急整備地域に指定されており再開発が進むエリアです

「名古屋」駅周辺には多くの高層ビルが建ち並ぶ近代的なオフィス街になっています。

今後も駅前の大規模再開発が検討されている他、「ささしまライブ24」エリアや

名古屋の中心的な商業地である「栄・伏見エリア」でも多くのビルや商業施設などの建替えなども含めて再開発が進行しています。

名古屋駅周辺では新交通機関SRT(Smart Roadway Transit)の計画が進んでいる他、地下鉄東山線では「名古屋」駅と「伏見」駅の間に「柳橋」駅を新設する計画も検討されています。

さらに湾岸エリアも都市再生緊急整備地域に指定され、今後の発展も期待されています。

名古屋エリアの発展と将来性は

2023年5月にコロナが5類に移行し、旅行者、特にインバウンド(訪日外国人)が増加するなどの影響もあり経済的にも回復傾向が続いています。

2022年頃からコロナによる規制も緩和され始め、多くの企業では2022年度の決算で収益が増加しています。こうした好調の波は旅行業界を始め製造業にも及んでいます。

国内の自動車の生産数も増加し、愛知県に本拠地を置くトヨタ自動車は世界生産数は前年度比6.5%増で過去最高となり2023年3月期の決算では売上高も37兆円と過去最高となりました。

名古屋市でも商業エリアなどの人手も回復してきており、2023年6月には繁華街の人出はコロナ前の7割まで回復しているとの報道もあります。

名古屋市中心部の商業地の地価も大きく上昇してきており、また住宅地の地価上昇も周辺に波及しつつあります。

タイム誌には2023年版「世界の最も素晴らしい場所(THE WORLD'S GREATEST PLACES OF 2023)」が発表され、この中に「名古屋」も選出されています。

近くに「ジブリパーク」が開業した事もあり世界的にも注目を集めているようです。

今後名古屋エリアのインバウンドの増加や、将来的にはリニア中央新幹線の開業や多くの再開発なども進行しており、今後も名古屋エリアの発展が期待でき、地価・不動産価格も上昇している可能性もあります。

名古屋エリアは都心エリアにおいては商業施設、商業ビル、マンション、準郊外においては戸建ての需要、さらに日本を代表する製造業の拠点という視点から見ても倉庫、物流施設など極めて広範囲に多くの分野で土地の需要が高いエリアと言えます。

名古屋エリア全体における需要の増加と共に地価も強含みで推移する可能性を秘めています。