【不動産投資】始めるタイミングはいつ?考えられるリスクと対策を解説

不動産投資に興味はあるものの、どのタイミングで始めたら良いのか、なかなか足を踏み出せない方もいるでしょう。今回は、不動産投資を始めるのにおすすめのタイミングを解説します。また、リスク回避のコツも紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

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不動産投資を始める最適なタイミングとは

効率的な資産形成のためには早く始めるほうが良いと言われるものの、勢いだけで始めるのは失敗のもとです。ただし、躊躇してばかりだと、せっかくのチャンスも逃すことになりかねません。自身のライフスタイルを見ながら、タイミングを見計らいましょう。

物件で考える!不動産投資を始めるタイミング

不動産投資を始めるのに最適なタイミングは、投資環境が整ったときです。具体的には、資金面・物件面で有利な条件を得たときになります。

1.ローンの金利が低いとき

ローンの金利が低いときは、不動産投資を始める絶好のタイミングです。金利が低ければ支払い総額を抑えられるため、不動産投資を有利に進めやすくなるでしょう。

現在、不動産投資ローンの金利相場は2%前後と低水準が続います。金利面では不動産投資を始める絶好のチャンスといえる状況です。

なお、ローンの金利は市場環境のみならず、個人の属性によっても変わってきます。ライフスタイルにおけるタイミングとも照らし合わせることがポイントです。

2.好物件が見つかったとき

自分の希望に合致する物件と出会える機会は限られているものです。チャンスを逃さないためにも、あらかじめ希望条件に優先順位をつけておくのがおすすめです。

なお、物件探しでは市場が活発になるシーズンを意識しておくことも重要になります。

特に2~3月は就職や転勤、子どもの卒入学などに合わせて住み替えの需要が高まるため、売物件が増える傾向にあります。単身者向けの物件は、転勤による入居者の退去後リノベーションを行ってから売りに出されることが多いので、その分売りに出る時期は遅れ気味になります。

売買が増える時期があるのに対して、売りに出される物件が少ない時期も存在します。売りに出される物件が多い方が、物件の選択肢が広がるので、市場の動きを加味しながら探すと良いでしょう。

3.融資を受けられる目処が立ったとき

購入したい物件が見つかったら、次は融資を受けられる金融機関を探さなければなりません。一般的には、不動産会社の提携する不動産投資ローンを利用するか、自身で金融機関を探します。

実際に融資を打診してみて良い条件が提示されるのであれば、不動産投資を始めるベストタイミングです。

4.ライフスタイルへの影響が少ないとき

不動産投資ローンの審査は、物件の収益力だけでなく、個人の属性も影響します。一般的には、年収が高く勤続年数が長いほど審査は通りやすく、金利も優遇される傾向です。例えば、次のような傾向があるため、自身の状況に応じて不動産投資を始めるタイミングを決めましょう。

・昇給の予定がある…昇給後のほうが年収面で有利

・転職を考えている…転職前のほうが勤続年数で有利

・独立を考えている…会社員のほうが安定性を評価され有利

特に、転職直後や個人事業主の場合には、収入の安定性の面からローン審査や条件は厳しくなるため注意してください。

年齢で考える!不動産投資を始めるタイミング

不動産投資を始めるのに良いタイミングを、年齢面からも考えてみましょう。不動産投資を有利に進める年齢別のポイントも紹介します。

20~30代

不動産投資は、時間をかけるほど有利です。若いうちから始めておくと、それだけ規模の拡大が速くなり、大きな資産形成効果を期待できます。

とはいえ、20代では自己資金が限られることが多いでしょう。資金に応じて長期ローンを活用しながら、小規模物件から始めるのがおすすめです。中古の区分マンション投資は価格も手頃で、少資金からでも投資を始められます。

自身がローンの審査に通りにくい属性なら、不動産賃貸業の事業資金調達として「日本政策金融公庫(日本公庫)」を活用するのもひとつの方法です。融資期間が短くなる点には注意が必要ですが、低金利で借り入れができます。

30代に入ると、20代よりも収入が増えてくるので、融資条件は有利になるでしょう。ある程度の自己資金を確保してから、都心部の好物件を対象に投資を始めるのも有効です。

40~50代

40~50代になると、老後資金の確保を目的に不動産投資を始める人が多くなります。

この年代は年収の額も上がりローン審査に通りやすいため、融資を積極的に活用可能です。区分マンション投資のほか、自己資金が豊富なら一棟アパートや一棟マンション投資も可能と、投資の選択肢が広がります。

60代以降

60代以降になると、相続対策として不動産投資を始める人も増えます。年齢的に長期ローンを組むことが難しくなるため、自己資金や短期ローンでの購入を想定しておきましょう。

不動産投資はローンを活用して自己資金以上の物件に投資できるのが魅力ですが、すでにまとまった資金があるなら、全額自己資金で金利負担を抑える方が有効です。

なお、収益目的で不動産投資を行うのであれば、現物ではなくREITや不動産小口化商品などの金融商品で間接的に不動産投資を始める方法もあります。あわせて検討してみてください。

不動産投資はリスクを考慮して慎重に始めよう

不動産投資は、ミドルリスク・ミドルリターンに分類され、投資である以上リスクもあります。リスクと可能な対策についても理解した上で、慎重に始めましょう。

安定収益を確保できないこともある

不動産投資の収益は家賃収入ですが、必ずしも満室で経営できるとは限りません。空室が生じると十分な収益を確保できないリスクがあります。

十分に入居者を確保できていても、家賃滞納で一部の利益が滞ることも考えられます。また、建物は劣化するため、修繕費などのコストが発生することも想定しておかなければなりません。

不動産投資を始める際には、空室を回避するため、賃貸需要のリサーチをしっかり行っておきましょう。また、滞納に備えて家賃保証会社の利用や、修繕費対策として資金を積み立てておくなどの対策も必要です。

不動産価値の下落・金利上昇の可能性がある

不動産の価値は、エリアの人口減少や不景気、物件の老朽化などにより下落します。さらに、将来的に金利が上昇すれば、家賃収入を超える返済負担が生じるおそれもあります。

不動産投資の際には、さまざまなリスクを想定した上で、返済方法や出口戦略を考えることが必要です。今後の人口予測や売却時期を想定し、必要に応じて一定期間固定金利を活用するなど、対策を講じていかなければなりません。

災害により損失や被害が生じることがある

不動産投資は、災害リスクにも注意が必要です。物件に被害があれば家賃収入が得られなくなるばかりか、復旧コストも発生します。

災害リスク対策には、ハザードマップを参考にできるだけ災害リスクの少ない立地の物件を選択した上で、万が一の備えとして地震保険や火災保険への加入が必須です。入居者の過失にも対応できる、個人賠償責任保険の特約もつけておきましょう。

なお、保険で補償される範囲は契約内容によって異なります。条件や詳細をしっかり確認しておいてください。

まとめ

不動産投資を始める最適なタイミングに、絶対的な正解はありません。自身の資金状況やライフスタイルを加味しながら、あらかじめ大まかな計画を立てておくことが重要です。良い物件に出会える機会は限られているので、そのチャンスを逃さないようにしましょう。