不動産投資がめんどくさいと言われる理由は?
不動産投資がめんどくさいと言われる理由にはいくつかの原因があります。
感じ方は人それぞれであり、必ずしもすべての不動産投資者に該当するわけではありませんが、ここでは代表的な5つの原因を見てみましょう。
理由1:物件探し
物件探しは不動産投資を考える人にとって最初のハードルになりがちです。現代はインターネットで探しやすくなっていますが、検索条件によっては何十件、何百件もの物件がヒットすることもあり、決してラクではありません。
「これだ!」という物件をインターネットで見つけ、現地で確認しようと思っても、飛行機や新幹線で移動するような距離になることも。
FXや株式投資とは違い、時間や労力がかかる点にめんどくささを感じている人は少なくないでしょう。
優良物件の探し方については、以下の記事をご覧ください。
【不動産投資】優良物件の探し方にはコツがある!目的別のポイントを紹介
理由2:融資手続き
不動産投資は大きな元手が必要となるため、ほとんどの人が金融機関からの融資を選択するでしょう。
融資を受ける際には融資交渉が必要になりますが、この交渉もめんどくさいと感じる原因のひとつです。
「融資をしてください」と突然言ってもすぐにしてもらえるはずがなく、事前審査、融資面談という段階を踏まなくてはいけません。
さらに交渉のための資料(自分の資料や融資対象の物件資料など)を作成する必要もあり、かなりの手間がかかります。
ただ、不動産投資は融資金が数千万円になることも珍しくない投資方法です。金融機関側の審査やその準備に手間がかかることは仕方ないとも言えます。
融資を受ける流れやポイントは、以下の記事をご覧ください。
理由3:管理コストと手間
どのような投資でも管理コストは生まれるものですが、不動産投資は管理コストの種類が多く、マネジメントの手間がかかる一面があります。
物件関連 | 税務関連 |
・管理手数料 | ・固定資産税 |
物件関連だけではなく税務関連のコストもかかり、すべてを一人で管理することは大きな労力をともないます。
本業を持つ人、専業投資家でも多数の物件を持つ人は、外部の管理サービスや税理士への依頼などを利用した管理も有用な選択肢のひとつです。
不動産投資での管理会社の選び方は以下の記事もご覧ください。
【楽にマンション投資で稼ぐ】管理会社の全知識と選び方を解説!
理由4:空室対策
不動産投資は物件に入居者がいなければ利益につながりません。空室が多くなれば利益は減り、場合によってはリターンが得られないことも考えられます。
そのリスクを避けるため、空室が出ないようにする工夫が必要です。
たとえば競合物件との差別化、家賃の見直し、所有物件の状態によってはリノベーションも視野に入れるなどの可能性が生まれ、そのひとつひとつを検討・対応していくことになります。
労力や金銭面でのコストが発生し、「不動産投資はめんどくさい」と感じるようになるかもしれません。
空室対策については、以下の記事もご覧ください。
理由5:入居者とのトラブル
不動産投資において、入居者とのトラブルが発生することもあります。
家賃滞納や原状回復トラブル、敷金・礼金トラブル、騒音トラブルなどは物件所有者を悩ませる代表的なトラブルです。
物件所有者と該当入居者の間だけで解決すればまだしも、ほかの入居者にも被害が及ぶようなトラブルであれば、その心労や手間は「めんどくさい」と感じる事項の中でも相当な負担になりかねないでしょう。
トラブルに関する予防策などは、以下の記事もご覧ください。
不動産投資のメリットはめんどくささを上回る?
「不動産投資はめんどくさい」と感じる代表的な原因を見てみましたが、それでも不動産投資は人気を集めている投資方法です。
それは投資者にとって「めんどくさい」を超えるメリットがあるためです。ここからは、不動産投資ならではのメリットを4つご紹介します。
メリット1:安定収入につながる
安定した入居率が確保できれば、不動産投資は毎月確実な収入を生み出します。これは最大のメリットになるでしょう。
専業投資家はもちろん、本業がある人も定年後に安定して継続的な収入を得られるようになります。
所有物件数や物件クラス、投資戦略の成功度によっては年金に頼らない生活も可能になるのは、資産形成の一環として非常に優れた一面です。
メリット2:節税効果が期待できる
不動産投資は減価償却費が均等割合で行われます。この場合、不動産所得が赤字になればその赤字は本業の所得と損益通算が可能です。
所得税や住民税が軽減されることにつながるため、大きな節税対策が期待できます。
なお、減価償却費は実際に現金を支払う必要がなく費用計上できる項目であるため、手元の現金を使わなくてもよいというメリットも生まれます。
このような税務上の仕組みを活用することにより、効果的な資産運用ができるということも大きなメリットです。
減価償却の仕組みについて、詳しくはこちらの記事もご覧ください。
不動産投資での減価償却の仕組みとは?節税になる理由や注意点を知ろう!
メリット3:生命保険の代わりになる
不動産投資における最大の心配事は、ローンの完済ではないでしょうか。
投資開始後、万が一に備え、家族にローンが引き継がれるような負担や迷惑をかけたくないと考える投資家は少なくありません。
このようなリスクに備えるため、団体信用生命保険(団信)を利用することが一般的です。
団信は返済期間中に投資家が亡くなったり重病にかかったりした場合、ローンの債務免除が行われる保険です。
家族はローンを引き継ぐ必要がないばかりか、物件の所有を続ければ毎月の家賃収入が生まれます。
近年の団体信用生命保険は3大疾病やがんにも対応しているため、生命保険の代替手段として不動産を活用することは非常に合理的です。
安定性・継続性のある家賃収入は、万が一の時に家族を支え続けるでしょう。
団体信用保険の仕組みについて、詳しくはこちらの記事もご覧ください。
不動産投資は保険代わりになる?ならない?団体信用生命保険の仕組み
メリット4:インフレリスクに備えやすい
インフレが起きると現金の価値は下がってしまいます。そのため、預金している現金が多額でもインフレ率の分だけ価値が下がれば意味がありません。
一方、不動産投資の場合には、物件価格や賃料が「インフレの時ほど上昇しやすい」という傾向があります。それまで10万円だった賃料が10万5,000円になる可能性も考えられるのです。
インフレ下は物価が上がりますが、不動産投資で得た利益で物価上昇を十分にカバーできるでしょう。
ただし、インフレの影響は幅広い部分で出るものです。管理コストが上昇する可能性も考えておく必要があります。
もっとも、管理コストの上昇分も不動産投資の利益でカバーできれば問題ありません。
不動産投資をインフレ対策として検討している人は、以下の記事もご覧ください。
インフレ対策に不動産がおすすめ?リスクと物件購入時のポイント
不動産投資のデメリットは?
不動産投資にはデメリットもあります。
デメリットを考えると「めんどくさい」という気持ちが生まれることもありますが、デメリットの多くは対策があるため、むしろ不動産投資を前向きに考える材料になるのではないでしょうか。
ここからは、不動産投資のデメリットと対策について紹介します。
デメリット1:空室のリスクがある
不動産投資と切っても切れないリスクのひとつに空室リスクがあります。
空室が多くなればなるほど収入は下がり、あまりにも人が入らない場合には収入よりもローンの支払いが上回ってしまう可能性が否定できません。
立地条件や家賃などは入居率を高める重要な要素です。必要であれば環境や条件を見直す必要があるでしょう。
入居率を高める方法としては宣伝も有効です。賃貸管理会社を通して物件管理をしている人は担当者に相談してみるとよいでしょう。
広告費がかかりますが、最近は広告費をリーズナブルな価格に抑えられる賃貸管理会社もあります。
費用が気になる場合にはそのような賃貸管理会社への乗り換えも有益な選択肢です。
デメリット2:火災や地震のリスクがある
火災や地震などの災害リスクも不動産投資のデメリットです。災害で物件が被害を受けてしまった場合、小規模であればまだしも、災害の程度によっては大規模な修繕が必要になるケースがあります。
火災保険、地震保険などへの加入が適切な手段ですが、過度な保険は費用面を圧迫しかねません。
かといって無保険ではいざという時に対応できなくなるため、保険内容を絞り込むとよいでしょう。
物件のあるエリアに必要な保険は何であるのか、過去の災害記録を調べると絞り込みやすくなります。
デメリット3:リターンが出るまで時間がかかる
株式やFXと違い、不動産投資はリターンが出るまで時間がかかる投資方法です。ローンの返済が終わるまでは黒字化が難しい物件も多いでしょう。
ただしローンの返済が終わり、入居率に問題がなければ、継続性のある安定収入につながります。
不動産投資は「すぐにリターンがほしい」と考える人より、じっくりと物件を育てる気持ちで続けられる人に向いているでしょう。
デメリット4:すぐに売却できないことがある
所有物件を売却したいと思っても、買い手が見つからない場合があります。
長期間待ってもよいと考える人なら構いませんが、資金繰りをはじめとした緊急の理由ですぐに売却をしたい人にとっては困った状況でしょう。
その際は売却希望額を下げる、もしくはリノベーションなどで物件価値を上げるなどの対策が考えられます。
まとめ
「不動産投資はめんどくさい」と言われることがあるのは、物件探しや融資審査の手間、管理コストなどが代表的な原因です。
しかし、不動産投資にはそれを上回るメリットがあり、長期的に安定性・持続性のある収入を生み出す可能性があります。
そのためには物件の適切な管理が必要です。入居率が高まる魅力的な物件にする、宣伝をするなどの工夫をしながら所有物件を育てましょう。
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