【ふるさと納税】不動産投資をしている場合に控除額が変動する理由を紹介

ふるさと納税とは、寄附金税制のひとつです。寄付の手続きをすると、2,000円の自己負担で自治体から返礼品を受け取れるだけでなく、税金の控除として活用できます。そのため税金控除の目的でふるさと納税を行う方も少なくありません。 たとえば、確定申告やワンストップ特例で申告すると『所得税』『住民税』の控除を受けられます。しかし、税金控除の対象となる『ふるさと納税額』には上限が設けられており、限度額を超えて寄付すると控除を受けられません。 ただし、副業で不動産投資をしている方は、ふるさと納税額の上限があがる可能性が高いです。 そこで今回は、不動産投資で資産運用をしている方に向けて、押さえるべきふるさと納税の仕組みや控除額の算出方法などについて解説します。

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不動産投資をしている場合はふるさと納税の控除上限額が変動する

不動産投資で得た収入によって、控除の対象となる『ふるさと納税額』は変動します。それはふるさと納税額が本業の所得だけではなく、本業と副業を合算した所得で計算されるためです。

不動産投資の収支状況に応じて、ふるさと納税の上限額は以下のように変動します。

不動産所得が黒字の場合

控除上限額が増加する

不動産所得が赤字の場合

控除上限額が減少する

不動産投資の収支が赤字で不動産所得がマイナスな場合、ふるさと納税の上限額は減少します。うっかり給与所得だけを基準にふるさと納税をして、上限額を超えて寄付してしまわないよう、注意が必要です。

特に、不動産投資を始めた初年度や大規模な修繕が必要になった場合などは支出が多くなるため、その年度は赤字になりやすくなります。

不動産投資が赤字の場合、損益通算し給与所得から不動産所得のマイナス分が引かれる結果、課税対象となる総所得額が減少し、納税額も減少します。それに伴い、ふるさと納税の控除上限額も減少するのです。

不動産投資で赤字が発生している場合、給与所得だけを基準にふるさと納税の控除上限額を判断しては、損をする可能性があることを覚えておきましょう。

【シミュレーション】控除上限額の算出方法を知る!

ふるさと納税の控除上限額は、以下の算定式で算出できます。

ふるさと納税の控除上限額算定式

(住民税の所得割額×0.2)÷(90%-所得税率)+2,000円

上記のとおり、ふるさと納税の控除上限額を計算するためには、住民税の『所得割額』と『所得税率』のふたつを把握しておく必要があります。

所得割額

住民税の所得割額とは、給与所得と不動産所得の合計額にかかる住民税所得割額を指します。なお、不動産所得がマイナスな場合は、給与所得から不動産所得のマイナス分を差し引いてください。算出方法は以下を参照してください。

住民税の所得割額の算定式

住民税の所得割額=(給与所得+不動産所得)×10%

課税対象となる所得金額は、算定時だとまだ当年度分が未確定のため、前年度分を参考にしましょう。

給与所得の場合、源泉徴収票に記載されている「給与所得控除後の金額」から「所得控除の額の合計額」を引いた額が「課税対象となる所得金額」です。不動産所得は以下の算定式で求められます。

不動産所得の算定式

家賃収入-必要経費

上記の必要経費とは、税金や損害保険料・管理費・修繕費・修繕積立金・ローンの支払利息などです。これらを踏まえ、計算の具体例を見てみましょう。

住民税の所得割額の算定例

【例】給与所得が500万円、家賃収入が300万円、経費が100万円の場合

 

(500万円【給与所得】+(300万円-100万円)【不動産所得】)×10%

=70万円【住民税の所得割額】

所得税率

所得税率とは、課税対象となる所得金額に応じて設定される税率です。国税庁ホームページで確認することができます。

課税される所得金額

所得税率

1,000円 から 1,949,000円まで

5%

1,950,000円 から 3,299,000円まで

10%

3,300,000円 から 6,949,000円まで

20%

6,950,000円 から 8,999,000円まで

23%

9,000,000円 から 17,999,000円まで

33%

18,000,000円 から 39,999,000円まで

40%

40,000,000円 以上

45%

※国税庁「No.2260 所得税の税率」より

なお上記に加えて、復興税率を一律102.1%乗じる必要があります。先ほどの『住民税の所得割額の算定例』では、課税される所得額の合計が700万円(給与所得500万円+不動産所得200万円)のため、所得税率は23%×1.021です。

これらを踏まえると、課税対象となる所得金額が700万円(給与所得500万円+不動産所得200万円)の場合、ふるさと納税の控除上限額は、212,472円になります。

(70万円【住民税の所得割額】×0.2)÷(90%-23%×1.021【所得税率】)+2,000円 =212,472円

不動産投資をしている場合は「確定申告」が必須

ふるさと納税を行ったあとは、税金控除を受けるためにも申告手続きが必要です。一般的に、ふるさと納税で控除を受けるには、「確定申告」と「ワンストップ特例」のふたつがあります。

ふるさと納税で控除を受ける方法

確定申告

・税務署に確定申告書とふるさと納税先から受け取った寄付を証明する書類を提出する

・ふるさと納税を行った年の翌年3月15日までに手続きをする

・現年度分の所得税及び翌年度分の住民税から控除を受けられる

ワンストップ特例

・ふるさと納税を行う際にふるさと納税ワンストップ特例の申請書の送付を申し込み、書類を受け取る

・ふるさと納税を行った年の翌年1月10日までに手続きをする

・翌年度分の住民税から控除を受けられる

不動産投資の所得がある方は、ふるさと納税を行うかどうかにかかわらず確定申告しなければならないため、ワンストップ特例は使えないことに注意が必要です。この場合、ワンストップ特例による申告を行ったとしても無効になります。

確定申告に必要な書類については、こちらをご確認ください。

まとめ

ふるさと納税は控除上限額の範囲内で行わないと控除を受けられません。不動産投資をしている場合、収支が赤字か黒字かで控除上限額が変動するため、注意が必要です。寄付をする前に必ず控除上限額をシミュレーションしましょう。