【不動産投資】始めるタイミングはいつ?考えられるリスクと対策を解説

不動産投資に興味はあるものの、どのタイミングで始めたら良いのか、なかなか足を踏み出せない方もいるでしょう。今回は、不動産投資を始めるのにおすすめのタイミングを解説します。また、リスク回避のコツも紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

この記事は約13分で読み終わります。

不動産投資を始める最適なタイミングとは

効率的な資産形成のためには早く始めるほうが良いと言われるものの、勢いだけで始めるのは失敗のもとです。ただし、躊躇してばかりだと、せっかくのチャンスも逃すことになりかねません。自身のライフスタイルを見ながら、タイミングを見計らいましょう。

物件で考える!不動産投資を始めるタイミング

不動産投資を始めるのに最適なタイミングは、投資環境が整ったときです。具体的には、資金面・物件面で有利な条件を得たときになります。

ローンの金利が低いとき

ローンの金利が低いときは、不動産投資を始める絶好のタイミングです。金利が低ければ支払い総額を抑えられるため、不動産投資を有利に進めやすくなるでしょう。

現在、不動産投資ローンの金利相場は2%前後と低水準が続います。金利面では不動産投資を始める絶好のチャンスといえる状況です。

なお、ローンの金利は市場環境のみならず、個人の属性によっても変わってきます。ライフスタイルにおけるタイミングとも照らし合わせることがポイントです。

好物件が見つかったとき

自分の希望に合致する物件と出会える機会は限られているものです。チャンスを逃さないためにも、あらかじめ希望条件に優先順位をつけておくのがおすすめです。

なお、物件探しでは市場が活発になるシーズンを意識しておくことも重要になります。

特に2~3月は就職や転勤、子どもの卒入学などに合わせて住み替えの需要が高まるため、売物件が増える傾向にあります。単身者向けの物件は、転勤による入居者の退去後リノベーションを行ってから売りに出されることが多いので、その分売りに出る時期は遅れ気味になります。

売買が増える時期があるのに対して、売りに出される物件が少ない時期も存在します。売りに出される物件が多い方が、物件の選択肢が広がるので、市場の動きを加味しながら探すと良いでしょう。

融資を受けられる目処が立ったとき

購入したい物件が見つかったら、次は融資を受けられる金融機関を探さなければなりません。一般的には、不動産会社の提携する不動産投資ローンを利用するか、自身で金融機関を探します。

実際に融資を打診してみて良い条件が提示されるのであれば、不動産投資を始めるベストタイミングです。

ライフスタイルへの影響が少ないとき

不動産投資ローンの審査は、物件の収益力だけでなく、個人の属性も影響します。一般的には、年収が高く勤続年数が長いほど審査は通りやすく、金利も優遇される傾向です。例えば、次のような傾向があるため、自身の状況に応じて不動産投資を始めるタイミングを決めましょう。

・昇給の予定がある…昇給後のほうが年収面で有利

・転職を考えている…転職前のほうが勤続年数で有利

・独立を考えている…会社員のほうが安定性を評価され有利

特に、転職直後や個人事業主の場合には、収入の安定性の面からローン審査や条件は厳しくなるため注意してください。

インフレ傾向にある

インフレの傾向が現れているときは、不動産投資を始めるおすすめのタイミングといえるでしょう。

その理由は、不動産は現金に比べると資産価値が下がりにくく、むしろ価格上昇によって売却益を得られる可能性が高まるためです。

インフレとはインフレーションの略語で、モノの価値が上がってお金の価値が下がっていくことを指します。

例えば、1,000万円を現金で持っていた場合にインフレが発生すると、物価が上がっているため同じ1,000万円でも価値は下がります。

一方、1,000万円で不動産を購入していた場合、インフレによって不動産の価値が1,500万円になったり、2,000万円になったりする可能性もあります。

もちろん、家賃上昇も期待できるため、賃貸として貸し出すことによって安定した利益も期待できるでしょう。

注意点としては、インフレが始まっているタイミングは判断しにくい部分があったり、地域によっては不動産価値が上がらなかったりする場合があることです。

インフレと不動産投資の関係は以下の記事で詳しく解説しているので、合わせてご覧ください。

インフレ対策に不動産がおすすめ?リスクと物件購入時のポイント

ライフスタイルで考える!不動産投資を始めるタイミング

不動産投資は金融機関のローンを利用できる投資ですが、フルローンで投資を始めるにはリスクも伴います。

ここでは、ライフスタイルで不動産投資を始めるベストなタイミングを解説します。

資金にある程度の余裕ができたとき

不動産投資を始めるタイミングとして挙げられるのは、資金にある程度の余裕ができ、生活に支障がないと判断できる場合です。

自己資金がないままフルローンで不動産投資を始めた場合、金利の変動によってキャッシュフローが大きく変化するリスクがあります。

また、不動産投資には事務手数料や印紙代、火災保険料などの初期費用が発生するため、これらが支払える余裕も必要です。

目安としては、自己資金が不動産価格の20%程度であれば金利リスクを抑え、もしもの場合もカバーできる範囲での運用といえます。

予想外の出費によって生活に支障が出ないように、資金にある程度の余裕ができたときに不動産投資を始めましょう。

もちろん、自己資金に合わせた不動産投資という選択肢もあるため、まずは不動産会社に相談することをおすすめします。

勤続年数が3年以上

不動産投資を若いうちから始めたい場合は、現在の勤め先で3年以上勤務した後が最適なタイミングの一つです。

不動産投資でローンを組む場合、審査にクリアする条件として勤続年数が3年以上が挙げられます。

年収が高く自己資金が豊富でも、勤続年数が短いと安定した収入が得られていないと判断されてローンが組めないケースも多いです。

そのため、勤続年数3年以上であるかどうかが、不動産投資を始めるタイミングを判断するポイントになるでしょう。

転職前

転職を検討していて不動産投資を始めようと考えている場合、タイミングとしては転職前がおすすめです。

不動産投資のローンでは、源泉徴収票や所得証明書などが年収の証明として用いられ、これらの書類は給与所得がないと発行できません。

転職先で一定の年収が見込めていても、実際に予定通りの収入が得られるとは限らず、ローン審査に影響する可能性があります。

また、転職を繰り返すと収入が不安定とみられやすくなり、収入の安定性が認められず審査に影響が出る可能性もあるでしょう。

ローン審査に通ったあとは転職しても問題ありませんが、職が変わることによって収入が減る場合は返済が難しくなる場合もあるため注意が必要です。

年齢で考える!不動産投資を始めるタイミング

不動産投資を始めるのに良いタイミングを、年齢面からも考えてみましょう。不動産投資を有利に進める年齢別のポイントも紹介します。

20~30代

不動産投資は、時間をかけるほど有利です。若いうちから始めておくと、それだけ規模の拡大が速くなり、大きな資産形成効果を期待できます。

とはいえ、20代では自己資金が限られることが多いでしょう。資金に応じて長期ローンを活用しながら、小規模物件から始めるのがおすすめです。中古の区分マンション投資は価格も手頃で、少資金からでも投資を始められます。

自身がローンの審査に通りにくい属性なら、不動産賃貸業の事業資金調達として「日本政策金融公庫(日本公庫)」を活用するのもひとつの方法です。融資期間が短くなる点には注意が必要ですが、低金利で借り入れができます。

30代に入ると、20代よりも収入が増えてくるので、融資条件は有利になるでしょう。ある程度の自己資金を確保してから、都心部の好物件を対象に投資を始めるのも有効です。

40~50代

40~50代になると、老後資金の確保を目的に不動産投資を始める人が多くなります。

この年代は年収の額も上がりローン審査に通りやすいため、融資を積極的に活用可能です。区分マンション投資のほか、自己資金が豊富なら一棟アパートや一棟マンション投資も可能と、投資の選択肢が広がります。

60代以降

60代以降になると、相続対策として不動産投資を始める人も増えます。年齢的に長期ローンを組むことが難しくなるため、自己資金や短期ローンでの購入を想定しておきましょう。

不動産投資はローンを活用して自己資金以上の物件に投資できるのが魅力ですが、すでにまとまった資金があるなら、全額自己資金で金利負担を抑える方が有効です。

なお、収益目的で不動産投資を行うのであれば、現物ではなくREITや不動産小口化商品などの金融商品で間接的に不動産投資を始める方法もあります。あわせて検討してみてください。

不動産投資を始めるタイミングは早い方がいい!その理由は?

不動産投資は可能であれば、始めるタイミングは早い方がおすすめです。ここでは、不動産投資を早く始めた方がいい理由を解説します。

返済期間を長く確保できるため

不動産投資を早く始めた方がいい理由は、返済期間を長く確保できるため、月々の返済負担が小さくなるためです。

不動産投資のローンの借り入れ期間は30年や35年などが選択できますが、完済時の年齢によっては長期ローンが組めません。

ローンや金融機関によって異なるものの、完済時の年齢が80歳を超えてくると、審査に影響する可能性が高くなります。

例えば、80歳で完済という条件なら50歳だと30年ローン、60歳だと20年ローンとなり、返済期間が短い分、月々の返済負担は大きくなるでしょう。

また、早いうちにローンを組んでおけば、完済の年齢に達したときにも現役で働ける可能性があり、返済の心配も少なくなります。

返済実績が作れるため

不動産投資を始めるタイミングが早いほど、ローンの返済実績を作りやすく、新たに投資を行う場合に有利になる可能性があります。

返済実績がある方が有利になるのは、何も取引をしなかった場合に比べて金融機関からの信頼が高まるためです。

早いうちからローンの返済実績を作り、長期に渡って滞りなく返済ができていれば、新たなローンも組みやすく不動産投資の拡大にもつながるでしょう。

病気のリスクが低いため

不動産投資を始めるタイミングが早いほど、病気のリスクが低くローンを組みやすいメリットがあります。

不動産をローンで購入する場合には団体信用生命保険に加入しますが、生命保険の一種となるため、健康状態を申告しなければなりません。

持病や健康に問題があると、団体信用生命保険に加入できない可能性があるため、若い方がローンを組むには最適です。

長期的に運用することでリスクの分散がしやすくなる

不動産投資を早く始めることによって、長期に渡って運用ができるため、複数の不動産を取得してリスク分散しやすくなる点もメリットです。

例えば、不動産Aと不動産Bという2つの不動産を取得した場合に、不動産Aで大きな損失があっても不動産Bで利益があれば損失は抑えられます。

また、異なる地域やタイプの異なる不動産を取得することで、市場の変動が起こったときの保険としても活用できるでしょう。

不動産投資を早く始めるために必要な対策

不動産投資を早いタイミングで始めるためには、事前対策も必要となります。ここでは、不動産投資を早く始めるために必要な3つのことを解説します。

目的を明確にする

不動産投資を始める前に必要になるのが目的の明確化です。

目的が明確になっていないと、投資方法やエリア、物件などを定めることができず、失敗に終わってしまう可能性があります。

不動産投資の目的としては、「今の収入を増やしたい」「老後の備えをしたい」「節税したい」などが挙げられるでしょう。

目的が明確になったら、以下のステップで具体的な目標を決めていきます。

  1. いつまでに
  2. どんな流れで
  3. どれくらいの収益を得るのか

最終的な目標が決まったら、どんな不動産に投資をしたらいいのか、資金はどれくらい必要なのかなどが絞られてきます。

自己資金の確保

不動産投資を早く始めるためには、自己資金の確保に努めなければなりません。

自己資金がなくてもフルローンで投資を始めることはできますが、借りられる金額には限度があり、初期費用を用意する必要もあります。

また、自己資金が多ければローンの限度額が高くなり、購入できる不動産の選択肢も広がるため、収益性の高い物件が見つかりやすくなるでしょう。

不動産投資を検討している場合は、投資を始めるタイミングまでに自己資金を確保しておくと、運用にかかる負担が小さくなります。

属性の向上

不動産投資を早く始めるためには、ローンが組みやすいように、個人属性の向上に努めなければなりません。

属性とは融資を申し込む人の経済的な状態を示し、ローン返済能力の有無が評価される要素の一つとなります。

金融機関からの評価が高ければ属性が高いとされ、より有利な条件でローンを組みやすくなるというわけです。

不動産投資のローンにおいては、以下のような状況にある人は属性が高いといえます。

・毎月安定した収入がある
・勤続年数が長い
・公務員や上場企業など勤務先の安定性が高い
・預貯金や株式などの保有資産が多い
・延滞や債務整理などの経験がない
・社会的地位が高い

属性が低いと不動産投資ローンの制約を受ける可能性があるため、不動産投資でローンを検討している場合は属性の向上に努めましょう。

不動産投資のノウハウを学ぶ

不動産投資を早く始めるためには、不動産投資の知識を深めるために、ノウハウを学ぶことが大切です。

不動産投資は手堅い投資方法ではあるものの、運用にはリスクを伴うため、リスク対応できるように正しい知識を得ておく必要があります。

ノウハウを学ぶ方法としては、不動産投資セミナーへの参加や不動産投資会社の担当者に聞くなどが挙げられるでしょう。

気軽に不動産投資の勉強をしたい場合は、ブログやSNSで情報収集したり、投資に関する書籍を読んだりするのも効果的です。

また、不動産投資に関する資格取得を目指すのも、効率よくノウハウを学ぶために効果的な方法といえるでしょう。

不動産投資に関する勉強方法は以下の記事でも詳しく解説しているので、合わせてご覧ください。

知識ゼロからでも始められる不動産投資に関するおすすめの勉強法とは?

不動産投資はリスクを考慮して慎重に始めよう

不動産投資は、ミドルリスク・ミドルリターンに分類され、投資である以上リスクもあります。リスクと可能な対策についても理解した上で、慎重に始めましょう。

安定収益を確保できないこともある

不動産投資の収益は家賃収入ですが、必ずしも満室で経営できるとは限りません。空室が生じると十分な収益を確保できないリスクがあります。

十分に入居者を確保できていても、家賃滞納で一部の利益が滞ることも考えられます。また、建物は劣化するため、修繕費などのコストが発生することも想定しておかなければなりません。

不動産投資を始める際には、空室を回避するため、賃貸需要のリサーチをしっかり行っておきましょう。また、滞納に備えて家賃保証会社の利用や、修繕費対策として資金を積み立てておくなどの対策も必要です。

不動産価値の下落・金利上昇の可能性がある

不動産の価値は、エリアの人口減少や不景気、物件の老朽化などにより下落します。さらに、将来的に金利が上昇すれば、家賃収入を超える返済負担が生じるおそれもあります。

不動産投資の際には、さまざまなリスクを想定した上で、返済方法や出口戦略を考えることが必要です。今後の人口予測や売却時期を想定し、必要に応じて一定期間固定金利を活用するなど、対策を講じていかなければなりません。

災害により損失や被害が生じることがある

不動産投資は、災害リスクにも注意が必要です。物件に被害があれば家賃収入が得られなくなるばかりか、復旧コストも発生します。

災害リスク対策には、ハザードマップを参考にできるだけ災害リスクの少ない立地の物件を選択した上で、万が一の備えとして地震保険や火災保険への加入が必須です。入居者の過失にも対応できる、個人賠償責任保険の特約もつけておきましょう。

なお、保険で補償される範囲は契約内容によって異なります。条件や詳細をしっかり確認しておいてください。

まとめ

不動産投資を始めるタイミングに正解はないものの、早く始めるほど資産形成しやすくなります。

自身の資金状況やライフスタイルを考慮しながら、あらかじめ大まかな計画を立てておくことが大切です。

良い物件に巡り合える機会は多くないため、チャンスを逃さないようにアンテナを張っておきましょう。

不動産投資を始めたい方は、アセットテクノロジーにご相談ください。

アセットテクノロジーは、賃貸物件オーナー様のコンシェルジュとして不動産管理に関わる業務をさまざまな角度からサポートしています。

スマホやパソコンで契約状況や収入状況などが一目でわかるようになっており、資金管理や資金計画の効率化を図ります。

不動産投資に興味があるという方も、まずはお気軽にお問い合わせください。