不動産投資の種類は9つ!自分に合う投資方法の選び方

不動産に投資したいと考えていても、具体的にどのような物件を選べば良いかわからない方もいるでしょう。不動産投資の対象は、代表的なマンションやアパート、戸建てのほかにも、シェアハウスや駐車場などさまざまなものがあり、それぞれ異なったメリット・デメリットがあります。 そこで今回は、8種類の不動産投資についてそれぞれの特徴や、選び方について解説します。

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不動産投資で代表的な3種類とは

不動産投資は、所有物件を貸し出して家賃収入を得るものです。代表的な投資対象には、「一棟投資」「区分投資」「戸建て投資」の3つがあります。

一棟投資

一棟投資は、アパートやマンション、ビルなどの建物一棟に投資する方法です。一棟丸ごと所有することから、修繕や建て替えなど費用が発生する設備投資をオーナーの判断で行えるといった特徴があります。

ただし、一棟丸ごとの取得には多額の資金が必要となることから、不動産投資が初めての場合は金融機関から融資を受けることが困難です。

大きなリターンを狙える分、多額の維持費もかかります。一棟投資に向いたまとまった土地がある人、数千万円以上の多額の初期投資のリスクを負える人に向いた方法といえるでしょう。

区分投資

区分投資は、部屋単位で不動産に投資する方法です。一般的に、分譲されているマンションや区分販売されているビルが投資対象になります。

物件が多いため、よく比較検討してから購入できること、部屋単位のため一棟投資に比べると売却しやすいのがポイントです。

ただし、部分的な権利になることから、修繕や家賃設定などはオーナーの意向だけで行えません。修繕積立金の支払いも毎月必要です。

物件自体の流動性が高く少ない投資資金で投資できることなどから、不動産投資の初心者に向いた方法といえるでしょう。

戸建て投資

戸建て投資は、一戸建て住宅に投資する方法です。一戸建てを購入して区分けを行い、シェアハウスの形として賃貸に出すこともあります。

戸建て投資のメリットは、土地を保有できることです。土地の価格があるため、売却してもある程度の価値を維持できます。ただし、部屋が広い物件が多く、区分投資などと比べると老朽化によるメンテナンス費用が多くかかる点に注意が必要です。

一戸建てとして利用できる土地を持っている人や、すでに所有している一戸建ての活用を考えている人に向いているでしょう。

不動産投資は他にもある!さらに5つの種類を紹介!

ここまで紹介してきた不動産投資以外にも、不動産投資の対象はさまざまなものがあります。

シェアハウス

シェアハウスは、1つの物件で設備を共有して複数の入居契約を結ぶ形態です。室内設備が共用で、家賃がリーズナブルであることから若年層に人気があります。複数の入居者を住まわせるため完全に空室になるリスクは低く、家賃収入を効率的に得られることが魅力です。

ただし、入居者間のトラブル防止のための対策や、賃貸住宅とは異なる法的知識も必要になります。

訪日外国人の増加などもあり、観光地や都市部では宿泊できる施設が不足していることから、観光地や都市部に住宅がある人に向いています。

民泊

民泊は、物件を旅行者に貸し出して利益を得る手法です。稼働率が高ければ、一般の賃貸住宅よりも多くの賃料収入を期待できます。

ただし、民泊は消防設備の設置や自治体への届出が必要になるなど、一般の賃貸住宅よりも運営に手間や知識が必要です。また、民泊には特区民泊地域を除き、年間営業日数を180日以下としなければならないといった規制もあります。採算性を十分に検討することが不可欠です。

駐車場・駐輪場

駐車場・駐輪場の経営は、賃貸住宅に比べて初期投資やランニングコストがかからないことが魅力です。

収益は立地条件や周辺施設によって大きく変わりますが、住宅よりも収益性は低めになります。基本的には、土地を所有している方に向いている投資方法です。

トランクルーム

トランクルームは、荷物収容用の部屋や屋外コンテナなどを貸し出すものです。賃貸住宅に比べてランニングコストが少ないため、大きく収益を出すことは難しいものの、高い利回りを期待できます。

トランクルームは成長分野ではあるものの、一般への認知度はそこまで高くありません。稼働率が上がるまで時間がかかることがデメリットですが、フランチャイズ運営を活用して一定の集客を図ることも可能です。

トランクルームのニーズを考えるなら、人が多く住んでいるようなエリアが良いでしょう。例えば、周囲にアパートなどの集合住宅が多い場所に土地がある人に向いた不動産投資方法です。

REIT(不動産投資信託)

REITとは、不動産に投資する投資信託です。ここまで紹介した不動産投資のように実物の不動産を所有するのではなく、不動産投資を行う投資法人に投資して分配金を受け取る仕組みとなっています。証券化されているため、証券会社で取引が可能です。

REITの利回りは3~4%と実物不動産投資よりも低めになりますが、少額からの投資が可能なこと、流動性が高いことがメリットです。

REITはこれまで紹介してきた不動産投資とは異なり、土地や建物は必要としません。物件の選定が苦手な人や、堅実な利回りで不動産投資をしたい人に向いた方法といえるでしょう。

REITについては、以下の記事でも詳しく説明しています。

不動産投資信託「REIT(リート)」とは?仕組みとメリット・デメリットを解説

福祉施設

所有する土地を利用して、サービス付き高齢者住宅などの福祉施設に投資する方法です。高齢化が進む現在、令和18年(2036年)の高齢化率は33.3%と推測されています。高齢者住宅は今後もニーズが期待できる分野です。

一方、福祉施設としての側面があり、福祉施設経営の知識が必要になります。規制事項も一般的な住宅と比べて多いため、入念な事業計画を立てることが重要です。

福祉関連に知識がある人や高齢者住宅に向いた土地がある人に向いています。

不動産投資の種類は多い!どう選んだら良い?

不動産投資にはさまざまな種類がありますが、どのように投資方法を選んだら良いのでしょうか。選び方のポイントを2つ紹介します。

投資目的から選ぶ

不動産投資に限らず、投資は目的を軸にして資産計画を立てることが重要です。そうすれば、必要な利回りが分かり、投資先を選択しやすくなります。

例えば、現時点でのキャッシュフローに余裕を持ちたいのであれば、まずは利回りを優先して選ぶ必要があるでしょう。一方、老後の年金対策であれば、現時点での収支はマイナスになったとしても、長期的な需要を見込める物件が向いています。

新築か中古かを決める

投資物件の種類とあわせて、新築物件と中古物件のどちらにするか悩む方もいるでしょう。新築と中古ではそれぞれメリットやデメリットが異なります。

新築物件は、物件価格は高額になりますが担保評価が高く、融資を有効に活用しやすいです。また、管理の手間がかかりにくく、しばらくの間は高額な修繕費用は発生しないことも魅力です。ただし、年数を経ると物件価値は下がりやすくなります。

一方、中古物件は購入価格が下がりますが、その分物件のメンテナンス費用が高額になる傾向があります。購入時には銀行の評価が低くなるため、自己資金を多めに用意しておく必要があるでしょう。中古は新築に比べると空室リスクや家賃下落リスクが大きくなります。表面利回りは新築よりも高くなりますが、実際に利益を出せる物件の見極めは、新築よりも難しくなるでしょう。

起こりうるリスクを考慮に入れる

不動産投資には、空室リスクや自然災害リスクのほか、金利上昇によるローン返済リスクなどがあります。不動産投資の種類を選定するときは、あらゆるリスクを想定して決めることをおすすめします。

収入や資産などと比較して、それぞれのリスクについてどの程度であれば許容できるかについても考えておきましょう。

リスクの許容度が低い場合は、できるだけリスクの少ない種類を選択し、リスク許容度が高い場合はリスクが高い分リターンが見込める種類を検討してください。

専門家の意見を参考にする

事前知識がないままだと、損をしてしまうこともあります。始める際は、信頼できる不動産会社に投資の目的や種類などを相談すると安心です。

また、不動産業界に精通している専門家のアドバイスも取り入れるなどして、ある程度知識をつけてから不動産投資を始めるか検討することをおすすめします。

不動産投資の始め方については、以下の記事で詳しくご紹介しています。

自分は不動産投資家に向いている?これから始める人が知るべきこと

まとめ

不動産投資の対象となる物件にはさまざまな種類があります。不動産投資の目的や物件の特性、リスク・リターンを加味したうえで投資対象を決定しましょう。利回りの数字だけでなく、実際の利益を自身でシミュレーションしてみることも大切です。