不動産投資で法人化するメリット・デメリット!法人化の流れも紹介!

不動産投資を始める際、個人と法人のどちらかで始めることになります。これから不動産投資を始めたいと思う人にとって、どちらで開始するのが良いのか、気になるポイントなのではないでしょうか。 また、すでに不動産投資を開始している人の中にも、節税として法人化を検討している人もいるでしょう。 今回は、不動産投資の法人化を検討している人へ向けて、不動産投資の法人化のメリット・デメリット、法人化のタイミング、法人化の流れについて解説します。

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不動産投資で法人化するメリットとデメリット

そもそも不動産投資の法人化とは、不動産の所有者が代表となり、株式会社などの法人を立てて資産管理会社を設立することです。個人で運営するのではなく、法人として不動産投資を運営します。

代表となった不動産所有者は、資本管理会社に資本を出資して、管理会社が不動産を購入、管理、運営をします。収入は会社から役員報酬という形で受け取ります。

ここでは、そんな不動産投資事業の法人化によるメリットとデメリットを紹介します。

メリット

メリットは、主に以下の3つが挙げられます。

節税効果が高い

法人化によって高い節税効果が期待できます。

たとえば、不動産所得が高額になった際、課される税率は個人事業主として支払う所得税よりも、法人として支払う法人税の方が低くなります。そのため、法人化することで税率を下げ、課税額を抑えられるのです。

そのほかにも、相続税対策ができるなど、法人化には個人事業主ではできない節税対策が行えます。

より多くの経費を計上できる

法人化は個人事業主よりも経費計上できる科目が多くあります。法人になると、退職金の積み立てや家族を役員として役員報酬を支払うことも可能になり、これらは経費として計上できます。

また、個人事業主が減価償却費を毎月決められた額で償却しなければならないのに対し、法人化は任意で償却できます。これにより利益の調整が可能となるなど、これも法人化ならではのメリットです。

 

損失の繰越期間が長い

確定申告の際、青色申告を選び申告している場合は投資運用で出た損失を翌年以降に繰り越すことが可能です。これは個人でも法人でも同じですが、個人と法人とで繰り越せる期間が異なります。

個人の場合は3年間、法人化なら最大10年と、法人化の方が繰り越せる期間は長くなります。

デメリット

メリットがある一方、法人化にはデメリットもあります。主に以下の3つがあります。

開業に手間や費用がかかる

法人設立にはさまざまな準備と手続きが必要なので手間がかかります。しかし、法人設立に必要な資料作成や手続きは専門家に依頼する方法もあります。

ただ、法人化への費用が25~30万円程度かかるので、専門家へ依頼となると、さらに費用がかかります。

赤字でも法人住民税の負担がある

法人化すると法人住民税の支払い義務が発生します。法人住民税は赤字であろうと納税しなければいけません。自治体によりますが、おおよそ年間7万円を負担します。

ランニングコストがかかる

法人化することで税務処理や会計処理が複雑化します。確定申告や決算書の作成のため税理士や会計士に依頼することにもなるでしょう。

さらに、従業員への社会保険加入など、法人を維持するための必要コストが出てきます。

不動産投資で法人化すべき適切なタイミングとは

不動産投資で法人化を検討するタイミングとしては、投資開始時と事業規模が大きくなったときが最適なタイミングとされています。それぞれ詳しく紹介していきます。

投資開始とともに法人化する

目標とする投資規模が大きいのであれば、不動産投資の開始時から法人化することをおすすめします。個人で投資事業を開始し、途中で法人に切り替えるという場合は、法人に資産を移管させますが、この際に不動産取得税や登録免許税を支払うことになります。

個人で物件を購入したときに一度支払っているものを二重に払うことになりますが、はじめから法人として不動産を購入していれば、これらの支払いが1回で済みます。

こういった理由からも、はじめからの法人化がおすすめです。

個人よりも税額が低くなるタイミングで法人化する

個人事業主と法人では課税率が異なります。個人事業で課税所得が900万円を超えると、所得税率が法人税を上回ります。このため、課税所得が900万円になるタイミングが法人化すべきかを判断する一つの目安になります。

不動産投資で法人化する流れ

不動産投資の法人化はどのように進めるのでしょうか。流れを4つのステップで紹介します。

1.会社設立の準備をする

まずは社名や本店所在地、発起人、代表者、事業目的等を決めます。

社名(商号)は、同一所在地で同一商号をつけることができないというルールがあるので注意が必要です。本店所在地は、事務所やバーチャルオフィス(登記可能か確認要)、自宅でも問題ありません。

事業目的は不動産事業です。事業目的の最後に「前各号に付帯する一切の事業」という文言を入れておくと、事業の幅が広がりますので加えておくと良いでしょう。

法人設立において資本金は1円でも設立可能ですが、設立時の運営コストを考えて数十万円は用意しておくと良いでしょう。

2.印鑑や定款を作成する

会社設立にあたっては代表者印、社印、銀行印の3つの印鑑が必要です。印鑑は即日作成できるものもありますが、手彫りにこだわるのであれば2週間程度かかることもあるので早めに準備しておきましょう。

定款の作成ですが、設立する法人が株式会社の場合は、定款を公証役場に持ち込み、公証人の認証を受ける必要があります。合同会社なら定款認証は不要です。定款認証は、本店所在地の都道府県内のみの公証役場で手続きできます。 

定款の作成や認証は初めて取り組む人にとっては難易度が高いものです。書類に不備があれば、何度も出直さなければなりません。公証人に事前確認を依頼してミスを未然に防ぐ、あるいは司法書士に作成を依頼するなど、検討しても良いでしょう。

3.必要書類を準備する

つづいて登記に必要な書類を準備します。登記申請書・取締役の印鑑証明書・資本金の払込みを証明する書類などがあります。

【登記申請書】

登記申請書は申請に必要な書類で、社名などを記入して作成します。フォームは法務局のWEBサイトからダウンロードできます。

【取締役の印鑑証明書】

3ヶ月以内に取得したものを用意します。

【資本金の払込を証明する書類】

資本金を振り込んだ後に通帳の表紙や記帳欄、個人情報欄などをコピーし製本したものです。

株式会社か合同会社かによって揃えるものが異なりますので、確認しておきましょう。

4.会社設立の届け出を提出する

登記申請は本店所在地を管轄する法務局で行い、設立登記の申請と法人実印登録をします。申請方法は窓口・郵送・オンラインの3つです。

登記申請日が会社設立日になります。会社設立日に希望日があるなら、その日に間に合うように準備を進めましょう。郵送の場合は法務局に申請書が届いて受付された日が会社設立日になるので注意が必要です。

登記が完了した後に、税務署・市町村役場・年金事務所などに会社設立の届け出を提出します。税務関連の手続きは期限があるので、速やかに手続きしましょう。

まとめ

不動産投資の法人化には、適したタイミングがあります。法人化には確かなメリットがありますが、同時にデメリットもあります。タイミングだけでなく、法人化が自身に悪影響にならないか、吟味することも大切です。事業の成長に合わせて不動産投資の法人化を検討していきましょう。