【2023年】千葉県内で今後地価が上がりそうな地域とその理由

様々な業界に影響を与えていた新型コロナウイルス感染拡大が収束に向かうとともに、不動産市場も従来のような活発さを取り戻しつつあります。首都圏周辺では他の要素も関係し、エリアによって価格上昇度にばらつきがみられるようになりました。 本記事では千葉県の地価の動きや、県下で今後地価の上昇しそうなエリアについて解説します。

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千葉県内の公示地価の傾向

首都圏の3県に共通する傾向として、東京都に隣接する地域の地価が上昇していることが挙げられます。都内の地価上昇が著しく「都内へ通勤しやすい、価格的に手の届く範囲」で物件を求める人が増えたことが要因です。

なかでも千葉県は、同じ首都圏の神奈川・千葉に比べて平均公示地価の上昇率が高めとなっています。首都圏のほとんどのエリアが平均的に上昇傾向にあるだけではなく、埼玉県や神奈川県のように、過疎傾向のエリアの比率が比較的少ないことが大きな要因です。

2023年の首都圏の対前年上昇率は、神奈川県や埼玉県のプラス1%台に対し、千葉県がプラス2.3%と東京に次ぐ高水準となっています。

また、千葉県の商業地は、船橋市、市川市を中心に変動率で前年の2%〜4%代から大きくアップして10%代の変動率を記録しています。実勢価格の変動率では首都圏平均7.0%の上昇で神奈川3.9%、埼玉12%に対して、千葉県が4.9%でした。

現状の千葉・神奈川と埼玉の差は、地価高騰が急激な東京都と境界を接する距離延長の違いと考えられます。

なお、賃貸物件の空室率では、千葉市11.41%(若葉区5.64%)、市川市12.51%、船橋市10.08%、柏市10.53%、流山市9.14%、袖ヶ浦市8.35%などです。全体的に低めの数字を維持しています。 

千葉県内で地価が変動している地域はどこ?

不動産投資において重要なのは、将来の資産性も考慮した上で投資用物件を吟味することです。物件は建て替えやリフォームで付加価値を付けられるため、不動産を選ぶ際は土地の価格変動も重視しましょう。

千葉県内で具体的に地価が変動している地域は、次の通りです。

内房エリアの地価が上がっている理由

東京からの距離の近さが重視されやすく、内房エリアの地価が上昇しています。まず東京都境に近い市川市、浦安市、船橋市の3市と、アクアラインで東京湾をバイパスできる木更津市、君津市において、公示地価、実勢価格ともに上昇傾向です。

市川市、浦安市、船橋市付近のエリアは、都心への通勤の利便性の良さが特徴です。加えて子育てに対する支援も充実しており、近隣の県に比べると週末のお出かけスポットが豊富である点も挙げられます。

木更津の木更津金田インターチェンジ周辺は、大型のショッピング施設が複数林立しています。周辺にはさらに、「木更津ゲートウェイ・ヴィレッジ」の名称で複合施設が2023年より順次開業を予定しています。施設内には病院、ホテル、保育所、ドラッグストア、スーパーマーケットの他、スタートアップ企業やデジタル撮影スタジオなども入居予定です。

東京湾アクアラインを経由した都心へのアクセスの良さや、再開発事業による利便性の向上により住宅需要が高まっています。

また、市川市、浦安市、船橋市付近と木更津市の中間から、東京寄りにかけて位置する千葉市も公示地価が上昇傾向にあります。内房エリアに当たる前述の各市は、東京都内の過剰な地価高騰状況にコロナ禍の影響も加わり、都心から周辺に移動する人々の受け皿になっているのが特徴です。

外房エリアの地価が下がっている理由

外房エリアの地価が下がっている理由は、都心からのアクセス時間が短縮されていない点と、それに伴い人口増加が進んでいない点が挙げられます。

外房エリアが居住地として人気がないかといえば、そうではありません。コロナ禍を機に、海辺の自然に恵まれた温暖な気候の場所で、ゆとりのある暮らしを志向する人の数は増えました。環境が良いだけではなく、生活物価や住居費、租税公課など、暮らしのコストが安いのも大きな魅力です。

しかし現状ではまだ、上記の流れが新しい街を開発し、通勤交通の便を整備する原動力には至っていないのが実情です。コロナ禍の収束に伴い、以前のように都心へのアクセス時間や利便性を重視する流れが戻れば、より外房エリアの地価にも影響が生じる恐れがあります。

【2023年】千葉県内で地価が上がりそうな市区町村とは

地価は下落することもあれば、都心ほどではないものの上昇傾向に転じる場合もあります。千葉県内で2023年に地価が上がりそうなエリアは、複数あげられます。

千葉市内では美浜区・花見川区

美浜区・花見川区は転入超過数が増加傾向にあり、今後にわたって注目されているエリアです。美浜区内は大手企業の本社が多く集まる他、都心への通勤も可能です。

流山市や柏市などの東京23区に近いエリア

流山市や柏市は東京23区に近く、南流山駅から秋葉原駅まで電車で21分、柏駅から上野駅まで28分と、比較的ゆとりのある通勤時間の設定が可能です。どちらの地域も美浜区・花見川区と同じく転入超過数が増加しており、将来的な値上がりが予測されます。

インターネット通販の配送基地など周辺で大型の物流施設の建設が相次ぐ他、文教都市「柏の葉」も至近距離にあり、人口増も納得のロケーションとなっています。

他にも転入超過数が多いエリアとしては船橋市、八千代市、印西市なども注目されます。

まとめ

千葉県の地価の動きや、県内でも将来的に地価の上昇しそうなエリアについて解説しました。

インフレや金利上昇、為替レートの動向次第では、海外投資家や富裕層の動きが鈍る可能性もあります。しかし現状の状況が続けば、都心へのアクセスが良いエリアと千葉・柏エリアを中心に、地価は上昇を継続すると思われます。