再開発が進む九州最大の都市「福岡」 空港にも近いコンパクトシティ

福岡は長い歴史を持つ九州最大の都市で、人口も多く高い経済力を持っています。 福岡は食文化を始めエンターテイメント、「博多どんたく」を始め様々なお祭りを含めて独自の文化を有する都市です。海にも近くクルージングも楽しめます。また福岡と言えば何と言ってもプロ野球ソフトバンクホークスが有名で、多くの熱狂的なファンから愛されています。また中国や韓国などにも近くアジアから外国人も多く訪れます。 都市中心部では「天神ビッグバン」などの大規模な再開発が進行しており将来性も高い都市と言えます。こうした福岡市の魅力を見てみましょう。

この記事は約11分で読み終わります。

多くの魅力を持つ福岡

①古くからの歴史のある福岡

福岡県には大和朝廷の時代に遠の朝廷(とおのみかど)と呼ばれた大宰府(だざいふ)や外国使節の迎賓館である鴻臚館(こうろかん)などが設置されていました。朝鮮半島や中国大陸とも地理的に近く貿易も盛んに行われました。このように九州の中でも昔から発展したエリアとなっています。

また「大宰府天満宮」は菅原道真公を祀る神社として建立され、道真公は学問の神様としても有名です。博多湾の志賀島では漢委奴国王(かんのなのわのこくおう)の金印が発見され、発見場所は金印公園となっています。

福岡県の県名は、武将の黒田長政公が福岡市に黒田氏のゆかりのある備前の国の地名からとって「福岡城」と名付た事に由来します。

②豊かな食文化のある福岡

博多は多くの魅力のある食文化にも特色があります。

地下鉄「天神」北側の昭和通り、西鉄福岡(天神)駅周辺の渡辺通り、中洲の那珂川(なかがわ)通り沿いなどに多くの「屋台」が集まっています。ラーメンや焼き鳥、おでんなどの他にも独自の創作料理の屋台も多くあります。

博多は「辛子明太子」も有名で「ふくや」が1949年に販売を開始して以来、多くの店があります。博多ラーメンや水炊きなど魅力的な店も多いエリアです。筆者も福岡を訪れるとこうした屋台やお店に行くのも楽しみの一つとなっています。

福岡エリアの立地と交通

①交通の利便性の高い福岡市中心部

福岡はコンパクトシティである事が特徴です。博多及び天神が街の中心となり中洲も繁華街として栄えています。

また空港から都心部までが近い立地にあります。筆者は仕事やプライベートでも年に数回福岡を訪れますが、何と言っても東京・羽田空港から福岡空港までわずか1時間30分、また福岡空港から地下鉄空港線で「博多」駅まで5~6分と市内のメインスポットに極めてアクセスが良好な事に驚きます。これ程空港と都心部が近い所は世界でもそれほど多くはありません。タクシー代も1,000円台で多くの場所に行く事ができます。

また福岡市中心部には多くの鉄道が運行しており、地下鉄も空港線・箱崎線・七隈線の3本が運行しています。職住近接の暮らしも可能で、周辺には海や緑も多い立地で住環境としても優れていると言えます。

②「博多」駅と新幹線

「博多」駅からは新幹線が利用できます。1975年に「博多」駅まで山陽新幹線が開業し、「大阪」駅や「東京」駅まで直通となりました。2011年には九州新幹線の「博多」駅から「鹿児島中央」駅まで全線が開業しました。また博多と長崎を結ぶ九州新幹線「西九州ルート」も計画が進んでおり2022年には「武雄温泉」駅~「長崎」駅が「西九州新幹線」として開業しています。このように九州のゲートウェイでもありまた九州全土にも行きやすい立地にあります。

③地下鉄七隈線(天神南~博多)の延伸

地下鉄七隈線は現在は「橋本」駅から「天神南」まで運行していますが、「天神南」駅から「博多」駅までの1.4kmの延伸が計画されており、2023年3月27日に開業の予定です。途中には「櫛田神社前」駅が設置され、大型商業施設である「キャナルシティ博多」の最寄り駅となります。「博多」駅に直通のエリアが広がり博多周辺の発展にも繋がると考えられます。

<出典:福岡市地下鉄>

https://subway.city.fukuoka.lg.jp/nanakumaline_extension/about.php

④市民の満足度が高い福岡市

福岡市に住んでいる方の満足度が高く、市民100人のうち「福岡市のことが好き」が97人と非常に高く、さらに住みやすさについても満足度が高くなっています。

また満足度については食べ物の豊富さを挙げている方がトップとなっています。また買い物の便利さや自然環境の豊かさなども挙げられています。

福岡市の市民100人のうち

項目

人数(100人中)

福岡市のことが好き

97人

福岡市は住みやすい

96人

福岡市に住み続けたい

93人

自然環境の豊かさに満足

85人

<福岡市「令和4年度 市政に関する意識調査」>

都市環境満足度

 

項目

割合

1位

新鮮でおいしい食べ物の豊富さ

91.3%

2位

買い物の便利さ

89.9%

3位

自然環境の豊かさ

84.5%

4位

医療機関の充実

80.7%

5位

交通の便

78.0%

<福岡市「令和4年度 市政に関する意識調査」>

https://www.city.fukuoka.lg.jp/data/open/cnt/3/2967/1/R4fukuokavoice.pdf?20221128161108

福岡エリアの経済・人口・地価

①福岡エリア経済の特徴

福岡市は九州最大の都市であるだけではなく、全国的に見ても大きな経済・人口を持つ都市です。福岡市の発表した「福岡市経済の概況(令和4年)」を見てみると、政令指定都市の中では市内総生産を比較すると大阪、横浜、名古屋についで全国で4位、また市民一人当たりの市内総生産は全国で3位となっており福岡市の経済力が高い事が分かります。

市内総生産(名目)の政令指定都市比較 

順位

政令指定都市

市内総生産(名目)

1位

大阪市

20.19兆円

2位

横浜市

13.88兆円

3位

名古屋市

13.58兆円

4位

福岡市

7.85兆円

5位

札幌市

7.05兆円

平成30年度

<福岡市「福岡市経済の概況」令和4年>

市民1人当たりの市内総生産(名目)の政令指定都市比較 

順位

政令指定都市

市民1人当たりの

市内総生産(名目)

1位

大阪市

741万円

2位

名古屋市

585万円

3位

福岡市

497万円

4位

仙台市

474万円

5位

広島市

466万円

平成30年度

<福岡市「福岡市経済の概況」令和4年>

②福岡エリアの人口は増加傾向

総務省の発表した国勢調査によると2015年から2020年にかけて全国の都道府県の中で人口が増加したのはわずか8都府県となりました。さらに人口が拡大したのはわずか5都府県となり、その中に福岡県も含まれています。

人口が増加した都道府県は8都府県は「東京都及び沖縄、神奈川、埼玉、千葉、愛知、福岡、滋賀の各県」です。さらにこの中で人口増加率が拡大した都道府県は5都府県で「東京都及び千葉、神奈川、福岡、埼玉の各県」となっています。福岡県は全国で数少ない人口増加率の拡大している県であり将来性も高いと言えます。

人口が増加した都道府県の人口増加率と増減ポイント

都道府県

2015~2020年

人口増加率

前期比

増減ポイント

東京都

3.9%

1.2

千葉県

1.0%

0.9

埼玉県

1.1%

0.1

神奈川県

1.2%

0.4

福岡県

0.7%

0.1

愛知県

0.8%

0.2

滋賀県

0.0%

0.1

沖縄県

2.4%

0.6

<総務省「令和2年国勢調査 人口等基本集計結果」より作成>

2020年の国勢調査によると、福岡市の人口は前回調査(2015年)から4.8%増加、世帯数は8.7%増加となっています。人口・世帯数ともに増加傾向にあります。

全国では人口の減少している市町村が多い中でこのように人口が増加しているエリアは希少性も高いと言えます。

福岡市の人口の動向 2020年国勢調査

人口

2015年からの増加数

増加率

161万2,392人

7万3,711人増

4.8%

<福岡市「令和2年国勢調査 人口等基本集計結果概要(福岡市)」>

福岡市の世帯数の動向 2020年国勢調査

世帯数

2015年からの増加数

増加率

83万1,124世帯

6万6,304世帯増

8.7%

<福岡市「令和2年国勢調査 人口等基本集計結果概要(福岡市)」>

ではどの位人口が増えているのでしょうか。全国の市町村の人口増加数のランキングを見ると、東京都区部に次いで福岡市が第2位となっています。つまり東京を除いた大都市の中では最も人口が増加したエリアと言えます。

市町村別人口増加数ランキング 2020年国勢調査

 

市町村

2015年からの

人口増加数

1位

東京都区部

46万0,536人

2位

福岡市

7万3,711人

3位

川崎市

6万3,049人

4位

大阪市

6万1,227人

5位

さいたま市

6万0,046人

<総務省「令和2年国勢調査」>

③福岡市の高齢化率は全国平均を下回る

全国で高齢化が進んでいますが、福岡市の人口を年齢層別に見ると65歳以上の高齢者の割合が22.1%となっており、全国平均の28.7%を下回っています。これは若い労働人口が多く街に活気がある事を示しています。

福岡市 年齢別人口割合

年齢

15歳未満

15~64歳

65歳以上

割合

13.4%

64.5%

22.1%

<福岡市「令和2年国勢調査」(福岡市)>

④福岡エリアの地価動向

福岡市の地価は上昇傾向にあります。2022年の基準地価を見ると、住宅地では2021年の4.4%の上昇から2022年は6.5%の上昇に、商業地は2021年の7.7%の上昇から2022年は9.6%の上昇と、それぞれ上昇率が拡大しています。

新型コロナの影響で一時的に地価が下落しているエリアも多い中で、福岡市の地価が上昇となっており土地の需要も多い事が分かります。

基準地価 地価変動率の推移

 

住宅地

商業地

 

2021年

2022年

2021年

2022年

福岡市

4.4%

6.5%

7.7%

9.6%

<福岡市「令和4年度地価調査(福岡市分)」>

⑤地価上昇率の高い福岡市の商業地

福岡市の商業地は平均で9.6%と高い上昇率となりました。商業地の地価上昇率のランキングを見ると、1位は「博多駅東3丁目」のエリアで地価上昇率は17.5%と大きく上昇しています。上位10位までを見ても博多・天神周辺など13~17%台と高い上昇率となっています。このように地価の大きく上昇している福岡市の中心エリアなどは今後も発展する可能性が高いと考えられます。

福岡市<商業地>地価変動率ランキング

順位

所在地

変動率

1位

「博多駅東3-3-16」

17.5%

2位

「高砂2-6-23」

17.1%

3位

「竹下4-15-8」

16.7%

4位

「舞鶴1-4-30」

16.5%

5位

「綱場町9-28」

16.4%

6位

「天神3-6-18」

15.0%

7位

「豊2-3-5」

14.3%

8位

「冷泉町5-32」

13.9%

9位

「西新3-2-3」

13.8%

10位

「那の津4-8-11」

13.6%

<福岡市「令和4年度地価調査(福岡市分)」>

福岡エリアの再開発

福岡市では規制緩和などで再開発を促進する「都市再生緊急整備地域」に指定されているエリアがあります。このうち福岡市の中心部で、より重点的な地域である「特定地域」に指定されている「福岡都心地域」について見てみましょう。

都市再生緊急整備地域<福岡市>

 

地域

面積

【 】内は特定地域

福岡市

福岡箱崎地域

100ha

福岡香椎・臨海東地域

335ha

【特定地域】
福岡都心地域

(旧名:博多駅周辺地域、福岡天神・渡辺通地域)

455ha
【231ha】

<内閣府「都市再生緊急整備地域及び特定都市再生緊急整備地域の一覧」>

都市再生緊急整備地域<福岡都心地域>

<内閣府「都市再生緊急整備地域及び特定都市再生緊急整備地域の一覧」>

https://www.city.fukuoka.lg.jp/data/open/cnt/3/47738/1/toshin.pdf?20210903104508

①「天神ビッグバン」

福岡市の天神エリアでは「天神ビッグバン」と呼ばれる「新たな空間と雇用を創出するプロジェクト」が推進されています。

航空法高さ制限の特例承認や福岡市独自の容積率緩和制度などにより先進的なビルへの建替えの促進や、快適でぬくもりのある公共空間の創出などの取組みがなされています。

建築確認申請数は天神ビッグバン開始後の2015年2月から2022年5月末までに59件、竣工棟数は2022年5月末時点で50棟にのぼっています。

天神交差点の周辺では多くのビルが建設されており、今後は街の様子も大きく変貌すると予想されます。

天神ビッグバンエリア内の主なプロジェクト

<出典:福岡市「天神ビッグバン」>

https://www.city.fukuoka.lg.jp/jutaku-toshi/kaihatsu/shisei/20150226.html

②「博多コネクティッド」

博多駅周辺では「博多コネクティッド」と呼ばれるプロジェクトが進行しています。

九州の玄関口である「博多」駅の周辺では、七隈線の延伸やはかた駅前通り再整備などの交通基盤の拡充も行われています。さらに容積率の緩和、税制の優遇や交付金などの支援により先進的なビルへの建替えなども行われています。

九州の玄関口である博多駅周辺もますます発展が期待されます。

(1)都ホテル博多 (2)ザ・ブラッサム博多プレミアム (3)九観承天寺通りビル (4)博多深見パークビルディング (5)博多イーストテラス (6)福岡東総合庁舎敷地有効活用事業(7)はかた駅前通り (8)筑紫口駅前広場

<出典:福岡市「博多コネクティッド」>

https://www.city.fukuoka.lg.jp/jutaku-toshi/kaihatsu/toshi/HAKATA_CONNECTED.html

「博多旧市街プロジェクト」

市街中心では多くの再開発が進んでいますが、博多エリアにおいては多くの歴史・伝統・文化が集積したエリアでもあります。歴史を持つ多くの寺社が存在し「博多祇園山笠」がユネスコ無形文化遺産に登録されたりと注目を集めています。

こうした歴史的資源を活用してインバウンドなど環境客に魅力を伝える取組みが進んでいます。2022年には祇園駅の副駅名「博多旧市街口」が設定されたり、寺社などのライトアップや公園でのイベントも開かれています。

③「ウォーターフロントネクスト」

福岡のウォーターフロント地区(湾岸エリア)でもまちづくりが進められています。このエリアはMICE(※)が開催されたり多くの訪日外国人が訪れるなど国際交流の拠点ともなっています。

ふ頭基部において地区のエントランスゾーンに相応しい交流空間や交通広場の確保、国際競争力のある「オールインワン」のMICE拠点と合わせて魅力のあるまちづくりが推進されています。周辺には福岡国際会議場やマリンメッセA館などがあり、2021年にはマリンメッセ福岡B館及びマリンメッセテラスが共用開始しています。

出典:福岡市「ウォーターフロントネクスト」

https://www.city.fukuoka.lg.jp/jutaku-toshi/waterfront/shisei/wf_turnaround.html

まとめ

このように福岡市街は居住エリアとして魅力が高いだけでなく将来性も高い事が分かります。交通アクセスもますます充実し都心部への投資もより大きくなっていくのではないでしょうか。今後インバウンドが復活すれば、福岡エリアの経済は飛躍的に上昇する事も期待されます。

森記念財団都市戦略研究所の発表した「日本の都市特性評価2022」によると福岡市は大阪市、京都市に次いで3位となっています。

今後はアジアからのゲートウェイとして「国際金融都市」として発展する可能性もあり、国際的にも将来性が高い都市と言えるのではないでしょうか。