【不動産】バルク売りとは? 購入時の注意点や物件の探し方を紹介

バルク売りは「不動産のまとめ売り」のことです。最近では不動産に限らず、まとめて売ることを「バルク売り」と表現するようになりました。 当記事では不動産業界でのバルク売りについて、販売方法やメリットやデメリット、購入時の注意点と物件の探し方とともに解説します。

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バルク売りとはどのような販売方法か

バルク(bulk)という言葉は「一括する」「まとめる」「大量」などの意味を持ちます。簡潔に表現すると、バルク売りは「不動産のまとめ売り」のことです。同じマンション内の部屋を複数まとめて販売する方法と、一棟売りの物件をまとめて販売することもバルク売りといいます。

バルク売りは、手放したい不動産を早く、大量に売却できるメリットが注目され、サブプライムローン問題が起こったことがきっかけで普及しました。当時、多くの不良債権を抱えていた金融機関は、バルク売りを活用し債務者が抵当にいれていた不動産を売却することで資金を回収したのです。

日本でも、破産や会社更生をした企業の不良債権の処分方法として、金融機関によるバルク売りが普及しました。

バルク売りは不良債権の処分以外の理由でも用いられます。地主が相続や資産整理のタイミングでまとめて処分するケースや、デベロッパーが売れ残っているマンションをまとめて処分するケースです。

また、投資家や開発事業者がバルク売りを利用し、資金調達することもあります。

バルク売り物件を購入するメリット・デメリット

次に、バルク売り物件を購入する側のメリット・デメリットについて紹介します。

メリットとデメリットを理解したうえで、バルク売り物件を購入しましょう。

メリット:手ごろかつ大量に購入できる

バルク売り物件のメリットは、市場価格より安い値段で大量に物件を購入できることです。

バルク売りでは、同一マンション内の部屋を複数、一緒に販売します。そのため、1室あたりの価格がほかのマンションで1室ずつ購入するよりも安くなる可能性が高くなることが理由です。

また、売り手が売却を急いでいる場合が多く、値引きの交渉がしやすいこともメリットのひとつです。バルク売りでは、割安な価格で物件を購入できるため、賃貸経営をすれば高い利回りが期待できます。

また、マンションの多くの部屋を取得することで、一棟ものを所有するのと似たような状態を作り出すことができます。

マンション内に1室だけ所有している場合、共用部分の改装などは管理組合の決定に従わなくてはなりません。しかし、マンションの半分を所有すれば、管理組合の運営方針をコントロールしやすくなります。空室対策に外観などの共用部をリフォームすれば、建物全体の付加価値を高められます。

デメリット:リスク分散しにくい

リスク分散が難しいことが、バルク売り物件のデメリットです。割安な価格で大量に購入できることはバルク物件のメリットですが、リスク分散効果が得られません。同じマンション内の複数の部屋を購入するバルク売り物件は、異なる地域のマンションを一室ずつ購入するよりもリスクが高くなりがちです。

立地や周辺の治安など、あらかじめ避けられるリスクについて調査する必要があります。確認を怠ると、立地条件や治安が悪いためすべて空室になったり、地震をはじめとする災害ですべての部屋が被害を被る状況に陥るかもしれません。

また、事故がなかったかなど購入予定物件の風評についても、物件ごとにしっかり調査をしておきましょう。

バルク売り物件を購入する際の注意点

バルク売り物件を購入する際の注意点は、2つあります。

失敗リスクを軽減するために、購入前に必ず注意点を確認しましょう。

立地や築年数などを確認する

物件選びは、立地や耐震性能などの確認が重要です。デメリットの項目で紹介したように、バルク売り物件はリスク分散がしにくいといえます。

築年数が古い、耐震性能が弱いなどの問題があると、災害時や、部屋のメンテナンスで入居者に迷惑をかけてしまいます。そのため、物件ごとに立地や築年数などを確認することが重要です。

ほかの失敗しないポイントについては、下記の記事をご覧ください。

「区分マンション投資で失敗しないために!押さえておきたい5つのポイント」

購入前に管理状況を確認する

購入前に管理状況の確認をしましょう。管理状況が悪いと設備が良くても借り手が出ず、利益をあげられないことがあります。

確認すべき管理状況は、次の2点です。

・大規模修繕の実施状況

・管理組合に修繕積立金があるか 

上記は「重要事項に関わる調査報告書」に記載されており、管理会社から取得できます。

バルク売り物件の中には、格安で一見魅力的な物件があります。しかし、なかには単体で売れないようなワケアリ物件がまとめて販売されているケースがあるので、あまりにも安い場合は注意しましょう。

購入費用が抑えられても、その後の賃貸経営が成り立たなければ、赤字になってしまいます。購入前に、管理状況の確認を怠らないようにすることが重要です。

バルク売り物件の購入方法

バルク売り物件は、次の2つの方法で購入できます。

購入時の注意点をふまえて、優良な物件を見つけましょう。

不動産ポータルサイト

1つ目のバルク売り物件の購入方法は、不動産ポータルサイトでバルク売り物件を探すことです。まれに、「バルク売り物件」が不動産ポータルサイトに掲載されていることがあります。

不動産ポータルサイトのフリーワード検索で「バルク」「収益物件」と入れるなど、検索方法を工夫すると見つけられます。

不動産業者からの紹介

2つ目の購入方法は、関係性のできている不動産会社からの紹介です。バルク売り物件の多くは、マンション開発事業者と区分マンション所有の地権者から売り出されます。

日ごろから収益物件探しで不動産業者との関係性を築いていれば、バルク売り物件が売り出されたタイミングで紹介してもらえるかもしれません。

投資向けセミナーに参加するなど、普段から多くの不動産業者と関わりを持っておくことをおすすめします。

まとめ

バルク売りとは、複数の物件をまとめて販売する方法です。一般的な価格より安く、かつ大量に物件を購入できるため、賃貸で利回りの高い経営が期待できます。

一方で、単体では販売できない物件をまとめて販売しているケースもあるため、購入前には必ず、物件ごとに調査を行うようにしましょう。