医師の不動産投資|メリット・デメリットを比較!成功のコツも紹介

医師の中には不動産投資を検討する方もいるでしょう。厚生労働省が令和3年に公表した「令和3年賃金構造基本統計調査」では、医師の平均年収は1,000万円を超えていました。ただし年収が高くなると節税や資産形成などを考える方も少なくありません。そこで今回は、医師が不動産投資を始めるメリット・デメリット、成功させるためのポイントをご紹介します。

この記事は約26分で読み終わります。

目次

不動産投資は医師にとって魅力的な資産形成の手段です。高いレバレッジ効果は資産形成を加速できるメリットがあります。

「不動産投資に興味はあるけれど始め方が分からない」「失敗するのが怖い」という方も少なくないでしょう。

しかし、属性の高い医師であるからこそ不動産投資を有利に始められます。融資を受けられる可能性が高く、高いレバレッジ効果を期待できるでしょう。

この記事では医師が不動産投資を始めるメリットとデメリット、成功させるためのポイントと、効果的な収益物件の探し方を詳しく解説します。知識不足による失敗を避け、適切な物件選びのコツを押さえれば、安定した不動産投資を実現できます。

これから不動産投資を始める医師の方はもちろん、すでに投資を始めている方はぜひ最後までお読みください。

医師が不動産投資をするメリット

医師は数ある職業の中でも、収入が高い職業の一つです。安定して高収入を得ている場合、不動産投資をする意味があるのかと思うかもしれません。

しかし、医師が不動産投資を行うことには、様々なメリットがあります。ここでは、医師にとって不動産投資はどのようなメリットがあるか解説します。

医師は審査に通りやすい

医師が不動産投資をするメリットの一つが金融機関の融資審査に通りやすいことです。医師は社会的な信用が高く、高収入を得ていることも多い職業であるため、比較的有利な条件で融資が受けられる傾向にあります。

融資の条件が良いと、キャッシュフローが良い状態で不動産を運営できるため、利益も出やすくなるでしょう。

高いレバレッジ効果によって資産形成が加速する

不動産投資のメリットは、レバレッジ効果を活用して資産形成を加速できる点です。医師は高い信用力を持つため、有利な条件で融資を受けやすく、自己資金以上の投資が可能になります。

例えば、2,000万円の自己資金で1億円の物件を購入した場合、5%の利回りで年間500万円の家賃収入が得られます。ローン返済を差し引いても、250万円のキャッシュフローを生み出せる可能性があるでしょう。

このように、少ない自己資金で大きな投資効果を得られるのが不動産投資の特徴です。ただし、レバレッジ効果は諸刃の剣といっても過言ではありません。資産形成が加速すると共に、リスクも高まる点に注意しましょう。

不動産投資は手間がかからない

不動産投資は他の投資と比べて、手間がかからないというメリットもあります。株式やFXなどの場合、毎日のようにレートを追う、売買を繰り返す、情報を集めるなど、何かと手間がかかるものです。

不動産投資の場合は、物件の購入までに物件を探す、購入時に手続きを行うといった手間はかかりますが、毎日作業をする必要がありません。

不動産さえ所有してしまえば、入居者の募集や物件の管理などは管理会社に委託できるため、基本的には放置していても運営可能です。本業が忙しい医師でも、チャレンジしやすいのではないでしょうか。

節税効果が高い

高い節税効果が期待できる点も、不動産投資のメリットです。不動産投資は減価償却により、不動産の取得時に要した金額は数年にわたり分割して経費計上できます。

減価償却とは、事業主が保有する固定資産の取得額を定められた耐用年数に応じて、経費計上する会計処理のことです。時間の経過とともに価値が減少する資産は「減価償却資産」と呼びます。

減価償却によって、不動産の取得に要した購入費用を翌年度から耐用年数に分けて経費計上するため、耐用年数の間は課税所得を減らせます。所得税と住民税は、個人の所得に対して、納税額が変わるため、課税所得の減少は節税に繋がるといえます。

また、不動産投資で損失が生じた場合、一定の順序に従って、本業(医師)を含む総所得額から控除することが可能です。 この仕組みを「損益通算」と呼びます。

節税を目的に不動産投資する場合、中古物件には気を付けましょう。中古物件は建物の減価償却できる期間に注意しましょう。減価償却できる期間は、物件の法定耐用年数に基づいて定められています。例えば、鉄筋コンクリート造の場合、新築時から47年間が法定耐用年数です。

出典:国税庁 NATIONAL TAX AGENCY「耐用年数(建物/建物附属設備)」

相続税対策になる

不動産投資は、相続税対策としても利用できます。現金を不動産にして相続評価額を抑えることも可能です。現金は額面が評価額として課せられますが、不動産は種類によって特例を利用することができます。

例えば、入居者のいる賃貸用物件は、相続者が自由に使用できるわけではないため、低く評価されるのが一般的です。

仮に同じ1億円分を相続させたい場合、評価額が低くなる分、不動産を相続させたほうが支払う税金は安くなります。相続させたい相手が複数いる方は、相続税の面でトラブルが生じないよう配慮しましょう。

本業とは別の収入源と資産が手に入る

医師は高収入を得やすい職業とはいえ、数十年にわたって続けていけるかは分かりません。年齢や思わぬケガなどで、続けられなくなるリスクもあります。

不動産投資によって本業とは別に収入源や資産を確保しておけば、このような事態に陥ったときでも収入面で対応しやすくなります。

生命保険代わりになる

不動産投資は家賃収入や節税など金銭的なリターンに加え、団体信用生命保険への加入によって生命保険代わりになるというメリットもあります。

物件を購入する際に金融機関からの融資を利用した場合、団体信用生命保険に加入するのが一般的です。

これは物件購入者が亡くなったり、高度の障害を患ったりした場合、ローン残債を保険金で返済してもらえる仕組みとなります。

残された家族には借金がない収益物件が手元に残ることになり、引き続いて家族に安定した収入が入るというわけです。もちろん、残された家族が不動産投資を継続するのが困難であれば、物件を売却して売却益を得ることもできます。

最近では、がんと診断されたときに保険適用となるがん団信保険や特定疾患によってローン返済が免除になる特約もあります。

医師が不動産投資をするデメリット

医師の不動産投資には節税効果を得られる、本業以外の収入源を確保できるなどメリットが多い反面、デメリットもあります。

医師は悪徳業者に狙われやすい

医師が不動産投資を行うデメリットの一つが悪徳業者に狙われやすいことです。医師は高額融資が受けやすいため、より多くの物件を購入できます。

そのため、うまく騙して融資を引き出したり、イマイチな物件を良い物件と偽って売りつけたりする悪徳業者に狙われやすい傾向があります。

収入・信用ともに高い医師には多くの勧誘が来るので、どれが良い不動産業者なのか見分けづらいというのがデメリットです。

多少の労力は必要

物件管理や入居者募集を管理会社に丸投げできる不動産投資は、手間がかかりにくい投資方法です。

とはいえ、購入時の手続きなどは自分で行わなくてはならず、多少の労力はかかります。多忙な医師だとなかなか時間が取れず、良い物件を逃すこともあるかもしれません。

空室リスクやローンリスクがある

不動産投資には、常に空室リスクやローンリスクが伴います。立地や周辺エリアを考慮して購入した物件でも、確実に入居者が来るとは限りません。

物件を購入したものの空室が続き、資金繰りがうまくいかなくなることもあります。無理なローンを組んでいる場合、ローン返済が負担になり、本業に支障が出る可能性もあります。

病院を開業する際の融資が難しくなる

不動産投資では勤務医が将来的に病院開業を考えている場合、大きな負債を抱えることで融資が困難になる可能性があります。

クリニック開業には通常数億円の資金が必要です。したがって、金融機関からの融資は欠かせません。しかし、不動産投資で多額の借入をしていると、金融機関の与信枠を縮小させてしまい、開業資金の融資が受けられなくなるリスクがあります。

融資が難しくなる問題を避けるためには、将来の開業計画を見据えて、自己資金と借入のバランスを慎重に検討する必要があります。長期的な視点で資産形成と負債管理を行い、無理のない投資計画を立てましょう。

不動産投資に向いている医師の特徴 

医師には開業医や勤務医など、複数の形態がありますが、共通して言えることは毎日多忙な日々を送っているという点です。

不動産投資は、入居者の管理や頻繁な収益の確認などの業務が大変だというイメージを抱く方もいますが、医師のように多忙な日々を送っていても可能な投資です。

ここでは、不動産投資に向いている医師の特徴を解説します。

将来の資産形成を考える 

将来の資産形成を考える医師には、不動産投資が向いています。

例えば、大学病院やクリニックで働く勤務医には、将来的に開業して病院経営を目標にする方もいますが、病院経営には多くの資金が必要です。

勤務医は一般的なサラリーマンと比較しても、20代で約700万円、30代で1,000万円と平均年収は高いですが、開業に必要な資金を給料だけで貯めるのは簡単ではありません。

ただし、毎月安定した給与を得られるうちに不動産投資を始めて資産形成を行えば、将来のために貯金できる金額が増える可能性が高まります。

また、病院やクリニックで雇用されている勤務医でも、確定申告を行えば節税効果が期待できるため、将来の資産形成を見据えた投資となるでしょう。

高まる資産運用への関心と不動産投資

所得に対する税金の節税対策をしたい 

所得に対する税金の節税対策をしたい医師にも不動産投資が向いています。

医師は勤務医でも年収が高い職業ですが、開業して経営にも携わる開業医となれば所得は勤務医より大幅に増える可能性があります。

年収が増えることで発生する問題が、所得に対する税金です。

年収が高い医師は所得税や住民税も高額になるため、節税対策を検討しなければ収入の50%以上を納税しなくてはいけない場合もあります。

もちろん納税は義務となるため、必要な税金は納めなければいけません。

不動産投資をすれば管理費や修繕費などの費用のほか、税金計算上の価値減少分(減価償却費)を給与所得から差し引くことで税金対策ができます。

そのため、不動産投資は節税対策をしたい医師に向いている投資です。

副収入を得て安心感を持ちたい 

本業以外の副収入を得て安心感を持ちたい医師にも不動産投資が向いています。

終身雇用の撤廃によって、どのような職業でも生涯雇用されない可能性があります。また、高度な医療研究が進み、医療の現場にロボットが導入され、医師であっても収入がゼロになるリスクがないとは言い切れません。

そのような将来への不安を見据え、本業以外の副収入を確保したい医師には不動産投資がおすすめです。

不動産投資は、入居者の賃料からローンの返済や修繕管理費にあてていくため、必要経費を差し引いた賃料はすべて副収入となります。

例えば、複数のアパートやマンションなどの不動産を保有できれば、本業以外でも安定した収入を得ることができるでしょう。

多忙でも投資を始めたい 

本業が忙しくても投資を始めたい医師に不動産投資は最適です。

不動産投資には、物件の管理や入居者との契約、収支報告の管理、確定申告の書類整理などさまざまな手間がありますが、物件購入後に管理会社へ運営を委託してしまえば、多忙な医師でも無理なく不動産投資が可能です。

管理会社に依頼してしまえば、入居者の募集や家賃管理、書類の管理などを一括で行ってくれるため、オーナーとなった医師が自らが打ち合わせや契約の手続き、書類管理を行う必要はありません。

そのほか、管理会社によっては空室時の清掃や修繕などの手配も行ってくれるため、オーナーにかかる手間を大幅に削減します。

投資を始めたいけれど時間が作れないという医師には、不動産投資が向いています。

医師が不動産投資で失敗するケース

医師は属性の高さから金融機関の融資を受けやすい一方で、それが裏目に出て失敗するケースもあります。

ここでは、医師が不動産投資で失敗するケースを紹介します。

返済比率の高さ

医師が不動産投資で失敗するケースとして挙げられるのは、早く返済したい気持ちから返済比率を高く設定してしまうことです。

返済比率とは年収に対する年間のローン返済額で、仮に年間のローン返済額が100万円、年収が500万円の返済比率は20%(100万÷500万円×100%)となります。

そのため、返済比率が高いほど収支における不動産ローンの支出割合が高くなり、月々の返済額も大きくなるわけです。

物件のローン返済を急ぎたい気持ちがあっても、そのあとのリスクもしっかり踏まえたうえで返済比率を考えなければなりません。

例えば、新築物件を購入して運用する場合に、最初は新築ということもあって家賃を高めに設定しても入居者が集まりやすくなっています。しかし、新築期間が過ぎて何らかの事情で入居者が退去した際、これまで通りの家賃では入居者が集まらず、家賃の値下げが必要です。

そうなると最初のうちは家賃収入で利益が出ていたものの、次の入居者からは家賃収入よりローン返済額が上回ってしまう可能性もあります。

これを防ぐためにも返済比率は40%程度を目安にし、不安に感じる場合は不動産会社やプロに相談するのがおすすめです。

医師の属性の高さが裏目に出る

医師という職業の高属性さが裏目に出て、必要以上に借りすぎることによって不動産投資に失敗するケースがあります。

属性とは、その人が勤務している会社の規模や勤続年数、職業など地位や年収、保有資産などの経済状況のことです。

不動産投資用の物件を購入する際、金融機関のローンを利用して購入するのが一般的ですが、どれくらい借りれるかは属性によって異なります。

医師は社会的地位の高さから金融機関から借り入れしやすい職業であり、少ない資金でも大きな投資にチャレンジできるのが魅力です。

しかし、多額の資金を借り入れてしまうと、空室が数カ月発生するだけでも返済額が膨らんでしまいキャッシュフローがマイナスになる可能性もあります。

不動産投資で失敗しないためにも、空室になることも想定し、収入や資産に応じた借り入れを行いましょう。

不動産投資に十分な時間が使えない

医師は日常業務が多忙であるため、不動産投資に十分な時間が使えず、物件選びや管理不足で失敗する可能性があります。

競争の激しい不動産投資において、情報収集やリサーチを行わずに利益の出る物件が自分に回ってくることはほとんどありません。

不動産投資の知識習得に割く時間が取れず、物件の中身や周囲の立地を確認せずに購入したり、不動産会社に言われるままに購入したりする可能性もあります。

さらに日常業務が忙しいことで、入居者からのクレーム対応や住民同士のトラブル対応が十分にできずに空室が発生するリスクもあるでしょう。

ただし、不動産管理の部分については管理会社に依頼し、クレーム対応や家賃回収などを行ってもらうこともできます。このようなサービスを活用し、不動産投資を成功に導いていきましょう。

不動産投資に関する知識が乏しくて騙されてしまった

医師は本業が忙しいため、不動産投資に関する十分な知識を持たないまま投資を始めてしまうケースがあります。結果、不動産会社の営業トークに乗せられ、リスクやデメリットを十分に理解せずに物件を購入してしまう可能性があります。

例えば、魅力的な利回りや節税効果ばかりを強調され、実際の運用コストや空室リスクなどの問題点を見落としてしまうケースです。

営業トークに騙されないためには、投資前に基本的な知識を習得し、物件の調査を徹底する姿勢を持ちましょう。また、信頼できる専門家のアドバイスを受ければ、冷静な判断を下せます。

医師が不動産投資を成功させるためのポイント

医師が不動産投資を成功させるには、いくつかポイントを押さえておくことが重要です。ここでは、デメリットを抑えて不動産投資を成功させるためのポイントについて解説します。

不動産投資についての正しい知識を身に付ける

不動産投資の成功のポイントの一つが不動産投資について正しい知識を得ることです。

医師は信用があり、資金に余裕のある方が多いため不動産投資に向いています。しかし、正しい知識がないと適切な判断を下せず、失敗する可能性があります。物件選びや安定した運営のために必要な知識は身に付けておきましょう。

ローンの借り入れしすぎない

アパート一棟買いなど大胆な投資ができるメリットがある一方で、リスクも高くなる点に注意しましょう。

融資を受けて不動産投資する場合は、家賃収入をローン返済にあてることが一般的です。不動産投資の運用総額が高くなると、空室が複数発生したときの返済が苦しくなる恐れがあります。満室を想定した余裕のない運用計画では、家賃収入のみでは賄えなくなります。

高額での不動産投資は、リターンのみならずリスクも大きくなることを理解したうえで行うことが大切です。融資可能額が高額であっても借り入れすぎず、無理のない投資に抑えましょう。

節税だけを重視しない

節税だけを重視して家賃収入よりも経費を多く計上し続けていると、月々の収支が赤字になる恐れがあります。

新たに投資用物件を購入したいと考えたとき、金融機関の印象が悪くなり、融資額に影響が出る可能性もあります。

赤字で収益がなく、新たなローンも難しいとなれば、安定や節税を得るどころか、不動産投資そのものが負担となりかねません。

サブリースには気をつける

医師が不動産投資を成功させるためには、家賃収入の最大化のためにも、サブリース契約には注意が必要です。

サブリースとは、不動産会社に建物をまるごと借りてもらう管理方法で、運用を丸投げできるため多忙な医師にとって選択肢の一つとなるでしょう。サブリースには家賃保証がついているため、空室が発生した際にも安定した家賃収入が得られることがメリットです。

その一方で、空室が続くようなら家賃減額を要望されたり、赤字が続いてサブリース契約を解除したい場合でも契約を破棄できなかったりします。

このような事態になるのは、サブリース契約では借り上げた不動産会社が借主という立場となり、借地借家法によって借主が保護されるためです。

さらに、家賃保証がつく代わりに手数料も多くかかるため、サブリース契約にすると家賃収入が少なくなります。

このようにサブリース契約にはさまざまなリスクや注意点があるため、検討するにしても十分にサブリース契約業者を見極めなければなりません。

サブリース契約の仕組みや項目、失敗を防ぐためのポイントなどは、以下の記事でも詳しく解説しています。

サブリース契約とは?項目一覧と失敗を防ぐための熟読ポイント

信頼できる不動産業者を見つける

不動産投資は、不動産業者との信頼関係が重要です。悪質業者に引っかかりトラブルに発展するのを防ぐためにも、複数の不動産業者を比較するなどして、信頼できる不動産業者を探しましょう。

信頼できるかを100%見分ける方法はありませんが、質問に的確に答えてくれる、メリットだけでなくデメリットやリスクについても説明してくれる不動産業者は、信頼できる業者の可能性が高いでしょう。

やりとりが曖昧である、メリットばかり伝えてきて購入を急がせる、ネットでの評判が悪いといった条件に該当する不動産業者は避けるのが賢明です。

不動産投資で物件を選ぶ時のポイント

まずは、不動産投資に適している物件の条件を押さえることが大切です。ここでは投資用物件の選び方として、ポイントを2つ紹介します。

物件の立地

重視すべきポイントの一つが物件の立地です。どのような立地に物件があるかで、空室リスクは大きく変わります。

立地というと、多くの人が思い浮かべるのが駅やバス停からの距離です。しかし、入居者ターゲットによっては、その他の要素が重視される場合もあります。例えば、ファミリー層をターゲットとする場合、公園や学校、病院、商業施設などへの距離が重視される傾向です。

単身者がターゲットの場合、早朝出勤や深夜帰宅時も利用できる24時間営業の商業施設が近隣にあると喜ばれます。大学や専門学校が多いエリアなら学生をターゲットにできます。

物件の状態

中古物件を購入する場合は、状態も重視すべきです。全体的に設備が古い、修繕が必要な箇所が多い物件は、安価に購入できるメリットがある一方で、修繕や改装が必要となるデメリットもあります。

リノベーションで付加価値をつけたい場合は、選択肢の一つとして有効です。単純に初期費用を安く抑えたいときは、修繕や改装にかかる費用でかえって高くつく恐れがあるため、慎重に購入を検討しましょう。

また、土地のニーズに合った物件を選ぶことも重要です。現代の世相に合った間取りとなっているか、最低限の整備は行われているかなど、ニーズとのマッチ度によって修繕や改装の費用も大きく変わります。

新耐震基準の物件を選ぶ

不動産投資で物件を選ぶ際は、新耐震基準を満たしているかどうかをチェックしましょう。

1981年6月1日以降に建築確認を受けた建物は、新耐震基準に適合しています。これらの物件は地震に対する安全性が高く、入居者からの需要も見込めます。

一方、それ以前の物件を選ぶ場合は、耐震補強工事が済んでいるかどうかを確認しなければなりません。

新耐震基準を満たす物件を選べば、将来的な資産価値の維持や入居率の安定化につながります。

その他、災害リスクを抑える方法については以下の記事をご覧ください。

不動産投資は地震への備えが重要!ダメージを軽減させるポイントや地震保険加入のメリット・注意点を解説

告示事項のある物件を避ける

不動産投資をする際、告示事項のある物件は避けるべきです。

告示事項とは物件に関する重要な情報で、事故物件や心理的瑕疵などが該当します。これらの物件は将来的なトラブルや資産価値の低下につながる可能性があります。

物件情報を確認する際は、訳アリ・事故物件・心理的瑕疵・特別募集住宅・いわくつきなどの表記に注意しましょう。

 

ただし、意図的に告知を控えているケースもあるため、家賃が相場よりも安すぎないか、一部リフォーム済みの表記がないかなどを確認する意識も大切です。可能であれば、実際に物件の近くまで足を運び、周辺環境や物件の状態を直接確認しましょう。

表面利回りよりも実質利回りを重視する

不動産投資の利回りを評価する際は、表面利回りよりも実質利回りを重視すべきです。

表面利回りは物件の購入価格に対する年間家賃収入の割合を示すものですが、実際の経費を考慮していません。一方、実質利回りは税金や管理費、修繕費などの経費を差し引いた後の収益を基に計算されるため、より正確な収益性を把握できます。

例えば、表面利回りが8%の物件でも、実質利回りが3%程度になる場合もあります。

物件を選ぶ際は必ず実質利回りを確認し、経費の内訳も細かくチェックしましょう。また、想定利回りについても注意が必要です。とくに地方や築年数の古い物件では、実際の空室率が高くなる可能性があるため、慎重に検討する必要があります。

利回りの計算方法について知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

不動産投資での理想の利回りとは?表面利回りと実質利回りについて

忙しくても現地確認を怠らない

医師は多忙な職業ですが、不動産投資において現地確認はきわめて重要です。物件の外観や共用部の状態、周辺環境など、実際に見なければわからない情報が多くあります。

例えば、インターネットの情報では利回りが良く見えても、実際に訪れてみると建物の老朽化が進んでいて入居者が見つかりにくい状況だったというケースは珍しくありません。

また、最寄り駅からの道のりや周辺の生活利便施設の充実度なども、現地で確認することで初めてわかる重要な情報です。可能なかぎりは時間を作って現地を訪れ、物件の状態や周辺環境を自分の目で確認しましょう。

医師が不動産投資の収益物件を探す方法

医師が収益物件を探す際は、不動産ポータルサイトや情報誌や広告、不動産仲介会社や不動産投資会社、競売や公売サイトなどの利用が挙げられます。

ここでは、5つの探し方について詳しく解説します。

不動産ポータルサイトで探す

不動産ポータルサイトの活用は、医師が効率的に投資物件を探すためにおすすめの方法です。

ポータルサイトでは全国の不動産会社から集められた膨大な物件情報を、立地や価格、利回りなどの条件を設定して検索できます。24時間いつでもアクセス可能なうえに、スマートフォンからも利用できるため、忙しい医師でも空き時間を利用して手軽に物件探しができます。

ただし、ポータルサイトにはおとり物件が掲載されている可能性もあるため、信頼できるサイトを選ぶ必要があります。また、サイト上の情報だけでなく、実際に物件を見学したり、不動産会社に詳細を問い合わせたりする姿勢も大切です。

情報誌や広告をチェックする

地域の不動産情報誌や新聞広告は、オンラインでは見つからない優良物件の情報を発見できる可能性があります。

地方の媒体では地域に特化した細かな情報が得られやすく、不動産会社が案内する情報よりも客観性が高い傾向があります。

ただし、情報誌や広告は最新の情報が反映されていないケースは珍しくありません。掲載されている物件について問い合わせたところ、すでに売却済みだったという場合もあり得ます。

また、有料の情報源が多いほか、収益物件に関する情報は必ずしも多くない点がデメリットとして挙げられます。

不動産仲介会社に問い合わせる

不動産仲介会社に直接問い合わせると、物件情報の詳細を得られます。とくに地域密着型の不動産会社は地域の特性や将来性について豊富な知識を持っているため、できるだけ利用すべきです。

担当者と直接コミュニケーションを取れば、インターネット上では得られない情報や非公開物件の情報を入手できる可能性があります。

ただし、仲介会社は販売のプロセスのみを担当するケースが多く、購入後の管理運用については別途会社を探す必要があるでしょう。また、担当者のノルマなどの事情により、やや強引なアプローチを受ける可能性もあります。

不動産会社に問い合わせる際は複数の会社に問い合わせ、十分に比較検討してください。

不動産投資会社に相談する

不動産投資会社への相談は投資初心者の医師にとって有効な方法です。

不動産投資会社は投資用の収益物件を専門的に扱っており、物件の販売から購入後の運用までをサポートしてくれる場合があります。未公開物件の情報を得られる可能性も高く、投資のプロフェッショナルから直接アドバイスを受けられるのがメリットです。

とくに販売後の運用・管理まで一貫して行う会社を選べば、安全性の高い投資を行えます。

ただし、担当者の質にばらつきがある可能性もあるため、複数の会社に相談し、提案内容や担当者の誠実さを比較検討する必要があります。

競売や公売サイトを利用する

競売や公売サイトを利用すると、相場よりも安価な物件を見つけられる可能性があります。

競売物件は元の所有者が住宅ローンを返済できなくなったために売却される物件です。一般的に相場の7割程度、場合によっては半額で取得できる場合もあります。

また、特殊な条件の物件が出品されるケースもあるため、特定のニーズに合った物件を見つけられる可能性があるでしょう。

ただし、競売物件には入札以前に内見ができないデメリットもあります。さらに問題のある入居者が残っている可能性もあるため、リスクを十分に理解したうえで検討しなければなりません。

公売サイトも安価な物件を見つけられる可能性がありますが、慎重な調査が必要です。

医師が不動産投資を始めて資産形成するまでの流れ

ここでは、医師が不動産投資を始めて資産形成するまでの大まかな流れを紹介します。

不動産会社を選ぶ

不動産投資目的で不動産を購入する場合、まずはパートナーとなる信頼できる不動産会社を選びましょう。

物件選びよりも先に不動産会社選びをするのが基本ですが、その理由は投資を始めてから長い付き合いになるためです。いい不動産会社は適切なアドバイスやサポートもしてくれるため、初めて不動産投資を始める場合も安心して進められます。

購入物件を選ぶ

不動産会社から提案された物件を比較検討したら、購入する物件を決めていきます。

不動産会社が提案する物件だけでなく、ネットで売りに出ている物件もチェックしておきましょう。流通している不動産は、不動産業者であればどの会社でも買えるため、自身で探した不動産を不動産会社にチェックしてもらうこともできます。

医師の場合だと日常的に第三者から勧誘されるケースもありますが、向こうから勧誘してくる物件にはいいものがないケースも多いため注意しましょう。

不動産投資における物件選びの重要性や選び方、エリア決めのポイントは以下の記事でも詳しく解説しています。

不動産投資は物件選びが重要!選び方・エリア決めのポイントは?

ローンの申し込み審査を受ける

不動産投資では、物件購入時にローンを利用する場合も多く、その場合はローンの申し込み審査を受ける必要があります。

医師はローン審査で高属性とみなされやすく、金融機関によってはかなり低い金利で借りられるケースもあるでしょう。そのため、一つの金融機関だけに絞るのではなく、複数の金融機関のローンや金利の条件をチェックし、最適な条件で借りられる金融機関を探しましょう。

ローンの審査に通ったあとは物件の購入となりますが、購入に必要な手続きは不動産会社がサポートしてくれます。所有権移転の登記が終わったら、物件は自身のものになります。

管理会社を決める

不動産投資では物件の管理が必要となるため、物件の購入が確定した時点で、不動産管理を委託する管理会社を決めておきましょう。

不動産管理会社は入居から退去までの業務を行い、空室期間中のリフォームやリーシング業務なども行います。業務内容は管理会社によって異なるものの、主な業務は明細や契約書の作成、入金管理、クレーム対応、督促、回収業務などです。

物件管理はオーナー自身で行うこともできますが、業務が多忙な医師にとって管理をすべて自身で行うのは現実的ではありません。

本業に集中しながら安定した家賃収入を得るためにも、管理会社に管理業務を委託することをおすすめします。

管理会社に委託できる業務やメリット、管理会社の選び方などは、以下の記事でも詳しく解説しています。

【全解説】管理会社に委託できる業務やメリット・管理会社の選び方

 

入居者を募集する

管理会社が決まったあとは、入居者の募集活動を進めていきましょう。

入居者募集は契約している不動産会社と媒介契約を結び、募集活動を進めていきます。

媒介契約の種類は、一般媒介契約と専任媒介契約の2つです。

一般媒介契約は複数の会社と契約ができて自由度が高く、専任媒介契約は特定会社を専属とするため集中的なサポートが受けられます。

入居者募集を効率よく進めるためには、客付け力が高い不動産会社を選び、媒介契約を結ぶのもポイントです。また、不動産会社との管理委託契約や媒介契約の内容によっては、オーナー自身で入居者募集を行うこともできます。

不動産投資の入居者募集の方法や効率よく募集するポイントは以下の記事でも詳しく解説しています。

⇒大家ができる空室対策!入居者募集の方法とポイント

医師が不動産管理会社を選ぶ際のポイント 

不動産投資で物件を購入したら、管理を委託する不動産管理会社を探しましょう。

物件の管理や空室時の募集、収支報告等の管理、書類整理など、物件に関する業務を代行してもらうことでオーナーの手間を削減できます。

日常が多忙な医師は自らが不動産の管理を行うのではなく、管理会社に委託して本業に専念するのが一般的です。

ここでは、医師が不動産管理会社を選ぶ際のポイントを解説します。

不動産管理会社とは?業務内容や選び方を詳しく解説

月額料金の安い管理会社を選ぶ 

不動産管理会社を選ぶ際は、毎月発生する月額料金を比較しましょう。

不動産投資では、運用時にかかる経費を少しでも減らして収入を増やすことが目的となるため、月額料金の安い不動産管理会社の選択がおすすめです。

ただし、月額料金が極端に安い不動産管理会社は、基本プランに付帯しているサービスが少ない場合もあるため、契約前に管理業務の内容を確認しておきましょう。

不動産の管理で必要になる基本の管理業務は以下の通りです。

  • 入居者の募集
  • 契約業務
  • 家賃回収
  • 更新や退去などの手続き
  • 入居者からのトラブルやクレーム対応
  • 日常清掃や定期清掃などの建物管理業務

 契約した管理会社の管理業務が不足している場合、自らが業務を行わなければいけなくなり、本業の妨げになる可能性があるため注意してください。

入居者のサポート体制が充実した管理会社を選ぶ 

入居者のサポート体制が充実した管理会社を選ぶのもポイントです。

設備や入居に関する質問、入居後のトラブルにしっかりと対応してくれる管理会社を選ぶようにしましょう。

サポート体制が充実している管理会社であれば、入居者のトラブルなども管理会社側で解決してくれるため、オーナーの手間が余計に増えることはありません。

また、入居者のサポート体制が充実した管理会社は、入居者も安心して利用できるため、入居率が高い傾向があります。

不動産投資は空室時には一切収入が発生しないため、いかに空室を減らせるのかがとても重要です。入居者のサポートが手厚く、入居率の高い管理会社を選びましょう。

不動産管理にかかる手間が極力少ない管理会社を選ぶ 

日ごろから多忙で時間の取れない医師は、不動産管理にかかる手間が極力少ない管理会社を選びましょう。

不動産の管理には、入居者の募集や契約、家賃回収、クレーム対応、建物管理業務だけでなく、収支の管理や確定申告に必要な書類整理などの業務も発生します。

しかし、多忙な医師はそれらの業務を行う暇がない場合もあるため、極力手間のかからない管理会社がおすすめです。

アセットテクノロジーでは、オーナー様の手間を減らすためにアプリひとつで物件や契約内容の確認、収入状況を確認できるため、多忙な医師であっても無理なく不動産投資を運用可能です。

まとめ

医師が不動産投資を成功させるためには、高いレバレッジ効果を活用しつつ、将来の病院開業などを見据えた慎重な計画が必要です。知識不足による失敗を避けるため、新耐震基準を満たす物件の選択や、告示事項のある物件の回避、実質利回りの重視など、重要なポイントを押さえましょう。

また、忙しいなかでも現地確認を怠らず、不動産ポータルサイトや情報誌、不動産仲介会社、競売サイト、不動産投資会社など、さまざまな方法を組み合わせて物件を探すことが効果的です。

これらの注意点を踏まえ、適切な物件選びを行えば、安定した資産形成につながるでしょう。

多忙な毎日を過ごしているものの、不動産投資によって資産形成をしたい医師の方はアセットテクノロジーにお任せください。アセットテクノロジーでは、不動産投資で必要な管理業務全般をオーナー様に代わってサポートするため、時間の取れない医師の方でも安心です。

できるだけ少ない手間で不動産投資を始めたい医師の方は、ぜひお気軽にご相談ください。